クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~デバステイター~   作:Mr.エメト

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お待たせしましたー、後編スタートです!!


解放する怒り 後編

格納庫ではヒルダ達が特殊部隊に対して猛反撃をしていた。

部隊の一人がグレネードを投げ、そのグレネードがロザリーのグレイブの右の連装砲に直撃して吹き飛ぶ。

 

「ああ!!新しい連装砲が!!」

 

「この野郎!!」

 

ヒルダとロザリーはマシンガンで撃ち返すが、その隣でクリスが絶望するかの様にひそめていた。

 

「……もう駄目だ、私達死ぬんだ……」

 

「死の第一中隊がこんな所で死んでたまるかってんだ!」

 

「今さら隊長づらしないで!!」

 

「はいはい……」

 

クリスの嫌みを流すヒルダだったが、一人の特殊部隊が狙っているのに気付く。

それにヒルダがクリスを庇う。

 

「クリス!!」

 

ヒルダが庇うと、左肩に銃弾を受けて仕舞う。

 

「く……!!このくそおおおお!!」

 

撃たれた事にキレたか、ヒルダは敵に向けてライフルを撃ちまくり、相手は穴だらけとなり海に落ちて行った。

クリスは自ら庇ったヒルダに唖然とする。

 

「どうして……」

 

「アタシ等は仲間だよ、誰も死なないしもう死なせないってな!」

 

その事にクリスとロザリーはただ黙ったまま聞いていた。

今度は敵が投げたグレネードがエレベーターシャフトに直撃して、シャフトが崩れる。

 

「エレベーターシャフトが!」

 

「これではパラメイルを下ろせません!」

 

部下の言葉にメイは歯を噛みしめ、不味い状況になって来る事にロザリーが問いかける。

 

「ど、どうするんだよ!ヒルダ!?」

 

「く……!」

 

その時、リュガが現れた。

テンゲン、シュージ、ゼノンはリュガに駆け寄る

 

「リュガ、無事だっのか!!」

 

「お前だけ、どこにいったのか解らなかったら心配したぞ」

 

だが、リュガはなんの返事もない。

三人は怪訝な表情して、シュージはもう一度、リュガに問いかける。

 

「おい、どうしたんだよ。リュガ……?」

 

「テンゲン、シュージ、ゼノン……。俺、お前たちの親友でよかった……」

 

三人はリュガの言葉に理解ができなかった。

リュガはプルートに乗り込み、戦場へ向かう。

 

「おい、リュガ!!」

 

「一体、どうしたんだろう……?」

 

シュージとゼノンは何が何だか解らないが、テンゲンは何かを理解していた。

リュガが抱えこんでいる重い何かを……。

遅れてアンジュ、モモカ、タスクが格納庫に到着する。

 

「お前、何処に行ってたんだ!!」

 

「ごめんね。これから行くところがあるの。シュージ、モモカをお願い」

 

アンジュはモモカをシュージに託しヴィルキスに乗り込む。

 

「アンジュさん、何処へ!?」

 

「……お兄様の所よ」

 

アンジュはヴィルキスを動かし。ジュリオ達が居る艦隊へと向かって行く。

 

「……私たちも行くとしますか」

 

ヒルダはそう言ってライフルを置いて自分のパラメイルの場所に向かう。

 

「ヒルダ……」

 

「アタシたちも行かなきゃね」

 

ヒルダに続き、ロザリー、クリスもパラメイルに乗り込み行こうとするが――――。

 

―――バンッ!!

 

敵兵が残っており、クリスが狙撃され、操縦不能となったパラメイルは瓦礫に突っ込んでしまった

更に足場も崩れ出し、助ける事は不可能になった……。

 

「クリス!!」

 

「クリス……。ちくしょう…てめぇら全員ぶっころす!!」

 

ロザリーは涙を流して、円盤ドローンを撃ちまくる。

だが、クリスの近くにエンブリヲが立っていた。

 

―――――――――

 

タスクもアンジュを追いかけようとバイクに乗ろうとしたが、肩を掴まれる。

振り向くと、シュレディンガー、ヴィヴィアンを背負っていた

 

「シュレディンガーさん!?その女の子は……」

 

「話は後だ。今すぐ、リュガとアンジュを追いかけるぞ。エンブリヲも何処かにいるはずだ」

 

リュガの後を追うアンジュ。サリアが追い付き、対峙する。

 

「戻りなさい、アンジュ!!使命を果たして!!何が不満なの?私の夢も居場所も奪ったんだから…そのくらい…」

 

「最低最悪で、何食べてもクソ不味かったけど……好きだった、ここでの暮らし

 それを、あいつが全て……壊した!!」

 

するとアンジュの指輪がうっすらと光始め、剣を抜きサリアのアーキバスを落とす。

 

「邪魔をするなら……殺すわ!」

 

その事に答えるかの様に指輪が光、端末も光を放つとヴィルキスは赤色に変化する。

 

「許さない……勝ち逃げなんて許さないんだから!アンジュの下半身デブーーーーーーーー!!」

 

そのまま落ちて行くサリアは叫びながら海へと落ちて行く。

アンジュは再び、ジュリオ率いる艦隊群へ向かう。

 

デストロイヤーモードに変形したプルート、リュガは眼前を見る。

父親から告げられた真実、自分はノーマでもドラゴンでもない、何もかも無に帰したい。

ああ、だったら…、目の前の"敵"を全部壊せばいいじゃないか。

 

全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部!!

