廊下で知り合った、クラスメイトの望月さんとは教室に入ってからは会話もそこそこに切り上げ、というよりは望月さんがクラスの女子に目を付けて写真を撮ろうと迫っていったので、黒板に貼られてる名簿から指定された自席に着くことにした。名簿を見た時、ついでに男子がどれくらいいるのかを確認してみたら、それほど少なくなかった。まだ1人も入ってきてないけど。
席は出席番号順の男女混同、あ行が廊下側から始まって窓側に続いていく。俺の席は窓側に近い列の後ろ側という、微妙な席だ。名前が名前だから仕方ないけど。
「……けほ、けほっ」
話し相手になりそうな男子もいないからぼーっとしてると、後ろ側から少し苦しそうな咳が聞こえてくる。首を後ろに向けると、ちょうど左斜めに座ってる女子が咳の子らしかった。肌がだいぶ白く、見るからに病弱そうな子だ。
「あー、大丈夫か?」
「え………?」
声をかけるとその子は少し驚いた表情をしてたけど、すぐに弱弱しいけども笑顔を見せる。
「あ、はい…大丈夫です。いつものことですので……けほっ」
「いつものこと、ね。……まあ、辛くなってきたら無理しないようにな?」
「はい。ご心配、おかけしました……」
本当なら保健室に行かせた方がいいんだけどな。本人が大丈夫だと言ってるし、様子見ってとこにしとくか。教室も賑やかになってきて前を向くと、ほかの生徒もどんどん入ってきてた。近くの席に座ってるのは大体が男子。見知った男子はいなかったから早めに打ち解けるために話しかけようかと思ったけど、先生も入ってきたからその辺は後回しになった。
「えー、みんなおはよう!今日から1年間、ここ1年A組の担任をすることになりました
シュッとどこかで見たことのあるポーズを取って自己紹介をする佐藤先生(女性)。担任は初めてとはいえ、人当たりの良さそうな雰囲気だし、クラスのみんなも早い内に馴染めると思う。
「それじゃあみんなには自己紹介をしてもらいたいから、名前と趣味、それから好きなものとか教えてもらおっか。朝田くんから順番にお願いね」
「はい。
それは好きなものというよりは好きな場所だ朝田よ。周りも苦笑してるし。
「う~ん、いいわよね読書。そこまでの本好きなら、今度朝田くんのおすすめでも教えてもらおうかしら?ちなみにあたしは恋愛物が好きよ」
「おすすめですか、また探しておきます」
「ありがとね。さあ自己紹介じゃんじゃん行こっか。次は、小野寺さんかな?」
「あ、私かい?
アハハ オイオイ
「遅刻はダメだぞ遅刻はー」
趣味は趣味でも、描く側なのか……。
その後もクラスメイトによる自己紹介は続いていき、俺の番に。
「火野霞黒です。趣味は野鳥や風景の撮影で、好きなものは山です」
「なかなかいい趣味してるねぇ。次は、正岡さん」
「はい…
「あらま。それなら無理のないようにね。それで次の子は、南くん」
「ども、
大雑把な答えだなぁ。
「大雑把な答えね。じゃあ最後、望月さん」
「はぁい。望月エレナです。趣味と好きなものはおんn―――撮影と、可愛いものです」
今何言いかけた、おい。
「望月さんは人の方が多いのかな。よし、これで全員覚えたよ。明日から授業や部活勧誘があるから、高校生としての学園ライフは明日からが本格始動だからね。明日も元気に来ること。それじゃ解散」
部活勧誘、早い気もするけどこんなものなんだろうか?まあ、部活や授業のことは明日でいいかな。今日は帰って寝よう。
牛歩更新というよりは不定期更新の方が正しいかもしれません。どうもクロウズです。
今回はA組の出番が多いだろう人たちに名乗ってもらいましたが、このやっつけ感 ウゴゴ……
次回は部活勧誘説明会とかになると思いますが、さぼり癖のある霞黒君はいないので多分その描写は皆無の可能性が。わしが無能故のことなんですけどね………。表現力が欲しい。
書いてる途中で手が止まる時にアメを舐めると速度が上るっぽいので、作品タイトルである棒付きアメ舐めながら更新していこうと考えています。じゃまた!