ソードアート・オンライン ~少女のために~   作:*天邪鬼*

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自分の事をボクって呼ぶユウキはやっぱり可愛い!!


3話 暇なひと時

とある病院の、とある病室の、とあるベットの上。

 

「木綿季さ~ん、起きてくださ~い」

 

「むぅ~、あと五分だけ~」

 

女性看護師が耳元で優しく木綿季を起こそうとしていた。

 

「起きないと、8時半のご飯のデザート抜きですよ~、私が食べちゃうぞ~」

 

「私のゼリーに手を出すな~~!!!」

 

ゴンッ

 

木綿季と女性看護師、お互いのおでこがぶつかり合い、二人は倒れた。

 

 

 

 

 

 

ちなみに、この二人が同じ理由で倒れたのは3回目。

 

 

 

 

あの事故から数日が経過した。

和人はまだ目を覚まさない。

命に別条はないのは本当の用で、何回か和人が眠っている病室に行った。

でも、和人はやっぱり眠っていた。

そして、ボクは現在病院の中庭で散歩中。

よく晴れた昼間、猫がベンチで気持ち良さそうに寝ている。

とても平和な光景だな~。

ホントに平和、

平和、

へ………

 

「ひ~!ま~!だ~~~!!」

 

平和は良いけど何にもない!

朝起こされて、ご飯食べて、点滴変えて、あとは大体自由時間。

時々、女性看護師さんが来るけど何にもない。

面会時間の2時から8時の間も来るのは、和人の親と妹だけ、友達が来ない!!

………ボクって友達いないの?

いや、確かにいつも和人といたけど、ボク運動好きだし駆けっこではいっつも1位だったし、それなりに女子男子関係なくお喋りもしてたよ!?

あ~、全力で走りたい。

倉橋先生には駄目って言われてるけど、物凄く走りたい。

 

「うが~~!!」

 

どうしようもないこの気持ちを、ボクは大空へと解き放った。

ごめんね猫ちゃん起しちゃって……。

 

 

ケホッ

 

 

「叫びすぎた…」

 

イガイガする喉を押さえてボクは病室に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

病室には倉橋先生がいた。

 

「あ、倉橋先生」

 

「こんにちは、木綿季くん。さっきの叫び声は君かい?」

 

聞こえてたんですね。

中庭から少し離れたこの病室で聞こえてたのか………

入院中の皆さんごめんなさい。

心の中で謝罪をして、本題に入る。

 

「どうしてここに?」

 

ボクの傷はほとんど治っている。

倉橋先生が来るときは点滴の数を減らす時ぐらいだし。

ボクが疑問に思ってると、

 

「いや、ただ暇なもんでね。木綿季君の体調はどうかと思ってね」

 

医者にも暇があるんだね。

まぁ、さっき叫んだ時は喉がイガイガしたけど大丈夫。

体調は良くも悪くもなく普通。

 

「さっき、叫んで喉がイガイガしたけどもう治りました。体調も普通です。」

 

ボクはありのまま答えた。

すると、倉橋先生は難しい顔をした。

 

「本当に、叫んだから?」

 

何言ってるんだろう?ボクそう言ったよね?

 

「そうですけど………先生は心配性ですね」

 

ボクは倉橋先生を安心させるため笑顔で言った。

 

「そうか、なら良かった。いや~僕の心配性も治さないと」

 

その言葉に、安心したのか倉橋先生も笑顔で答えた。

 

「心配性を治す薬を買いましょう!!」

 

「薬局に行ってみるよ」

 

笑顔で先生は病室を後にした。

 

「全く、ボクは元気だって」

 

そう呟いてボクはベットに座った。

だけど、何故だろう?

倉橋先生の難しい顔をボクは今日一日寝るまでずっと、頭から離れなかった。

 

 

           

 

 

 

 ケホッ




次回はユウキがついに・・・
評価と感想お願いします!!
それではまた次回!




過去編が長いですね・・・

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