傘を持った妖怪に出くわした魔理沙達。
その傘を持った妖怪は左右の目の色が違く、左目が赤で右目が青だった。
名前は多々良小傘。
「おや小傘さん珍しいですね、こんなところで出くわすとは」
「えぇっと…あ、そうだ!早苗さんどうしたんですか?こんなところで」
「何か考え事でも?」
「いやいや、わちきはそんな考えるような妖怪じゃないよ」
「(にとり、どうも怪しいわね、こんな厄だらけの所を歩き回るなんて)」
「(そうだね、でも魔理沙が言ってたよ、小傘は乗っ取られてる可能性があるって、パチュリーから聞いたそうだよ)」
突然早苗の前から姿を消した小傘。
何処へ行ったのか、いつもは見逃さないはずなのだが。驚かそうとしてるのだろうか?妖怪如きで驚く訳には行きませんからね驚きませんよ。
すると小傘は空から時速60キロくらいの速さで突っ込んできた!
「えっ⁈」
「危ないよッ!早苗ッ!」
その小傘を諏訪子がミジャグジ様で遮る。そして早苗を吹き飛ばす。なんとか小傘が早苗に当たらずに終わった。
「ふふふ、驚いたかな?」
「あぁはい。驚きましたよ」
「諏訪子様の素早さにですがね!」
そういうと早苗は秘術「忘却の祭儀」を使った。なんとか当たったが、ピンピンしている。
「ふぅ、君も速いね」
すると小傘の後ろ辺りから人影が見えた。羽の生えたような少女だ。
「さぁ悪霊、戻ってきなその小傘の体、返してやりなよ」
「ふん、嫌だね折角憑依出来たのに別れたくないよ、それとも別れたら君に憑依していいのかな?ぬえ!」
「ふふ、私はそんなに簡単に憑依される程甘くはないよ?」
後ろにいたのは、封獣ぬえだった。いつも小傘と戯れている妖怪である。今回はどうやら小傘が憑依されているせいで遊び相手がいないようで、悪霊退散しようとしているようだ。
「ぬえか、すまんが協力してくれはしないか?」
「だが断る。貴方達が私に協力してくれるならいいよ」
「わかった、お前に協力するよ」
「よし!契約成立!一緒に戦おう!」
こうしてぬえが仲間となり、小傘を倒さなくてはならない。ぬえはEXボスということでかなり強いので、中々の戦力となるだろう。ただし、EXボスというのは他のボスと比べ、スペカが少ないのでそこが傷である。その傷に癒能力として中々の殺傷能力を持つのが良いところだ。そして自分たちは技を出した。
「くらえ!UFO群!」
「派手に行くゼェーッ!「ダブルスパーク」‼︎‼︎」
「やれやれ…面倒くさいわね…こんな傘の付喪神如きの為にわざわざ技を出さなくちゃいけないなんて…仕方ない…「パスウェイジョンニードル」!」
まずぬえのUFO群が飛び出し、小傘?にガンガン当たる。黄色く白い光線が二つ右から左へと小傘に的確に当たる。そして霊夢の手抜き技。13個の信仰針が小傘に刺さるはずだが2個外れてしまい11個しか当たらなかった。
「あららららー、痛い、痛いッ!」
「なんだぁこいつ?頭の中の回路3つ程切れてるプッツン野郎なんじゃあないか?」
「はっはっはっ魔理沙、そんな事きにする前に、次のターンで倒しちゃおうよ」
「そうだな」
「なにィ?貴女達も協力技作ったの?」
「そう!名付けて、協力技「スパイラルエモワイド」‼︎」
そして魔理沙とにとりはスパイラルエモワイドと叫び、魔理沙はにとりを背負い、にとりが魔理沙の肩の上という状況となった。そして魔理沙が箒で飛びながら、にとりが上に巨大な螺旋状の機械を用意し、敵に頭から飛ぶ。敵に頭を使い(物理的)螺旋状の機械でバウンドし続け、物理的なダメージを与えた所で、にとりは螺旋状の機械で超ジャンプし、魔理沙が箒で受け止める。そして、その螺旋状の機械は爆発し、魔理沙は遠距離からマスタースパークを食らわせる。スパイラルエモワイドは中々強力な技で、あららららーなど言っていた小傘を何も言えないくらい傷つかせた。勝利もそう遠くないだろう。
「後は…誰でも良い!適当にぶちかませ!」
「わかったー、もう限界だ!やるね!「メガフレア」‼︎」
お空がトドメにメガフレアを出し、小傘からはもう動く気配が感じられなくなった。どうやら倒したようだが、動く気配がないのなら、悪霊本体がいるのだろう。
「やあ。旅人達」
「くそぉ、いくら小傘にダメージを与えようと、やはり直接ダメージを悪霊に当てなくちゃ、倒れるわけじゃあないのか…」
「ここまで非常識な生き物、今まで見たことありません!」
「うむ、後は悪霊を叩くだけだよ、早苗」
「ふぅ、皆協力技ばかり披露して…これなら全部の悪霊を協力技で倒せばいいじゃない…」
「お前は妬んでるだけだろ?w後で教えてやるぜ」
といっていると流岢が悪霊の話をしてくれた。「悪霊の名はスプルーク」だそうだ。弱点も最近流岢は思い出したそうで、「木と光」だそうだ。それを全員に伝えると…
「それなら、私がマスタースパークとともに幻想郷の開花を使えば完璧ね」
「…幽香、それは私がマスタースパークを放てってことなのぜ?」
「それ以外何があるのよ、マスタースパークを片手で出して、幻想郷の開花を片手で出すとか、どれだけ器用なのよ」
「あ、あはは、そうだな、よし、そうしよう」
魔理沙は咄嗟の思いつきでスペル名を考えた所為で、ごく普通の様な名となった。その名も…協力技「フラワースパーク」だ。
その「フラワースパーク」は、幽香が花の大群を竜巻の様におこし、そこに魔理沙がマスタースパークを出す技だ。竜巻の中に生じる回転状態のマスタースパークのエネルギーはまさに雷雲的絶望の竜巻‼︎
「Oh…なんということだ盟友よ、この異常な破壊力…」
「ま、魔理沙!幽香!」
「だ、だめだ!行っては!あのフラワースパークの絶望的な一発にぶっ飛ばされるぞ!」
「可哀想な悪霊だね…」
悪霊は厄川とは違い、身はボロボロにならないが、ちゃんとダメージは受けている。
「ガハッ…馬鹿な…妖怪と人間だけの力で殺られるなどと…この上ない屈辱だッ!貴様らッ転生したら…絶対にぶち殺してやる!」
「はは、お前には転生や天声もない。最後に地獄を加えた点睛はあるがな」
「いいぞ魔理沙!名言だ!」
そして悪霊スプルークは流岢によって吸収された。やっと8体目の封印に成功した、後5体だ。妖怪の樹海にいたところだが、やっと頂上に着いた。そしてそこには、九条の滝があり、そこの雲の上には、天国への扉があった。そこにはさりげなく、邪悪なオーラを感じることができる。それで魔理沙達は玄雲海に足を踏み入れた。
第11章 悪は天に佇む〜stand by wrong in Utopia〈完〉
「第12章 雲の海は濁りだす〜dark side cloud 」へと続く