月姫転生 【完結】   作:HAJI

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後日談 「再演」後編

「大丈夫ですか、志貴さん……?」

 

 

どこか不安げに自分の身を案じる琥珀の声。知らず思い出すのは一年前。いつ死に瀕してもおかしくない自分の体を案じていた琥珀の空気。

 

 

「ああ、大丈夫だ。念のために魔眼殺しも巻いてるし、頭痛もない」

 

 

そんな琥珀に心配かけまいとしながらも、嘘偽りなく自分の現状を伝える。あの後、眼を閉じながら琥珀に介抱されて何とかマンションに帰宅。大事をとって半ば無理やりにベッドに横にされてはいるものの、状態はそこまで深刻ではない。

 

『直死の魔眼』

 

モノの死を見る異能。死の線と点を捉える超能力。一年前に失ったはずの力が再び発現してしまった。本当なら絶望してもおかしくない状況なのだが、不思議と恐怖や焦りはなかった。いつかこういうこともあるかもしれない、と心のどこかで思っていたこともあるがそれ以上に今の現状が一年前とは大きく異なっているからこそ。

 

 

(間違いない……以前ほど死が見えない)

 

 

一年前なら目を閉じていても死が見えていたのに、今は見えない。頭痛も目を閉じていれば起きない。直死の魔眼の力は明らかに弱まっている。加えて根源とつながっていた感覚も、そこから知識を得ることもできない。念のために魔眼殺しの包帯を巻いているが、必要ないレベル。それだけならまだ分かる。決して楽観しているわけではないが、ここまでならまだ理解できる。だが

 

 

(また繋がっただけなら、視力まで戻っているのはおかしい。これは……)

 

 

自分の視力まで戻っていること。それだけが分からない。本当に再び根源と繋がってしまったのなら死の線と点だけが見えるはず。視力まで回復する道理がない。つまりこれは自らの内的要因ではなく、何か外的要因によって引き起こされているということ。そしてそれに自分は心当たりがあった。いや、正確には思い出した。

 

『タタリ』

 

死徒二十七祖の一つにして、自身を存在から現象へと祭り上げようとした祖の成れの果て。一定のコミュニティ内で広まった噂を下に一夜限りの具現化を可能とする能力を持つもの。

 

もっと細かい詳細についての知識も思い出そうとしたものの、既に摩耗してしまっている記憶では全てを把握することはできなかった。だがそれも仕方がない。あの時の自分は蛇を殺す事だけを目的に動いていた。それに付随する知識については把握していたものの、それ以外についてはほとんど切り捨てる他なかった。琥珀の言葉によって、その存在だけでも思い出せただけ幸運だったと言えるだろう。

 

だからこそこの状況も説明できる。自分の眼は再び開いたのではない。そう、これは再開ではなく再現なのだ。ただそれにも限界があるのか、それとも別の要因があるのか。自分の魔眼は神域までは至っていない。どころか最初期の頃まで力は落ちてしまっている。自分にとっては僥倖でしかない。もし完全な再現であったならその瞬間、命を落としてしまっていたかもしれないのだから。

 

 

「……琥珀、二人にはやっぱり連絡が取れないのか?」

 

 

ひとしきりの現状を伝えた後、そう琥珀に確認する。この状況を打開するにはどうしても二人の力が必要になってくる。だが

 

 

「はい、連絡はしているんですが繋がりません。そもそも電波が届いていないみたいなんです。公衆電話からかけても同じでした。この辺一帯……いえ、この街全体がそれに近い状態になっているようです」

「そうか……」

 

 

そんな淡い期待をかき消すようにどこか淡々と冷静に琥珀は報告してくる。久しぶりに感じる琥珀の裏の立ち回りの空気。遠野家に仕えていた頃を彷彿とさせるもの。同じく自分も知らず一年前に近い空気を纏いつつある。表から裏に。反転にも似た状況。だがそのベクトルは一年前とは全く異なる。人形のような機械的なものではなく、人間としての意思に満ちているもの。

 

取れる選択肢は三つ。迎撃か待機か退避か。だがそのどれもリスクが付き纏う。

 

まずは自らの戦力。直死の魔眼にナイフ。己が物とした七夜の体術に加えて琥珀の助力もあり、身体の状態は良好。ブランクによる肉体の鈍りを考慮しても八割の力は発揮できる。

 

だが問題は敵の戦力が全く不明であるということ。タタリの大本とでもいえるワラキアは当然としても、噂によって再現される存在がどんな相手であるかは未知数。かつて戦った混沌や永遠、最悪アルテミット・ワンたる真祖の姫君が顕現する可能性すらある。

 

退避するにしてもワラキアの夜から脱出することができるのかは未知数。何にせよ絶望的に戦力が足りない。タタリの影響下であれば一般人である琥珀も戦闘力を得ることもできるのだろう、それを当てにするほど自分は楽観的ではない。そもそもそれは自分の中では選択肢にすらあがらない。どうするべきか、そう思考した瞬間

