超次元ゲイム ネプテューヌ THE TRANSFORMATION   作:投稿参謀

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ギャグ回!

の、はずなのに少しシリアス。


第96話 日常の一幕

 オートボットのゲイムギョウ界における主な活動拠点、プラネテューヌのオートボット基地。

 基地には様々な空間があり、その中には『オートボットの大きさに合わせた部屋』や『オートボットと人間の交流のために両者の規格の家具が用意された部屋』がある。

 そして当然、『人間向け』の休憩室もある。

 

 今回の話はその人間用の休憩室から始まる。

 ここには各国の四女神とプルルートが基地に集まっていた

 かの武装組織ハイドラと、その黒幕であった企業連合について話し合うために集まったのだが、一通り報告と話し合いも終わり、休憩室で一息吐いているところである。

 

 ハイドラは残党の多くが行方不明であり、企業連合もリーンボックスのモージャス・カンパニーを含めて数社が未だ証拠不十分であるため、予断を許さない。

 ディセプティコンのことで色々忙しい時ではあるが、ならばこそ裏でコソコソと動き回り世を乱した企業連合は許し難く、不真面目女神のネプテューヌでさえ……あるいは、彼女だからこそ……頃合いを見て女神の名の下に強権を発動する腹積もりだと言い切っていた。

 

 ……それはともかく。

 

 オートボットたちが何やら自分たちだけで話があると言うので、女神たちはこの休憩室で思い思いの姿勢でくつろいでいたが、そこにラチェットがロディマスを抱っこしてやってきた。

 人間用の休憩室ではあるが、そこはオートボットの基地、彼らでも入れるようになっている。

 

「ネプテューヌ、いるかい? 頼まれていた検査、終わったよ」

「お、ラチェット! ありがとー!」

 

 ネプテューヌにロディマスを渡しながら、ラチェットは薄く微笑む。

 

「検査結果は……『健康は』100%問題なしだ」

「うん、良かったー。ロディ、大人しくしてた?」

「ああ、彼は大人しい子だね」

「そっかー、偉いよロディ。いい子でちゅねー」

 

 ネプテューヌに頬ずりされて、ロディはとても嬉しそうにキュイキュイと発声回路を鳴らす。

 

「それではネプテューヌ、私はオプティマスたちと話があるから……」

「うん! また後でねー!」

 

 ネプテューヌが挨拶するのに合わせて、ロディマスはラチェットに手を振る。

 

「そうだ! みんなに紹介するね! この子はロディマス! ロディマス、ほらご挨拶」

 

 女神たちに向けて、ロディマスを紹介するネプテューヌ。

 ロディマスは挨拶のつもりなのか、手を振りながらキュイキュイと鳴く。

 

「は~い、よくできましたー♡」

「ロディ君は~、ねぷちゃんが大好きなんだね~」

 

 頬を緩ませっぱなしのネプテューヌ。

 プルルートもニコニコしている。

 

『………………』

 

 しかし、プルルートとネプギアを除いた三人は口を開けてポカーンとしていた。

 その様子に気付き、ネプテューヌは首を傾げる。

 真似してロディマスも首を傾けた。

 

「あれ? みんなどうしたの?」

「………………ネプテューヌ、あなた……」

 

 ようやっと、茫然としながらも声を絞り出した。

 

「ついにオプティマスとの間に子供を……」

「そうそう、何せ二人の愛の結晶だから可愛くて……って違うから!! って言うかこのやり取り、ぴーこの時にも似たようなことがあったよね! 懐かしいー!!」

 

  *  *  *

 

 その後、ネプテューヌの説明……ディセプティコンの子であることはボカしつつ……を受けて、一同は何とか納得したようだった。

 

「まったく! こんな短い間に子供が出来るワケないじゃん!」

「いやだって、ねえ……てっきり、トランスフォーマーとプラネテューヌの謎技術で作っちゃったのかと……」

 

