東方憑霊導   作:Myaga

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はい。おそくなりました。すみません


第15章 道教の尸解仙〜TAO FAITH〜

しかし黒石は流岢によーく似ている。違うところといったら、目つきと、髪の縛り方、服の四角いマークのところが三角と逆三角で構成されているところである

 

「なあ黒石、そういえばなんだがお前フランドールスカーレットってやつしらねぇか?」

「どんなやつだ?」

「虹色の羽が生えてて赤と黄の色が多い吸血鬼なんだが…」

「…!」

「知ってるのか!」

「そうか…あいつが…」

「え?」

 

黒石はとてもびっくりしているような顔をしていた

 

「…やばいな、あいつ、襲ってくるかもな」

「何故だ?」

「…悪霊の封印を解いた張本人に能力を使われた可能性がある」

「その人の能力は………え…物体を操る能力…⁉︎」

「おう、よくわかったな」

「心読めるので…」

「で、なんなのよ、そいつぶっ殺せばいいんでしょ?」

「まあだいたいそんなもんだな…」

 

どうやらこの物語には当然だが黒幕が居るようである。黒石は乗っ取られてたようだが、そいつの顔、名前は覚えてないと言う。だがあることだけは覚えていた。その黒幕は勿論人間ではないらしい。その黒幕は魔界のキメラらしい。キメラとは、顔にライオン、山羊の胴、蛇の尻尾をもち、炎を口から吐くと呼ばれるギリシャ神話の怪物なそうな。

 

「ていうかフランはどこにいるんだ?」

「知らないね、やがて歩いてら見つかるさ」

「で、なぜフランを知ってるのかしら?」

「…悪いが」

「?」

「フランを誘拐したのは私だ」

 

そう黒石がいう。操られながらも1%

程の意識があったようだ。

 

「となると、実質誘拐したのはそのキメラとなるわけですね」

「何故誘拐したのでしょう?私、どうもわかりません」

「まあ早苗、フランは恐らくだな、あれだ、あの馬鹿げた力だよ」

「それを利用しようと…?」

「そうよ早苗、それ以外何があるのよ」

「…操られてるんですから当然出会ったら襲ってきますよね?」

「そういうときはぶった斬るのでご安心を」

「そういえばですけど、黒石さん?」

「ん?黒石でも構わんぞ何せ私は君の分身だからな」

「あぁ…はい、黒石、私と貴女は一心同体ですよね?」

「あぁ、その通りだ」

「それなら考えることを共有などは出来ないでしょうか?」

「あぁ、できるぞ、目をつぶってな」

「はい…」

 

すると流岢は目をつぶり、黒石の考えることや、記憶の共有をしようとしている。

 

「…なるほど、貴女が今わかってる事はわかりました」

「まあそういうことだ、おまえがそこまで純粋なのは、私がお前ん中から消えたからだよ」

「そしてだ、悪霊は…心が澄み切った奴しか封印できないんだ」

「なるほど」

 

こういう話をしているあいだにもどんどん時間は進んでいくので、霊夢は言う。

 

「ほら、早くこの夢殿大祀廟をこえて神霊廟へいくわよ」

「はい」

 

こうして話をやめ、夢殿大祀廟を進んでいく。永遠亭の廊下くらいあるだろうか、結構長い。10分ほど進んでも周りには何もなかったが、やっと神霊廟の入口についた。

 

「やっとついたな」

「あぁ、長かったな」

「さあ早く悪霊を殺そうか」

「あぁ」

 

そこは前来た時と違い、妖気が漂っており、雛が反応しだしそうだ。

 

「すごく厄いわね…なにかしら…ここまで厄いのは久しぶりだわ」

「開けようか」

 

重苦しい音をたてながら扉が開く。

中は物音が激しかった。悪霊に取り憑かれた布都が暴れてるのだろうか。

 

「うるさいわね」

「まあ仕方が無いこったぜ」

「なにが仕方ないんですかw」

「こんなところで暴れるなんて、常識に囚われてませんね…」

「常識の話ばっかしてる貴女もね、早苗。」

 

話しながら進んでいくと、家具が倒れたところなどがあり、進むのが困難だった。ほかにも焦げている場所があり、それが皆をあせるような気持ちにさせる。

 

「布都さんですからね、炎をたくさん使用したんでしょう」

「布都さんっていうんですか、あの人」

「え?」

 

すると目前には白い道士の服を着て、白く変わった帽子を被った、物部布都がいた

 

「ふふ、我は物部布都であるぞ!」

「それぐらいはわかってるぜ!」

「くらいなさい!夢想封印!」

 

霊夢は夢想封印を放った。が、目の前には物部布都の姿はなかった。

 

「?」

「あれ?」

「あいつはどこへ?」

「貴女達まだ気づかないの?あれは幻影だったのよ、幻影」

 

幽香はそういう。

すると横からただならぬ雰囲気がした。

 

