ギルティクラウン~The Devil's Hearts~   作:すぱーだ

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前回の話……なんか今まで以上に日本語がおかしかったり、誤字脱字が多かった気がする……。

良くないね、もっと気をつけなきゃ。

クリスマスまでに間に合わせたかった……(泣き)。

前回の続き



#16葬儀社2~days~

六日目、模擬戦まで後3日

 

 

「あれ?集は?」

 

「…………」

 

(綾ねえがまた物凄く不機嫌なんだけど……)

 

集と綾瀬とツグミの三人が朝の訓練を終了させると、食堂へ向かっていたが、ツグミだけはトイレのため一旦席を外していた。

そして戻ってきた時、集の代わりに梟がおり、綾瀬が憮然とした表情で待っていた。

メンバー達も集まりすでに朝食を取り始めていた。

 

「遅かったじゃない」

 

「あはは、ごめん ごめん なんかトイレ壊れてて……、そ…それより 集は?」

 

「…………知らない」

 

そう言いながら綾瀬はプイとそっぽを向く。

 

「あはは」

 

今日も例にもれず集の手伝いをしていた梟は、乾いた笑いを漏らす。

 

「集さんは いのり さんのとこです」

 

「ふーん………あれ? もしかして綾ねえが不機嫌な理由って……」

 

ツグミが綾瀬に目を向ける。

 

「な……なによ? ツグミ……」

 

「ふーん なるほど 、そっか…綾ねえは涯を諦めて集に…ーー」

 

「はああっ!?」

 

「あははは」

 

ニヤニヤ笑いながらからかい逃げるツグミに、綾瀬が追い回す光景がしばらくの間繰り広げられた。

 

 

 

 

 

いのり はトレイに乗せられた皿に料理を乗せ、ひらけたベランダに腰掛け料理を口へ運んでいた。

 

「………」

 

いのり は口を動かしながら、その料理をじっと見つめた。

いのり は戸惑っていた。

集と話し、触れ合いたいという気持ちが湧き上がるにもかかわらず。ここ数日は、集と目が合いそうになる度に先日の集との会話が頭に過ぎり、集から逃げるように立ち去ってしまう。

 

『どうして僕を助けてくれたの?』

 

あの時 集に尋ねられた時、自分は何と答えようとしたのだろう……、もし答えられていたら集はどう思ったのだろう……。

 

『あいつが好きか?』

 

( ……好き……って何? )

 

一緒に居たいという気持ちだろうか?

触れ合いたいという気持ちだろうか?

 

自分が彼に惹かれているとしたら……なぜ……何処に?

 

 

「いのり!やっと見付けた」

 

「えっ?」

 

いのりが顔を上げると、目の前に当の本人が立っていた。

 

「……えっと……隣…いい?」

 

「あっ……うん」

 

いのり と同じように、料理の乗ったトレイを持った集は いのり の前方を回り、いのり の隣に腰掛ける。

 

「…………」

 

いのり は隣に座る集を目で追い、皿に箸を伸ばす様子をじっと見つめる。

 

「?」

 

集は自分をじっと見つめる いのり に首をかしげる。

 

「……いのり?どうしたの? 」

 

「……なんでもない……」

 

「もし迷惑だったら食堂に戻るけど………」

 

「あっ!……迷惑じゃない」

 

立ち上がろうとする集に いのり は慌てる様に言う。

突然大声を出したいのりに集は驚きながら、浮かせていた腰を下ろした。

 

「そう?良かった」

 

集はそう言うと、もそもそと食事を再開した。

 

「いのりはみんなと一緒に食べないの?」

 

いのりは目を伏せて、止まっていた箸を動かす。

 

「……やっぱり…僕…邪魔かな?」

 

「邪魔じゃない」

 

いのりは首を横に振って言う。

 

「……シュウはどうしてここに?」

 

「いのりを探してたんだよ」

 

「私を?」

 

「そっ 他の人達と食べるのも楽しいけど……、いのりと居た時間が一番長いせいかな?…いのりと一緒が一番落ち着くんだよ」

 

集はそう言って微笑む。

 

「………」

 

「さっ 早く食べちゃお?」

 

「……うん」

 

いのりは急に暖かくなる自分の頬に触れる。

 

「………?」

 

さっきまでザワザワ騒いでいた胸が、驚くほど穏やかになるのを感じる。

 

(これが……好きってこと?)

 

いのりは集の横顔を横目で見つめる。

 

(シュウは私のこと……どう思ってる?)