 

 

――――玄関からチャイムが鳴り響いた。

 

 

「…………志貴さん」

「――――下がってろ、琥珀」

 

 

有無を言わさぬ勢いで体を起こし、ナイフを構える。こんな時間帯に来客などあり得ない。このマンションのフロアは全て自分たちが借り受けている。関係者以外が立ち入ることはない。知らず魔眼殺しに指をかける。忘れかけていた冷たい空気。それに呼応するように玄関のドアの鍵が回っていく。まるで当然のように。その刹那、体が鼓動に震える。衝動にも似た、懐かしい何か。それが何か思い出すよりも早く

 

 

「ただいま、シキ――――!!」

「ぶっ――――!?」

 

 

あり得ないはずの白いお転婆吸血姫が襲い掛かってきた。

 

 

「あ、アルクェイド!? お前何で」

「まだちゃんと生きてたわね、シキ! あれ? 眼に包帯巻いてるの? なっつかしー! うんうん! やっぱりその方がシキって感じがしてわたしは好きよ? 切られた左腕が疼いてきちゃいそう!」

「何訳が分からないこと言って……!? それよりも抱きかかえたまま振り回すな!? また落とされるのは御免だぞ!?」

「へーきへーき♪ もうビルから落としたりなんかしないから! でもあれはシキも悪いのよ? いきなりわたしの胸を掴んでくるんだもん」

「お、お前な……」

 

 

さっきまでの緊迫感はいったい何だったのか。ある意味それを衝撃によって自分は子供を抱き上げる、ではなくおもちゃを振り回すようにされるがまま。見なくても分かる。こんなことをしてくるのは一人だけしかいないのだから。

 

 

「ふふっ、そろそろ降ろしてあげてください、アルクェイドさん。今度は胸じゃ済まなくなるかもしれませんよ?」

「あ、コハク! たっだいまー! あなたは元気そうね。ならもっとシキに精気を分けてあげた方がいいんじゃない? このぐらいで音を上げてるようじゃ駄目よ?」

「そうですね、それはまた要相談ということで。それよりもおかえりなさい、アルクェイドさん。お元気そうで何よりです」

 

 

自分そっちのけで和気あいあいとする二人のアンバー。琥珀の切り替えの早さも流石だが、アルクェイドの馴染みっぷりも半端ではない。自分や琥珀以上に一番一年前から変わったのは間違いなくコイツだろう。どこかたどたどしかった口調はもはやなく、流暢に言葉を紡ぐようになった。十七分割されたアーパーな吸血姫に近づきながらも割烹着の悪魔による影響による成分も合わさった存在。アーパーでアンバーなファニーヴァンプ。属性盛り盛りの我が家の末っ子の帰還だった。そしてそれは当然もう一人の帰還も意味する。

 

 

「や、やっと追いつきました……アルクェイド! 貴方は本当に何度言っても私の言うことを……って遠野君!? 何をやってるんですか、早く離しなさいアルクェイド!? また落としでもしたらどうする気ですか!?」

「シエルおっそーい。それともうそれシキから聞いた」

 

 

ぶーっと不満げなアルクェイドからまるで母親のような剣幕で自分を取り上げ、助けてくれるシエルさん。よっぽど焦ってきたのか息も絶え絶えになっている。シエルさんがここまでになるとは一体どんな速度でアルクェイドは帰ってきたのか。周囲の街に被害が出ていないことを祈るしかない。

 

 

「全く……帰ってくる度に何度このやり取りをさせる気ですか。大丈夫ですか、遠野君? 怪我はありませんか?」

「ああ……助かったよ。それとおかえり、シエルさん。元気そうでよかった」

「え? え、ええ! その……ごほん、ただいま戻りました」

「おかえりなさい、シエルさん。お二人ともお変わりないようで何よりです」

「シエルったらまだ慣れてないのね、顔を赤くして。いつも恥ずかしがってるんだから」

「ち、違います! これは貴方を追いかけていたせいで、断じてそうでは」

 

 

あまりにも唐突な、嵐の襲来にも似た二人の帰省に面喰いながらも自分と琥珀は迎え入れる。一年前から続いている日常。数奇な縁から生まれた家族四人がそろった瞬間だった――――

 

 

 

「それはそうと……二人とも今回は何でこんなに帰ってくるのが早かったんだ? まだ出て行ってから一週間も経ってないだろ?」

 

 

閑話休題。色々と話したいこと確認したいことは山積みだが、一息入れる意味でリビングに移動し琥珀が淹れてくれた紅茶を飲みながら尋ねる。いきなりの来襲には参ったが、タイミングとしては本当にこれ以上にないタイミングで二人は帰ってきてくれた。だが些か疑問が残る。シエルさんとアルクェイドは現在ペアを組んで吸血鬼の討伐を行っており、ほとんどを外国で過ごしている。その合間に我が家に帰ってくるのがこの一年の生活スタイル。基本的には出発してしまえば数か月は帰ってこないにも関わらず、今回は一週間経たずに戻ってきた。あまりにも出来すぎているようなタイミング。