「!誰だぜ」

「こんにちは…豊聡耳神子です」

「蘇我屠自古だ」

「あ、こんにちは」

 

そこにいたのは、神霊廟にいた、幽霊と道士の、屠自古と神子だった。

 

「どうしてこんなところにいるのかしら」

「どうしたもなにも、ここは私達のいたところだったのです」

「突然な、布都が暴れだしてこの奥に行ったからな、探してたんだ」

「でもいたと思っても殆どが幻影、きりが無いです」

 

話を聞くと、悪霊は幻影を使えるようだ。さっき我々も幻影を体験したが。

 

「えぇ、さっき私達も体験しました」

「ところで貴女は?」

 

流岢は自分の事を話した。黒石のこともついでに話した。

 

「なるほど、だからだったのですか」

「悪霊かぁ、私は流石に取り憑かれないよな」

「いえ、亡霊の幽々子さんも取り憑かれたので貴女も取り憑かれる可能性はありますよ」

「えぇっ!悪霊って霊にも取り憑くのか!やばいだろ」

「…で」

「?」

 

霊夢は1つ息を大きく吸うと、話し出した。

 

「…あんたらはついてくるの?」

「え?貴女方にですか?」

「そうだぜ」

「…ついていきましょう、幻想郷の道士として!」

「それなら私もいくだろ、常識的に考えて」

「ディモールトベネ(非常に良い)だぜ」

 

こうして神子と屠自古が仲間となった。仲間となった事を喜ぶ前に、物部布都を倒さなくてはならないが。

それでこのまま探索していると、一本道となってきた。もしかしたらこのまままっすぐ行けば、布都に会えるかもしれない。すぐに皆はそこを進んでいく。

 

「狭いですね」

「きにするな」

「こんな道あったかな、おかしいだろ、常識的に考えて」

「まあ屠自古、布都に取り付いた悪霊は幻影を操るのですからそんな道があってもおかしくはないですよ」

「さすがです、太子殿」

「じゃあ進みますか」

 

だが、雛が突然疲れたと言い出す。

今まで悪霊の気がうじゃうじゃありすぎたせいか?

雛はスキマを通してスキマ内に入ってもらい、代わりにこいしに来てもらった。

 

「こいし、気をつけなさいよ?貴方が怪我してる所なんか見たくないから…」

「大丈夫だよお姉ちゃん!私丈夫だもん!」

「こいしはいつでも元気だぜ」

「うん」

 

幻影がまた増えてきた。道が分からない。このままじゃ迷ってしまう。

だがある道の方向にこいしがいつの間にか進んでいた。

 

「あれ?こいし?」

「私はこっちの道に行った方がいいと思うなー」

「何故なの?」

「私の無意識がそういってるんだもん」

 

そういうことなので、こいしについていく。すると今度は残像ではなさそうな物部がいる。

 

「…どうだったかの?我の幻影は?」

「あぁ、とてもうざかったぜ」

「ここはぶちかましてあげないとならないようね、妖夢。」

「え?あれですか?」

「あれに決まってるじゃない」

「分かりました」

 

まず、霊夢と妖夢は先行で協力技を使った。そのためにスペル名を叫ぶ。協力技「六道人間道夢想斬」と。

その技は妖夢の一念無量劫と霊夢の夢想封印を合わせた技。

布都には効いていたようで、なかなか応えていた。

 

「ほう、やるのう…」

「次はこっちの番だよ!幽香さん!」

「うん?あ、えぇ、あれね」

 

幽香が沢山の花を出すと、こいしも沢山の薔薇を出しだす。するとそれを合わせ、布都に飛んでいく。すると布都は「大義であるぞ…」というと倒れる。その中から悪霊がでてくる。

 

「ふふ、我の名は分かるかな?」

「全くわからんし、興味もないね」

「魔理沙の言う通りね」

「それにしても悪霊はこんな常識に囚われない形なのでしょうか…」

「じゃあ教えて差し上げよう」

 

その悪霊はウールソーと名乗る。

魔理沙はまた御決まりで名のつっこみをする。

 

「その名…ソウル…魂が由来だろ?」

「おぬしわかっとるじゃないか、じゃあ、殺し合いを始めようか」

「言われなくても!」

「わかってるよー♪」

 

だがその悪霊は素早く、先に行動されてしまった。そのウールソーは霊焔「疑心暗鬼の焔」と叫び、鬼火のような焔を繰り出す。

 

「魔理沙!私の発明を使うんだ!」

「に、にとりか!?どこにいる?」

「スキマから話しかけてる!」

「技再現機だったか?」

「名前は変えたよ!スキル・リプロデュース・メカ、略してスキデスカだよ!」

「す、スキデスカ?なんつー名前だ!」

「じゃ、魔理沙!私は早苗と妖夢でやるからあんたはその…なに、スキデスカ?を使って相手の弱点をついて!」

「任せろだぜ!」

 

第15章 道教の尸解仙〜TAO FAITH〜〈完〉

「第16章 タイトル未定」に続く


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