 

その後 二人は黙々と食事を続け、集は二人分の空の皿を持ちいのりとお互いに手を振りながら別れた。

いのりは自分の頬が朱に染まってることに最後まで気付く事は無かった。

 

余談だが、食堂へ戻った集に綾瀬から" 遅い!"との叱咤が飛び、訓練の量を倍以上にされた。

 

集がそれを涼しい顔でこなすのを、綾瀬は奥歯をギリギリ噛み締め、ツグミはそんな綾瀬を見てニヤニヤ笑っていた。

 

 

ーーーーーーーーー

 

夜 既に時計は十時を回り、アジトは今日一日の休息を取るかの様に静けさに包まれていた。

「……ん?あそこに居るのって……」

 

集は風呂へ向かう途中、よく知る人影が目に入った。

 

「ツグミ……」

 

横の通路からツグミが歩いてくる。

ツグミも集に気付き やあっ と手を上げた。

 

「よっ こんばんは、今からお風呂みたいだね」

 

「こんばんは、ええ まあ」

 

「丁度良かった。ちと手を貸して欲しいものがあるのよ。いいかな?」

 

「うん 大丈夫だけど」

 

ツグミは うん と頷くと、手招きをして集の前を先導する。

集はそれに着いて行く。

薄暗い通路をしばらく歩き、二人は突き当たりの扉を開け中へ入る。

 

薄暗い空間から、いきなり明るい照明に照らされた集は、反射的に手を掲げ光を遮る。

 

ツグミに案内された場所は、かなり広い空間でその中央に、見覚えのある大きな物体が鎮座していた。

 

「……綾瀬のエンドレイヴ?」

 

「そっ 旧型の" ゴーチェ "に代わって、ウチに仲間入りした新型のエンドレイヴ……その名も" シュタイナー "!」

 

えへん とツグミはなぜか胸を張る。

 

「へえー 、…それでツグミは何を手伝って欲しいの?」

 

「そうそう、たいした事じゃないんだけどね。ちょっと不具合みつけてね、整備班を起こすより自分でやっちゃおうと思ってね」

 

「その手助けをして欲しいんだね? 分かった。でっ 何をすればいいの? 言っておくけど……僕が直した事のある物といったら自転車くらいだよ?」

 

「あははは そんな面倒じゃないから神経逆立てなくていいよ。ただ外したりはめたりするだけだから」

 

集の言葉にツグミはケラケラ笑いながら言った。

 

 

数分後………、

 

「……これのどこが "だけ" ?」

 

シュタイナーの背中の突起物にぶら下がりながら、集は呟きを漏らす。

 

「そうそう その調子だよー。首の辺りに来たら付け根部分のハッチを開けて、中の基盤と渡した基盤を交換してね」

 

ツグミはシュタイナーの足元で、コンピューターのキーボードを打ち鳴らしながら言う。

 

「……これか……?」

 

集はツグミに指定された所まで登ると、言われた通りハッチを開けて、中の基盤を引き抜いた。

 

「これはどうする?」

 

「捨てちゃっていいよ」

 

集は引き抜いた基盤から手を離し、床に落とし、バックパックから新しい基盤を取り出し、それを挿入した。

 

「うん いいよ。お終い 、ありがと!」

 

ツグミからの声に集はシュタイナーから飛び降りる。

 

「いやあ〜 ホント助かっちゃったよ」

 

「はは 貸しにしとくよ」

 

「なぬ!? むーん何か考えないとな……」

 

ツグミは顎に手を当てて、考え込む。

 

「じゃっ、もう遅いから。僕はもう戻るよ」

 

「あっ うん、また何かあったら呼ぶからね」

 

「この時間帯はやめてよ。おやすみツグミ」

 

ツグミは手を ブンブン 振って、集を見送った。

 

(元気な子だなあ……)

 

集はその姿に苦笑して、自室へ戻った。

 

 

 

 

七日目、模擬戦前日

 

 

 

『おおおおおおおおおおおおっっ』

 

酒場で葬儀社のメンバー達の歓声が響き渡る。

 

「……ふう……」

 

その騒ぎの中心で、集は息を吹きながら立ち上がる。

集の足元の床には、数人の男達が転がっている。

 

「すげえ、五人同時かよ……」

「あいつ…本当にただの高校生なのか?」

 

メンバー達は、集の桁違いの能力に驚きを隠せない。

 

「ヴォイドってのは、普通の子供をあんなに強くすんのか!?」

 

(勘違いしてくれるのは、助かるな……)

 

ヴォイドが無かったらどうなっていたらどうなっていたことか…… と集は安心すると共に、騙している気がして、少し気が重くなる。

 

「おい集、後訓練終了まで五分くらいだ……、次は誰とやるんだ?」

 

「あっ…そうか、後一回できるかな……」

 

アルゴの言葉に集はメンバー達を見渡し、次の組手相手を選ぶ。

 

「じゃあ……、いのり お願い出来る?」

 

