Justice前章:Labyrinth 嶺編   作:斬刄

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26話幽鬼の支配者(前)

ギルドを壊されても、その地下は無事だった。普段は倉庫として使われているが、修復するまでの間はそこで活動することとなる。

 

「よう!おかえり!」

「じっちゃん!何呑気にやってんだよ!

ギルドが壊されたんだぞ!」

「今がどんな事態かわかっておいてですか!」

 

ファントムがギルドを壊されたことに、憤っている。しかし、そんな状態にされてもマスターは呑気なまま笑顔でナツ達の帰りを待っていた。

 

「誰もいないギルドを狙って何が嬉しいのやら」

「襲ったのは夜中らしいの」

「では怪我人は出なかったのか…不幸中の幸だな」

「不意打ちしか出来んような奴らに目くじら立てることぁはねぇ!放っておけ!」

 

ギルドを襲われたことにナツ達は怒っている。理由もわからない以上彼らの手出しに対して、仕返しをしないことにも腹の虫の居所が治らなかった。

 

「納得いかねぇよ!俺はあいつら潰さやきゃ気がすまねぇ!」

「この話は終わりじゃ!

仕事の受注はここでやるぞい!

あとお前らが勝手にS級クエストを受けて行った罰じゃ…しっかり反省せんかい!」

「いでっ⁉︎」

「あだっ‼︎」

「なんでお尻…」

「マスター、怒りますよ!」

 

手短に罰は手を巨大化させて、ナツとグレイの脳天にチョップし、ルーシーのみ頭ではなくお尻に軽くやっただけだった。

酷い罰を受けるのかと思っていたが、こんな事態になった以上手短に済ますだけで終わった。

「いっつー…何でギルドを壊されても怒らねーんだよ。じっちゃん」

「ナツ、悔しいのはマスターも一緒なのよ。

でもギルド間の武力抗争は評議官で禁止されてるの」

「先に手を出したのあっちじゃねーかー!」

「マスターの考えがそうであるなら、仕方ないな….」

 

誰もいないギルドを壊された程度で、マスターの言う通りに目くじら立てる必要はない。先に手を出されても、その挑発に乗ればギルド間での戦争になりかねないと考えがあって何もしなかった。

結局、ファントムがギルドを壊したことを黙っておくことしかできなかった。

 

が、それでもこの街に来ているということはみんなの住所も調べられているとミラからの話があったので、一緒に動いたほうが安全だとナツとグレイ、エルザがルーシーの家に泊まっている。

 

「ナツとグレイだけ泊まらせるのは私としても気が引ける。

だから私も同席したというわけだ」

「気晴らしにな!」

「ナツとグレイは泊まるの確定なんだ…つか何故私んち」

 

ルーシーの家で3人は悠々自適に風呂に入ったり、部屋を探索していた。

ナツは机に寝そべり、グレイは寝転がり、エルザは着替えずにバスタオルに巻いただけだった。

 

「あの…みんな、ホントに寛ぎすぎ」

「あぁ、これは失礼。

これならば、はしたなくはないか?」

「へぇ〜着替えも換装なんだ」

 

エルザが気を使ってバスタオルだけの姿から、パジャマに変える。

四人は、襲撃のことで話をした。

 

「ねぇ…例のファントムって何で襲ってきたのかな?」

「ファントムとは小競り合いはよくあったものの、直接的な攻撃は今回が初めてだ」

「ファントムの奴ら数だけは多いからよ‼︎あんな連中さっさと」

「だから、それが不味いってさっきから何度も言ってるだろ」

ナツはまだ不機嫌になっているが、魔法界の秩序のためにマスターもミラも二つのギルドが争えば不味いことも説得する。

 

ファントムとフェアリーテイルは戦力が均衡しており、もし争えば潰し合いになってもおかしくなかった。

 

マスターマカノフと互角に戦えるマスタージョゼ、S級魔導師のエレメント4。敵側にもドラゴンスレイヤーこと黒鉄のガジルがいることも、戦争になれば双方ただは済まない事になるのも。

