東方憑霊導   作:Myaga

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第8章 巫女達の地獄旅行〜highway to hell〜

「さあ山を降りようか」

「ちっ、面倒くさいぜ」

「まあしょうがないじゃないの、どこかで紫が出てきて、スキマを置いてってくれるかもしれないわよ?」

「そう…だな」

 

そういうことを妖怪の山の頂上で話していた。風が吹き皆の髪が靡く。山を降りる準備だ。

霊夢と魔理沙を先頭に皆歩いて行く。行きは少し文できたせいで、行きより苦労している。行くときにみた、畑。森、森、森。山と言うものはなんて複雑な物なのだろう。こんなものを作り出せる自然は凄いものだ。こうも話していると、妖怪の樹林に辿り着いている。こうして妖怪の山を降りれたわけなのだが…前に変な妖怪がいるのだ。霊夢と妹紅によると、流岢に似たような…

 

「何よあんた?」

「答える必要はない」

「…流岢に似てるわね」

「確かに言えてるわ」

「で、そこを退いて頂ける?」

「嫌だね、お前らを倒すまではな!」

「倒したら、私達が渡れないじゃないの!霊符‼︎「夢想妙珠」‼︎」

「ふん、甘いな…この剣でもくらいな!石剣‼︎「ロックブレイド」‼︎」

「危ない霊夢さんッ!」カキンッ!

 

そう、その妖怪は剣を持っていたのだ。何で作られたかは知らないが、妖夢が見るには、相当珍しい剣だとのこと。剣は近距離型の武器だが、近距離なだけあって、近づくのが難しい。だから自分の剣でガードしながら行くしかない。

 

「くっ…強い…」

「よ、妖夢さんッ、援護します!呪符「悪霊の呪いの力」‼︎」

 

この流岢の使った技は悪霊を封印した分、力が上がるという技だ。

 

「楼石「ギャストリブロック」‼︎」

「ふっ、そんな技で私を倒せてたらねぇ、5年前に幻想郷はなくなってるから」

「ちっ、こいつイラつく野郎だぜ」

「こんな弱いやつらを倒したってつまらないし、また後で会おう。せいぜい強くなってな」

 

というと、その妖怪は消えていった。でも何故流岢に似たような奴が襲ってきたのか、なぜ似ているのか、それが気になる。だが今は地霊殿に行き、お空の暴君を止めなくてはならない。

 

「よし、地底に行こうぜ」

「地底に行くには妖怪の山より、博麗神社の方が近いね」

「博麗神社かぁ」

「面倒くさいねぇ…」

「なによあんた達…」

 

何故ならお金を要求されるからだ。

1円くらい入れておけば良いが、あげている余裕などない。

 

「そうだ、博麗神社は通らないでいくとするか」

「皆さんごきげんよう、八雲紫よ」

「紫⁉︎大分出てくるの遅かったわね」

「貴方達も暇じゃないだろうし、地底に一番近い博麗神社に送ってあげようと思ってね」

「どうせなら地底につれてけよ」

「ごめんなさい、地底へのスキマは用意してないの」

「そうか…」

「じゃあ博麗神社にいくわよ」

「うん」

 

霊夢以外、全員金を要求されるのが面倒くさいから、博麗神社へ行くのは嫌だったのだが、スキマがあるならしょうがない。

 

「さあ皆、ここに来たら何をするかわかるかしら?」

「お前の顔をぶちのめす!」

「御柱を投げつけるじゃあないかねぇ」

「厄を放ってくのですか?」

「いやいや、違いますってー写真ですよ!写真!」

「全部違う!金よ!金!」

 

やはり金をせがまれるという結果となった。1円でも渡せばいいのだが、1円でも渡してる余裕などないに等しい。

 

「すまないけど金なんか渡せる余裕なんかないよ」

「にとり、そこに1円があるぜ?」

「あ、本当だ」

「ほら、この1円あげるよ」

「よろしい」

 