 

 

「……そうですね、ですがその前に確認させてください遠野君。その包帯……やはり直死の魔眼が戻ったんですね?」

「あ、ああ……そうなんだけど。意外だな、シエルさんならもっと驚くかと思ったんだけど」

 

 

絶賛コクコクと空気を読まず猫舌の猫のように紅茶を飲んでいるアルクェイドをあえて無視しながらシエルさんは自分の現状を確認してくる。しかしその反応は意外なものだった。シエルさんであればもっと驚き、慌ててしまうだろうと思っていたのに想像していたよりもずっと落ち着いている。いや驚いていないわけではないが、悪い予想が当たってしまったかのような反応。

 

 

「いいえ、十分驚いています。やはり魔法使いというものは私たちとは違う条理の下に生きているのかもしれませんね」

「魔法使い……? それって……」

「だから言ったでしょ、シエル? 真剣に考えるだけ無駄だって。魔法使いに初めましてなんて、笑われても仕方ないわよ?」

「貴方は黙っていて下さい、アルクェイド。ごほんっ、遠野君、わたしたちが帰ってきたのはある人物に頼まれごとをしたからなんです」

 

 

茶々を入れてくるアルクェイドをあしらいながらシエルさんは話を続けてくる。だが知らず息を飲んでいた。まだ何も聞いていない。だが分かる。きっとこれは自分にとって大きな意味があるものなのだと。

 

『魔法使い』

 

子供でも知っている御伽噺、空想の存在。だがこの世界においてそれは特別な意味を持つ。真祖でアルクェイド、埋葬機関であるシエルを以てしても。現存するとされる四人の魔法使い。その中の誰のことを指しているのかなど聞かずとも分かる。

 

 

「預かりものです。これを遠野君に、と」

 

 

そのまま自分に手渡される何か。どくん、と心臓が鳴った気がした。その手触りがそれが何かを教えてくれる。それだけで十分だった。何故ならそれはずっと昔から、心の底から憧れていた物だったんだから。あると知っていても、自分には訪れない、魔法使いからの贈り物。

 

 

「それと伝言です。『私が持っていても仕方がないからあげるわ。遅くなってしまったけどきっと君にとってはこれから必要になるだろうから』だそうです」

 

 

この物語には登場することがないはずの青の魔法使い。会ったことも話したこともないのに、その声が聞こえ、姿が目に浮かぶ。十年越しの、小さな余分(ズル)

 

 

「――――」

 

 

知らず贈り物、魔眼殺しの眼鏡を持つ手が震える。息を飲む。ほんの少し前、もし昨日ならこんな風にはならなかっただろう。ただその縁に感謝し、感慨に浸るだけだったはず。だが今は違う。一夜限りの再演によって今の自分には視力が戻っている。

 

無意識に眼に巻いていた包帯を解いていく。晒される裸眼。その瞼を閉じたまま、ゆっくりと眼鏡をかける。信じられない。まるで小さな子供みたいに、胸の動悸を抑えられない。周りから見れば、みっともない姿を晒しているに違いない。でも構わない。何故なら

 

『遠野志貴』にとって死のない世界を見ることは生まれて初めてだったのだから。

 

 

「――――あ」

 

 

思わず声が漏れた。見える。外の世界が見える。なのにない。見えない。死の線が、点が。

 

壁にも、天井にも床にも。自分の体にも。何もかもが、美しく見える。ただまっすぐに、目をそらさずに見ることができる。空を見上げなくても生きていける。でもそんなものより、何より見たいものが自分にはあった。

 

 

「――――志貴さん、わたしのこと、見えますか……?」

 

 

彼女はただのその両手を胸の前で握りながら心配そうな顔でこちらを見つめている。本当に久しぶりに、彼女の姿を見た気がした。死の線と点がない世界の中で。ただその美しさに目を奪われる。何度夢に見たか分からない彼女の姿。見えなくても構わない、なんて言ってたくせに。こうして見てしまったら、もう強がりも言えなくなってしまう。

 

気づけば頬に涙が流れていた。なんて、無様。でもしょうがないだろう。

  

 

「――――本当にお前は変わらないな、琥珀」

 

 

一生見ることができないと思っていた、白いリボンをした琥珀をこの瞳で見ることができたのだから。

 

 

「――――そうですか。でも酷いです。一年振りに見た恋人に向かって変わってないなんて、いくらわたしでも傷ついちゃいます。もしかして志貴さん、わたしのこと嫌いですか?」

 

 

そんな自分の心境なんてお見通し、と言わんばかりに琥珀は満面の笑みでそう切り替えしてくる。その台詞もまた自分にとっては憶えがあるもの。でもあの時と意味合いは全く真逆の信愛に満ちた言葉。それに応えんとするも

