東方憑霊導   作:Myaga

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第7章 山頂の二体の悪霊

「…悪霊は、二体いるんですね?」

「あぁ、諏訪子と早苗が乗っ取られてるんだ」

「助けなくちゃな!」

「そうね」

 

どうやらやはり諏訪子と早苗だったようだ。悪霊を封印する妖怪を作った神が、乗っ取られていてはしょうがない。今までよくやられなかったものだ、だが、今は隠れており、早苗や諏訪子から見つからないようにしているようだ。

 

「あんたらがくれば私も有利だ、ちょっと早苗と諏訪子を倒すのを強力してくれはしないかい?」

「あぁもちろんよ。断る節が見つからないわ」

「ところで吸血鬼がいるようだけど、太陽には平気なのかい?」

「クリームを塗ってるから大丈夫よ」

「…む、背後辺りから殺気が漂ってきます!」

「ふっ、この裁きの炎で燃やしてあげるわ」

 

その殺気の正体は早苗と諏訪子だったようだ。妖夢は瞬間にを御構い無しに餓王剣「餓鬼十王の報い」を放ち、妹紅は不死「徐福時空」を放った。そのスペルは両方とも全体技であり、早苗と諏訪子、両方に当たった。

 

「なかなか痛いことしてくれますね」

「全くだよ…ねぇ早苗?」

「…?こいつら…いつも通りじゃねえか?」

「…それが違うんだよ恐らくだが、悪霊の頭が良いのかも知れない…」

 

なるほどと皆思っただろう。今までの奴らなんか、取り付いた奴の個性すら分かっていなかったからだ、だがどうも疑うことができない。どうやって悪霊は個性とかを真似ているのか…

 

「さあ神奈子…何をそんなに引いてるんだい?こっちにきなよ…」

「そうですって…」

「残念だけどね、あんたらは悪霊に取り憑かれてんのよ。だからね、あんたらの味方になることは出来ない!」

 

神奈子は勧誘をはっきり断り、勇ましい姿を見せた。だがその瞬間能ある鷹は爪を隠すと言わんがままに、諏訪子と早苗のような怪物が鬼の目をしてこちらを睨みながら言う。

 

「そうか神奈子、残念だよ、私とともに来れば、痛い目に遭わずに済んだものを…」

「実に馬鹿ですよ神奈子様。常識に囚われちゃいけないんですよ?非常識に我らはやってくんだよォォオオオ‼︎」

「…ついに本能を現しましたね…?メイト!シーキョル!」

 

どうやら流岢はその怪物達から、気配でどの悪霊かを見極められるようだ。

 

「まあやっと封印を解いてもらえた訳だ!常識に囚われずにやっていくぜ!」

「メイト、早く始末しよう。こいつらを」

 

さらにこいつらは、気持ちが通じ合ってるのかわからないが、コンビネーションが凄かった。今までのやつらとは全く違う。これからもどんどん強くなっていくのだろう、悪霊も。

 

「…やれやれ、恋符「マスタースパーク」!」

「神祭「エクスパンデット・オンバシラ」‼︎」

「獄符「千本の針の山」‼︎」

「石符「ビテューミナスコウル」‼︎」

 

極太レーザーと極太柱、大量の針の山、そして、黒光りした岩が降ってくる。それが全て諏訪子と早苗に当たっているのだ。

 

「…ははは、そんなことせど、この体が傷つくだけじゃあないかね」

「そうですねぇ…次はこちらの番なんですが、常識に囚われない弾幕をいくゼオラ‼︎」

「秘術「忘却の祭儀」‼︎」

「土着神「洩矢の鉄の輪」‼︎」

 

そしてこの技により、魔理沙達の技は少し防がれ、巨大な鉄の輪と、星型の魔法陣が魔理沙達を苦しめる。

 

「く…早苗、調子ノッテンジャァナイワヨ。スグ倒シテヤルワ」

「霊符「夢想妙珠」‼︎」

「私もやるわ!疵符「ブロークンアミュレット」‼︎」

「もちろん私もやるよ!水符「河童のポロロッカ」!」

 

また技が炸裂した。四つくらいの陰陽玉と上から釘、水が降ってくる

どうやらこれには早苗達は堪えたようだ

 

「ぐっ、やはりこの体じゃあ、上手くいかないかね…」

「シーキョルよ、本体というか、正体を出してしまうのだ!」

「そうだな、おまえもやるのだ!」

「おう」

 

すると早苗と諏訪子は倒れ、悪霊によって神社の方に運ばれた。

 

「おまえは蹴飛ばさないのか?」

「ん?私はな、女にはあまり手荒な真似はしたくなくてだな、蹴飛ばすなんてもってのほかだ」

「じゃあもっと優しくしてほしいね」

「無理だ。蹴飛ばす以外はな」

「ほう、そうかい」

 

悪霊の姿、メイトと呼ばれる奴は足が何本もあり、頭の凸辺りにへんな宝石のようなものがある。恐らく流岢によれば、あれが悪霊のマークの元とだそうだ。そしてシーキョル、シーキョルは名の通りキョンシーの様な見た目であり、レトロって感じがする、そして再び戦闘を続ける。

やはり悪霊は取り付いた時よりも素の状態の方が強い様だ。どうやらだが、何も手を付けていない状態と、人に取り付いた後の素の状態は、後方の方が強い様だ。悪霊の強さの法則はよくわからないものだ。

