クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~デバステイター~   作:Mr.エメト

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孤独な二人・前編

-再び更衣室-

 

アンジュに斬られた所を裁縫しいるロザリー。

新しいの買えば済むことだが、そんなお金もない。

 

「あの二人にもっと徹底的にやんねえと」

 

「でも、リュガはお姉さまを助けたのに・・・?」

 

「あの男は"そんなに食ったら太る"って、暴言、吐いたんだぞ!」

 

あの時、アンジュの食事を奪った時のだ。

その点でロザリーはリュガも攻撃対象に入っている。

女性に対して太る、それは何処の世界でも最大の禁句なのだ

 

「まずはあの女からだ。私たちがお姉さまの敵をとるんだ。ヒルダの分もな」

 

 

=作戦1.ワザと食器をぶつける=

 

 

アンジュが食事の配給を受け取るのを見たロザリー。

 

「おっと!」

 

わざとらしく食器を投げるがアンジュは避けて、褐色肌のライダーに当たった

 

「てめぇぇっ!!」

 

「ぎゃあああああっ!!」

 

食堂に、殴打とロザリーの悲鳴が響き渡る。

 

 

=作戦2.水に下剤を混ぜる=

 

 

アンジュとリュガがシュミレーターに入っている所に近づき、下剤入りの水をすり替える。

訓練が終わったアンジュはペットボトルを開けて飲もうとするが、違和感を感じる。

 

「ふふーん」

 

アンジュは首にかけていたタオルを投げる。

ロザリーの視線がそっちの方へと向いた隙に、先程の水を口移しで飲ませる。

アンジュはそのまま、立ち去る。

 

「うぐあっ!?」

 

「ろ、ロザリー?」

 

ロザリーは腹を抱えて、トイレへダッシュした。

心配するクリスだが、肩を誰かに捕まれる。

振り向くと・・・。

 

「お前か、下剤入りをしたのは?」

 

リュガだ、彼の手には下剤入りの水を持っていた。

 

「えっ!?なんで、解ったの!?」

 

「飲もうとしたら、ロザリーが顔を悪くしてどこかに走っていたのを見てな。

 で・・・お前も味わうか?」

 

ギロリッとクリスを睨む。

 

「ご・・・ごめん!!」

 

クリスは脱兎する。

 

 

=作戦3.弱みを握る=

 

 

アンジュはシャワーを浴びている最中。

ロザリーとクリスはアンジュの弱みを握ろうと探っている。

 

「ろ、ロザリー!!これ!!」

 

「うわぁ・・・あいつとんだ、アバズレだったのか!!」

 

クリスが見つけたのは派手な下着だ。

 

「ふぅーいい湯だったわ」

 

シャワーを浴び終えたエルシャ、ロザリーとクリスが視界に入る。

 

「こいつを廊下に張って、生き恥をさらしてやる」

 

「うん、色ボケ豚のメスビッチのパンツ」

 

「・・・もう一度、言ってくれないかしら?」

 

「色ボケ豚のメスビッチのパン・・・ツ・・・」

 

「えっ?」

 

ロザリーとクリスは声の方を向くと・・・。

 

「はぁーい、色ボケ豚のメスビッチでーす」

 

エルシャは指をバキバキとならしている。

笑顔だが、目が笑っていない。

ロザリーとクリスは目の前にドラゴン以上の恐怖がそこにいた。

この後、二人はエルシャの鉄拳制裁を食らう事に・・・。

シャワーを浴び終えたアンジュは制服を身に着けるが、胸部分がビリっと破けた

 

「・・・新しいの買うしかないわね」

 

 

◆アルゼナル ジャスミンモール◆

 

 

ここの巨大市場ジャスミンモールは日用品、食品、パラメイル用のカスタムパーツなどまで、取り扱う品目は多岐にわたる。

隣接するアミューズメントブースでは卓球やクレーンゲーム、スマートボール、ビリヤードなどの娯楽設備も楽しめ、ノーマたちの憩いの場でもある。

ヴィヴィアンが大きな袋を持って武器の方を見ている。

 

「おばちゃん、コレいくら~?」

 

「お姉さんだろ!!ったく・・。ソイツァは1800万キャッシュだね」

 

「喜んで!」

 

ヴィヴィアンが選んだのは斧の様な武器を購入する。

リュガはヴィヴィアンが購入した武器を見て少し呆れていた。

 

「あんな武器、使いこなせるのか?」

 

「使いこなせるから、購入したんだよ」

 

「武器のせいにして死ぬようなことはするなよ。ジャスミン、このリストに載っている奴はあるか?」

 

「ここは、ブラジャーから列車砲まであるジャスミンモールだよ。

 ダイヤモンドカッターとパイルバンカーの弾丸、それに電気モーターか」

 

「あのプルートの整備資料を見て、色んな物を装備すると違う効果があると書いてたから試しにな」

 

リュガはキャッシュを払い、お目当てのものを購入する。

すると、番犬が唸り声を上げる。

視線の方を向くと、ボロボロの制服を身に纏ったアンジュだ。

 

「おおー、セクシー」

 

「・・・涼しいそうな格好だな」

 

「随分、派手にやられたね」

 

それぞれの感想を述べるが、アンジュは制服代のキャッシュをジャスミンに渡す。

 

「毎度あり。しかし・・・なにをどうしたら、そんな風になるんだい?」

 

「大方、ロザリーとクリスにやられたんだろうな。

 ・・・それから、ジャスミン、花とかあるか?」

 

「あるにはあるけど何に使うんだい?」

 

「殺風景な部屋に少し、飾るだけだよ」

 

そう言って、リュガはキャッシュを出し、花を購入する。


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