 プンプンと憤慨するネプテューヌに対し、ノワールはバツが悪げだ。

 

「しかし、失礼ですが、ネプテューヌに子育てなんて出来るのでしょうか?」

「犬猫とはワケが違う……この世で子供ほどコントロール不可能なものはないわ……」

 

 ベールが疑問を呈すると、ブランが実感の伴ったことを言う。伊達に妹を二人も持っていないようだ。

 対してネプテューヌは、ロディマスの背を撫でながら自信ありげに笑む。

 

「うん、わたし一人じゃ無理かな。だから、オートボットのみんなに手伝ってもらって育ててこうと思って」

「あら? 人任せ?」

「こういうのは、無理して一人で!とかしない方がいいと思うんだ。……それに『オートボットのみんな』で育てることが大切なんだよ」

 

 自身の悪戯っぽい言葉にもハッキリと返すネプテューヌに、ノワールは平時の彼女らしくないと違和感を感じつつも、言っていることは最もなので反論しない。

 と、プルルートが何かに気が付いた。

 

「ねぷちゃ~ん、ロディ君、眠たいみたいだよ~」

「え? ああ、本当だ。それじゃあ、子守唄を歌ってあげるね」

 

 そう言って、ネプテューヌは子守唄を口ずさむ。

 ジャ○アン級だったのも今は昔、美しい歌声を聞いて、うつらうつらしていたロディマスは欠伸をして目をつぶる。

 しばらくすると、寝息が聞こえてきた。

 

「ふふふ、お休み、ロディ……」

「ネプテューヌ、その子、本当にあなたの子供じゃないの?」

「もう、ノワールったら! 繰り返しのギャグも過ぎるとくどいよー」

 

 一瞬、ネプテューヌの姿が酷く母性に溢れたものに見えて、思わず素っ頓狂な問いを放ってしまったノワールだが、当の本人はケラケラと笑う。

 

「そう言えば、ネプテューヌ。前々から聞こうと思っていたのだけれど……」

 

 子供(ロディ)が寝静まったのを確認してから、ノワールは話を切り替えた。

 

「あなたとオプティマスって、どこまで進んでるの?」

「……ああ、それは気になるわね」

「そうですわね。実際のところどうなんですの?」

 

 三女神は口々に問う。

 なんだかんだ言って色々と焚き付けた身なので、二人の進展は気になった。

 単純に女の子の性として恋バナが好きなのもあるが。

 プルルートも興味津々といった様子だ。

 好奇の視線にさらされて、ネプテューヌはちょっと恥ずかしげだ。

 

「どこまでって……まあ、普通に」

「らしくないわね。『わたしとオプっちはラブラブだよー!』くらい言うかと思ったのに」

「そうだよ~、ねぷちゃんと~、オプっちは~、ラブラブだよ~」

 

 ノワールに問い詰められて言いよどむネプテューヌに代わって、プルルートが答える。

 

「こう言ってるけど……キスくらいしたんでしょう……?」

 

 ブランはニヤニヤと目を細める。

 オートボットと女神とは言え、まあ恋人同士だ。

 それくらいはしているだろう。

 だがネプテューヌは真っ赤になって首を横に振った。

 

「ききき、キスだなんて……そんな、そういうのはもっと段取りを踏んでから……」

 

 ――なに? これ。

 

 この、無駄にバイタリティに溢れ、何事もグイグイと押し通す強引さを持ち、羞恥心とかにも欠けてそうな駄女神らしかなぬ奥手な反応に、三女神は揃って面食らう。

 

「その、デートくらいはしているのでしょう?」

「それくらいは……いっしょに遊んだり、わたしの外出に付き合ってもらったり……」

 

 ベールに言われれば、消極的に答え、

 

「……例の『精神直結』とやらは……当然まだよね……」

「あああ、当たり前でしょ!!」

 

 ブランに精神を繋げることで充足感を得る、精神直結についての話題を振られば、この通り熱したヤカンのように湯気を吹き出す。

 