 

「メイトとかいったね?おまえは炎に弱そうだから私が焼き払ってやる!」

「ほう、よくわかったな、だが弱点を恐れてるようでは悪霊の名が廃れる」

「メイトよ、弱点を知られたか。だが弱点は探るものだ。お前らには教えないぞ」

「不死‼︎「火の鳥 -鳳翼天翔-」‼︎」」

「ぐっ…やれやれ、久しぶりに技を喰らったな…」

「私たちはまだ封印を解かれたばかり、あの力が戻れば…」

 

そう、悪霊は長年にわたりずっと封印されていたことにより力が弱まっているのだ。だからさっきのダーフクンとか、ルペルドとかも、元々の力はさっき戦ったときの何倍にもなるのだ。封印が解けたばかりではなかったら、おそらく勝てないであろう。

 

「まあ本来の力がでてなくて私らも助かったね」

「とどめは私が刺すわ!炎の剣!獄炎剣「業風閃影陣」‼︎」

「グアァァァ‼︎この私がッ!この私…が、ちくしょう…」

 

そして妖夢の獄炎剣「業風閃影陣」によってとどめを刺され倒れたメイト。また悪霊を一体封印した、だがあと1人、シーキョルが残っている。

 

「よくもメイトを…貴方達、生きて帰れると思わないでくださいッ‼︎捨て身のッ!捨身ッ‼︎「ダストボンバーストーム」‼︎」

「ち、ちょっ‼︎避けなくちゃやばいわよ‼︎」

「まて!避けたらこの神社が破壊されるだろうに!」

「ならしょうがないわ!…咲夜!そこにいるのわ分かってるのよ!こいつを仕留めなさい!」

「承知しましたッ!時よ止まれッ!」

 

すると突然咲夜の周りの空気、人、物が凍りついたように動かなくなった。風も感じられない。この状況は咲夜と同じ時を止める能力を持った者しかわからないのだ。

そして咲夜は突っ込んでくるシーキョルを100本くらいのナイフで突き刺し、蹴りでシーキョルをひっくり返した。

「そして時は動き出す」

その瞬間には神社は破壊されず、誰も被害にあわず、ただ、中国風の悪霊が横たわってもがいているだけであった。恐らくそれほど100本のナイフが効いたのだろう。

 

「咲夜、助かったぜ」

「貴方は…先ほどの…」

「うむ、神社が壊れなくてよかった」

 

全員からは安心の声が沢山漏れていた。咲夜は流岢に悪霊を封印することを言った。何故咲夜がここにいるかと言うと、レミリアが偵察に送っていたからである。

 

「でも咲夜、遅かったわね?」

「ちょっと面倒な事に、白狼天狗に関わられまして…申し訳ありません」

「椛…あの子まで悪霊に…」

「まあ文、気にしないことね」

 

椛とは白狼天狗であり、鴉天狗の文の仕事で言う部下である。よく犬と間違えられるがれきっとした白狼天狗である。

 

「あっ、悪霊を封印しなくては」

「そうね流岢、早く済ましなさい」

「はい」

 

すると断末魔の小さな雄叫びをあげながら、流岢の頭の石に掃除機で吸い込むかのように封印されていった。

 

「あれ…私たちは何を…」

「早苗ぇ、その怪我はどうしたの…?」

「諏訪子様こそ…私の様な傷が…」

「二人とも、大丈夫か?」

「神奈子…」

「神奈子様…」

「お前たちは悪霊に乗っ取られてたんだ、だがこいつらがその悪霊を封印してくれた」

 

神奈子は悪霊の事を話し終えると、次はどこへ行く予定なのか聞いてきた。それには、有頂天。と言おうとしていたのだが、言う前に神奈子が「諏訪子と早苗が暴走したせいで行けない状態にある」といい、いけないということがわかった。

 

「私が八咫烏の力を与えた奴がいる地底に行ってみるのはどうだ?」

「そうですね神奈子様、悪霊に空が乗っ取られ暴れ兼ねませんしね」

「お空か、お空も悪霊に乗っ取られてると聞いたな」

 

そのことを魔理沙が口にした瞬間、神奈子、諏訪子、早苗の目から、笑みが消えた…八咫烏の力は凄まじいものだからなのか?確かに守谷一家達が驚くのは分かる気がする。

 

「じゃあ、地底に急ぐとしましょう!」

「地底ならお嬢様も安心でございますね」

「えぇ、まあ今まで日焼け止めクリーム塗ってたんだけどね」

「えぇと、間欠泉地下センターだったかしら?妹紅」

「そうだ、妖夢。あそこは火を使うやつが多いから暑いだろうな。だが私は炎は得意だからね、受けても大丈夫なんだ」

 

大夫人も多くなり、戦力も増してきたところだが、次の相手は悪霊の力と、八咫烏の力を持つ、地底の太陽、霊烏路空だ。ただでさえ八咫烏の力は強いのに、悪霊の力なんぞ足したら、大変な事となるだろう。だから被害が増える前に、一刻も早く地底へ行こう!

 

第7章 山頂の二体の悪霊〈完〉

「第8章 巫女達の地獄旅行〜highway to hell〜」へと続く




もしもRPGツクールを持っていたなら、RPG化してみようと思っていますw

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