地霊殿を見つけた巫女達は、地霊殿の門番に巫女の印を見せ、中に入ることに成功した。後は主の古明地さとりから旧灼熱地獄跡へと続く道への鍵をもらい、お空を倒すだけだ。
「静かだね?」
「異変ですよ?諏訪子様」
「いつまでも呑気だねぇ諏訪子」
「へん、神奈子に言われる筋合いはないもんっ」
地霊殿は殿と言うだけあり、とても大きい。紅魔館と同じか、それとも少し大きいかといったところか。
長い廊下を歩き終えると、其処には上への階段があった。恐らく、主の古明地さとりの部屋へと続いているのだろう。
「こう…静かすぎると何か出そうですよね…」
「わっ!」
「ひゃぁ⁉︎」
「ふふ、冗談だよ」
「妹紅さん…止めてください、斬りますよ?」
「冗談だってw」
階段を登り始め、40段程の階段を登り詰めると、怪しい雰囲気のドアがあった。真ん中に板が掛けてあり、「古明地さとりの部屋」と刻んであった。そのドアを開けると第三の目と、ピンク色の髪を持つ、レミリアのように幼い見た目の主人が居た。
「む、五月蝿かったのは皆さんでしたか」
「おうさとり、久しぶり」
「貴方達、お空の件で来たのですね?」
「うん、流石に心を読むだけあって、話しが早いね」
「で、旧灼熱地獄跡へ行くための鍵が欲しいと…」
「はい…お空さんは旧灼熱地獄跡にいるのですよね?」
「そうだよー」
すると突然無意識の遺伝子を持ち、さとりの妹である「古明地こいし」が現れた。本当に瞬間移動して来たのかのように突然現れた。
「こいし、いつからいたのかわからなかったけど、ちょっとそこの鍵取ってくれる?」
「あぁこれー?」
「うん、そうよ」
「はいお姉ちゃん」
「ありがとうこいし」
そしてその赤色をした旧灼熱地獄跡へ行くための鍵を貰い、旧灼熱地獄跡に行くことにした。
「ちょっと待ってください、私も付いて行くことにします」
「もちろん私もだよー」
「おお、そうか」
「お燐も恐らく手伝ってくれると思いますが、さっきもう一つあった予備の鍵が無かったので、もしかしたら旧灼熱地獄跡に居るかもしれません」
「まあ行きましょう」
そしてさっきあった40段程の階段を降り、地霊殿の裏側へと進んで行った。そこには赤い扉が有ったが、もう既に開いていた。やはりお燐が先に行っていたのかもしれない。
その赤い扉を開けると、その先には地下へと続く階段があり、そこを抜けると、急に暑くなった。
「うおぉ!暑っ!」
「地下センター以上に熱いわね」
「この先にお空さんがいるのですね?」
「流石の私でもこれは暑いわ」
そこに広がっていた光景は、炎と岩
の灼熱とした地獄の跡だった。跡なのにここまで燃えているとは、現役、即ち灼熱地獄だったときはもっと凄かったのだろう。想像もつかないし、したくもないが。
そこを歩いて行くと、所々にマグマが噴き出したりしている所があり、危なかった。
「うわっ⁉︎」
「どうしたの霊夢?」
「危なかったわ…マグマに当たるところだった…」
「当たらなくて良かったね、よかったらこれでも持ってなよ」
「河童の玉?うん遠慮なくもらっとくわ」
マグマは恐ろしい温度であり1000℃は余裕で超えると言われているのだ。つまり触ってしまうと、その部分が溶けてしまうという事になるのだ。
焔の柱を避けながら歩いていると、赤い髪の毛をし、猫耳をつけた者がいた。
「お燐!ちょっといいかしら?」
「げっ、さとり様⁉︎」
「なにが「げっ」よ」
「いえ、なんでもないです」
「ちょっと付いて来なさい」
「え、あ、はい」
「なにしてたの?」
「いやー、ちょっとお空を助けようかと…」
「貴方じゃ無理よ、その代わりこの人達がやってくれるから」
「あぁなるほど、そういう事でこんな軍団が出来ているのですね」
こうしてお燐が仲間になり、旧灼熱地獄跡ももう1/4くらいとなった。
あと少し歩けば、最奥部に着くであろう。
「えっ、まさかこの軍団は、さとり様が組んだんですか⁉︎」
「いや違うわ、なんか悪霊がどうとかで来てくれたのよ」
「悪霊…あっ、まさかさっき見えた、黒い塊でしょうか⁉︎」
「塊?それはどんな塊か…いや、いわなくていいわよ?もう、わかったから」
「どんな塊だったの?」
「顔と手が胴体から離れてたようだわ」
「悪霊ですか…これから幻想郷はどうなるのか」
「あっ、そろそろ最奥部が見えてきたわよ?」
最奥部が見えて来た。そこお空がいて、最奥部だけ、お空のギガフレアのせいか酷く荒れていた。
「お空!戻って来なさい!」
「はっはっはっーさとり様、私がそんな簡単に戻ると思いますー?」
「貴方の考えくらい読んでやるわ」「………………⁉︎」
「どうしましたさとり様?」
「読めないのよ…」
「えっ?」
「悪霊の心が読めないのよ…」
「まじか…」
「はっーはっはっ残念でしたねさとり様!私の考えが読めれば、お前らの勝ちだったんだよ!」