 

 

「ねえねえシキ、わたしも見てー!!」

 

 

こちらの空気も何のその。まるで一緒に写真に撮ってとばかりにアルクェイドは琥珀に抱き着きながら自分にアピールしてくる。それだけでは飽き足らないのか、その場でそのままくるくるダンスのように華麗に舞い始めてしまう。その光景に思わず見惚れてしまう。

 

 

(本当にミニスカートになってたんだな……)

 

 

何故ならアルクェイドの姿は自分の記憶に残っているものとは大きく異なっていたのだから。具体的にはロングスカートからミニスカに。いや、それは知っていた。実際にミニスカートを触りもした。だが甘く見ていた。いつかアルクェイド自身が言っていた。経験は知識を凌駕する。百聞は一見に如かず。今ならそれが理解できる。天真爛漫さに可憐さを兼ね備えた白い吸血姫。人では辿り着けない星の現身。

 

 

「あ、貴方という人は本当にいつもいつも……!? ここは静かに立ち去るべきところでしょう!! いい加減に学習しなさい!!」

 

 

その言葉通り部屋から静かに去ろうとしていたものの、悲しいかなそれが叶わず奮闘するしかない気遣いの達人、もといお節介さん。本当にその心遣いはありがたいのだがこの場に限ってはアルクェイドに感謝するしかない。あのままでは流石に空気が重くなりすぎていたかもしれない。同じことを考えていたのか、琥珀もまた苦笑いしている。

 

 

「まったく……誰に似たのか。それで、どうですか遠野君? 眼の具合の方は?」

「ああ、問題ない。やっぱり凄いな、これ。死は見えないし、頭痛もない」

 

 

改めて魔眼殺しの素晴らしさに感嘆するしかない。もっと早く手に入れれていれば、そんな欲が浮かんでくるがその仮定は意味はない。もし手に入れていたとしても強まった直死の魔眼を抑えることはできないのだから。今の状況はある意味奇跡に近い。

 

 

「……? 何ですか、遠野君。そんなにじっとこっちを見て」

「……いや、シエルさんも随分変わったなって。制服じゃなくなったんだ」

「え、ええ。もう制服を着る必要もなくなりましたし、色々とありまして」

 

 

その奇跡を行使し、もう一人のイメチェンした女性を凝視する。自分にとってシエルさんといえば制服だったのだがその雰囲気は一年前とは大きく異なる。端的に言えば少女から女性らしさが増している。どこか知的さ、凛々しさを感じさせる風貌。それを強調するかのようにその服装はどこか女性教師を連想させる。知らないはずなのに何故か何度もお世話になっているような不思議な既視感。それはさておき注目すべきはそのSTYLEだった。アルクェイドが人あらざる者の美しさであるならシエルさんのそれは真逆。人の身であるからこその美しさ。特にしなやかさ、健やかさを感じさせる健脚美。それを強調するかのような短い丈のスカートが

 

「わたしもミニスカなんですけど?」

 

もとい、それに合わせたような黒いストッキングがさらに

 

「それ、わたしも履いてるんですけど?」

 

まるでこちらの思考を読んだかのようなタイミングで横やりを入れてくる不満げなアルクェイド。もしやコイツは俺の嗜好すら把握しているとでもいうのか。馬鹿な。あり得ない。そんなことができるのは一人だけのはず。

 

 

「と、遠野君……? 流石にそんなにまじまじと見つめるのはどうかと……琥珀さんの前なんですよ?」

「関係ない。むしろ見ない方が失礼だ。そうだろう、琥珀?」

「ええ、そのとおりです志貴さん! ちゃんと目に焼き付けておいてください。シエルさんは年々綺麗になっておられるんですから」

 

 

恥ずかしさと居たたまれなさからシエルさんはそう訴えるも、当の琥珀は何のその。どころか自分と一緒に乗ってくる。そう、琥珀が自分の嗜好を把握しているように、自分もまた琥珀の嗜好を理解している。ようするに面白ければ何でもいいのだ。というかコイツは基本的に誰かに嫉妬しないので指摘しても無駄である。

 

 

「わたしだって負けてないのに。あ、そうだ知ってるシキ? シエルったら不死でなくなってから太ったのよ? 特にお尻なんて」

「な、何てことを言うんですかこのアーパー吸血鬼!? 言ったでしょう、太ったんじゃなくて成長したんです!」

「同じようなものでしょ? あ、でも強くなってるのは本当かな。不死じゃなくなってからの方がシエル強くなってるし」

 

 

顔を真っ赤にしながら断じて同じではないと抗議しているシエルさん。思わずそのヒップに視線が吸い込まれそうになるも流石に自重する。主にシエルさんの尊厳のために。それはさておき

 

 

(強くなってる……か。不死じゃなくなったから、肉体以外も成長してるってことなのかな)

 

 

