こっちの方も、メインヒロイン達とバトルしたり、千冬と××したりと
考え中です。
セシリアと一夏の試合が終わり、翌日。
一組の教室では、勝ったはずのセシリアが一夏や日本を侮辱した発言を謝罪し、一夏もクラスメイトたちはそんなセシリアを見捨てず受け入れる。
さらに、セシリア自身がクラス代表を一夏に譲り、放課後に一夏のクラス代表のお祝いをするとのことで、一組は少し騒がしかった。
同じ頃、キノのいる四組でもクラス代表の話があったが。既に簪がその席におり、別段変わった事はなかった。その後キノと簪は授業が終わると、二人で寮に向かう。。
まだ周りには人がおりエルメスは黙りながら二人の話を聞きながら「暇だ」と何度もぼやいていた。
「ねぇ、あんた達」
二人に、小柄の少女が声をかけてきた。大きなバックを持つ少女は「事務室はどこにあるのか?」と聞いてきて、簪は視線をそらしキノが答えた。
「そう、ところでさ。織斑一夏ってどこのクラス?」
「一夏さんですか? 彼なら一組で、ボクたちとは違うクラスですけど」
「ふぅん、そう」
少女がつぶやき、キノに教えられた道を行きキノ達は自室に戻った。
「簪さん、今日はどうしましょうか?」
「今日は、これを見ようと思う」
DVDボックスを取り出し、テレビにDVDをセットすると特撮物が流れ始め二人は夢中になって鑑賞する。最近になって、簪の趣味が特撮物だった事から時折キノも一緒に見るようになりエルメスも時折声を出しながら観ていた。
「キノも変身できればいいのにね? そうしたら銃を撃ち放題で、いつでも敵を殲滅するヒーローの出来上がりだよ」
「殲滅って、それじゃ完全に悪者だよ」
「じゃあ、キノと簪はどんなヒーローになりたいの?」
エルメスの質問に二人は少し考えて、
「ボクは…毎日ご飯とお風呂に困らないヒーローならいいかな」
先にキノが答え、簪が苦笑した。
「それじゃ、今の生活と変わらないじゃないの?」
「あぁ、そうか。じゃ、ボクは一応ヒーローって事なのかな?」
「それ、ヒーローじゃないような気が…」
簪が小さく突っ込むと、キノと簪が笑い始める。
「じゃ、簪はどんなヒーローになりたい?」
「私? 私は…」
エルメスの質問に簪は黙ってしまった。簪は自分がヒーローになる事なんて考えたことがなく、むしろヒーローに助けられるヒロインになる事に憧れていた。そのためどう答えればいいのか分からず黙ってしまい、テレビ画面ではヒーローがヒロインを助けるシーンが流れるーー
時を同じくして、食堂では一夏の就任祝いが行われていた。クラスメイトたちから質問やら受け、箒やセシリアが不服そうな顔をしていた。
「ところで、織斑君ってどこで射撃を習ったの?」
「射撃は、四組にいる人が…キノさんって人に教えてもらったんだ。あの人に教えてもらってなかったら、もっとひどい形で負けてたと思う」
一夏の一言に黄色い声が広まる。だが、同時に箒とセシリアの目つきが変わり。
さらに、食堂の外で一夏を昼間にキノ達と会った小柄の少女。鈴が拳を強く握りしめ見ていた。
「へぇ…」
暗い目をしている少女こと鈴も、一夏の親友の一人で今は中国の候補生の一人だ。
そして、そんな彼女は何かを決めたかのような目つきで静かにその場から去る。
その後は、記念撮影をしてお開きになるが翌朝――
「ねぇねぇ!! 一組の織斑君に射撃を教えたのって本当なの?」
「はい?」
何故か一組の子が、四組のキノを訪ねて来た。一夏が祝いの席で口にしたことをさっそく聞きにきて、キノは肯定しあくまでも基礎しか教えきれてない と付け加えて説明した。
「そりゃそうだよね、四組の代表の人とすごい試合してたんだもん」
「ねぇ、今度私にもいろいろ教えてよ!!」
「は、はぁ…」
いつの間にか四組の子までもが話に入り、一夏の発言のせいでキノは余計に注目されてしまい、さらに簪が不機嫌な顔をする。