 つまり、ネプテューヌは恋愛沙汰についてはまるで寝んねちゃんと言うことだ。

 

「も、もー! 何さ、みんなして! そう言うみんなはどうなの!?」

 

 普段振り回す側ゆえに防御力が弱いネプテューヌは、守りを捨てて反撃に転じる。

 

「私? 私はアイアンハイドとの仲は良好よ。そもそも恋愛関係じゃないしね」

 

 しかし、オートボットの武器スペシャリストとは父娘のような関係のノワールは動じなかった。

 少なくとも、ネプテューヌの次の言葉までは。

 

「ノワールのファザコン!」

「ふぁっ!? ベべべ別に、アイアンハイドのことなんか、おと、おと、お父さんみたいとか思ってないし!」

「あなたも分かりやすいわね……」

 

 ツンデレのテンプレート的反応を見せるノワールに呆れるブラン。

 そんなブランをノワールはキッと睨む。

 

「あなたはどうなのよ! ミラージュとは!」

「………………うふふ」

 

 何故だか、ブランは小さく笑う。

 だがそれは怒りを抑えての笑みだった。

 

「ミラージュ……そうよ、ミラージュ。あの野郎……!」

「おおお、落ち着いてブラン」

「わたしは冷静よ……ふっふっふ」

 

 ブランの纏う空気が段々と剣呑になっていくのを察知し、ネプテューヌは急いで話題を変える。

 

「そ、そう言えばベール! ベールはどうなの? ジャズとは上手くやってる?」

 

 強引に話に巻き込まれて、しかしベールは余裕の笑みを浮かべる。

 例によって胸を強調しながら。

 心なしか、以前より色気が増した気がする。

 

「もちろんですわ。わたくしたち、概ね仲良くしていますわ。相性ばっちりですもの。……色々、ね」

「…………」

 

 コメカミに青筋を浮かべるブランだが、ネプテューヌはマズったと他に話題を振る。

 

「ぷるるん! ぷるるんは、誰か気になる人とかいないの?」

「ほえ~?」

 

 寝息を立てるロディマスを撫でていたプルルートは、コテンと首を傾げる。

 人差し指を頬に当てて少し考え、そして答えた。

 

「う~ん、わたしは~、ショッ君のことが~、気になるかな~」

「ショッ君って、確かショックウェーブ……ああ、獲物として、ってことね……」

 

 嘆息するノワール。

 何せ、この異界の女神はディセプティコンの科学参謀を自らの獲物と定めている。

 

 そのうち、「この気持ち、まさに愛!」とか言い出すんじゃなかろうか。

 

「う~ん……まあ、それでいいや~……」

 

 しかし、プルルートは少し複雑そうだった。

 自らの感情が何なのか測りかねているようだった。

 

「……まあいっか~。それでね~、これは~お守り~」

 

 そう言ってプルルートが掲げたのは、いつだったか作ったショックウェーブを模したヌイグルミだった。

 

「いつもいっしょなんだよ~」

「な、ナルホドナー……それじゃあ、わたしのお守りも見せてあげるね!」

 

 ギュッとSDショックウェーブを抱きしめるプルルートに、何とも言えない顔になるネプテューヌだが、気を取り直して自分も懐からお守りも取り出す。

 

 金属のボルトにナット、何かの装甲の一部と思しい小さな金属板、それに小瓶に入れられた黄色い液体だ。

 

 よく分からない品々に、ノワール以下女神たちは一様に首を傾げる。

 

「なんなの、これ?」

「えっとねー、これはオプっちのパーツだよ!」

「……えっ?」

 

 愕然とする一同。

 それに気付かず、ネプテューヌは説明を始める。

 

「いやほら、オプっちって怪我が多いから、こうして使わなくなるパーツも出るんだよ。それをもらったんだ。いつもいっしょにいられるようにって。それとこっちの瓶に入ってるのは、オプっちの排油なんだって! こうしてれば臭いも気にならないし!」