 

物を壊された程度で結局動くことはなかったが、目くじら立てるなと言われてもその現状維持も次の日には崩される。

彼らはギルドを壊されるだけではは飽き足らず、仲間を重んじるフェアリーテイルの逆鱗に触れるようなことをもしたのだから。

 

*****

 

次の日の早朝

住民が男二人と女一人の3人が大きな木に貼り付けにされているという話があった。

 

3人はフェアリーテイルであり、ボロボロにされていたとのこと。その噂話はフェアリーテイルのメンバーにも耳に入り、マグノリア南口公園へと向かう。

そこで彼らは

 

「ファントムが…やったのかっ‼︎‼︎」

 

大きな木に左からジェット、ミラ、ドロイの3人が貼り付けにされているのを見てしまった。ミラの腹部にファントムの印が刻まれ、手を出したことを見せびらかしている。

 

その情報は、ギルドマスターにも届く。

マカロフもまた、その現場に来ていた。

「マスターっ…」

「ボロ酒場までなら我慢できたんじゃがなぁ…

 

ガキの血を見て黙っている親はいねぇんだよ‼︎」

 

仲間の、家族の傷ついた姿にマカロフは激怒し、手に持っている杖を粉砕した。ルーシーは怯え、マカノフは小さく声を殺して宣言する。

 

「戦争じゃ…」

 

マスターの決断によりルーシーはマグノリア病院へ3人を看病し、それ以外の今いるフェアリーテイル全員がファントムロードに殴り込みへと向う。

行き過ぎた手出しにとうとう痺れを切らし、敵ギルドの中はフェアリーテイルが大暴れする。

 

フェアリーテイルを襲った背後には、彼らにとって別の目的もあった。

 

【大海のジュビア】

【大地のソル】

 

ファントムロードことエレメント4のメンバーの二人が、買い出しに行っているルーシーをウォーターロックで拘束させ、誘拐した。

彼女の身柄はマスタージョゼの元に届き、捕らえている思念体をマカノフに見せる。

 

「ルーシー…⁉︎何故っ…」

「何故?まさか、自分のギルドの仲間だというのに、ルーシー・ハートフィリア様が何者かご存知ないので?」

「やめろっ!」

ジョゼがルーシーをぶつけさせ、マカノフが戸惑っていたところを、背後にいた刺客と接触する。

 

(しまった…こやつ、気配がない)

「か、かか、か、悲しいっ‼︎」

 

マカノフの持つ多量の魔力は吸収され、皮膚が青緑のように変色していく。

「悲しすぎる!偉大なる魔導師が消えゆく悲しみなのかっ‼︎」

(ま、魔力が…ワシの魔力が…)

【大空のアリア】

 

二階が崩れ、魔力を空にされたナカノフが落ちていく。

魔力を失い、戦えなくなってしまった。

 

「じっちゃん!」

「マスターっ!」

 

弱っている姿にフェアリーテイルのメンバーが驚き、続々とマスターの側に集まっていく。

 

「これはもう、我々の勝ちですね…」

「い、いけるぞ!」

「こっちにはガジルも!エレメント4もいるんだ!ぶっ潰せ!」

 

マスターが倒れた事で、ファントム達も勢いづいていく。マカノフが再起不能になった以上、戦争継続は不可能だとエルザは判断し、撤退せざる終えなかった。

 

(いかん、戦力だけではない…指揮の低下の方が深刻だ)

「…撤退だ!全員ギルドに戻れ!

