ソードアート・オンライン ~少女のために~   作:*天邪鬼*

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テストが近づいてくる・・・


8話 ソードアート・オンライン

家に帰ると靴が一つ多いのに気付いた。

今家にいるのはスグだけのはずだ。

 

「誰のだこれ?アイ知ってるか?」

 

俺は携帯のカメラレンズをその靴に向けた。

 

『知りませんね。お客さまでしょうか?』

 

「マジか………」

 

最近は何とか他人でも話が出来るようになった。

が、それが逆に変らしくスグからは、

 

「ただの、コミュ障にまで治ったね」

 

と言われた、コミュ障になる事が治るってどうなんだよ。

とりあえず、俺は現在絶賛ニート生活中だ。

俺には関係ないだろうから、挨拶ぐらいですむだろう。

 

「ただいま~、誰か来てるのか?」

 

俺はリビングに顔を出し、何となくソファーを見た。

そこには、俺が知っている人物がいた。

 

「あ、お兄ちゃん!!茅場さんだよ!!茅場さん!!」

 

「……なんで?」

 

そこにいたのは、俺の憧れの人物、茅場晶彦だった。

彼は、天才ゲームデザイナーでさらに、量子物理学者として知られている。

それだけではなく、彼は今話題のVR技術に大きく関わっている。

そんな、エリート街道全力疾走中の茅場晶彦が俺の家に何の用だろうか。

 

「あ、あの、親はまだ帰ってきませんので……」

 

俺は何とかそれだけ言うと、親にメールをしようとする。

 

「違うよ、お兄ちゃん!茅場さんはお兄ちゃんに用があるんだって!!」

 

………は?何を言ってるんだスグは?あの、超エリート茅場晶彦が超ニートの俺に?

 

「そんな、訳ないだろう……」

 

俺はあきれ顔で言った。

 

『そうですよスグ様、こんな何処でも寝れるの○太くんみたいな人にあの、茅場様がお話

 など……』

 

「酷くないか?」

 

そこまで、俺はぐーたらしてない!!

 

「いや、私は本当に君に話があるんだよ和人君」

 

「『マジですか」』

 

そんな馬鹿な………

 

 

 

 

 

 

「で、あの、その話と言うのは?」

 

俺は茅場さんの隣に座りながら何とか話を聞こうとした。

 

『しっかりしてください』

 

アイに怒られてしまった。

こっちだって頑張ってるんだよ!!

 

「それはAIかね?」

 

茅場さんにアイの声が聞こえてしまったようで俺は説明しないといけなくなった。

 

「そ、そうです。俺が作ったAIで名前はアイです……」

 

うっわ~、めっちゃ緊張する~!

茅場さんに俺の作った(奇跡的に)AIを見せてる~!

 

『和人様に作っていただいたAIのアイです』

 

「随分と高性能だね」

 

「あ、いや、これは偶然で……」

 

と俺が説明しようとした時、茅場さんが真剣な目で言った。

 

「実は、君のプログラミング技術を見込んで依頼したい事がある」

 

「依頼?」

 

スグは台所で呆けている。

アイは何も言わない。

俺は唖然としている。

 

「話をしよう。少し長くなるけどいいかな?」

 

「はぁ、いいですけど……」

 

何の話だ?

そこで俺は、あるゲームの事を聞く。

そして、そのゲームの核となる人間のメンテナンスを必要としないプログラムを作ってほしいと言う事。

話が終わるといくつかのの疑問をぶつける。

 

「茅場さんならそれぐらい作れるんじゃないですか?」

 

疑問1 茅場さんなら作れるんじゃないか?

 

「私はゲームデザイナーであって、プログラマーではないよ」

 

「そうなんですか、なら茅場さんがいるア―ガスにいるんじゃないですか?」

 

疑問2 茅場さんの身の回りの人が作ればいいじゃん。

 

「一切のメンテナンスが必要としないMMOの核となると難しいんだよ」

 

そして、最後の疑問。

 

「何で俺なんですか?」

 

俺が一番の疑問に思っていることだ。

なぜ、茅場さんは俺を選んだのかだ。

俺なんて引きこもってるから外との関係は木綿季がいる病院ぐらいだ。

 

「1年前の事だ」

 

「え?」

 

いきなり、昔話が始まった。

 

「ア―ガスのデータバンクに謎のハッキングプログラムを持ったAIが現れた」

 

「………」

 

何も言えなかった。

 

「そのAIは奇妙なことにア―ガスの厳重なブロックを簡単に破ったのにだ、何もせずにどこかに消えてしまったのだ」

 

「………」

 

何も言えなかった

 

「さらに、凄いのはそのAIは足跡をほとんど残さずに消えてしまった」

 

「………」

 

何も言えなかった

 

「私はア―ガスのプログラマー全員に頼みこのAIの発信場所を探させたよ」

 

「………」

 

何も言えなかった

 

「そして、つい先日発信場所が特定した」

 

「すいませんでした!!」

 

もう限界だった。

心当たりが有り過ぎてやばい。

そのAIって完全にアイじゃんか!!

 

「おい!アイお前何してるんだよ!!」

 

『情報収集中の記憶はありません』

 

「いや、お兄ちゃんが悪いでしょ……」

 

どうしよう………ここまで高いハッキング機能だったなんて………

最悪だ………

 

「いや、いいんだ。盗まれたわけじゃないのでね」

 

「本当にすいませんでした」

 

俺はあらためて茅場さんに謝った。

 

「これで何故君に依頼しようと思ったのかわかったかな?」

 

「わかりました」

 

ア―ガスの全プログラマー総掛かりで1年かけないと見つからないAIを作り、

ア―ガスの厳重なブロックを簡単に破壊できるハッキング機能。

その2つを作ったのだから、人間を必要としないプログラムも作れるはずだ、ということだろう。

 

「和人君、君は間違いなく日本一のプログラマーだよ」

 

「………あ、ありがとございます」

 

あの、茅場さんに褒めてもらえるなんて、しかも日本一とは。

 

「では、頼むよ。期限は来年の夏までだ」

 

「1年と少しですね、やってみます」

 

今は春、久しぶりにやる気が出てくる。

 

「では、また連絡する。これが私のメールアドレスだ」

 

茅場さんは一枚の紙を渡し帰ろうとした。

 

「この世界は、病気の子も入れますか?」

 

俺はある希望と共に言う。

茅場さんはその言葉が意外だったのか少し黙り答えた。

 

「勿論だ。この世界は病気で体が動けない人達も冒険できる世界だ」

 

「そうですか、ありがとうございます」

 

俺は大きな希望を見つけた。

木綿季も走れる!!

すると、茅場さんは、

 

「これはゲームであっても、遊びではないよ和人君」

 

「え?」

 

茅場さんは謎の言葉を残し帰ってしまった。

 

「お兄ちゃんすごいよ!!日本一だよ!!」

 

『良くやりました。もう、ぐーたらは出来ないと思って下さいね』

 

2人は俺に言ってくる。

てか、アイお前本当に酷くね?

そう言えば、茅場さんの前だと普通に会話で来たな。

やっぱり、憧れの人だからか?

 

「久しぶりに本気になるか」

 

俺が開発に協力するゲームの名は………

 

 

 

ソードアート・オンライン




やっとここまで、来た~
てか、疲れた~
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