 

 説明する間も、女神一同はドン引きしていた。プルルートでさえ、若干引いている。

 

「……あれ? みんなどうしたの?」

 

 やっとそれを察し、首を捻るネプテューヌ。

 

 ――アッ、これ分かってないヤツだ……。問題は誰が指摘するかだが……。

 

 自然と、ノワールに視線が集まる。

 ノワールは仕方がないと溜め息を吐いてから、頭上にハテナを浮かべるネプテューヌに向かい合った。

 

「ネプテューヌ、ちょっと聞きなさい」

「な、なにさ……あれ、この流れ?」

「ええ、そうよ。『また』なのよ」

 

 既視感を感じているネプテューヌの肩を掴み、ノワールは嘆息混じりに話始める。

 

「あのね、あなたのお守りは、オプティマスの『今は使わなくなったパーツ』なのよね?」

「う、うん……」

「つまり、元は『オプティマスの体の一部』だったわけ。『元は体の一部で、今は使わない物』さて、これを人間に言い換えると?」

「あ……」

 

 ネプテューヌはノワールの言わんとしていることを察し、顔を青くする。

 

 元は体の一部で、今は使わない物……つまり老廃物。

 

 ボルトやナットは、切った髪の毛や爪。

 装甲の一部は皮膚の一部。

 排油に至っては……・

 

「あ、あ、あううううう!!」

 

 恥ずかしさのあまり、ネプテューヌは顔を押さえて真っ赤になる。

 

 恋人の老廃物をお守りにして持ち歩いてる女。

 

 重い、重過ぎる。どんなヤンデレだ。一歩間違えばホラー映画の域である。

 

 小さくなっているネプテューヌに、ノワールたちは痛々しい物を見る目を向ける。

 

 プルルートだけは少し楽しそうだった。

 

 そんな喧騒にも関わらず、ロディマスはネプテューヌの膝の上でスヤスヤと寝息を立てているのだった。

 

  *  *  *

 

 ここで少し時間は遡る。

 

 女神たちが人間用休憩室で休んでいるように、オートボットはオートボットで基地の一室に集まっていた。

 机を囲んでいるのはオプティマス、ジャズ、アイアンハイド、ミラージュ、そして……。

 

「やあやあ、遅れてすまない。ロディマスの検査が少し長引いてね」

 

 ラチェットが笑いながら部屋に入ってきて、空いている席に座る。

 オプティマスは鷹揚に頷いた。

 

「構わないさ。それで結果はどうだった?」

「何も問題ないよ。健康そのものさ」

 

 快活に笑いながら、ラチェットは言い切る。

 しかし、アイアンハイドは渋い顔だ。

 

「例の赤ん坊か……いったいどこで拾って来たんだ?」

「分からん。ネプテューヌは、いずれ話してくれるだろう」

「俺はてっきり、オプティマスとネプテューヌが女神の謎パワーで子供をこさえたのかと思ったぜ」

 

 冗談めかしていたアイアンハイドだが、不意に真面目な顔になる。

 

「なあオプティマス。こんな話がある。ある戦場で、兵士が子供に話しかけた。ところが子供は銃を隠し持っていて……」

「アイアンハイド」

 

 悪趣味な話をしだすアイアンハイドに、オプティマスは低い声を出す。

 アイアンハイドは肩をすくめた。

 

「例えばの話さ! 用心するに越したことはないってだけだ!」

「子供とはいえ、素性の知れないヤツを基地に入れるのは、俺は反対だ」

 

 ミラージュも、否定的な意見を出す。

 不機嫌そうになるオプティマスに、ジャズがフォローを入れる。

 

「オプティマス、二人だって別に本気で疑ってるワケじゃないさ。ただ、キセイジョウ・レイやアリスの件もある。思ってた以上にディセプティコンの手が長くて、少しピリピリしてるのさ。……ラチェットが検査したんだから、無用の心配だと思うがね」

