ソードアート・オンライン ~少女のために~   作:*天邪鬼*

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ビブリア古書堂の事件手帖の作者三上延さんのトークイベントに明日行ってきます!!
楽しみすぎる!!


17話 伝える

『和人様……』

 

和人様がSAOから出られなくなって数日、桐ヶ谷家はとても暗い場所になっていました。

木綿季様も同じ様にSAOから出られなくなってしまい、2人の家族が居なくなってしまった。

和人様も木綿季様も生きてはいますがいつ死んでしまうかわからないので不安です。

そこでどうにかSAOの中に入れないか運が良ければSAOその物を止められないかを今和人様の部屋で試行錯誤中です。

 

『これしか無いですね……』

 

カーディナルシステムの穴を探していましたが本当に完璧な作りで欠点が見つかりません。

改めて和人様の凄さが実感できました。

そんなカーディナルシステムから、数時間前に私はプレイヤーリストを見つけたのです。

そこには現在のプレイヤーの名前と人数、死んでしまったプレイヤーの名前と人数が表示されていました。

しかし、死者の数はニュースで何度も発表を繰り返しているので私の全力のハッキングは全くの無意味でした。

しかも、そのハッキングでカーディナルシステムのセキュリティはさらに強くなってしまい私でもハッキングはほぼ不可能になってしまいました。

ですが、このプレイヤーリストを見ていたらある発見を見つけたのです!

1万人とニュース等では放送されていましたが実際の人数は9999人。

つまり、1人だけSAOが始まったあの日にSAOにログインしていない人がいたのです。

そこで私はこの空いたアカウントを勝手にジャックして私の物にしちゃいました。

カーディナルシステムにはハッキングでしていないので簡単です。

そして、この後スグ様、お母様、お父様にこの事をお伝えしようと思っています。

私がSAOの中に行くと!

 

 

 

「アイちゃんがSAOの中に行く?」

 

『そうです、現在ナーブギアは発売されていませんので入手は困難。よって、人だとSAOの中に行けません。ですが、AIの私ならナーブギアもいりません』

 

お父様、お母様、スグ様の3人を説得するために私は私の思いを伝えました。

 

「アイちゃんは私達の家族なんだよ?これ以上家族が居なくなるのは嫌だよ……」

 

スグ様がテーブルのカメラに向かって涙を流しています。

家族、和人様に作られた私は人間ではない、それでも家族として私を見てくれるこの家はとても好きです。

 

「スグ様、誰も居なくなってませんよ?」

 

「え?」

 

「和人様も木綿季様もSAOの中で生きています。誰も居なくなってません。恐らく、いえ、絶対に和人様と木綿季様はSAOをクリアしようと戦っています。私はそのサポートをしたいんです」

 

和人様は自分の責任だと思いクリアを目指すでしょう。

木綿季様は会った事が無いのでわかりませんが明るい人だと聞いているのでクリアを目指しているでしょう。

 

「向こうで死んだらお前はどうなるんだ?」

 

こちらを見ずにお父様が聞いてきます。

 

「死んでしまった後本来はナーブギアで脳を焼かれますが私はAIなのでそれがありません。恐らくカーディナルシステムは私をバグと判断し削除しようとするでしょう。つまり、死ですね」

 

カーディナルシステムを騙す様な事をするのに死んで普通に戻ってこれるとは思えません。

通常プレイでは影響は無いと思いますが死んでしまうと流石にバレてしまいます。

 

「危なすぎるよ!私は反対だよ!!」

 

「スグ様、私は何を言われようとも行きます。明日にはログインするつもりです」

 

「ちょっと、アイちゃん!!」

 

心配してくれるのがとても嬉しいです。

けど、もう決めたんです。

私はSAOの中に行くと。

 

「母さん」

 

「わかったわ」

 

お父様がお母様を呼ぶとお母様がリビングを出てしまいました。

少しするとお母様が数枚の紙を持ってきました。

 

「アイには体が無いからね、私が考えてみたの。SAOでは必要でしょ?」

 

「ちょ、お母さん!?」

 

お母様はテーブルはカメラの前に紙を並べます。

銀色の髪に蒼い瞳とても可愛い絵です。

 

『これは?』

 

「ずっと、アイは声だけで体がなかったからね、私が仕事の空き時間に描いたの」

 

お母様は絵が上手だと初めて知りました。

どれも細かく描かれています。

 

『SAOの中に行ってもいいんですか?』

 

私はお母様に聞いたのですがお母様は笑うだけでした。

その代わりに答えてくれたのはお父様でした。

 

「本当は止めたいんだが、孫の初めての我が儘じゃ仕方ない」

 

『孫?』

 

「そうよ、和人が作ったならアイにとって和人はパパ、なら和人の親の私達はアイにとっておじいちゃんとおばあちゃんでしょ?」

 

おばあちゃんとおじいちゃん、私の家族。

 

「でもね、これだけは約束して」

 

『約束?』

 

「絶対に3人生きてこの家に帰ってくる事」

 

お母様の目は真剣だった。

私も真剣に返事をする。

 

『はい!』

 

「お母さん、お父さん!?本当にいいの!?」

 

スグ様が立ち上がり2人に問いかける。

 

「いいのよ、アイが決めた事なのよ?あ、直葉、もしかして自分がおばさんだってきずいて焦ってるわね?」

 

「おば……!!」

 

お母様は口に手を当て笑っている。

2人ともきずいていないがお父様が笑うのを我慢してて腕がプルプル震えています。

いつの間にか桐ヶ谷家は笑いで溢れていました。

 

 

『では、行ってきます』

 

SAOが始まって丁度1ヶ月の今日、私はSAOにログインする。

ここは和人様の部屋、3人と1匹が私を見送りに来てくれた。

 

「和人に伝えてちょうだい、必ず生き残れって」

 

笑っているお母様。

 

「私は信じてるよ!って伝えて!」

 

昨日は反対していたスグ様は元気に拳を前に出す。

 

「女を守るのが男だ」

 

お父様は腕を組んで堂々としている。

 

「ニャ~」

 

ましろ様はパソコンの画面に猫パンチ。

 

『必ず伝えます!!そして、生きて帰ってきます!!』

 

皆は笑って頷いてくれます。

 

『では!!』

 

私は和人様と同じ様に叫ぶ。

 

『リンクスタート!!』

 

私はSAOにログインした。

今、私が行きますので待ってて下さいね___

 

 

()()

 

 




アイがユイみたいになってきた……
でも、ユイは登場しますよ!!

それでは、評価と感想お願いします!!

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