『スクライブ・ロイズ様、キーカードのご用意を』
「うーい」
『お次に顔認証パターンの登録を行います、そのまま動かないで・・・』
「えーい」
『では最後に音声認証パターンを―――』
「あー・・・あーっ」
『登録完了いたしました、スクライブ・ロイズ様、放射線濃度ゼロ、実にいい天気です、お洗濯物を干すには絶好の日和ですね!現在Vault28はその役割を停止し、権利者のための別荘として機能しております!少々お高かったかもしれませんが、権利書を購入しておいてよかったでしょう?Vault-tecは今後もご期待にお応えできる―――』
「あーはいはいっ、それでその、セネカって人のところは・・・」
『ご案内いたしましょう!セネカ、に該当する方はセネカ・アンナ嬢以外におられません!地下四階のメンテナンス区画の一室におられるはずです!さあさっ、私の後に続いてください!足元お気をつけて!』
ロイズはロボットの案内に続き、一等市民区中枢、そこに鎮座する”28番目の金庫”の扉をくぐる。
くぐる、といっても内開きであるとか、外開きであるとかスライドであるとか、そういった”扉”ではないのだ、頑丈な歯車型の扉、核兵器の炎熱をも通さぬ超合金鋼板の扉――― そう、ロイズはまさに思う。
「完全にVaultじゃねぇか・・・しかも28番目って結構地元から近いぜ、モハビより東か南ってとこかな」
横にスライドし、長いこと開けっ放しになっているのだろう、”28”の文字にわずかな錆びが見て取れるVaultの対核ゲートの敷居をまたぐとロイズの鼻をくすぐるのは、そのそこかしこに散らばる機械類の醸す錆臭さ、ではなかった。
フィルターを通した清浄な空気の匂い、地下深くまで行けば変わることもあるかもしれないが、ここの空気の匂いは地上と謙遜なかった、ふと階段横の制御室へ目を向ければ、監視室に使っているのだろうか、衛兵がにっこり微笑む。
「掃除がえらい行き届いてるのか・・・ウチのバンカーもそのあたりにゃ気ぃ遣う人がいたけど、それよりもずっとすごい・・・って」
前を行くロボット、Mr.ハンディに従って広めに取られた機械扉をくぐると、目に入ってくるのは異常なほど広く取られたロビーだ、二階部分に橋がかけられ上部構造にバーや医療施設があるのはVault共通の造りであったが、ロイズもこの広さには驚く。
記憶を探しても、地上を覆い尽くす核の脅威から逃れるために作られた政府関係者用バンカーのロストヒルズ・バンカーですら、全体で見れば相当な大きさに違いないがそれでも、ただだかロビーでこれほどの広さを持たせるということはなかったからだ。ロイズは端から端まで見て、これなら人がいる中でも50mシャトルランが遊べそうだ、もしかすると球技もできるかも、と見積もる。
そこでふと目を向ければ、ロビーで談笑する人々に混じってMr.ハンディが掃除機片手に部屋の隅を回っているのが見受けられるのだ。
なるほどたしかに、機械の”き”の字も知らなさそうな人々がこの場所を整然とさせることなどできまい、ロボットが懇切丁寧に掃除をしているからこそホコリ一つ落ちておらず、目を向ければ袋詰の菓子の袋をポイ捨てした貴族の足元から、Mr.ハンディがゴミをかっさらっていく。
これならお偉い方も気に入って、この場所を別荘扱いしたがるのも分かるだろう、”どこに行っても二つとない場所”、そのうえ優秀な使用人がそこらに歩いているのだ、たまに来るなら確かに気持ちが良い、ホテルのようなものかと、ロイズは思う。
「しっかし久しぶりに会った気がするなぁハンディ、名前は?型式番号はどうよ?」
『叩かないでください、叩かないでください目が回ります、私の名前はMr.フォートウォース、カッコいいでしょう?あっ、叩かないでっ』
バンバンと”Mr.ハンディ”、ことMr.フォートウォースを叩きながら、ロイズは懐かしい顔を見たとその機械的肉体に触れて故郷の感触を楽しむのだ。Mr.フォートウォースは叩かれながらぐるぐると回りながらも抵抗しない、そういうプログラムなのだ。
Mr.ハンディは戦前にロブコ・インダストリーとゼネラルアトミクスに共同開発されたロボットで、その役割は主に民間雑用オートマトン、もしくはホームメイドロボット、といったところ。プロテクトロンが警備用として広く使われているのに対し、彼らはハウスキーパーとして広く使われていた。
器用でたいていの家事なら奥さんいらずになるほどの腕前を持ち、かつ燃費がそれほどかからない、むしろパーツの耐久性にも目を見張るところがあり、その能力は200年を経てなおメンテナンスフリーで動いているモデルが際立って多いというほど。