マスター無しではジョゼには勝てん!」

 

マカノフを連れて、ギルドへと戻っていく。他の仲間はまだ戦えると叫ぶが、これ以上戦っても追い込まれるだけだった。

 

フェアリーテイルは、悔しくも撤退をせざるおえなかった。

 

*****

 

一方、ルーシーが目を覚ますとファントムの本当の本部へと連れて行かれた。

 

「あれ…あたし、エレメント4に捕まって。

ここ何処?」

「お目覚めですか?ルーシー・ハートフィリア様。

初めまして、ファントムのギルドマスター…ジョゼと申します」

「…⁉︎ファントム⁉︎」

「このような不潔な牢と拘束具…大変失礼だと思いましたが、今はまだ捕虜の身でおられる。理解の程を願いしたい」

 

目を覚ましたルーシーは、彼の話を聞いてすぐに起き上がる。

縄で手を縛られ、立つのがやっとだった。

 

「何が捕虜よ!よくもレヴィちゃん達を!てゆうかっ…これ解きなさいよ!」

「…貴方の態度次第では捕虜ではなく最高の客人としてもてなす用意も出来ているんですよ?大人しくしていれば、スィートルームに案内しますからね?」

「…何で私たちを襲うのよ?」

「私達?

あぁ、フェアリーテイルのことですか…ついでですよ、ついで。

私達の本当の目的はある人物を手に入れることです。その人物がフェアリーテイルにいたので、ついでに潰してしまおーっとね?」

「ある人物?」

 

ジョゼのこれまでの発言に、まだルーシーは気づいていない。

目的の人物が、ルーシーであることに。

特別扱いされていることも。

 

「おやおや、あのハートフィリア家のお嬢様とは思えないですね…貴方のことに決まってるでしょ?

ハートフィリアコンツェルン令嬢…ルーシー様?」

「な、何でそれ知ってるの?」

「貴方、ギルド内では身分を隠していたようですね?この国を代表する資産家の令嬢が、何故に安く危険な仕事をしているのかは知りませんがね」

「誘拐ってこと…?」

「いえいえ、滅相もございません。貴方を連れてくるよう依頼されたのは、他ならぬ貴方の父親だからです」

「…え?」

 

この争いはルーシーの父親が、一枚噛んでいたからだ。

もうジョゼにはギルド内で身分を隠し、安く危険な仕事をしていたことも既にバレている。

 

「そんなっ…嘘、なんであの人が…知らない。

 

あの人はそんなこと気にする人じゃない!

あたし!絶対に帰らないから!

あんな家には帰らないっ!

今すぐ私を解放して!」

「それはできませんねぇ」

 

ルーシーは尻餅を付き、もじもじとする。

 

「…てか、トイレ行きたいんだけど」

「おやおや?これはまた古典的な手法ですねぇ…ですが、古典故に対処法もあるんですよ」

「え"っ…ウッソぉ⁉︎バケツ⁉︎」

 

ジョゼはバケツを置いて、どうぞと言わんばかりに用意する。

 

「ハァ…バケツかぁ」

「ってするんかい!なんではしたないお嬢様でしょうっ…!」

 

ジョゼは気を遣って後ろを向くが、その隙にルーシーが彼の急所を蹴り飛ばす。

今度は急所を抑え、悶絶していた。

 

「ギィやァァァァッ‼︎⁉︎」

「古典的な作戦もまだまだ捨てたもんじゃないわね。それじゃお大事に!」

 

トイレに行きたいというのは嘘であり、そのまま立ち上がって外に出ようとする。が、連れてこられた場所はギルド本部であっても、その頂上に連れてこられていた。

 

風が強く、勢い余って転落しそうになる。

彼女に逃げ場などない。

ジョゼは股間を抑えつつ、ルーシーに近づいていく。

 

「じゃんねんっ…だったねぇ!

ここは空の牢獄っ…よくもやってくれましたねぇ‼︎さぁこっちへ来なさいっ!

