クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~デバステイター~   作:Mr.エメト

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少し遅れましたが、あけましておめでとうございます!!

今年もよろしくお願いします!!


変わらぬ絆

自販機でハンバーガーを購入して簡単に食事を済ませる4人。

 

「けど、どうしてリュガが殺人鬼だって知っているんだろう?」

 

「言ったのは俺だ。遅かれ早かれ知るだろうから、言った方が楽だと思ってな」

 

「変わってしまったなリュガ。前のお前は温厚で優しいが今はどうだ?

 まるで、戦を楽しむかのような狂戦士か破壊者みたいだ」

 

「テンゲン!!てめぇまで!!」

 

シュージはテンゲンの言葉に反論するが、リュガは言葉をつづける

 

「テンゲンが言っていることは本当かもしれない。

 あの平和な日常が、退屈で窮屈を感じた、こっちは命の危険があるけど

 ドラゴンと戦って飽きない日々が続くようになったよ」

 

「ミスルギ皇国で過ごしていた時、そんなにつまらないと感じたの?」

 

「おまえらと過ごした日々は楽しかったさ。あの時、ニックを殺した時から何もかも壊れたから

 兎にも角にも、お前たちの知っているリュガはニックを殺した時に死んだ。

 …すまないが、格納庫で機体の整備をする」

 

ハンバーガーを食い終わり食堂を出ていくリュガ。

格納庫へと向かう途中、司令室から声が聞こえる。

エマ監察官とジル司令官だ。

 

「では、四人は……」

 

「ここを知ってしまった以上、ミスルギ皇国に戻され処刑されるだろうな。

 この施設の秘密保持のために、な」

 

秘密保持のために処刑。

モモカ、テンゲン、シュージ、ゼノンは俺やアンジュに会いに来ただけなのに殺される。

なんとか、止めなければ……。アンジュを探しに、リュガは駆け出す。

 

◇◆◇◆

 

戦闘終了後。

 

「あんのアマ、戦闘中にアタシの機体をまた蹴っ飛ばしやがってえー!」

 

「邪魔って…私の事邪魔……」

 

「今日のアンジュとリュガはピリッピりだったにゃ~!」

 

「何呑気な事言ってんの!とんでもない命令違反よあんなの!」

 

それぞれアンジュとリュガの行動に不満を持った愚痴を零す。

 

「まあまあ落ち着いてサリアちゃん」

 

エルシャはサリアを落ち着かせようとするがサリアは腕を組んでアンジュリュガの行動に憤慨する。

 

「これが落ちついていられる訳ないでしょう!たった二人でほとんどのドラゴン狩られたんだから」

 

「悪いが、今回は説教を聞く気はないね。こっちは急いでやらなければいけないのでね」

 

リュガはそう言ってアンジュと共に駆け足で準備をする。

 

◆◇◆◇

 

滑走路にて荷物をまとめたモモカ、シュージ、テンゲン、ゼノン。

 

「お世話になりました、僅かでしたがお幸せでした。アンジュリーゼ様に伝えてください」

 

モモカはジルとエマに頭を下げる。

シュージとテンゲンは迎えの兵士が方に背負っている銃を見てヒソヒソと話す。

 

(やっぱ、この基地に一般の人間に知らされるのが不味いのか?)

 

(……おそらく我々を口封じするのだろうな)

 

船に乗ろうとする、モモカ、シュージ、テンゲン、ゼノン。

その時だった。

 

「待ちなさい!!」

 

「待ってくれ!!」

 

アンジュとリュガだ。両手になにか持って走ってくる。

 

「その娘、私が買います!!」

 

袋の中には大金のキャッシュをジルとエマに置く。

 

「俺もだ。その三人を買う」

 

リュガも貯めていたキャッシュを置く。

 

「は?……はあー!?」

 

アンジュとリュガの発言にエマは驚き目を丸くしている。

 

「ノーマが人間を買う~!?こんな紙屑で!?そんな事が許される訳が―――!」

 

「いいだろう。移送は中止とする。その娘と男たちはこいつらのものだ」

 

「はい!?」

 

ジルの放った発言にエマはまたしても驚きを隠せない。

 

「そ!そんな……!ちょ、ちょっと待ってください!」

 

エマはマナを使い、二人分のキャッシュを持って後を追う。

 

「ここにいてもいいのですか……。アンジュリーゼ様の御傍にいても、いいのですか?」

 

「…アンジュ。そう呼んで」

 

「はい、アンジュリーゼ様!!」

 

アンジュはフッと笑い、モモカは後を追いかける。

 

「結構、思い切ったことするな」

 

「よかったのか、あれほどの金を使って?」

 

「また稼げばいい。友人は失ったら戻ってこないからな。

 三人もアルゼナルで仕事ができるようジル司令に頼んでみるよ。

 改めて、よろしくな」

 

リュガは笑顔で三人に向けて歩き出す。

三人は初めて見たリュガの笑顔に驚きしばし呆然するが後を追う。


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