クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~デバステイター~   作:Mr.エメト

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一年ぶりの更新!!待っていた皆さま、申し訳ないです!!

いよいよ、終わりの時が近づきました。

最後の最後まで、走り続けます!!


ファイナルカウントダウン 前編

ミスルギ皇国ではエンブリヲが計画の最終段階へと移そうとしていた。

 

「ラグナメイル・コネクターパージ」

 

――パシュ!

 

「くっ!?」

 

そこには何故か少しばかり頬を赤くし恥ずかしそうにしているサリアが居た。

 

「耐圧角展開、ドラグニウムリアクター・エンゲージ、リーブレン共振器接続、全出力供給開始」

 

アケノミハシラに保管されているラグナメイルが連動して光始め、

エネルギーとしてアケノミハシラの頂上に向かいそして散布される。

その様子を映像で確認したエンブリヲ。

 

「準備は整った……しかし」

 

―――パシュ!!

 

「ぐっ!?」

 

エンブリヲは膝に居るサリアの尻を叩いていたのだ。

 

「アンジュが居ないとは……何故逃がした?」

 

「っ…!」

 

――パシュ!!

 

「うっ!どうしてアンジュが必要なんですか!?

 私はずっと…エンブリヲ様に忠誠を誓ってきました…エンブリヲ様の為に戦ってきました…!

 なのに…またアンジュなんですか!?私はもう…用済み何ですか!?」

 

サリアの思いを聞いたエンブリヲはその心には何にも感じないまま話す。

 

「私の新世界を作るのは強く賢い女たちだ、だから君達を選んだ…。

 アンジュも同じ理由だ……愚かな女に用はない」

 

「!?」

 

エンブリヲの言葉を聞いたサリアは思わず絶句し、カノープスは黙って聞いていた。

エンブリヲはサリアを下ろして、冷たく言う。

 

「アンジュは必ず此処に来るだろう、私を殺す為に。

 サリア、君が本当に賢く強いなら――――やるべき事は分かるな?」

 

聞かされたサリアは急いで下着をつけ直して、急いで敬礼をして言う。

 

「アンジュを捕え、服従させます」

 

「期待しているよ、私のサリア」

 

サリアは唇を噛みしめて何やら思いつめるのだった。

そして、エンブリヲはカノープスの方を向いて言う。

 

「カノープス。リュガとアンジュの騎士を名乗る男を葬れ」

 

「解っていますよ。貴方は計画の準備をチェックしてみては?トラブルがあったら大変ですし」

 

「……言われずとも解っている」

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

「二つの地球を融合だと!?」

 

シュージが驚いた事実にリィザは頷く。

 

「制御装置であるラグナメイルとエネルギーであるアウラ。

 エンブリヲは二つの地球を時空ごと融合させ………新しい地球を……

 ゲホッ!!ゲホッ…!」

 

リィザは突如せき込んでしまい、体力的に無理と判断したマギーが止める。

 

「……彼女は休ませておこう」

 

テンゲンがそう言ってマギーと共にリィザを医務室へと―――。

一方でエルドの死を知らせて、仲間たちは悲しみに暮れていた。

 

「エルド、勝手に死ぬなんて……」

 

「……一番辛いのは、リュガだよ。母を失い、今度は父を失うなんて」

 

ゼランディアは両目を瞑りながら、口を開く

 

「感情的になるのは解る。

 だが、悲しみに暮れている間にもエンブリヲは最終計画を発動する。

 止められるのは、リュガとアンジュの二人だ」

 

「それで、アンジュリーゼさまは何処へ?」

 

「俺が前に住んでいた無人島にいるはず。あのバイクにはそういう風に設定してある」

 

「それなら、お姫さまを迎えるのはタスクとモモカに任せよう。同じタイプのバイクがある」

 

「ありがとうございます、ニコルさん」

 

タスクとモモカはアンジュリーゼと合流する為に、格納庫へと向かう。

 

「……それで、リュガは?」

 

「俺が行こうかと思ったが……サラが見ると、言いだしてな」

 

 

◆◆◆◆

 

 

サラはリュガの部屋に入る。

スタンドの電気しかつけていなく膝を抱えて座っているリュガがベッドの上にいた。

サラはリュガの前に立ち、話しかけようとするが、どんな言葉をかければいいのか解らなかった。

 

「……リュガ」

 

呼ばれてゆっくりと顔を上げるリュガ。

両目は泣いていたのか眼が赤く、涙の後がある。

 

「……サラ、か。ごめんな。こんな弱い姿を見せて……」

 

しばらくの沈黙が続き、リュガは父の別れた時を思い出す。

 

「俺があの時……。

 カノープスにつかまっていなければ、父さんが、父さんが死ぬようなことは無かったのに……!!

 俺のせいで……!!」

 

ギリリッと二の腕に爪を立てて、傷つけ、血が滲む。

サラはそんなリュガを見て、痛々しく、耐えられなかったのか、包み込むように抱きしめた。

 

「リュガ、貴方が……そんな弱気では、ご両親が哀しみます。

 お二人がどんな想いで、貴方に託したのですか?

