バカとボケと召喚獣   作:神爪 勇人

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第3話 クラスメイト

「――ぉぃ―――ち―――――おい、祐一、起きぬか」

「ふが?」

 

如何やら机に突っ伏して寝ていたらしい。

グッと伸びをして起きる。

そして俺を起こそうと声をかけてくれた主に顔を向け、

 

「美少女がいる」

「ワシは男じゃぞ、まだ寝ぼけておるのか」

 

違った秀吉だった。

男のくせに相変わらず美少女な奴だ。

周りを見ると、結構な数の生徒が集まっていた。

かなり寝てたようだな。

 

「随分早く来ておったようじゃな。ワシもかなり早く来たはずなんじゃが、既にお主が居って驚いたぞ」

「今までずっと運動部を梯子してたからな、朝早く起きるのはクセになってんだよ」

「今年も何処かの部に顔を出すのかの?」

「あー・・・どうだろうな。ま、練習相手くらいは頼まれればやるつもりだが」

 

この学校の奴らじゃ、どの部でも相手にならないのは去年分かっちまったしな。

あんま自主的に参加する意欲が無い。

 

「暇なら、演劇部の練習に付き合ってくれんかの?」

「おう、いいぜ」

 

どうせ暇だしな。

 

「うぃーっす」

「おう、雄二」

 

ガラの悪い奴が寄ってきた。

 

「お前も同じクラスか」

「まぁな」

 

雄二は俺の机を見て「お?」と、乗せている水筒に気が付いた。

 

「茶貰っていいか、走って来たから喉乾いてよ」

「いいけどよ、別に遅刻するような時間帯でもねぇのに何で走って来たんだ?」

「何でも良いだろ」

 

どうせ霧島だろ。

雄二は俺の水筒でお茶を入れ、コップ部分に入れたお茶をグビッと飲み干し――――――

 

「――――――ブッフゥッ!?」

 

吐き出した。

 

「おいおい、何やってんだよ――――――」

「雄二よ、汚いぞ」

「――――――溢しやがって、勿体ないだろ」

「そっちなのか・・・・・・」

 

折角やったのに吐きやがって。

雄二はゴホゴホと咽ながら、水筒を俺に突きつける。

 

「おま、何だコレ!?」

「何って、どう見ても水筒だろ。ボケたか?」

「中身の話だッ‼」

「・・・・・・麦茶しか入っていない筈だが?」

「げほっ・・・ホントに麦茶か? なんか変な味がしたぞ」

「変な味?」

 

んな事ねぇハズだが。

俺は雄二から水筒を受け取り、コップに注ぐ。

 

「・・・・・・祐一よ、お主麦茶と言ったが、コレは本当に麦茶なのかのう?」

「麦茶だが?」

「しかし、麦茶の割りには妙に黄色くて白い泡が立っておるのじゃが・・・・・・」

「うん。だから(泡)麦茶だ」

「「ビールじゃねぇ(ではない)かッ‼」」

 

雄二と秀吉のツッコミがシンクロした。

 

「ビールなんて麦茶も同然だろ」

「水筒に酒なんて淹れんなよ!?」

「相変わらず酒好きじゃのう・・・・・・」

 

えー、何でこんなに不評なんだ。

キンキンに冷やして水筒内でそのままの温度で保温してるから、冷たいままの筈なのに。

 

「解せぬ」

「解せぬはお主の価値観じゃな」

「あー、クッソ。口直しに何か飲んでくるわ」

 

如何にも2人の口には合わなかったようだ。

 

「じゃあ今度は清酒にするか」

「「そもそも酒を持って(くるでない)くるな!」」

 

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