「……分かった」

 

指名されたいのりは頷き、前に進み出る。

床に転がっていた男達は、痛む身体を抑えながらその場を走り去る。

いのりはメンバーから木剣を手渡され腰を落とし、腰だめに構える。

集も腰を落とし、顔の前に手の木剣を構える。

 

「……そういえば、初めて会った時もこんな感じだったよね?」

 

「…………状況は全然違うわ……」

 

「ふふっ、まあね……」

 

その会話を最後に、集といのりは押し黙り、神経をお互いの動きに集中する。

 

ピリピリ と張り詰めた空気が二人から放たれる。

メンバー達も二人に気押され、黙って成り行きを見守る。

 

何処からか、メンバーの靴が地面を擦る音が聞こえた。

 

先に動いたのは、いのりだった。

 

猛烈な勢いで集を肉薄したいのりは、突風の槍の様な勢いで突きを放つ。

集はそれを自分の木剣の側面に滑らせ、逸らす。

集は横薙ぎを放とうとしたが、既にいのりは木剣を引き戻し、再び突風の様な突きを放つ。

集がバックステップで躱す。

いのりが木剣は集の前髪を掠める。

 

集はいのりが突きを引き戻す前に、地面を思いっきり蹴り、右から左に薙ぐ。

しかし振った体勢が悪く、いのりにあっさり防がれてしまう。

 

「くっ……!!」

 

速さではいのりに分がある。

集はいのりの速さを殺すため、出来るだけ身体を縮め、いのりの身体を押す様に距離を詰め続ける。

 

まるで二人共、左右両手に木剣を扱っているかのように、隙間無く左右から振るい、二人の間で打ち合う。

 

酒場に木を打ち合う音だけが響き渡る。

 

(やっぱり…強い!!)

 

集の額に汗が流れる。

筋力・体型・体重 等は集が勝っているが、いまいち決定打に欠ける。

気を抜けば、手数であっと言う間に押し切られてしまう。

 

いのりの放った足払いを、集はジャンプで避ける。

集はそのまま身体を空中で回転させ右脚から蹴りを放った。

 

いのりは頭を下げそれを避け、その体勢のまま集に飛びつく様に木剣を振る。

 

集は回転の勢いを止めず、追撃に左脚からの蹴りを放ち、いのりの木剣を封じた。

 

いのりはそのまま集に突進し、突き倒し、喉元に木剣を突き付けた。

 

いのりが集の上で馬乗りになった状態で、二人は肩を動かし息を切らす。

しばらくして、集が息を切らしながら口を開いた。

 

「引き分けだね……」

 

集の言葉にいのりは、自分の胸元を見下ろす。

 

「……うん………」

 

丁度いのりの心臓の位置に、集の木剣が突き立っていた。

 

二人のこのやりとりの後、メンバー達の歓声が響きわたった。

 

「んっ ありがと」

 

集はいのりが差し伸べた手を握って、引き起こしてもらう。

 

「ふう……いのりが強い事は分かってたけど…想像以上だったよ……」

 

「………」

 

「また、付き合ってくれる?」

 

集の言葉にいのりは頷く。

 

いのりはメンバー達に連れられていく集を見送った。

 

 

 

 

夜、九時半

 

 

集は夕食後の皿洗いをしている、いのりと綾瀬を見て、少し驚いた。

正直相性がそんなにいいとは思っていなかったので(主に涯がらみで)、この組み合わせは集には意外だった。

 

「お疲れ様。後は僕がやるよ」

 

「……いいのよ、ここ最近はあんたがご飯作るのも、後片付けも全部やってるじゃないの。私達がやっとくかし、そもそもあんたは明日は模擬戦なんだから今日は早めに休みなさい」

 

「え? でも……お世話になってるんだし、せめて雑用ぐらいは……」

 

「シュウ……、大丈夫だからシュウは休んでて」

 

「……いのりまで……」

 

集は はあー と溜め息をつく。

しかし、全部を女の子に任せて自分は部屋でおとなしくするなんて真似は男が廃る と集は気合を入れ直す。

 

「じゃあ、僕は生ゴミをs「「休んで」なさい」、…………はい……」

 

見事なハーモニーで、いのりと綾瀬は集を閉め出した。

 

 

「……あの二人って仲良かったんだ……」

 

とぼとぼ歩きながら、集はそんな事を呟いた。

 




次回いよいよ模擬戦です。

この間の話は、いらなかったんじゃないの? とも思わなくもない。
でもこういう話は好きだから、今後もどんどん日常を書くと思う。

それにしても、同じような表現ばっかりつかってますね。
作者の勉強不足も、語彙の低さも見事に露呈するね。




今度から、愛読書は広辞苑にしようかな……?

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