AIにも高度化する戦前の技術開発競争の面影が残ると言うべきか、あたかも彼らは人間のように考え、思い、時に愚痴を漏らす。ジョークを要求すればそれに応え、子守りを任せれば小さな幼子の機微は読めずとも全力を尽くす。
タコ足の同居人がアメリカに受け入れられるのは、それほど時間はかからなかっただろう、焦げのない、正常な料理を作れるほど器用だった彼らは清浄な水も作れ、それは今を生きるウェイストランダー達の度にほのかな安心感を与え続けてもいる。
ここにいるのは頭がパカパカと開き、ジェット噴射がやかましかったプロトタイプモデルを経て開発され、Mk-Ⅱモデルが広まるより前に普及したために数だけは多かったMk-Ⅰモデルであったが、アメリカ国民の生活に溶け込み、まるでトーストとマーガリンのように一部と化していた彼らもまさか異世界でまた人々に従事することになるとは思わなかっただろう。
「っしっかし、アメリカ人ってオレだけなんだよなぁ、
『おお!?ロイズ様はアメリカ人でいらっしゃるのですか?・・・ああ!久しぶりに翻訳プログラムなしに言語中枢が動いているっ!いやぁ、感涙です!古い日に最後のアメリカ人が出て行かれてからはや205年は経過したでしょうか?ここの方々は自らを”王国人”というものですからとうとうアメリカはブリテンあたりの侵略を受けてしまったとばかり・・・』
「イギリスが今あるかどうかは知らねーけど・・・って、最後のアメリカ人?ってこたここに誰かいたってことだよな?205年前ってーとだいたい―――」
『ええ!2078年の出来事でありましたでしょうか!あれから二世紀でしたからアメリカ人の平均寿命を考えますと――― 彼が平均より253%ほど長生きしているのならばまたお会いできるでしょう!そうですね、とても身体の大きな方で、ジョージ様でした!』
「あー・・・そりゃその、また会えるといいな・・・うん、っと、ここが―――」
会話続きにエレベーターを下り、エレベーターフロアの大きさにも驚きを交えつつ懐かしい電気照明の光を浴び目眩をさせながらも、ロイズは地下四階、Mr.フォートウォースの案内が止まるその場所で自身も足を止める。
Mr.フォートウォースが読み上げてくれるが、最近字がしっかりと読めるようになってきたからその壁に取り付けられた木造りの看板もしっかりと読めるのだ。『パーミット異界史研究所』を称するこの施設の機械扉の前に立ち、ロイズはぐっと唾を飲む。
『ではロイズ様、また何かございましたら内線番号ゼロ、ニー、キュウ、でお呼びください!最寄りのハンディタイプが駆けつけましょう!あっ、間違ってもキュウ、イチ、イチで呼ばないでくださいね?情報センターから所轄の救急や警察へ・・・まあ実のところ警察は連絡がつかないのですが、かかってしまうので!無駄に呼んだとあれば罰金待ったなしです、お気をつけて!』
「ああ、ありがとよっMr・・・えーっと」
『Mr.フォートウォースでございます!Vaultで建造されたのではない記念すべきアメリカン・ナンバーの残る一機、フォートワースで製造されたフォートウォースです!フォートワース州のフォートウォース、とお覚えください!』
ではまた、と球形の本体下部からジェットを噴射し、ゆるやかなダッシュをもってそそくさと手を振り消えていくMr.ハンディ、Mr.フォートウォース。ロイズはそのハンディタイプゆえかの、お喋りなAIの気質にひとしきり圧倒されたあと、ようやく機械扉の開閉スイッチに手をかけるのだ。
この先は、きっと自分達以上にこの世界の”自分達の世界”のことをよく知っている者がいるのだろう。そうなれば、自分達はよりぐっと、故郷に近づくことになる。
突拍子もないコトを言い出す危険人物かもしれないし、質実剛健で人間の鑑を体現するナイスなミドルであるかもしれない、だがそれらもひとえに、会わないことにはどうにもならないのだ。ロイズはどうしても伸びない最後の数センチの距離で、思い悩む。
―――それからしばらく時間が経った頃なのだろうか、ロイズは深呼吸をすると、ぱんっ、と顔を手で叩くのだ。それで活を入れ、ようやく覚悟が出来たとばかりに目をまっすぐにしたロイズは、今度は一思いにスイッチを押す。
工業用の場所や軍事用バンカーのものではないから、Vaultの扉は比較的単調ですんなりと中央から上下に開いた。
するとどうだろう、目の前に待っているのは一人の女性だ。
