東方憑霊導   作:Myaga

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遅れました、すみません


第12章 雲の海は濁りだす〜dark side cloud

ついに九天の滝を超え、玄雲海に足を踏み入れた魔理沙達。玄雲海は、雲だけでできた道であり、歩く時にふわふわしているという感覚が伝わってくる。

 

「雲だらけだな」

「早速なんだけど雲を作れる『クラウド・クラフト』というものを作ったから使ってくれ。これは空でしか使えないからね」

「これで少し空いた雲の裂け目も歩けるわけか」

「突然なんですが厄いです」

「そういえば幽香、なんであんた達はきたのよ?」

「メディスンがその悪霊とやらにやられててねぇ…」

「あたいたちは異変かなと思って樹海辺りを歩き回ってたんだ」

 

それにしても雲の上は気圧が低いだけあって寒い。そういえばさっき雛が厄いと言っていたが、何か怪物が居るのだろうか?

 

にとりの作った「クラウド・クラフト」で雲を作りながら進んでいく。

すると向こうから雲山のようで雲山じゃない、変な雲が50m程先に見えた。

 

「なによあいつ?足止め?」

「うむむ、面倒臭いですねぇ」

「早苗さん、こういう時は奇跡を!」

「起こしませんよ」

「えぇっ」

「こんなところでそんな力使ったら、非常識にもほどがあります」

「あぁ、そうですか」

「というわけで倒しますよ!」

 

するとその雲はこちらを振り向き、こういった。

 

「我が名は臥煙雲(がえんうん)。悪の雲の一種だ」

「な、なんだぜこいつ?突然名乗り出したぜ?」

「あ、どうも、私は神の神奈子と申します、そしてこちらはロリ神の諏訪子です。」

「ロリじゃねーもん!」

「ほう。礼儀が正しい神だ。ここは正々堂々やろうか」

「どうやらこの雲は嘘はついていないようですね、どうやら悪には悪なのですが、戦いには全力を尽くすという雲です」

「そうか」

 

さとりの心理検査により、この雲は、悪ではあるが戦いには悪も善も気にしないという雲の心理がわかった。

 

「くらえ!曇天「餓鬼の呪い雲」」

 

とその雲が叫ぶと黒くも白くもない紫色の八雲が襲ってきた。

そしてその紫色の八雲が皆を包み消えてゆく。その雲には毒の成分が入っていたようだ。おかげで少し苦しくなってしまった。

 

「この…なかなかやりますね」

「やはり奇跡を起こすしかねぇようだな早苗」

「そのようですね魔理沙さん、いきますよ!」

 

すると2人は奇妙な陣形を組だし、早苗が無数の星の陣を作り、空に浮かばせ

相手の真下に陣を作る。魔理沙は早苗の5m程隣におり、空に浮く星の陣に力を込めているように見える。

 

「な、魔理沙?なにしてんのよ?」

「なにしてんのよって、協力技だよ。早苗とは星という共通点があるしな」

「そう…」

 

周りが光ったかと思うと、空から隕石が落ちてくる。

 

「名付けて、

協力技「フェスターメテオ」だぜ(です)!」

 

煙の中から臥煙雲が表れ言う。

 

「ほう…これが人間だけの力…人間がこれまで強くなったとはな…」

「こいつ、まだピンピンしてます!」

「よし、次の攻撃は…雲熱「餓鬼の風炎」‼︎」

 

臥煙雲がまたスペルカードと思わしき名前を叫び、今度は熱風が走る。熱風だけでなく、風に紛れて小さい火玉も飛んでくる。そのおかげで火傷しかねない。さらに風に吹かれていることにより、火も威力が上がっており、より一層暑さが増す。

 

「くそ…暑すぎだろ」

「にとりィ!」

「ふふ、こういうときは吹雪さ」

「そんなもんどこにもねぇよw」

「ここに「技再現機」という機械があるのさ」

「なるほどそれを…って説明はいいから早くして⁉︎」

 

レミリアは焦りながら早くするように促す

 

「まあいいや少し教えるよ、これは技を再現できるのさそのままね」

「たとえばこれとかね!」

 

