カメラと棒付きアメと   作:クロウズ

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Ⅷ話目

「………しよっか?」

 

 

 馬乗りになって、あれの箱片手ににじり寄るエレナ。浴衣は肌蹴てるし、湯上がりで頬も上気してるから、その……エロい。

 

 

「って、お前、何言ってるか解って」

「解ってるわよ。霞黒くんに、エッチのお誘い」

「ひぅっ!?」

 

 

 そう言ってエレナは俺の首筋を舐める。それにぞわっとして、思わず変な声が出る。というかこいつなんでこんな、発情してるというか……無駄に積極的になってるんだ………?

 

 

「霞黒くんは、したくない?」

「いや、したくないわけじゃないけど……なんで」

「だって、温泉であんなことしてるの、見ちゃったし……」

 

 

 お前も見てたのかよ!しかも影響受けたのかよ!?

 

 

「ね、霞黒くん……んっ、ちゅぱ」

「ん……む、ちゅ…」

 

 

 俺をその気にさせる為なのか、胸を押し付けてきて、深い方のキスをしてくる。このままだと流されるからと、なんとか押し返す。

 

 

「ぷは……ちょ、ちょっと落ち着け……!」

「我慢しなくていいのに……」

「あ………う……でも………」

 

 

 さっきから頭の中で耐えるべきだと言う声と我慢するなと言う声がせめぎ合ってるけど、エレナはさらに誘惑してくるし、その所為で理性がごりごり削れる。

 

 

「私は、霞黒くんとしたいわ……」

 

 

 その一言で、俺の中の何かが切れる音がした。もう止まる気はないからな。

 俺はエレナを押し倒し、深く口づけながらその豊かな胸を揉みしだいたりする。そして、

 

 

「エレナ、いくぞ」

「うん、きて……」

 

 

 この日、俺達は体を重ねた。

 

 

 

 

 

「ん…朝か………」

 

 

 今まで我慢してた分、それを発散するためだったのか俺達は休むことなく行為をしていた。昨日の露天風呂にいたカップルより盛ってるんじゃないだろうか。

 体を起こして隣を見ると、裸姿のエレナが気持ち良さそうに寝てた。最後の方は激しくしちゃったし、まだ寝かせておいてやるか。俺は部屋風呂にでも入って汗とか流そっと。

 

 

「ふぃ~……」

 

 

 あー、まさかこんな旅行中にやることになるとは思わなかった。というか、本当にしたんだよな。…………。いかんいかん、今はその事を思い出さない方がいい。

 

 

「はぁ~………疲れが取れる……」

「ほんとねぇ」

「うひゃぁ!?」

 

 

 ゆっくり浸かってると、急にエレナが入ってきて首筋を撫でるもんだから、思わず飛び上がる。慌てて振り返ると、タオルで前を隠したりすることなく、全裸のままで入ってきてた。

 

 

「も~。1人でお風呂なんてずるいわよぉ?」

「おま、せめて隠せよ!」

「昨日あんなことしたのに、そんな恥ずかしがる?」

「そういう問題じゃない!」

「それにぃ、その割には霞黒くん見てるじゃない」

「うぐ……っ」

 

 

 仕方ない、俺も男なんだ、見逃してほしい。

 

 

「ふふ、真っ赤になっちゃって」

「うっさい……」

「どうする?ここでもしちゃ痛いっ!?」

 

 

 馬鹿なことを言うから拳骨を落とす。盛りのついた猿かまったく。エレナは仕方ないと言いたそうな表情で湯に浸かり隣に寄ってくる。まったく、可愛いやつめ。そう思いながら抱き寄せると、嬉しそうにもたれかかってくる。……やばい。エレナの体柔らかくて、いい匂いもするし、こっちが我慢できなくなる。その事を知ってか知らずか、エレナはさらに抱き着いてくる。俺はなんとかそれに我慢しながら疲れを癒す。でも精神的には疲れてきてる気がするのは気の所為かな。

 

 

 

 

 

「ん~、いいお湯だったわぁ」

「そうだな」

 

 

 なんとか耐えきれた、危なかった。

 

 

「さて、どうするかな」

「お土産でも買いに行く?」

「あー、それもそうだな」

 

 

 そういえばまだ買ってなかった。そうと決まれば行くか。

 

 

「あ、霞黒くん。これなんてどうかしら?」

「『ゆぶね』って、それ栢嶋にか?」

「うん。乙女ちゃんに似合うかなって」

「あいつなら持ってそうだし、一応聞いてみたらどうだ?」

「あー、それもそうね」

 

 

 土産物屋で色々探してると、目移りするようなものがそこそこ多い。お、温泉に浸かるカピバラのキーホルダーか。可愛いなこれ。2人に買っていこうかな。というかカピバラのぬいぐるみとかクッションとか、カピバラ多くないか?ここカピバラいたりするのかな。たまたま近くを通りかかった朝田に聞いてみたら、

 

 

「え?うん。離れの方で戯れれるよ」

「本当か!?エレナ、後で行こう!」

「あ、うん。いいわよ」

 

 

 カピバラもふれるっていいなこの旅館。お、なんだこれ?……カピバラの着ぐるみパジャマ?よし、これも買おう。あの2人なら絶対似合う。後は、この饅頭とかかな。

 お土産を買った後は部屋に置いてから、離れへ。そこには小さな湯舟と数匹のカピバラが。30分だけとはいえ触ったり餌をあげることが出来た。モフモフしてると思ったら意外と毛が固かった。可愛かったけど、カピバラの相手ばっかりで拗ねてすり寄ってきたエレナはもっと可愛かった。他にもお客さんがいたから頭を撫でるくらいにしたけど、それで満足したようだ。

 それからは足湯に浸かったり温泉卵を食べたりと周辺をぶらり歩き。そして帰る途中、歩き疲れたのかエレナはバスの中でぐっすりと寝ていた。揺すってもなかなか起きないくらいに。その所為でバスから降り損ねるところだった。

 

 

「んー、今日は楽しかったわぁ」

「そりゃ良かった」

 

 

 バスを降りてから、エレナは昨日今日の出来事を楽しそうに話す。両手が荷物で塞がってるから抱き着いてはこないようだ。今はその方がありがたいけど。

 時間の割に辺りは暗かったからエレナを家の前まで送り、俺も家に帰る。あー、明日からまた学校か。久しぶりにサボりたい。




 \(`д´)ゝデュエッ!クロウズです。
 行為に関してですが、描写なんてありません。これはR-18ではないのです。一応R-15なのです。
 温泉いいですよね、ここ数年行ってませんけど。あと誰かカピバラの着ぐるみパジャマ着た鈴ちゃんと春ちゃんの絵描いてください。自分には絵心なんてありませんゆえ。



 それではこの辺で。俺達の満足はこれからだっ!

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