埋葬機関の七位であり稀代の魔術師でもあるシエルさん。その強さは何度も共闘している自分も知っている。だが不死でなくなったことで弱くなるどころかさらに強くなっているらしい。アルクェイド曰く、元々限りなく死に辛い肉体であるのに加えて不死になって時間が止まっていた肉体が再び成長しているらしい。ちなみに一番の衝撃はシエルさんの肉体年齢は十二歳だったこと。一体何がどうなっているのか。

 

 

「今ならわたしといい勝負できるかも。今度本気で喧嘩してみない、シエル? もちろん原理血戒(イデアブラッド)はなしね。わたしも空想具現化はなしでいいから。あ、第七聖典はもちろん使っていいわよ? ハンデねハンデ」

「お断りです。人を戦闘狂扱いしないでください。いくら強くなったといっても貴方の出鱈目さと一緒にしないように」

「そんなこと言って、わたしに何かあった時のために強くなろうとしてくれてるんでしょ? そういうところが好きよ、シエル? 墜天した時は宜しくね」

「な……っ!? 貴方は……まったく」

 

 

不意打ち気味にアルクェイドの裏表がない好意が炸裂し、シエルさんは悶絶するしかない。女性であるシエルさんですらああなのだ。もし男があれをやられたらひとたまりもないだろう。

 

 

「そういえば、たまに聞くけどそのイデアブラッドって何なんだ? 聞いた感じあまり良い感じがしないんだが」

「ん? そういえばシキは知らないんだっけ? 簡単に言えば『王冠』かな。祖が祖であるための血の原理。血を巡らせるだけで惑星の物理法則を塗り替える特異点のようなものよ」

「なるほど分からん」

 

 

アルクェイドに聞いた自分が間違いだった。普段の振る舞いで忘れがちだが彼女は基本的に世間知らずのお姫様。その知識には自分ではとても追いつけない。

 

 

「簡単に言えば二十七祖が持っている固有の能力のことです。遠野君に分かりやすく言うならネロは『混沌』ロアは二十七祖ではありませんが『永遠』という原理血戒(イデアブラッド)を持っていたわけです」

「なるほど……じゃあシエルさんはその二つを持ってるってことなのか?」

「いいえ。その二つは既にこの惑星から消え去りました。他ならぬ遠野君、貴方の手によって。本来消滅させることはできないのですが、直死の魔眼は例外だったようです」

「そうなのか……あんまり実感は湧かないけど。それじゃあシエルさんが持ってるのは?」

「『実り』と『城』『剣』の三つです。もっともわたし単独では手に入れるのは困難でしたがそこにいる反則の誰かさんのおかげで何とかなりました」

「え? もしかしてそれってわたしのこと? でもシエルだって充分反則じゃない。本来祖でしか扱えない原理を大魔術まで堕とすとはいえ自分のものにしちゃうんだから。木乃伊取りが木乃伊にならないように気をつけないさいよ?」

「その言葉、そっくりそのままお返しします。アルクェイド・ブリュンスタッド」

 

 

親愛にも似た言葉を贈るアルクェイドに対して、呆れながらもどこか対抗心に満ちた目で反論するシエルさん。残念ながら二人の話の内容の半分も理解できないが、どんな世界であってもこの二人は理解者であり好敵手であるのは間違いない。

 

 

「はい、お二人ともそこまでです。仲が良いのはいいですけど、今はこの、ええと……タタリさん? を何とかしないといけないんですよね?」

 

 

ぽん、と手を合わせながら子供の喧嘩を仲裁するかのように琥珀がその場の空気を支配する。知らず自分も背筋を伸ばしてしまう。こうなった琥珀には誰も敵わない。一年前から変わらないヒエラルキー。シエルさんもアルクェイドも例外ではない。

 

 

「そうですね……わたしとしたことがちょっとこの空気にあてられてたみたいです。でも心配いりません。そのためにわたしたちも戻ってきたんですから。遠野君と琥珀さんはここで待機していてください。討伐はわたしとアルクェイドで行います」

「え……? いいのか、シエルさん?」

「はい。いくら弱まっているとはいえ直死の魔眼を持つ遠野君を戦わせるわけにはいきません。そもそももう遠野君は戦う必要なんてないんですから」

 

 

指を立てながら自信満々にそう告げるシエルさん。それを前にしては反論することもできない。そもそも今の自分では足手纏いになりかねない。ここにはシエルさんだけではなくアルクェイドもいる。心配するのも失礼なのかもしれない。だが

 

 

「何言ってるのシエル? シキにも一緒に来てもらわないと」

 

 

当のアルクェイドはさも当然のようにシエルさんと真逆のことを口にした。

 

 

「貴方こそ何を言っているんですか!? 遠野君を戦わせるなんて」

「シエルこそ本当に分かってるの? タタリが持つ原理血戒(イデアブラッド)が何なのか」

「当然です! 一夜限りの噂を具現化する『現象』を司、る――――」

 