背丈は彼と頭ひとつ低いテッサよりもちょっと高いぐらい、目線がしっくり合う程度の身長で、頭にはベレー帽で緑のボブカット、おまけに赤縁メガネときている。
身体には白衣が着せられているが、その下の服は得てして地味目極まりない。その白衣もよれているからおおよそファッションというものには興味が無いのだろう、といった印象をロイズに与えるに十分な服装と言えた。
そんな彼女は―――
「うわぁぉ!?」
「はっはっはっ!やあ、わかるわかる!名乗らなくってもすっごい分かるようん!君がスクライブ・ロイズ君だろう?その鎧にその”駆動拳”!持ってきてくれたんだね?嬉しいよぉうん!・・・あ、これ?クラッカーって言ってね?君のために―――」
「うお・・・うおぉ・・・」
ロイズの登場と同時に、パーティークラッカーをパンッ、と弾けさせ笑顔で彼の背後に回ると、頭に引っかかったクラッカーの中身の紙片を彼が取り払う暇も与えずぐいぐいと、背中を押して彼を室内へと押していくのだ。
なまじ訪ねてきたわけだから引き返すわけにも行かず、結果彼はずんずんと押され機械扉も閉まり、これまた懐かしい、ステンレス製のスツール椅子に有無を言わさずどかっと座らせられるのだ。これが終始笑顔で行われるのだから恐ろしい。
―――やはり似ている、だがそんなものではない。
つい空、見ても眺めても鉄パイプの張り巡らされた天井しか見えてこないが、それでも空を眺めると半透明になって手を振っている銀髪のエルフがマシに見えるくらい、なんというか”強情”なのだ。
相手に有無を言わせない空気を体中から醸し出しているというか、そんな――― そうしていると彼女は、どかっと自身も座る。だがそれは椅子ではなくテーブルで、散らばっていた懐かしい”異界の道具”や書類をばーっと隅に寄せて出来たおおざっぱな空間だった。
タイトスカートから伸びる脚を組み、彼を見下ろして彼女は、にっと笑って言う。
「やぁスクライブ・ロイズ君、助手として歓迎しよう?もちろん、そのために来たんだろう?私はセネカ、セネカ・アンナ!この街で異界の研究を代々続けている家系の末裔、異界のプロフェッショナルだよ!さあさ、じゃあ君のことを聞こうじゃないか、さあ!」
質問の余地を挟まない一方的な要求に、ロイズは答える他無かった。
「いっやぁ~!ごめんねぇついまくしたてて!興奮気味でさあ、最近研究がマンネリだったもんで、新しい風が吹いてきたってウワサ話で聞いてつい見に行っちゃったんだよ、闘技場!いやぁ感動したねえ!まさか異界の道具をそんなに使いこなす人がいたなんて、あ、これどうぞ」
「あっ、どーも・・・おっ」
すらすらと、頭にメモを入れているのではないかと言うほど饒舌に話すセネカは、ベレー帽をそのあたりに置くとロイズに一杯のカップを寄越してみせる。ロイズがそれを受け取って、その暖かさに気付いてカップを覗きこむ。
カップの中身は黒い、コーヒーであった。
なるほど確かに、ふと彼女がまた操作している機械を見ればそれはコーヒーメーカーに他ならない。多少サビついているがそれでもまだまだ現役、口をつけてロイズもコーヒーを飲み、味に支障がないところを見ると掃除くらいの手入れはしているのだろう、と思わせる。
そうやってふーふーと、ブラックのコーヒーを飲みつつつい口元をロイズはほころばせる。荷物に混ざっていたコーヒー豆は器材がないから挽けず、飲めなかった、思い出せばこれを最後に飲んでいたのは書庫でいつものように、退屈と戦っていたときだなあ、と。
しかしそうしてつい感傷に浸っていたところだろうか、セネカがじっとロイズを見てくるのだ、目を丸くして、口元はおぉっ、と珍しいものでも見るようにして。
ロイズは首をかしげる。
「いやぁ珍しいねえ!異界産の”カッフェ”って言うんだけど、苦くって飲めないって人しか見たことなくってさー!いや驚いた、美味しそうに飲むんだもん、いいでしょ?頭もすっきりするし、その割に健康被害は・・・前に飲み過ぎて気持ち悪くなったことあるけど、でもあんまり誰も飲まないからカラクリ達が作ってくれたもの、全部うちにまわしてもらえるんだー」
「コーヒー作ってる?え?栽培プラントが地下にあるとかってことかよ?・・・まあ確かにビッグ・エンプティとかVault22じゃあそんな研究をしてるってデータがあったけどよ、それにしたって」
「地下のどこか知らないけど、かなり深いところでカラクリ人形達が色々作ってるらしいんだよね、見たこと無い食品とか、機械とか、たまに新しいカラクリも出てくるんだ、形同じだから知らないうちに混ざってることが多いんだけどね?・・・っと、ロイズ君、君の”駆動拳”良かったら見せてくれないかな?」