するとにとりはその機械から合成ボイスか何かは知らないが、声が出ながら吹雪らしきものが飛び出た。その機械は「トウフ「パーフェクトフリーズ」」と言っているように聞こえた。

 

「おお、最近の科学は凄いねぇ」

「神奈子みたいな神に科学が分かるかな?」

「どうせ諏訪子様もわかってらっしゃいませんよね」

「はは、ばれたか」

 

顔を赤らめながら笑いあう守矢一家、そして

 

「さとりサマーこれってどうなってるんですかー?」

「河童の考えることは複雑ね、複雑すぎて逆にわからないわ」

「ていうか技なら全部できるんでしょうかねぇ?」

「さあね、実験してないみたいだしわからないわ」

 

地霊殿の方々もさとりによって話し出す。

 

「ぐぁぁっ」

「この機械は技を再現できるのさ!この中に吹雪を使える人は少ないだろうからね!」

「ていうかお前が水のスペル使えばいい話じゃねえか」

「はは、そのとおりね」

 

するとその雲は消滅し、倒したこととなった。

 

「中々やっかいだったねぇ」

「あら小町さん、貴女ほとんど何もやってないわよね」

「まあ気にしないで」

 

少しだけ話しながらまた雲の上を歩いて行く。確か天子の家は有頂天に有るはずだ。つまり歩きながら浮島のようなものを探せば良いということだ。やはりさっきの雲が門番的存在だったようで、さっきの雲のせいで見えなかったが有頂天と思わしき浮島がある。

 

「これがラピ…」

「いやいや違いますよ、これは有頂天ですからね」

「そういえば雛だったかな、厄いときは直ぐにみんなに知らせてあげなよ」

「ええ、わかっていますよぬえさん」

 

そしてまた足の感触がふわふわした感触からコツコツとしたような普通の感触へと変わる。

 

有頂天には白玉楼程にはならないが、ちょいと階段が多い。空の上なのに植物も結構繁殖している。空気は少し薄いが、植物がいるせいか、少し清々しい感じで爽やかだ。やはり所々に雲が浮かんでいる。

 

そして最高部の所には比那名居天子の家がある…のだが、そのまえに難関が控えていた。

 

「ここは通しませんよ?」

 

永江衣玖だ。リュウグウノツカイの化身と言われている。そして天子のお世話係というところか…

 

「なるほど、貴女もそうなのかしら?」

「そのようですね、やりますよ」

「前から分かっていることなのですけど…どうも悪霊の心は濁ってて見えないですね…」

「まあ核融合の力でぶっ飛ばせばいい話ですよ、さとりサマー」

 

距離は一応10m前後はとってある。霊夢はそこに試し打ちとして霊撃を出してみるが、跳ね返される。ならばと思ったようで、ホーミングアミュレットを繰り出した。霊夢はその技の弾丸のような物を26回だす。さすがにこれは跳ね返せるわけがないようで、当たってしまった。だが、たくさん出すのは良いものの、その分命中率は高いが、威力は低い。

メディスンはスイートポイズンを繰り出し、相手の行動速度を落とすことに成功。

幽香は遠距離だろうが近距離だろうが関係なく、傘で攻撃をする。その傘は並の傘の破壊力でなく、グングニル並といってもよい。

妹紅は虚人「ウー」と叫び、炎の柱で上と下、右と左、前と後ろから相手を包む。炎は10秒ほど燃え続け、そして消えてしまった。

衣玖はこれほどの攻撃を食らっても倒れなかった。

攻撃をさせないようにと、魔理沙がシェイキングスパークを使う。すると衣玖は転けてしまい、攻撃をしなかった、そして悪霊の劣化版が出てきて、天子の家に入っていった。

 

「…さて、衣玖は後でフワフワなんとかに乗せといてやれ」

「フワフワナオレールブトンだってばさー!」

 

やはり悪霊は進むのが遅くなるたび、力が馴染む、というか、封印されて弱まっていた力が強まってきているようだ。この悪霊達が、全て本気で掛かってきたら、ひとたまりもないだろう。そんなことを考えると、こいしの様に無意識で天子の家に入ってしまった。

 

「…よくきたわね」

 

第12章 雲の海は濁りだす〜dark side cloud 〈完〉

「第13章 暗界の雲を渡る〜cross go to night」へと続く

 


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