 

瞬間、シエルさんは固まってしまう。まるで何かとんでもない勘違いに気づいたかのように。

 

 

「――――アルクェイド、貴方最初から」

「やっと気づいたの、シエル? ここに来る前に言ったでしょ? わたしは今回はシキのために戦うって。シエルはどう?」

「ええ、貴方の意地の悪さを甘く見ていました。愚問です。いつもより、負けられない理由ができてしまいましたから」

 

 

先ほどまでとは違う、不敵な笑みを浮かべながら二人は互いを見つめあった後、自分を見据えてくる。二人が何を言わんとしているのかは分からないが、やる気が満ちているのは伝わってくる。

 

 

「……? それで、結局俺はどうしたらいいんだ?」

「ごほんっ、すみません、遠野君。事情が変わりました。わたしたちと一緒にタタリ討伐を手伝ってくれませんか? もちろん無理はさせません。琥珀さんも、構いませんか?」

「ええ、志貴さんが構わないのであればわたしは。でも少し残念です。一夜限りの機会、シエルさんほどではありませんがわたしの成長を志貴さんに見てほしかったんですが」

「そ、それは……」

 

 

よよよ、とわざとらしくよろめき、うらめしそうな演技をしながらリビングから見て奥にある寝室に視線を送る琥珀。その意味するところを悟り、シエルさんは気まずそうに、申し訳なさそうにするしかない。対して自分は呆れかえっているだけ。というか最初から気づいてた。明らかに途中から琥珀の口数が少なかったのでモロバレだった。

 

だがこれで方針は決まった。そもそも最初から自分だけ動かない、なんて考えていなかった。

 

『今を精一杯生きる』

 

それが自分の生き方。明日終わるとしても、最後まで精一杯生きる。それが長い螺旋の先に自分が辿り着いた借り物ではない答え。

 

 

「―――――シエルさん、アルクェイド。今度は俺が力を貸すよ」

 

 

思い出すのは蛇との最後の戦い。あの時は二人の力を貸してもらった。だから今度は自分の番。今の二人にどれぐらいついていけるかは分からないが、少しでも役に立てれば。

 

 

「「――――」」

 

 

しかし、二人はそんな自分の言葉を聞いた途端、言葉を失ってしまったように固まってしまう。一体どうして。恐る恐る声をかけようとした瞬間

 

 

「ん~~~っ! ほわぁーーーー!!」

 

 

アルクェイドは猫背になってぷるぷる背中を震わせたかと思うと、勢いよく天井に向かって両手万歳、奇声、もとい嬉声を上げてしまう。

 

 

「うんうん! 任せてシキ! 一年前とは全然違うんだから! また一緒に戦えるね! 今度は全力のわたしを見せてあげる!」

「え? ちょ、待て!? だから抱きかかえるなって!?」

 

 

再びどころか過去最高調に上機嫌になりながら、アルクェイドに抱きかかえられてしまう。どうやらお姫様の琴線に触れてしまったらしい。

 

 

「だから止めなさいと言ってるでしょう!? それに歩く自然災害のような貴方に遠野君のバディは任せられません! 遠野君との連携を誰よりも上手くできるのはわたしです! そうでしょう、遠野君?」     

「ああ……確かにそうだけど」

 

 

アルクェイドを抑えながらそう宣言するシエルさん。自分もそれには同意するしかない。自分からすれば数えきれないほど彼女と共闘してきたのだから。ただ今の冗談抜きにアルクェイドに対抗できかねない実力に成長したシエルさんについていけるかは自信がない。

 

 

「何よ。シエルったらまたシキに呼び捨てにしてもらえなかったから嫉妬してるんでしょ」

「っ!? アルクェイド何を言って」

「? 俺、シエルさんを呼び捨てにしたことなんてあったっけ?」

 

 

あわあわと慌てているシエルさんはともかく、そんな記憶はない。摩耗してしまっている記憶も多くあるが、それでもシエルさんを呼び捨てにするようなことを自分がするとは思えない。

 

 

「……ええ、一度だけ。一年前ロアと戦った時です。覚えていませんか?」

「ロアと……そうか、悪いけど覚えてないな。あの時の記憶はちょっと曖昧になってて……」

「そうですか……」

 

 

どこか残念そうなシエルさんの姿に罪悪感を覚えるも、思い出せないものは仕方ない。あの時の戦いの記憶は酷く曖昧になっている。きっと無我夢中だったのだろう。もっとも覚えていても、シエルさんを呼び捨てにするのは難しい。自分にとってさん付けは彼女への親愛の証でもあるのだから。

    

 

「あらあら、でもそうですねー……なら先にシエルさんが志貴さんを名前でお呼びしてみるというのはどうです? その代わり志貴さんはシエルさんを呼び捨てにするというのは?」

 

 

こんな面白そうなイベントを割烹着の悪魔が見逃すはずがなかった。それはまさに悪魔の囁き。同時に強烈な既視感。そういえばいつか同じようなイベントがあったような気がする。あれは何だったか。

