1話ハジマリ
青い空と広大な草原の中で一人の女が手に花束を持って歩いている。
たった一つの大きい墓と周りには向日葵が沢山ある。その墓には岩谷正輝という弟の名前が刻まれていた。
「正輝、私まだ若いのに治らない病気になっちゃって…いつ死んでしまってもおかしくない件について」
花束を墓の前において両手を合わせている途中に咳きみそうになり、すぐに手で押さえた。
その手には血反吐のようなものがついており、自分の命が僅かであることを示していた。
「私も、そっちに行くね」
近ずいてゆく死を恐れることはなく、苦しくても笑っていた。
彼女は祈りながら瞳を閉じて…幸せな表情で眠るように息を引き取って墓の前で
岩谷正輝の姉、岩谷嶺は弟の後を追って死んでいった。
*****
自分は死んだはずなのにこうして目覚めて、生きているのか死んでいるのか分からない。
けれど着ている服が私服の状態で、身体が軽い。
死んでいるか生きているか分からないのでとりあえず確認するために
「痛い…」
頬を捻って、感覚として痛みがあることに生きていることが分かった。
(起きたようですね?それと貴方にはもう病気はありませんよ)
「…誰?ここ何処なの?死んだはずだよね私」
真っ白な空間の中、そこには死んだはずの岩谷嶺と石像のようなものが浮いていた。
その石像は自分のことを神様といい、場所は転生するときの前の下準備の場所、岩谷嶺は確かに転生する前の世界では死んだが、転生後という形で魂と身体も元の状態に形どったりと言ったことを詳しく説明した。
「ご理解頂けましたか?」
「んーなんとなくは」
それを岩谷嶺はあまり釈然とはしなかったが、石像の話を聞いてその話を理解せざるおえなかった。
転生者という存在も岩谷嶺以外にも転生者が存在し、それについて聞きたいことが姉にはあった。
(貴方にはリリカルなのはという世界に転生してもらいます)
「その中に弟がいるって可能性は?」
(ありますよ。彼もリリカルなのはという世界に転生されますから。どんな人物や特典を持っていくかは知りませんが…)
岩谷嶺の転生による特典は転生前に武器として持っていたものと.hack//G.U.のアイテムの持ち込み、及び.hack//G.U.の双剣と大鎌のスキルとデータドレイン(制限があるが)の能力だ。ついでに最新型の携帯も持たせてあげた。
なお連れてくる人物というのは特典としてドラゴンボールの場合、後から孫悟空がついてくるというようなもので分かった。
つまり、岩谷嶺の特典は.hack//G.U.であるために
(ハセヲとは一応話をつけておいたから、転移した後に2人と話すといい)
すると、その主人公であるハセヲという男が二人の目の前で出現して嶺の方に近づき、手を差し伸べた。
「よろしく。まぁ詳しい話は転移してからな?」
「ん、分かった」
嶺はハセヲと握手して、全てを話し終えた神様はこう言った。
(話は全て終えました。その世界には貴方以外の転生者がいるので頑張って下さい)
そう言うと岩谷嶺とハセヲの二人は地面に落とし穴が出現して落とされていった。
「なにそれぇぇぇぇ⁉︎」
「ちょっと待て‼︎こんな方法で…聞いねぇぞぉぉぉ⁉︎」
二人が落とされていっている叫びを聞きながら神様は疲れ気味に
「ごめんなさいごめんなさい!落とし穴があるのを忘れてました‼︎」
神様は呟いた後に突然一枚の紙が床に転移され、それを拾うと6人の転生者の名前が記されている
その6人には岩谷嶺の名前と.hack//G.U.というのも記されてあり
「まさか運命っていうのは死後にも繋がることになるとは、驚きしかありませんね。何はともあれ嶺さんの仲間が一人でもいるだけで強運ですね。
まぁ物語の方は彼女次第ですが…」
転移されるのは姉だけではなく弟の岩谷正輝とfate/staynightが記されている。
選ばれし特殊な転生者の6人がリリカルなのはの同じ世界に転生された。
【リリカルなのは編 開始】