その後も、簪の機嫌が戻らずキノが声をかける前にどこかに行ってしまい、キノが首をかしげると「嫉妬しているね」とエルメスがキノに伝え、キノは簪の不機嫌に何となく気づき無理に声をかけなかった。
簪がいないままキノは食堂に一人だけ入ると、食堂の入口に食器を持った女性が立っていた。
「あんた昨日の…」
「はい?」
鈴がキノに近づく。
「黒髪にズボン…ねぇ、四組で一夏に銃を教えたのってあんた?」
キノは「そうですが」と答え、鈴が目を細めキノを見る。
「ねぇ、あんた一夏はどういう…」
関係か と聞こうとしたが、キノの背後から一夏と箒。さらにセシリアが来る。
「お!! キノさん!! それに鈴!!」
一夏はキノと鈴を見かけ声をかけて箒とセシリアが一夏をにらむ。
鈴はキノをにらみ空気が悪い中、会話に入ることができないエルメスは内心
「これは波乱だね」とつぶやく中、四人は一つのテーブルを取り席について話はじめた。
箒達から鈴の事を説明を受け、鈴の紹介をし。次に、キノの話となった。
訓練をつけてくれた事を話す一夏は気づかないが、三人はキノを「新たなライバルか?」と疑いの目をしていたが、キノは手元のカレーを食べる手を止めないまま話を聞く。
「そ、そうでしたの…初心者の一夏さんがあそこまで戦えたのは、あなたが...」
セシリアが言葉を震わせ、つぶやく。箒は、以前事務室でキノに倒された事をまだ根に持ち、一言も話さない。
「ま、まぁいいわ。ところで一夏。あんた、部屋はどこなの?」
一夏は鈴の質問に、箒と相部屋で使っていると答えると鈴は何かを閃き笑みを浮かべた。
「ふぅ、疲れた…」
昼食時の気まずい空気と、簪の不機嫌。さらに授業の疲れでため息を吐き出すキノ。食堂が混んでおり、簪は整備室にいるため一旦寮に戻ると、近くの部屋から声が聞こえ、突然。
「この、馬鹿!!」
と、鈴が叫び部屋から飛び出すのが見えたーー
事の原因は、鈴が箒と部屋を変える提案をしてきた事が始まりだった。もちろん、箒は頑なに拒否した。
さらに鈴は昔一夏に告げた「約束」を聞くが、どういう訳か彼の中では
「酢豚を作ってくれる」と勝手に変換され、これには彼女は怒り部屋を飛び出して、屋上で鈴は一人ベンチに座っていた。
「馬鹿馬鹿…」
一夏に対する恨み言を呪詛のように唱えていると扉が開き屋上に来たのは
「あんた…」
「あ、どうも」
ビニール袋を持ったキノだった。食堂が混んでいたせいで、食べることができなかったのと、簪がいつもより早く部屋に戻り気まずかったため屋上に来たキノ。
目が合った二人は少しの間静かになるが、キノはビニール袋からおにぎりを出し「食べますか」と鈴に差し出した。
「たくっ!! 本当に、あの馬鹿!! ありえない!!」
ベンチに座ったキノは、鈴の愚痴を聞いていた。相槌と返事をして鈴が怒りに任せた食べた物を片付ける
「ふぅ、なんか馬鹿らしくなってきた…」
キノに愚痴を聞いてもらい、気持ちが落ち着いた鈴。と、彼女はふとキノを見て口を開く。
「ねぇ、あんた…一夏のこと。どう思ってんの?」
「? どう思って…」
キノは少し考える。キノが学園にいる理由は、支援してくれる束の依頼で一夏の身を守ることだ。鈴の思っているような一夏を「異性」としてではなく「護衛対象」としか見ていない。
「真面目でいい人だと思いますよ」
「そ、そう…」
キノのあっさりとした言葉に鈴は少し肩透かしを受け、キノから視線をそらした。一夏を狙っている鈴は心の中で「もしかしてキノは一夏を狙っていないのか?」と思い少し安心したのか息を吐く。
「その、なんかごめん。愚痴に突き合わせて」
「いえ、大丈夫ですよ。ただ、話を聞いてみてボクは鈴さんの酢豚を食べたくなりました」
「そう? まぁ、愚痴を聞いてくれたし、今度作ってあげるわ」
鈴の提案にキノは「楽しみです」と答え、日が落ちる頃になって二人は屋内に戻った。