「オレのパワーフィスト?・・・あっ、今は右手のはサタナイトフィストなんだっけか、どっちに―――」
セネカの要求を聞き入れ、腰に携えていたパワーフィストとサタナイトフィストを取り外してみせ彼女に手渡そうとするロイズ。
だがその直前、彼はつい手を引いてしまう。彼女の顔が、とても清々しい笑顔となって彼を見つめていたからだ。その笑顔はまさに、見知った銀髪エルフのテッサリアが彼から巻き上げたお金で新書を買ってきたときのような―――。
「やっぱり、私の目に狂いはなかったかぁ・・・!パワーフィストにコーヒー、サイバイプラントにビック・エンプティ・・・ボルト、もしかしてここのことかい?知らない言葉をぽんぽんと!\\\みんなは金庫って言ってるけど、私はここが”バルト”ってこと知ってるからさ」
「・・・あっ」
瞬間、ぎらりと鋭くなるセネカの目。
獲物を捉えた猛禽のようにロイズを囚えて離さない。
「やっぱりだ!悔しいけど、君は私の知らないことを山ほど知ってるって顔だね?口ぶりもそうだ!・・・ああ大丈夫、”コーヒー”は冷めてもおいしいし、いくらでもあるからさ・・・これから”いくらでも”飲めるんだから」
「ひぃっ・・・!」
ポットを持って、にじり寄ってきたセネカについ後ろに退いてしまう。
だがその瞬間だろうか――― パリン、音が響く、ガラスの固形物が割れたような、そんな。
とっさにロイズは後ろを見るのだ、背後のテーブルにもやはり物がごったがえしていて、それは引き下がったロイズに押されて位置を乱されている。見てはなかったから分からなかったが、押し出された書類の向こうにあったものはきっと、
「げっ・・・!」
「おやおや・・・君が下がったひょうしに私のお気に入りのグラスが割れてしまったようだ・・・この責任は取らないとね?大丈夫!ここで少しばかり働いて返してくれればいいから・・・ね?」
「ひゃ、ひゃぁ・・・!」
じりじりとにじり寄って、ロイズへと迫るセネカ。ロイズはもはやどちらが女だと、か細い乙女のような声を喉奥から絞り出して逃げ場を探すのだ。
逃げ場などなかった、というより、床を見れば踏みそうな位置に重要そうなビンが転がっており、左を見れば書類が歩きの途中に引っかかりそうな風に飛び出しているのだ、恐らく前に出ればセネカは組んだ脚を解かざるを得なくなり、そのひょうしにスカートの中が見える、という算段なのだろう。
この女、全て計算済みで誘導しやがった!女すら捨てたような風貌で女を武器にする気概すらあったのだ!ロイズは心の中でこの女郎蜘蛛の恐ろしさに心底おののき、しかし迫り来る牙を解くことかなわずイヤよイヤよと首をふる。
「お、オレ用事あるし!あ!今日はダチの家で親睦会が・・・」
「今日は休みたまえ!・・・ああ!君がいいなら私を読んでくれてもいいよ!スピーチには自信があるんだ!」
「ちょっとお断わりいたす!」
絶体絶命だという緊迫感と、仮にも女性が迫ってくるという悶々とした気持ち、そして責任感、ロイズはその三重板挟みになりながらついには首を振るのもやめてしまうのだ。心の中で悪魔が囁き、天使は抵抗を――― ああ、共謀した。
「わ、わかりましたぁッ!教えりゃいいんでしょ!オレのこと全部!」
「いいねえ若い子は好きだぞ!さあ血印を!指でいいよ!」
「ッしゃっ!」
指先を噛んで小さく出血させたロイズは、セネカの突き出す書類をよく見ぬままに指先を押し付けるのだ。
ひとしきり押し付け、書類に血が滲んだのを見届けたのち、ロイズははっと気づく。セネカはそれを見てなお、笑い顔で嬉しそうに血印を押された書類を見て、にーっと歯を見せロイズに書類を見せるのだ。
ロイズはたどたどしい指先でその文を追い、見る。
―――読んでいくごとに垂れる冷や汗、開いていく目。
自分がとんでもないことをしでかしたことに気付いたのは、遅かった。
「・・・セネカ・アンナの”夢が叶う”まで、私スクライブ・ロイズは彼女の助手として働くことを・・・?」
「いやあご名答!・・・ごめんね?でもま、これで君は晴れて私の助手だ!誇っていいさ!さ、コーヒー・・・もう一杯、いる?」
「はは・・・」
血印を押された一枚の紙は、またどこともしれぬ書類の束に押し込まれ所在がわからなくなる。ロイズはただ、差し出されるコーヒーを受け取って頭を抱えるしかなかった。ただ唯一の救いは、この女性が暴君や残虐姫でないことだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「―――となるとだ!君の住んでる場所は異界から流れ着いたものを保管する”ロストヒルズ”って場所で、君はその異界の物資を保護、保管して研究、無法者の手に渡らないよう尽力する組織である・・・」