 

「――――全部、壊す!!」

 

リュガの心は、破壊と殺戮に満ち溢れる。

それに呼応したのかプルートにも変化が生じ、口と思われる部分が開き目が赤く輝きを増す。

両腰部からホイールエクスカベーター、両籠手からチェーンソーを展開、両肩アームが変形し大砲の様な形となり発射口から火炎が溢れ出す。

 

「うらああああああああああああああっ!!」

 

チェーンソーで次々と戦艦を真っ二つに切り裂く。

人間の悲鳴が聞こえるが、差別する屑どもなんかどうだっていい。

円盤ドローンの群が遅いくるが、腰部のホイールエクスカベーターを操作して叩き落とす

両肩アームの大砲から火炎が勢いよく噴き出る。

最大出力で放ち炎は意志を持っているかのように戦艦を覆い尽くし逃げ場をなくす。

 

「逃げろ!苦しめ!泣き叫べぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

更に火炎の出力を上げ炎の柱が次々とあがる。

その光景はまさに―――灼熱の火炎地獄。

 

「恐怖に慄きながら、死んでいけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

炎が収束し、大爆発が起こし戦艦を焼き尽くす

蒼かった海は紅蓮の炎の海が生まれ、黒雲が生まれる。

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

リュガの瞳が赤く染まり、吼える。

 

【ヴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!】

 

プルートも呼応するかのように、吼えた。

出力を調整して炎を剣にして切り裂いたり鞭のように振りかざして薙ぎ払う。

今のプルートは全てを破壊し焼き尽くす破壊神だ。

一方のヴィルキスも紅に染まり、赤く染まった剣で戦艦を両断し、紅のオーラを纏った状態で戦艦に突っ込み破壊する。

遂に、ジュリオが乗る戦艦に立つリュガとアンジュは司令室を見る。

 

「ひぃぃぃぃっ!?」

 

「てめぇは今すぐに殺してやる。骨も細胞も残さずに!!」

 

「生きる価値のないクズめ!!」

 

二人が止めを刺そうとしたその時だ。

 

「待ちたまえ」

 

リュガとアンジュの前に現れたのは、紫色のパラメイル、宙に浮いているエンブリヲだ。

 

「アンジュ、リュガ。君たちは美しい。その怒りは純粋で白い。

 理不尽や不条理に立ち向かい、焼き尽くす炎の様に、気高く美しい。

つまらない物を燃やして、その炎を燃やしてはいけない。――――――だから、二人の罪は私が背負うよ」

 

目を閉じ、歌唱するエンブリヲ。

紫色のパラメイルの両肩が開きエネルギー渦が発生する。

 

「これって…!?」

 

「ヴィルキスと赤い機体と同じ…!!」

 

紫色のパラメイルは光学兵器を発射、ジュリオが乗っている旗艦へと直撃する。

 

「う、うわあああああああああああああああ!!!!!!」

 

閃光が収まると、ジュリオが乗っていた旗艦が跡形もなく消え、海面に大穴が開いていた。

アルゼナルを抉った時の威力が桁違いすぎる。

 

「てめぇはいったい何者なんだ…?人間という感じでもない」

 

エンブリヲは何かの気配を感じた。

ロケット弾が飛んでくるが、エネルギーシールドで防ぐ。

ランチャーを構えた、シュレディンガー。

タスクはバイクを操作して、アンジュとリュガへ近づく。

 

「アンジュ!!そいつは危険だ!!離れるんだ!!」

 

エンブリヲと紫のパラメイルは狙いを定めたが―――。

 

「やめろおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

プルートのカメラアイが光、口が開かれる。

すると、口から渦を巻く青白い光学兵器が放たれた。

 

「むっ!?」

 

エンブリヲはそれに驚き、光学兵器を間一髪でかわし、空に直撃すると閃光が炸裂する。

 

「プルートにこんなものが……」

 

驚く、リュガ。シュレディンガーはプルートを見て呟く。

 

「……やはり、彼女がメビウスが目覚めたのか?」

 

今度はアンジュのヴィルキスが青色に代わり、リュガ、タスクたちを巻き込み転移した。

 

「ほう、つまらん筋書きだが、悪くない」

 

崩壊したアルゼナルからその光景を見ていた仮面の男が立っていた

 

「ふん。私を葬るために天才共が作り上げた最終兵器―――ドラゴメイルか

 完全に覚醒するまえに手を打たねばならないね」




次回はいよいよ、平行世界編!!楽しみに待っててください~。

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