 

 ラチェットが深く排気してから、皆を諌めた。

 

「よそう。子供を疑うほど、我々は落ちぶれてはいないはずだ。……それに仕事の話をしたくて、我々を集めたワケではないんだろう? オプティマス」

「ああ、そうだともラチェット。実は、今日は皆に相談があって集まってもらった」

 

 話しを切り替えてくれたことに心の中で頭を下げつつ、オプティマスは皆を見回す。

 

「相談? いったい何なんだ?」

 

 アイアンハイドは首を傾げる。

 何か、大事だろうか?

 ミラージュやジャズも顔を引き締める。

 

 一同の視線が集まる中、オプティマスは厳かな顔で口を開いた。

 

「…………女の子は、どういう物を送られると喜ぶのだろうか?」

 

『はい?』

 

 思わぬ言葉にポカンとするアイアンハイドとミラージュ、そしてジャズ。

 オプティマスは目を伏せながら続ける。

 

「いや……そう言えば、私はネプテューヌに何もプレゼントしていないと思ってな。……アイアンハイドにはクロミアがいるし、ジャズはベールと付き合っているのだろう? だからぜひ助言をと」

「は、はあ……なるほど。……う、くくく……くっくっく、あっはっはっは!!」

 

 思わず頷くアイアンハイドだが、やがて堪えきれないとばかりに腹を抱えて笑い出す。

 ジャズとラチェットは顔を見合わせて吹き出した。

 

「な、なんだ、笑わないでくれ……」

「はっはっは! ……っと、すまんすまん! つい、嬉しくてな!」

 

 アイアンハイドはオプティマスの肩に腕を回す。

 

「お前さんが俺たちに頼ってくれることなんて、めったにないからな!」

「私は皆を頼りにしてるつもりだが……」

「こういうことでは、ってことさ」

 

 ジャズも踊るような動きでオプティマスの横へ移動する。

 どことなく不安げなオプティマスが、昔みたいで楽しくなってきた。

 

「まあ、お兄さんたちに任せときな! なあ、ジャズ!」

「そうとも! 少なくとも、このジャンルについちゃ、俺らの方が先輩さ!」

 

 ニヤニヤと笑う二人に挟まれて、オプティマスは居心地悪げながらも、微笑む。

 ラチェットは腰に手を当てて拗ねたような表情を作った。

 

「やれやれ、私は仲間外れかい? 酷いじゃあないか」

「ラチェット、そんなつもりは……」

「冗談だよ! そんな顔しなさんな」

 

 総司令官の肩に手を置き、ラチェットは反対の手を握ったり開いたりする。

 

「私としちゃあ女性への贈り物は食べ物がお勧めだね! もちろん手作りのね!」

「おいおい、馬鹿言うなよ、ラチェット。こういう時は、形が残るアクセサリーの方がいいだろう!」

「アイアンハイド、形なんざ残らなくても、いいって場合もあるぜ。最高のデートとかさ!」

 

 思い思いに進言するラチェット、アイアンハイド、ジャズの三人。

 オプティマスはどうしようかと悩む。

 

 一方、ミラージュはと言えば沈黙を保っていたが、やがておもむろに立ち上がると扉に向かって行った。

 

「ミラージュ?」

「付き合い切れん。俺は戻る。……オプティマス、あまり女神に肩入れするのは良くないと、俺は思う」

 

 そっけないミラージュの言葉に、ジャズが顔をしかめた。

 

「ミラージュ、お前はまた……」

「どうせ、いつかは別れることになる。だったら、あまり深い関係にならない方がいい。……その時に辛くなるだけだ」

 

 ジャズの制止をさらにさえぎって放たれたミラージュの言葉にオプティマスは複雑そうな顔になった。

 

「だとしても、その時までは楽しむさ」

「………………好きにすればいい」

 

 それだけ言って、ミラージュは部屋から出て行った。

 