「Brotherhood of Steel、B.O.Sの一員で研究員兼調査員のスクライブだよ、だからスクライブってのは名前じゃなくて階級名ってワケ」
「ほうほう!いやあ実にいいことを聞いた!私達のような志を持った人々が世界の、どこかも分からない場所にも多くいるとは!いつかコンタクトを取ってみたいねえ、彼らの持つ異界の物資とやらも、興味がある」
「辿り着けりゃ、だけどよ・・・はあ、どうしてこうなったんだか」
ずず、っとコーヒーをまた一口飲む。
二杯目だったが、だいぶ前に淹れてしばらく話していたものだからすっかりぬるくなっていて飲みやすい、しかしコーヒーというものは得てして、熱いか冷たいかの二極化じゃないとまずいものなのだとロイズは思いながら早く熱い三杯目が欲しい、とまた一口多く飲んだ。
視界をずらしてみればセネカが手入れの少ない緑髪の汚れるのも気にせずロイズがバラしたパワーアーマーの内部に顔を突っ込んでいて、ロイズの汗の匂いで結構臭うだろうに、それも気にならない様子で舐めるように観察している。
ひとしきり観察を続けた後彼女は、顔を出し今度はパワーフィストの方をいじくり回すのだ。
セーフティーをかけているので突然飛び出すことはないだろうが、彼女の一挙一動は繊細なようで大胆であり、彼にたびたび不安を与える。
「これが”パワーフィスト”か!いやあ、本当に異界から流れてきたものっていうのは精密な機構をしているからすぐに分かるんだよねえ、これもそうみたいだけど、君の戦いを見ている限り相当頑丈みたいだし・・・一体何の素材が使われてるんだい?」
「多分、鋼鉄が七割方、クロムが二割とあとは電子部品用のあれこれとか・・・」
「ふーむ、鋼鉄をこうまで細かく加工するとは、これを作った
「装甲材にポリ・ラミネート化合物、装甲表面に銀アブレーションコーティングと秘密の薬剤による硬化処理、合わせに超合金と各部にも。あとは精密機器用のあれこれとアイスリットとライトの強化ガラスに・・・」
「まーったまーった!思考が追いつかないよ!いやあ・・・それにしても君のおかげで研究が捗りそうだなあ、今日一日君と話していれば、一年分以上に研究が進みそうな気がするよ!・・・ああ、コーヒー淹れるね?」
ロイズは既に、知識の提供を隠すことも諦めていた。
黙っていてもうまく引き出されそうな気がするし、それに相手から知識を得るのに何も渡さない、という好条件の取引をするだけの駆け引きの心得は、彼には無かったからだ。危険な知識だけは渡さないようにし、聞かれたら答える、彼のスタンスは思いの外円滑に会話を進めた。
「助手にやらせるのが所長ってもんじゃねーのっ」
「根に持ってるならごめんね?まあ血印はさせちゃったけど、あれはいつもの方便なのさ」
片手で謝り、片手で淹れたコーヒーをロイズに渡す。
ロイズはブラックで、セネカは砂糖多めだ、互いに一口すするとセネカは話し始める。
「いっつも研究員が逃げちゃうからさぁ、ああやって逃げないようにしとくんだよねー、血印に違反するとマナを吸い取っちゃうから動けなくなってちょうどよくって・・・どしたの?」
「・・・オレ、逃げてもいいかな」
「いや、ごめんね?別にそうじゃないんだよ、一生棒に振らせるってわけじゃないのさ、そんなことやったら奴隷法に違反同然だし・・・君が本当に嫌なら、帰してあげる。でも私も結構研究が進まなくて追い詰められててね・・・なりふり構わなかったっていうか」
「あんた、ずいぶん知識があるみたいだけどよ?」
「その知識も、案外役に立たないものがあってね?」
そう言うと、カップを置いたセネカは部屋の隅にロイズを案内するのだ。
ロイズがついていくと、そこにはまた懐かしい機械が鎌首をもたげている。
UOS、統一オペレーティングシステムと呼ばれるOSを備えたコンピュータ端末、通称”ターミナル”と呼ばれる代物であった。
「ターミナルじゃねーか・・・書庫からメインフレームにこっそり入るのに使ってたなー」
「・・・へぇ、聞き逃せないね?使い方知ってるってことだよね?」
「うぇぇ・・・かなわねー」
戦前に開発されたOSであり、ウェイストランドの端末にはほぼすべて普及しているといっていいこのOSは、ロック管理からデータベース管理と様々な用途に応用されかつ、強靭なハードをもって今もなお動き続けている。