お仕置きですよ!ファントムの怖さを教えねばなりま…えぇっ⁉︎」

 

が、まさか本当に落ちるとは思ってもないとジョゼも想定外だった。

身を投げて、彼女は落ちていく。

その時、

 

(声が聞こえたんだ、絶対いる)

「ナツぅぅっ!」

「ルーシーィィィッ!」

 

ルーシーの危機にナツとハッピーが駆けつけた。

頭から地面に落ちる前に、すぐ助ける。

 

「ルーシーが降ってきた!」

「ナツ、やっぱりいると思った…」

「お前っ…無茶苦茶だな」

 

運良くナツがファントムの本部にルーシーを誘拐した事を耳にしたことで、ナツとハッピーの二人が幹部を尋問し、ルーシーが何処にいるか手がかりを知り、救い出した。

 

「オイラ達もギルドに戻ろう?エルザが撤退って言ったんだし」

「なんでだよ!ここが本部なんだろ‼︎」

「一人じゃ無理だよ!マスターだって重症なんだよ!みんなも怪我してる‼︎」

 

襲ってきたのはファントムだが、彼女の家出も、彼女の父親もまた原因の一端であると、彼女はひどく悲しんでいる。

フェアリーテイルを巻き込んで、みんなを巻き込んでしまったことに。

 

「ごめんね…全部私のせいなんだ…それでも私、ギルドにいたいよ…フェアリーテイルが大好き」

「ルーシー…おい、何のことだ?いればいいだろ」

「ギルドに戻ろう?」

「お、おう…おんぶしてやっからな」

 

泣いているルーシーにナツが動揺しつつもおんぶし、フェアリーテイルへと帰っていく。

ジョゼは急所をやられつつも、上からルーシー達を眺め、彼らに対し激昂していた。

 

「く、く、クゥッ…やってくれたなっ…小娘ぇ‼︎」

 

 

こうしてナツとルーシー、ハッピーはギルドへと戻っていく。仲間はボロボロで、動ける者だけが報復のために動いていた。

 

ミストガンの手がかりもなく、ミラジェーンもラクサスに連絡したが結局拒否されてしまう。

それどころか

 

「あのクソジジィもザマァねぇな。

で?仲間を助けるために助けてってか?

俺には関係ねぇ話だ、勝手にやって頂戴よ。

だってそうだろ…ジジィが始めた戦争だ。

なんで俺達がケツを拭くんだ?

 

俺の女になったら助けてやってもいいと伝えとけ。それとジジィにはさっさと引退して俺にマスターの座を寄越せとも伝えといてくれ。アッハハハハ‼︎」

 

そう高笑いし、水晶は破壊された。

ギルドのことよりも自分の欲望にしか頭にないラクサスにミラが怒って粉砕する。

今のラクサスにフェアリーテイルを、仲間を助ける気なんて微塵もなかった。

 

「信じられない…なんでこんな人がフェアリーテイルの一員なの…こうなったら次は私が」

「ダメよ、今のあんたじゃ足手纏いになる」

 

たとえS級魔導師であっても、マカノフ達の戦争に参加しなかったようにミラジェーンには戦えない事情があった。

 

「嶺のもまだ帰ってこないのかっ…」

「別の仕事も請け負ってたらしくてよ。仕事の量次第では明日帰るとは限らないかもしれないかもしれねぇ」

「私も連絡してるけど、反応がないの…」

 

先の戦争でギルドに突入し、多くが傷ついている。被害も大きくマカノフもいない以上、これ以上の戦争継続は自分達の首を絞める結果になりかねなかった。

 

そんな時、近くで地響きがする。

地震のように激しく揺れているわけではなく、一歩一歩何か巨大なものが近づいているように感じた。

 

外に出るとファントムロードのギルドに6本足が形成され、海を歩いて渡ってきた。このままフェアリーテイルのギルドへと近づいてくる。

 

「ギルドが歩いてるよ⁉︎」

「想定外だ…こんな方法で攻めてくるとは…⁉︎」

 

誰もギルドそのものが移動して襲うなんて思ってもない。まだ反撃の準備もできていないのに帰って早々に襲ってくるとは思ってもなかった。

 

「まさか、あれっ…」

 

砲台が展開され、フェアリーテイルのギルドに向けて発射する。

 

「ギルドはやらせん!伏せろぉぉぉっ‼︎」

「よせ!いくら超防御力のある鎧でも」

「エルザぁぁぁっ‼︎」

 

魔道収束砲ジュピターが発射され、それを鎧を纏って防ぐ。エルザのお陰でギルドを守ることはできたが、鎧を砕かれた彼女は倒れてしまった。

 