「アイツはアイツなりに、色々思うところはあるみたいだな……」

 

 溜め息を吐きながらアイアンハイドは腕を組む。

 

 皆、分かっていた。

 ミラージュの言う通り、いつかは別れる日が来るのだ。

 

 重くなった空気を払うように、フッとジャズは笑みを作った。

 

「ま、オプティマスの言う通り、その時はその時さ。それより今はオプティマスの贈り物だよ! 何にする?」

「あ、ああ、そうだな……」

 

 再び考え込むオプティマス。

 

 四人は、遥かな昔のように、あーでもないこーでもないと話を続けるのだった。

 

 

 

 

 

 そんな輪の中にあって、ラチェットは少し別のことに思考を回していた。

 

 ロディマスのことだ。

 

 ネプテューヌもさすがに誤魔化せないと思ったのか、ラチェットには本当のことを言ってきた。

 ラチェットとてオプティマスが雛を害するとは思っていないが念の為、そして医者としての守秘義務から、このことを伏せておくことにした。

 

 だが不可解なことがある。

 

 ロディマスはオートボットなのだ。それもタダのオートボットではない。

 

 その身に宿るCNAは、メガトロンの物だった。これはラチェットを死ぬほど驚かせたが、しかし身体的には100%オートボットだ。

 

 この矛盾がどういうことなのか……。

 

 これがオートボットのしいてはトランスフォーマーの未来を左右することを予感し、ラチェットは慎重にならざるをえないのだった。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

おまけ:ネプテューヌパワー・オプティマス・プライム&レイジング・メガトロン スペックおよび武装集。

 

 

 

ネプテューンパワー・オプティマス・プライム

体力・・・10

知力・・・9

速度・・・10

耐久力・・10

地位・・・10

勇気・・・測定不能

火力・・・10

技能・・・10

オプティマスとハードモード:ネプテューヌが合体することで現れる新たな姿。

背中のジェットパックにより飛行が可能になった。

二人の愛と絆が深まるほど、その力は増していく。

 

武装

プラネティックキャノン

ネプテューヌを経由して得たプラネテューヌのシェアエナジーを撃ちだす大出力のビーム砲。

 

バイオレットバルカン

毎秒2000発ものビーム弾を発射できるビームガトリング砲。

 

多弾頭ミサイル

背中のバックパックから発射するミサイル。

四つに分裂して敵に襲い掛かる。

 

障壁

本来は女神の力だが、ネプテューヌと合体することにより使用可能になった。

 

レイジング・メガトロン

体力・・・測定不能

知力・・・10

速度・・・10

耐久力・・測定不能

地位・・・10

勇気・・・9

火力・・・測定不能

技能・・・10

メガトロンとハードモード:レイが合体することで降臨した姿。

踵からのジェット噴射によりロボットモードでも高度な飛行能力を獲得した。

その恐るべき破壊力から逃れられる者はいない。

 

武装

ディメンジョン・カノン

異次元からエネルギーを引き出し、これをビームとして発射する最強兵器。収束型と拡散型に撃ち分けることができる。

引出すことが出来るエネルギーの量はメガトロンの精神力に左右され、故にメガトロンの意識しだいで無限に威力が上がる。

 

デストサンダー

背中と頭部の角から放つ雷撃。

敵を攻撃する他、バリアのように体の周りに張り巡らせて敵の攻撃を防ぐことが出来る。

 

武装はこの二つにハーデスソードのみだが、この二つがひたすらに強力なので何の問題もない。

 

※ちなみにどちらの場合も合体している女神は機体各部の制御を担当。決して何もしてないワケではない。

 




おまけのスペックは、あくまで指標です。

スペックが可笑しいことになってるけど、いわゆる『ぼくのかんがえたさいきょうのとらんすふぉーまー』なんで、勘弁してださい。

次回は、レース回! ……の前にD軍側のギャグか、番外編やるかも。

では。

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