よってロイズとしては、結構に馴染み深いものであった。
少なくとも、普段からいたずらに使うくらいには。
「で、これで何がしたいんだよ?」
「それがねぇ」
セネカはぱんぱんと、壁に貼られたVaultの地図を指す。
ロイズはそれを見てまた驚いた、Vaultの構造が実に20層を越えており、その広さはやはりロストヒルズよりもずっと大きい、もはや”一つの街”と言っていいものであったからだ。
壁にはられた地図には、そのいくつかの箇所に○印がつけられているのをロイズは目にする。だが聡明な彼だから、すぐに分かった、扉のロックされた位置を示しているのだ、いくつかは×がつけられているから空けることに成功していたのだろう、そこから彼は、セネカの願いを察した。
周りを見渡せば、部屋の中にはジェネレーターや工具が置かれている。
おおかたここはメンテナンス部の作業部屋だったのだろう。
「・・・扉開けろってこったか」
「そうなんだよねー、前に適当にいじくってさー、これで空けた部屋が”りらくぜーしょんるーむ”だったっけ?すっごくいい場所でね?それ以来急かされてるんだよね、早く開けろってさ」
「あーなる」
「開けられるかな、ロイズ君?」
このとおりっ、と両手を合わせ願うセネカだから、ロイズも無碍に出来ない。
だが安易にVaultの機能を開放してしまっていいものか、とロイズは頭を書きながら悩みこむ。
だがしばらく、悩んだ末まあ、彼女に英語なんぞ読めないだろう、と彼は判断し、ターミナルを起動させるのだ。ターミナルのディスプレイに文字が羅列されていき、”ロブコ統一オペレーティングシステム”、ウェイストランドで最もメジャーなOSの名が表示される。
だがそのハッキング、それには重大な欠陥があった。
「・・・”普通”なロックってこったかな、これくらい」
目の前に流れる文字の羅列、それは無意味な文字列であったが、このターミナルにある手段で不正侵入しようとすると流れるお決まりのものでもある。
この文字列、無意味な記号の羅列の中にいくつか単語として成立されるものがIMEから出力されるようで、その中に”ひとつだけ”正解のパスワードが表示されてしまうという重大極まりない欠陥が、この種類のターミナルにはあった。
このハッキングを成功させるのに必要なのは”推理力”。
文字列をじっと眺め、読むロイズは聡明だ、ゆえに―――。
「“WeaponRack”、んなパスってことはつまり―――」
途端、解除に成功したターミナルは操作画面を写し、メニューからはいくつもの選択肢が生まれる。だが全てにおいて解除に成功したものではないようで、いくつかは閉じたままだ。
ロイズはツリーされるメニューを見ていき、慎重に、開けていいものを吟味しながら解錠可能なドアを見ては開けてゆく。
最下層、ロック。
生産プラント、ロック。
メンテナンスウィング、ロック。
カジノエリア、ロック解除。
プールエリア、ロック解除。
シアター、ロック解除―――
「ホテルじゃねーんだから」
Vaultにあるまじき娯楽施設の名が連なるのをエンターキーで解除していき、次々に、Vaultのどこかから解錠音が聞こえるような気がする中、ロイズはふと、手を止める。開けられる区画はまだ、ひとつあった、だが、
―――武器庫。
「・・・っと」
「どしたのロイズ君?もう終わり?」
セネカが横から覗きこんでくるのにぎょっとするが、冷静に考えると彼女はこの意味がわかっていない。彼はそっと――― キーボードに触れた指先を離し、ターミナルを閉じる。
ここはまだ、空けるべきではないとそう悟ったのだ、何があるか分からないから、この場では。
「終わった、三つ開けたからとうぶんクビはつながるだろ・・・たぶん」
「ほんっとぉ!?いや、本当!?―――ッ!本当にできたの?いや、君すごいねえ!座って座って!」
飄々と、やることはやったとだけロイズは感じていたが、当のセネカは大喜びもいいところだ。ロイズを手頃な椅子に座らせるとその背中に回って肩を揉む。媚び媚びのその姿勢にロイズは、現金だな、と思いながらもそれでも、自分の判断が間違ってなかったことを再認識したのであった。
そうしていると―――
「これでとうぶんは研究を続けられるよ、いやあ、おじいさんの代からやってる研究所なのに私の代でクビとばっしゃうかもってくらいに危うかったからさあ!これでしばらく研究資金も出してもらえるだろうね!あ、大丈夫、ロイズ君にもお給金出すよ?どれくらいがいい?