 

 

「え――――そ、そうですね。それなら、いえそんなのカンタンです。い、いいんですか琥珀さん? 言っちゃいますよ? し――――しし、し――――」

「そこまでにしておけ琥珀。シエルさんも無理に付き合わなくてもいいから」

 

 

きゃん、と鳴きまねをしている琥珀をシエルさんから引き剝がす。そこでようやく正気に戻ったのかシエルさんは慌てて眼鏡をかけなおしている。それを楽し気に見ているアルクェイド。とてもこれから死徒討伐に向かうとは思えないような空気。だが心配いらない。もし永遠を手にしたロアが相手だとしても、今の二人と一緒なら負けはしないだろう。

 

一度振り返って琥珀を見る。彼女もまた自分を見つめ返す。いつかのように白いリボンを渡してくることはない。そう、約束する必要も今の自分たちにはないのだから。

 

 

「――――いってきます、琥珀」

「――――いってらっしゃい、志貴」

 

 

当たり前のようにそう告げて出発する。両隣には月姫と夜の虹。帰る場所は日向の夢。挑むのは一夜限りの再演。

 

 

 

俺たちは歩き始める。それじゃあまずは、この夜の主演である、紫苑の錬金術師に会いに行くとしよう――――

 

 

 

 

 




作者です。後日談の後編を投稿させていただきました。

前編の時点で気づいた方も多かったかもしれませんが、この後日談は元々メルティブラッドへと繋がる物語でしたが月姫リメイクに合わせて加筆修正したものとなっています。

本編でも示唆していますが、リメイクで登場した原理血戒という概念、魔法使いの贈り物とお節介さんの助力によって主人公は時折、夜の間だけ死のない世界を見ることができる幸福が上乗せされることになります。甘いかもしれませんが本編が完結して六年。主人公にもう少し救いがあってもいいかな、と考えた結果です。楽しんでいただければ嬉しいです。

活動報告にて本作の設定やプロットを公開しています、。

長くなりましたが、ここまでお付き合いくださり本当にありがとうございました。月姫 The other side of red garden が早く出ることを期待しながら。

最後に本編では明示されなかった設定やプロットを載せています。興味があればご覧ください楽しんでくれれば幸いです。






『遠野志貴』

本編の主人公。実は蛇の戦いの後、精神的な摩耗や反動で精神的に不安定な時期があったものの、琥珀の献身によって回復。後日談時には完全に素の性格に戻っており、若干子供っぽくなっている。体調面については琥珀の感応能力に加え、秋葉による命の供給も継続されているため以前より良好になっている。

後日談後は青子から贈られた魔眼殺しとシエルによるタタリの原理血戒である『現象』の使用によって死のない世界を見ることが可能に。ただ原理血戒の使用は常時行えるようなものではないため、数か月に一度、シエルたちが帰ってきた夜のみなのだが本人はそれに心の底から感謝している。

無事学校は卒業するも紆余曲折あり専業主夫となる。琥珀に養われることに色々思うところはあるものの惚れた弱みもあり今日も今日とて家事をこなす毎日。働きに出ている琥珀はもちろん、シエルやアルクェイドを家に迎える側となる。タタリ討伐後は戦うことはなくなったが、色々厄介ごとには巻き込まれている。


「琥珀」

本編のヒロイン。我が世の春が来たとばかりに普段通りに振舞っている割烹着の悪魔。主人公のことを第一に考えながらも私情を多分に交えながら今までできなかった事、時間を取り戻すかのように奮闘する毎日。だが日和ったといってもそこは月姫の黒幕系ヒロイン。その姦計によって見事主人公を専業主夫とすることに成功。その地位を盤石とした。

遠野家を離れた際、秋葉から(正確には槙久)一生暮らせる額の金銭が渡されているのだが、四六時中一緒では主人公を堕落させてしまうと自覚しているため彼方の夢エンド時同様、遠野家の専属医である時南宗玄の元で薬剤師として働いている。

最近の趣味はコスプレ。きっかけはアルクェイドの空想具現化によって衣装チェンジした際、アルクェイドの格好をした自分に主人公が反応したのを見逃さなかったため。それ以来、趣味と実益を兼ねたコスプレ撮影会(お触り可)を行っている。


「シエル」

リメイクの影響によって一番変化があった人物。肉体年齢の設定変更によってスタイルはさらに成長を遂げている。そのため制服はサイズがあわなくなり、後日談での服装は「教えて!シエル先生」の物となっている。

実は蛇と戦いの後、主人公がアルクェイドは呼び捨てにしているのに自分にはしてくれていないのを気にしており、「日向の夢」の際もそのことに触れようとするも断念するシーンがある。