マカノフだけでなく、S級ランクのエルザも再起不能となってしまう。

 

「もう貴様らに凱歌は上がらねぇ。

ルーシー・ハートフィリアを渡せ、今すぐだ」

 

ルーシーを渡せと強要する。それでも、フェアリーテイルの全員がルーシーを仲間だと断言して拒否する。

 

傷ついていく仲間にルーシーは犠牲になろうと思い止まったが、それでも仲間は守るために叫んだ。

 

「仲間を売るくらいなら死んだ方がマシだ!」

「俺達の答えは何があっても変わらねぇ!

お前らをぶっ潰してやる‼︎」

 

絶望せず諦めもしないどころか歯向かう彼らに、ジョゼはキレた。

 

「フン…ならば更に特大のジュピターを喰らわせてやる!

装填までの15分!恐怖に仰げぇ‼︎

 

地獄を見ろ!フェアリーテイル!

貴様らに残された選択肢は二つ!

我が兵に滅ぼされるか、ジュピターで消し飛ぶかだ‼︎」

 

ジョゼの召喚した幽鬼の兵士達が大量に放出される。彼らを巻き込んでも、ジュピターを止めることはしない。

 

残り15分でジュピターを壊さなければ、ギルドも仲間も吹き飛ぶこととなる。

 

「くそっ、エルザでさえ防ぐのがやっとなんだぞ⁉︎」

 

シェイドがフェアリーテイルを襲う。15分以内にジュピターを止めるためにナツ、グレイ、エルフマンの3人が乗り込んだ。

 

まずナツが大砲の中に入り、ジュピターのエネルギー蓄積所ことマクリマにたどり着く。

しかし、そこで待っていたのは

 

「邪魔は、君の方だ」

 

エレメント4こと兎兎丸が見張りが待ち構え、相手に炎を操られて苦戦する。相性の悪い敵に翻弄され、残された時間が浪費していく。

 

「もう時間がないよ!」

「俺の炎を勝手に動かすな!」

「ふん、当たらなければどうということは「初っから狙ってねぇよ」な、なにぃ⁉︎」

 

制御されていくうちにナツは炎を克服することで結果的にジュピターを破壊する。

これで敵を倒さなくとも、ギルドを守ることができた。

 

だが、切り札は砲台だけではない。

ギルドが変形し、魔道巨人は立ち上がる。

 

*****

 

その頃の嶺は様々な村と街を渡り、依頼をこなしていた。

 

子犬探しのような小さい依頼はもちろん、遺跡調査や素材調達と複数もの依頼をコツコツと達成し、報酬も貰っていく。

 

「これで全部かな。二日くらいで終わらせたし、あとはギルドに帰るだけ」

 

短期間で全ての任務を終え、ハルジオンに到着していた。ギルドの方では大きな音が聞こえ、海沿いには巨大な何かが聳え立っている。

 

(ん?なんだろ?)

 

いくらナツ達がギルド内で暴れてても、ここまで大きな音は出ないと不審に思う。

 

「ただい…なんか騒がしいんだけど」

 

帰ってきたギルドが、いつの間にかボロボロになっていた。ギルドのメンバーは上にいる死霊達を相手に奮闘している。

 

「えーっと…なにあれ」

 

城のようなロボットが立ち、隙間から幽霊が大量に放出されている。その幽霊を仲間達が打ち落とし、ギルドを壊されないよう守っていた。

 

「おう、やっと帰ってきたか!

とにかくギルドを守るのを手伝え!

話は後だ!」

 

マカオが帰ってきた嶺を見て、こっちにきて手伝えと指示する。周囲を見渡すとナツ、ハッピー、グレイ、エルザ、ルーシーのメンバーがいない。

 

(ナツ達がいない…何かあったのかな。

とにかく言う通りにここを守ろっか)

 

こんな状況で楽園が乱入して出てこないことを祈りつつ、幽鬼の兵士を相手に戦うこととなった。

 


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