「あー、任せるわ・・・にしても本当に広いなこのVault、一体何年かかったんだか」
「本当だよねー、異界の技術ってのは私達より何十年・・・もしかすると何百年も先を行っているのかもしれないね、君もああいった道具を使っててそう思うだろう?・・・一度、異界の人間に会ってみたいなあ」
その言葉にはロイズもぴくりとしてしまうが、おさえてセネカに身を任せる。
それからセネカがまた四杯目のコーヒーを砂糖多めで持ってきて、ロイズがそれを受け取るとセネカは彼の向かいに座って自身もカップに唇をつけるのだ、甘々なコーヒーは糖分多めだから、きっと頭を動かすに役立つだろう。
ロイズも思わず甘々に顔が歪む。
「ってーなると、あとはしばらく”異界の物資”を待つだけになるかもね」
「取って来いってぇ?」
「ははは!まさか、そんな酷なことしないよ!ロイズ君くらい強ければ頼みたくもなるけど、君にはここにいてもらったほうがいいだろうし、そういうのは調査隊とか最近目立たない街の騎士団支部の人達の仕事だからさ」
「だから、結構私の仕事って待ってるだけのことが多いんだよねぇ、異界の道具ってのは使い方がよく分からないのが多いように見えて結構、適当に使ってみると使えちゃう親切な物が多いし・・・中にはさっぱりなものがあるんだけどさ、あの・・・ああ!”じゅう”だ、確かいくつかあるんだよ」
「―――は?銃を持ってるって・・・」
「君の相棒が使ってるんだろう?なら君も知ってるはずだよね?ちょっと使い方を教えて欲しいんだ、異界の住人の武器ってものがどんなものなのか、この手で実際に経験してみたくってさ」
再び興奮気味となり、整列された棚、しかしごちゃごちゃと物資が並べられ混沌としたその中からまるですべての位置が頭に入っているがごとくいくつかの物資、銃のみを抜き取り、帰ってきてロイズの前のテーブルにどさりと無造作に置くセネカ。
仮にも凶器をそんな無造作に扱うこと、その銃口が一瞬自分を向いたことにロイズはぎょっとするが、ならば自分が確認する他無いのだ、とセネカの熱い視線を受けて銃を手に取る。
並べられた銃の中にはかつて見た、自分達が回収したボロボロのR91アサルトライフルもあったが、その半分はボロボロ、しかし半分は十分に実用が可能なレベルに維持されており、かつ恐ろしいことに弾薬が入ったままのものもあった。
ロイズはそれを見て再び、銃口が自分を向いたひょうしに暴発しなくてよかったと、冷や汗を垂らす。
「どう?できそう?」
「使えるっちゃ使えるけどよ・・・でもオレ下手くそっつーか」
「使えりゃいいもんじゃないの?ここでばーっとさ・・・ああ、連続で射れる弓みたいなものなんだっけ?じゃあもっと下層にあるカカシの演習場にでも」
「いやでもよ、そうなると―――」
ぐいぐいと、ロイズを引っ張っていこうとするセネカはやはり興奮気味で、ロイズは困惑加減のままだ。これはひとえにこのファンキーな女性に、銃の扱い方を教えていいものかという心配から来ている。
彼は引っ張られ、抵抗もしながら思い悩むのだ。
だからそんな時だろうか、その空間に、一つの声が響いた。
「―――話は聞かせてもらったッ!」
はっと、セネカもロイズも振り向く。
響いた声は唐突で、セネカには不慣れ、だがロイズには聞き慣れた声だった。
喉を焼いて焦げを取ったような、耳に入るのが不快じゃない程度に人間味があるガラガラ声。つい少し前まで聞き慣れていた声だ、だがその声がこの場所にあるはずもなく―――
「よぅ!」
「おわぁぁ!?」
「ひゃあぁ!」
いっせいに振り向いた、その背後から肩を掴まれるものだから驚きは極致もいいところだ。ロイズはとっさに腕を振ってしまい、結果当たった拳が透明な何か、とたんに姿を表したティコの頬に刺さってよろけさせる。
彼はしばし痛がったあと、いつものように手をひらひらさせ彼らに目を向けた。
「いきなり殴るこたないじゃないか相棒ぅ・・・ちと痛かったぞ、ヘルメットが無かったら歯ぁ折れてた」
「いきなり出てきて何がだよグールッ!ビビッた、ビビッた・・・!」
「ええ!?なにそれ?姿を消すの?陰魔法じゃなくって!?すごい、すごい!見せてよねえ!」
「はは・・・レンジャー・ティコだセネカお嬢、まあそいつは後にしてだ、銃のことだが」
手元のスイッチを操作し姿を現したことを見逃さなかったのだろう、セネカはティコの腕に括りつけられたステルスボーイを引っこ抜かん勢いだったがそれを手で制し、目的のものを思い出させてやるととたんにセネカは落ち着く。
それからごほんと咳をし、自身は立ったまま話を続けるのだ。
驚いて心臓を押さえていたロイズももうおさまり、コーヒーを口にテーブルに肘を掛けていた。
「心配するな、使い方もこれが何かも教えてやる――― プロフェッショナルの俺がな」
「グール・・・」
「だが条件がある、そいつを守れるならだ、いいか?」