本編後はアルクェイドと共に死徒討伐に。しかしアインナッシュ討伐の折、メレムに自らの体術が対城レベルでないことを指摘され同時にアルクェイドとの力の差を痛感。ある祖に剣を師事し体術、剣術を対城レベルに。同時に原理血戒の獲得と第七聖典の修復、改修によってガチで物理的にアルクェイドに対抗できるレベルとなっている。

苦労する性分は変わらず、心労は絶えないものの、自らと似た境遇であった主人公が琥珀と共に平穏に生活しているのを見守りながら、自分もまた贖罪と未来に向かって歩んでいる。


「アルクェイド・ブリュンスタッド」

一年の経験によって原作のアルクェイドに近づきながらもその人格形成には琥珀の影響が強く残っているためかなりイタズラ気質。ロアから力を取り戻したことに加え、アインナッシュの実によって吸血衝動も和らいでいるためその実力は規格外。正面からアルクェイドが自然災害レベルの力で圧倒し、シエルがそれをフォローするのが今の死徒討伐のセオリー。単純であるが故に強力なスタイルでありこのペアに狙われれば命はないとまで祖に恐れられている。

無敵に近いアルクェイドだが青子を苦手、正確には彼女の魔法の力でもある逆光運河がアルクェイドにとって天敵であるため旅先で会った際には警戒を露わにしていた。

今のアルクェイドにとって死徒討伐は「仕事」であり主人公と琥珀がいる場所が「家」、今の生活はいわば仕事に行って家に帰るを繰り返していることになる。

『そうなんだ。家に帰ってるんだ。何でそんなに早く家に帰りたいんだろう。家に帰っても眠るだけなのに』

本編の第三十六話にてアルクェイドが抱いた疑問。今のアルクェイドは無意識にその答えに辿り着いた形となる。


「翡翠」

主人公と琥珀を見送った後、自らへの戒めを乗り越え屋敷の外に出るようになっている。本編では匂わせる程度で明言していなかったが第二十七話の時点で主人公が本物の遠野志貴ではないことに気づいていた。そのため琥珀同様、主人公のことを『あなた』と呼んでいる。

一度だけ街で並んで歩いている琥珀と主人公を目にし、自分の選択が間違いでなかったと安堵。声をかけずに見送った。


「遠野秋葉」

本編ではほとんど出番がなく、どう扱っても主人公にとっては地雷、鬼門であるため後日談でも直接会うことはなかった。

翡翠同様、第二十七話の時点で主人公が偽物であることを看破している。そのため主人公のことを『あの人』と呼んでいる。本来ならその時点で主人公への命の供給を断つところなのだがそうしなかったのは琥珀のため。遠野の人間としての琥珀への贖罪、自らへの戒めとして今もなお命の供給を行っている。

実はがっつり出番があるプロットもあった。いわば月姫転生の遠野家ルートのようなもので、主人公は正体を隠しながら遠野家での生活を送るも発覚、琥珀の策略も交えて泥沼じみたインモラルな展開に。最終的にロアを略奪して主人公と殺し合いを演じた後、何とか秋葉を説得、抑え込むことに成功するも十七分割されていない処刑人アルクが襲来。それを主人公が青子と一緒に退ける、という流れだった。


この先は月姫リメイクに登場するキャラクターのネタバレが含まれるので、まだプレイしていない方やクリアしていない方は閲覧を注意してください。











「ノエル」

本作では直接的な出番はない自称二十五歳の新任教師。本作では本来、シエルと共に赴任してくる予定だったが主人公の介入によってノエルでは状況に対応しきれないと判断したシエルに本国に送還されてしまった。

蛇が討伐された後、その事後処理のために入国。蛇の騒動の中心でもあった主人公に興味を持ち、新任教師として改めて赴任してくる。自らと同じ蛇によって人生を凌辱された存在である主人公に同族意識を持ち(ある意味琥珀が人形である主人公に抱いた感情と同じ)同時に自分と同じ被害者でありながら加害者でもあるシエルを人間らしく変えてしまった主人公に対する増悪という相反する感情を持っている。

もっとも小市民じみたところは変わらず、琥珀とアルクェイドが苦手。アルクェイドに対しては真祖という種としての次元の違いと吸血鬼への嫌悪から。琥珀に対しては自分を見透かしているかのような言動から。琥珀もまた復讐に囚われた過去とそれを乗り越えた経験からノエルを気に掛けている。

後日談後のタタリ討伐にも参戦。しかしその影響からあり得た可能性として死徒化してしまう。その全能感から原作同様危うく道を踏み外しかけるも主人公たちによって防がれる。その後、監視の名目でシエルとバディを組み、再現されたロア(永遠には至っていない)と対峙。シエルと共に共闘し蛇との因縁に決着をつける。その後、代行者から引退。紆余曲折あり、新任教師を継続することになる。

当初は後日談でも登場し、死徒化してしまっているため目が見えるようになった主人公が困惑する流れもあったがネタバレ要素が強すぎるのと話がとっちらかってしまうためお蔵入りとなった。


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