クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~デバステイター~   作:Mr.エメト

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今回、皆が大好きなサリア隊長の回でアリマス!!


サリアの憂鬱

今回の出撃にて、アンジュとリュガがドラゴンを刈り尽した。

二人は報酬金を多く貰えたが……。

 

「てめーらが報酬独り占めしてるせいで、こっちはおまんまの食い上げだ!」

 

「ケンカ売る暇があったら、少しはドラゴンを早く倒すという考えをしたらどうだ?

 それに、俺やアンジュに弾丸撃っても弾の無駄遣いだ」

 

リュガはばっさりとロザリーに反論する。

 

「アンジュ、リュガ。何故、命令がきけないの?」

 

サリアがアンジュとリュガに尋ねる。

 

「ドラゴンなら倒しているじゃない」

 

「敵対するドラゴンを殲滅しているだけだ。それの何が悪い?」

 

二人は当然の対処をしているためか、悪いとは思っていないようだ

 

「そういう問題じゃないわ!!これ以上、無視をするなら……!!」

 

「罰金でも処刑でもなんなりと」

 

「邪魔するなら、ドラゴンより先に始末する」

 

アンジュとリュガそう言ってその場を立ち去る

 

 

◆◆◆◆

 

◆アルゼナル ジルの部屋◆

 

 

「タスク、生きてたんだね、あのハナタレ坊主」

 

「アンジュを助けたのがあいつだったのね」

 

「じゃあヴィルキスを修理したのはその『騎士さん』だったんだ!」

 

「それでは、アンジュは男と2人っきりだったってこと!?」

 

サリアは思わず頬赤くして、アンジュとタスクの事を思う描く。

 

「ジャスミン、タスクとの連絡は任せたよ。いずれまた『彼ら』の力が必要になる」

 

「はいよ」

 

「それから、もう一人計画の参加するものを紹介する」

 

ジルがそう言うと、其処にいたのはリュガだ。

その姿を見て驚くサリア。

 

「リュガ!?どうして貴方が!?」

 

「ジル司令が、俺の両親について教える条件に参加しろと言われたんでな」

 

「お前なら上手くやれる。期待しているぞサリア」

 

ジルの言葉にサリアは隊長としての重圧がくる。

流石にジルの言葉にマギーとジャスミンは顔を見合わせて心配になる

 

 

~サリア隊長日誌 3月5日~

 

◆アルゼナル 食堂◆

 

エマは先日の件でアンジュとリュガに説教をしている

 

「ありえないわ!人間がノーマの使用人になるなんて!」

 

エマはアンジュがモモカを買い取った事にまだ納得していない様だった。

 

「ノーマは反社会的で無教養で不潔で、マナが使えない文明社会の不良品なのよ!?」

 

「はいはい」

 

アンジュは空になった器を置き、モモカが次の食事を差し出す。

リュガは監察官の言葉に五月蝿いのかぶっきらぼうに返す、

 

「それがどうした?ここは、ノーマが暮らすアルゼナル。

 監察官が言う人間様のルールとここのルールは違う。

 まさか、そこまで頭まで固いわけではないだろう?」

 

「んなっ!?モモカさん、貴女はいいのですか!?」

 

「私は、こうしてアンジュリーゼ様に仕えて幸せです」

 

モモカの答えにエマはため息ついて落ち込む。

 

「良かったねモモカン、アンジュと一緒に居られて」

 

っとその中でエルシャがため息をする。

 

「どったのエルシャ?」

 

「もうすぐフェスタの時期でしょ?、幼年部の子供たちに色々と送ろうか迷ってるんだけど…」

 

エルシャが通帳を見て苦笑いしながら言い、それにサリアが聞く。

 

「アンジュとリュガせいよね。何とかしなくちゃ……」

 

「どんな罰でも金でなんとかするだろうねアイツら、聞きやしないさアンタの命令なんてさ」

 

アンジュの事を考えているとヒルダがサリアに何やら嫌みそう言い放って。

 

「何が言いたいの?」

 

「舐められてるんだよアンタ。ゾーラが隊長だった時はこんな事なかった筈だけどね現隊長さん?」

 

「おっと、食堂でケンカはご法度だぜ。お嬢さん達」

 

第三の声の正体はコック服を身に纏ったシュージだ、デザートを運んでいるようだ。

 

「シュージはリュガの親友でしょ?なんとかならないかしら?」

 

「あいつ、昔から頑固なところがあるからな、聞いてくれるかどうか解らんぜ?

 それにこんな状況だから、本当に聞く耳持つのかどうか」

 

そう言いながら、シュージはババロアをみんなに配る。

ヴィヴィアンは「おお~!!」と目をキラキラと輝かせている。

サリアは席を立ち、食堂を離れようとする。

 

「食わねえのか?」

 

「遠慮するわ」

 

 

◆アルゼナル ジャスミンモール◆

 

 

「(皆・・・ほんと自分勝手、私だって好きで隊長をしてる訳じゃ・・・)」

 

不満を持つサリア。

隊が身勝手な事ばかりとアンジュとリュガ好き勝手な行動と言う事にストレスを溜まらせていく事に徐々に耐え切れなくなり、彼女はそのままジャスミンモールへと向かう。

到着した所にジャスミンに札束を渡し、それにジャスミンに言う。

 

「…いつもの」

 

「…一番奥のを使いな」

 

サリアはジャスミンにキャッシュを払い、一番奥の個室を使う。

数分後、リュガがやってきて服を買いに来たようだ。

 

「ジャスミン、試着したいが……」

 

「一番奥のを使いな」

 

リュガにそう伝えて、一番奥へと向かう。

ジャスミンがキャッシュを数えている途中、思い出す。

 

「…………あっ」

 

さて、サリアが使用している試着室では…………。

 

「愛を集めて光をギュっ、恋のパワーでハートをキュン。美少女聖騎士プリティー・サリアン!!」

 

魔法少女の衣装を着こなしてポーズを決めて、フフッと笑う。

 

(※作者も思わず、腹筋崩壊を起こしたシーンでもある)

 

その時――――。

 

「………」

 

「………あ」

 

サリアは引きつった顔で壊れたブリキ人形みたいにリュガの方を振り向く。

 

「…………邪魔した」

 

リュガはカーテンを静かに閉めて、速足で立ち去る。

ジャスミンはあちゃーという顔をした。

 

(見られた見られた見られた!!よりにもよって、リュガにぃぃぃぃ!!)

 

このままでは、コスプレ隊長という不名誉が!!

ヒルダは笑うのはもちろん、ジル司令が失望した顔でため息をつくというイメージが過る

 

「……こうなったら……」

 

何か決意、いや、思いつめた顔をするサリア。


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