見下ろして言う彼らの間には今の力関係が見て取れるが、セネカはまさに、訓練された犬のごとくわんわんと尻尾を振り頷くのだ、正直わかっているか怪しかったが、ティコは話を続けた。
「こいつは”武器”だ、そいつは分かるなセネカお嬢・・・ああ、相棒の上司なんだろ?だからお嬢って呼ばせてもらうが・・・」
「構わないよティコ、気分は悪くない、むしろいい」
「お前ら仲良さそうだよな?」
ロイズの言葉はさらりと流され話は続く。
ティコは腰元からピストルを引き抜くと、セネカに見せてみせた。
黒地で金色にエッチングのされた銃身はそれだけで芸術品のようで、彼女は目を輝かせる。
「はえー・・・すごい綺麗」
「この銃の良さが分かるなら、この銃は・・・強力で、美しい。貴族のお偉いさんに取られるなんて心底嫌だろ?だからつまりだ、俺は使い方も教えるしそれともう一つ、お嬢にお願いがあって来たわけだが・・・」
「なんだいなんだい?今なら何だって犠牲にできちゃう気がするよ?」
ピストルはホルスターにしまい、テーブルの銃の山に手を伸ばすティコ。
一方のセネカも次の言葉が待ちきれないといった様子で、ずいっと彼に向けて前のめりになる。
ロイズはそれを黙って見ながら、手頃な書類に目を通し始めた、蚊帳の外だったのだ。
「俺も近々単身その、ゴブリンのいる場所に殴りこんでみようと思ってな、それでだがその、こういったモンが手に入ったらだ、いくらで買ってくれるかってな?」
「うーん?研究資金自体はまだ結構あるしこれから増えるだろうから、たぶん・・・そうだねー、低くても銀貨数枚、多ければ金貨が重なると思うけど・・・ああ、なるほど、それが目的だね?ここに忍び込むなんて酔狂だと思うけど」
「ははっ、その通りさお嬢、代わりに俺はお嬢に銃の使い方だけじゃねぇ、ここいらの危なっかしいモンの扱い方もしっかり享受してやる――― むしろ覚えてもらった方がいいしな。それでだ、そのことをお偉方には黙っていて欲しい、何かと面倒になるとこっちにまで降りかかりそうだからな」
指を一本口元に当てて、しーっとするジェスチャーを見せるティコ。
しばしセネカは考えるようであったが、それからピンときたように目を輝かせ、そしてティコと同じジェスチャーを取る。
それを同意と考えた二人は固く握手をするのだ。
「二人の契約完了に乾杯する酒はねぇから我慢してくれや、また今度用意するさ」
「コーヒーならあるけど、どう?」
「・・・ミルクがないと飲めないタチでな」
ぼそっと、答えたくないようであったが律儀に答えるティコ。
それにロイズは笑うが、書類に顔を隠しながらであったから気付かれていはいなかったのが幸いだった。
「っと!じゃあそのためだ、セネカお嬢、俺がここに自由に出入りするようにするこた――― っと、街を歩けるようにするには可能かい?」
「なら君もここの助手ってことにしておこう、それなら誰も文句は言わないし、街を歩いても買い出しや調査だってことになるさ・・・白衣の色が真逆だけどね」
「トレンチコートが白くちゃトレンチコートじゃあるめえ、あって薄茶色だ。ともあれだ!契約成立乾杯だ!俺はこれくらいにして今日は帰るとするから、また会ったらその時にな!相棒をよろしく頼む、シゴイてやってくれ」
「おや、それでいいのかい?それなら今日は寝かさないで・・・話を聞こうとするかなぁ」
「こいつあのポンコツと似てる・・・!嫌だ、近寄るな!やめろっ!」
耳元にふぅ、っと息を吹きかけるセネカは、ロイズを囚えて離さない。
そんな彼らを背にしつつ、スキップ気味のティコはドアを開け出て行くのだ――― 姿を隠さないまま。
「さーって街を自由に歩けるんならいいなぁ!高い酒でも飲んで帰るとするかぁ!はっはっはっ!」
「・・・あいつ、もしかしてこのためだけに来たんじゃあ」
「君の相棒はなんとういうかこう、エキセントリックだね?いや、私としては特に気にはしないがね?」
高笑いが響くすぐあと、警報が響くのを耳に入れながら、どこかで黒衣のレンジャーがロボットに追いかけられる音が響く。ロイズはその様を小馬鹿にして笑いながら、しかし彼を助けるべく頭の後ろを癖で掻きながら、Vaultのドアを空け外に出るのだった。
―――彼らの新しい日々が、また始まる。
「はっはっはっ!・・・え?IDカード?・・・あっ」
『侵入者を確認、即刻退去を要求します、なお60秒以内に従わない場合はテーザーにより・・・』
「待て待て、ここ何階だと思って――― 待て、出て行くから追いかけてくるな・・・くそっ、前からも、横からもか!?挟まれた!なっ、お前ら本当に追い出す気があるのかっ、このっ、あっ、やめっ―――」
「―――やっぱ助けるのやめようか」
参考なまでに、
コーヒーメーカーはこれです。Vault-wikiより。
http://fallout.wikia.com/wiki/File:Coffee_machine_CA.jpg
(´・ω・`)テッサ出番なくなってまうん?