 それをよく考えてください……」

 

厳しくも優しく、リュガを励ますサラ。

そうだ、ここで自分が折れてしまったら、両親に顔を合わせられない。

リュガはゆっくりと立ち上がり深呼吸をする

 

「……ああ、そうだな。ありがとうサラ」

 

 

◆◆◆◆

 

 

「メイルライダーのヒルダ殿、我々アウラの民はノーマとの同盟締結を求めます」

 

「同盟…?」

 

ヒルダはその事を聞いてゼランディア達を見る。

 

「我々の龍神器だけではエンブリヲの防衛網を突破する事は困難、カノープスが所持しているトリアングルムも脅威だ」

 

サラの言葉にヒルダは思わず考え込む。

 

「確かにアタシ等だけじゃあラグナメイルもあのトリアングルムにも手も足も出ない……。

 良いよ…同盟結んでも、ただし、アンジュが帰ってきたらだ」

 

『おや?アンジュは戻っていないのか?』

 

皆は扉の方を向くとエマ監察官がやって来た。

しかしバルカンは何故か警戒して唸りはじめ、エマの様子がいつもと違う事に気が付く。

 

『やれやら…何処に行ってしまったのやら、我が妻は…』

 

「監察官さん?」

 

エマがマナの通信画面を開くと、そこにエンブリヲの画面が映る。 

 

「エンブリヲ!」

 

バルカンが思わず向かってしまい、それをエマが叩き落としてしまう。

 

「大丈夫か!」

 

ゼノンはバルカンの方へ駆け寄り、介抱する。

 

「とうとう狂ったか、てめぇ!!」

 

ヒルダが銃を構えた瞬間、ゼランディアは止める。

 

「待ちな。彼女は操られてるだけだ」

 

「何……!?」

 

ゼランディアの言葉にヒルダが驚く。

 

「その通りです、逃げた女に追いすがるなど……。不様ですわね、調律者」

 

『フン、ドラゴンの姫と皇子か』

 

其処に皆と合流したサラとリュガ。

エンブリヲはサラとゼランディアを見て鼻で笑い、サラは剣をエンブリヲに向けて言う。

 

「焦らずとも、すぐにアンジュと共に伺いますわ。

 その首を貰い受けにじっくりと怯える事ですわね」

 

『ほう……、果たしてできるかな?』

 

「……必ずやるんだよ」

 

『ふん、人間でもノーマでもドラゴンでもない君にできるか?』

 

その言葉にヒルダたちは驚愕し、リュガを見る。

 

「……神を殺すのはいつだって、ドラゴンと人間だ」

 

リュガはサラの方を見て、サラは頷く

 

「ラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

サラの雄たけびによりエマのマナが不安定となって破壊され、エマは正気を取り戻して気を失う。

 

「監察官さん!?」

 

ヴィヴィアンが問いかけ、すぐさまラプラスが見る。

 

「……大丈夫。気を失っているだけよ」

 

「ヒルダ殿、エンブリヲはなりふり構わずにアンジュを探している様子です。

 エンブリヲの眼をかわしアンジュを助け出す事が出来ますか?貴女に………」

 

「……ぐ」

 

サラの言葉にヒルダは言葉を詰まらせる。

エンブリヲの目をかわす事などヒルダには出来ない事だった。

それにサラは笑みを浮かばせる。

 

「アンジュは帰って来ます。タスク殿が必ず連れて」

 

「はっ!何であいつが!?」

 

「理由は簡単だ……あいつはアンジュの騎士だからだ。

 僅かとはいえ、確かな繋がりがあるから」

 

その事にヒルダは言葉を止まってしまう。

 

 

◆◆◆◆

 

 

再び自身の部屋に戻ったリュガ。

タスクとモモカがアンジュを連れて帰って来た時が、最後の戦いが始まるだろう。

これまで、幾つも死ぬような危険性があったが怖くはなかった。

だが、今度のは……恐怖はある、いや、いままで恐怖を感じなかったのが異常だったのかもしれない。

 

「ははは……、今更になって人間らしさが出たという事か」

 

ドアがノックし、サラが入ってくると同時に、鍵をかけた。

 

「サラ……?」

 

「次が最後の戦いとなるでしょうから、お互い、勇気を出そうと思いまして来ましたわ」

 

「勇気……?」

 

明かりを消して、サラは身に纏っている服を脱ぎ、裸になる。

リュガは驚きつつも、彼女の白い肌をチラチラと見る。

一糸纏わないサラゆっくりと近づき、リュガの上着を脱がす。

互いに見つめ合い、頬を染める。

 

「サラ……」

 

「リュガ……」

 

互いに名前を呼び、キスをした後、二人はベッドに倒れる。

 

二つの影が一つに重なり合う―――――――。




というわけで、リュガとサラ……最後までしちゃいました!!

最初はサリアかエルシャと考えてましたが、サラが本格的に登場して、魅力されて、ヒロインに決定しました。

次回に続きます!!

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