これで霊夢の気は済み、その近くにある大穴に入ることが出来るようになった。大穴の先は、間欠泉地下センターという、お空がセンター長を務めるとても暑いところである。

おもに行われるのは、間欠泉を操るといったところだろう。そこに魔理沙達は進んで行く。

 

「暑いなー」

「ですねー…」

「気にするな」

「そんなこと言われてもですね…」

 

周りは工場って感じで、メカメカしい雰囲気が漂っていた。床は網状になっており、下から熱さが感じられる。右からも左からも下からも暑さがきて、暑さの重力といったところか…

 

「なんか洞窟の入り口っぽいところがあるね」

「入ってみましょう」

 

そこは、地下センターと地底を繋ぐ穴であり、ここを通らなくては地底には行けないのだ。暗いので道中はずっと妹紅の炎を灯の代わりに使っていた。

所々に蜘蛛の巣とか蜘蛛がいて、妖夢が驚いていた。半分幽霊のくせに何故驚くのか、それがいいのだが。

そして奥の方までくると、何故か地底なのに光が見えてきた。

どうやら出口のようだ。

出口を出ると、雪が降っている白い高原が広がり、所々に鬼がいるのが見えた。

 

「なんで地底なのに雪がふってるんですか?」

「妖夢、それは気にしたら負けだ」

「はい…」

「…鬼か、萃香と勇儀が悪霊に…」

「霊夢さん、相手は鬼。後回しにした方がいいですって」

「早苗…そうね」

 

5分程歩いたら、そこには昔風な町、旧都があった。旧都には人は居らず、嫌われ者しか住んでいないと言う。

旧都は珍しい物がいっぱいあるそうな。

だが、そんな事を考える前に、旧都にも門番がいた。

 

「ちょっとそこ通して頂けるかしら」

「お嬢さん、申し訳ねぇが何の用事か聞かせてくれねぇかい?」

「えっと、そうねぇ…あれよ、八咫烏が暴れてるそうじゃない?」

「なるほど、その件で来たんだな?」

「ほら、ここに博麗の巫女がいるでしょ?」

「どうも博麗霊夢です。」

「おお、これは巫女の証明書…貴方は本物やな、異変解決ならどうぞお通りなさい」

「ありがとう」

 

こうして旧都に入ることに成功した。咲夜やレミリアは、「うちにもこんな門番が欲しい」的な事を言っていた。そういえばちゃんとやっているのだろうか、あの門番は…

そんなことを思っていると、お饅頭屋さんが近くにあった。

 

「へぇすごいわね、これが旧都かぁ」

「妹紅さん見てください、お饅頭がありますよ!」

「流岢さん、欲しいですか?」

「えっ、妖夢さん買ってくださるんですか?」

「えぇ、私もお饅頭は好きでして」

「じゃあお願いします」

 

すると妖夢はその饅頭屋さんに行き、饅頭を10個程買ってきた。どうやら10個で3000両だったらしかったので、1個300両だ。しかもおまけで鬼殺しという酒を3本もらった。10個もまとめ買いする者が今までいなかったからだそうだ。

 

「相変わらず酒場は酔っ払った鬼ばかりね」

「おいおい、鬼が酔っ払ってるようじゃ、鬼とは言えねぇぜw」

「どんなお酒なのか取材してきましょうか…」

「あの酒は神である私でさえも酔わせたすごい酒だったねぇ」

「まじかよw」

 

この魔法使い達は全員酒が好きなのだ。異変解決すると必ず宴会が起き、そこで必ず酒がでるのだ。

あまり見慣れない風景を見ながら歩いていると、城の様にでかい建物を見つけた。

 

…地霊殿だ。

 

第8章 巫女達の地獄旅行〜highway to hell〜 〈完〉

「第9章 旧灼熱地獄跡の魔焔〜purgatory melt」へと続く


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