すると突然お空は真下に大きな穴を開け、入っていった。旧灼熱地獄跡の下には何があるのか…何もないことを祈りたいものだ。
「くそ、あいつ穴を開けて行きやがった…」
「旧灼熱地獄跡の下に何かがあったら、これはスクープですね!」
「そんな事は言ってる場合じゃあない」ドンッ
「痛たたた…何も叩く事はないじゃないですかー」
「あたいでもここの下なんか、行ったこと無いんだけど…」
そうこう言っているうちに穴に入っていった巫女達。やはり罠だったのかもしれないが今はとにかく進むしかない。
「むぅ、また暗いです、暗いの大嫌いです」
「ほら、しょうがないな」
「おぉ、妹紅さんありがとうございます」
「それにしても、何故穴を爆発させていったのか…」
「今気づいたんだけど、背後からマグマが迫ってきてる‼︎‼︎‼︎」
「げぇッ⁉︎やばいわ、走るわよ!」
「おう!」
おそらくお空が穴を開けたのは、こういう過程を作るためだろう。だがこのままでは危険だし、脱出するのにも無理がありそうだ。
「くっそぉー!最悪だぁ!」
「やばい!また奥地が見えて来た!」
「あそこで行き止まりか?」
「どうやら上があるみたいよ」
「上…上があるなら脱出できるかもしれないぞ?」
「あっ…!そうだ…」
やはりあの八咫烏は何かが抜けていた。自分を守る事を考えていたようだが、八咫烏なので炎は平気なはずである。
そして巫女達はその穴を上に向かって歩き出した。穴は90°とかではなく、60°くらいだった。
それを暫く登っていると、光が見えて来た。地霊殿の庭の近くか、それとも旧都の廃れた公園か、必ず地底に繋がるのは間違いない。
「よし!出るぞ!」
「うん!」
そして出ると、そこはやはり旧都の廃れた公園だった。周りにある遊具は吹っ飛ばされていた。そして目の前にいたのは、霊烏路空、お空だった。
「ははは、よく来たなお前ら」
「全く、面倒くさいことしてくれたわね」
「はは、久しぶりに封印を解いてもらったんだ、物凄い暴れたい気分なのさ!」
「にとり!相手は炎属性だ!頼むぞ!」
「おう!まっかせとけー!」
「水符「河童のポロロッカ」!」
「うぐ、貴様ァァァァ!死ねィ!ギガフレア!」
お空がギガフレアを放ったと思えば、なぜかプチフレア並みに弱くなっていた。何故なのだろう。
「なにッ!私のギガフレアがッ⁉︎」
「これは…まさかにとりの河童の玉の影響?」
「ふふふ、そう!地底に行くと言ってたからね、こっそり持って来といたんだ!」
「くそォォ!しょうがねぇ!ヤケクソだッ!」
「そうはさせないわ!厄絡「ダークサイドインベイド」!」
「う、動けんッ⁉︎ば、バカな⁉︎」
「そして私も!土着神「ケロちゃん風雨に負けず」‼︎」
「ギャァァァ!」
するとまたいつも通りお空が抜け殻となり、悪霊が出てきた。お燐の言う通り、顔が浮いており、離れたでかい手があった。体は剣の様になっていた。その剣の様な体の側面からは、足と思えるような、変な塊がついていた。
「ふっふっふっ、やあ皆さん、私を殺りたいんだろ?殺るがいいさ!殺れないだろうがね!」
「うるせぇぜ!その歪みきった顔と精神、断ち切ってやらぁ!」
「おぉ、言うねぇ、こわいこわい」
「実は悪霊を懲らしめる為に作り出した秘技があります」
「それはなんなの?妖夢」
「今やってさしあげます!
霊喪剣「魔霊喪失の太刀」‼︎」
「がァ⁉︎か、体ガッ、しょうがない!必殺!霊核「ブラッドコアフレア」‼︎」
妖夢の作り出した技、霊喪剣「魔霊喪失の太刀」によって、その悪霊、「ラドブアナ」は暴れ出し、3つのメガフレアの様な核爆発を起こした。それは威力は普通なものの、3つも喰らえば、なかなかの威力だった。
「仕上げは私にやらせてください!石符「ビテューミナスコウル」!」
「くそ…油断したか…」
そしてその悪霊「ラドブアナ」は倒れ、流岢の頭の石に吸収されていった。もう悪霊のマークも7個に増えていた。
「よし、倒したね」
「神奈子は何もやってないでしょ?」
「いや、少しは援護したよ」
「そう…」
「悪霊の名が分からぬまま終わったなw」
「教えてあげますよ、奴の名はラドブアナ、伝説の悪霊の中で炎を操るのですが、弱点が水ではないというのがおかしなとこですね」
「あ、ああそうかいよく知ってるな」
こうして、旧都の公園での戦いは終わり、7体目の悪霊を封印した。あと6体封印すれば終わり…まだまだ道は長いが、これも異変。やらない訳にはいかないのだ。
彼女達は次はどこへ向かうのか…、
第9章 旧灼熱地獄跡の魔焔〜purgatory melt〜 〈完〉
「第10章 地と空を放浪する魔〜highway to heaven〜」へと続く
ところでですが、皆さんはお年玉で何か買いますか?俺は東方スカイアリーナを買う予定なんですよねw
(RPGツクールを買えと突っ込んだら負けだぜ?w)