東方憑霊導   作:Myaga

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今回はちょっとホラー要素的な物が入るかもです。
クトゥルフ神話とかに熱中してる人とかは恐らく大丈夫っすよ



第10章 地と空を放浪する魔〜highway to heaven〜

「お空を救っていただきありがとうございました」

「まあ気にしないで頂戴、私達はやらなくちゃいけないことをしただけだから」

「お空は…まだ起きてないな」

「実は今まで行ったことのある町にこっそりフワフワナオレールブトンを配置しておいたんだ!」

「おお!でかしたぜにとり!」

「でもお金は貰うからね」

「結局そーなるのかw」

 

お空を倒し、悪霊「ラドブアナ」を封印した巫女達。今は悪霊を封印する為にお空を倒してしまったので回復を待っていた。

 

「で、次どこいくの?」

「お、そういえばなんだけど神奈子」

「なんだい諏訪子?」

「そろそろ私達が暴走していた所為で行けなかった雲の上、有頂天に行けるんじゃないかな?」

「そうだね、そろそろ直っている頃だろう」

「何が壊れてたんですか?」

「悪いが早苗、それは企業秘密なんだ」

「そ、そうなんですか」

 

有頂天に行けなかった理由は早苗でさえも知らなかったそうで、神奈子と諏訪子だけの秘密だったようだ。

すると突然スキマ妖怪の紫が現れた。

 

「順調ね、流石私が見込んだ人達だわ」

「あ、紫さん!もしかしてだけどスキマで運んでくれるの?」

「もちろんよ、だけど妖怪の山山頂までは無理なのよ…」

「どうしてよ?」

「スキマのメンテナンスを彼処だけ失敗しちゃったのよ…魔物が入ってきそうだったからちょっと食い止めようと思ったら中々強くてね、それでメンテナンスが狂っちゃったの」

「スキマも大変なのね」

「じゃあどの辺まで運んでくれんだ?」

「そうねぇ、一番安全なところは博麗神社だからそこまで連れてってあげるわ」

「いや待て、紅魔館のスキマでいい」

「そうだね」

 

皆が博麗神社を避ける理由はわからないが、とにかくまた妖怪の山に登らなくてはならない。

その為にはまた妖怪の樹海を通らなくてはならない。

そして紫のスキマによって紅魔館についた巫女達。

 

「そういえば、フランとかどうしたの?」

「…!」

「…お嬢様、どうかなされました?」

「…咲夜、フランを見かけていたかしら?」

「妹様…ですか?そういえば見かけていませんね」

「もしかしたらあの流岢に似た妖怪に捕まったとか…」

「どうでしょうか…」

「咲夜さんレミリアさん!今はそれより空の上に行かなくてはなりません!」

「そうだね、フランもどこかで見つかるかもしれないし」

 

そして紅魔館を後にし、妖怪の樹海付近を歩いていく。途中嫌な風が吹いたりした。それで妖怪の樹海に入っていくと、そこにいたのは…

 

「…貴方は、厄川疱瘡…!」

「雛、それは誰なの?」

「この人は、厄が集まるに集まって出来た、悪人よ」

「ふっ…久方ぶりよの、鍵山よ!」

 

その厄川疱瘡なる男は全体的に黒いオーラというか、変な雰囲気を出しており、殺人鬼の様な目をしていた。髪の毛は男では長いくらい伸びていた。

 

「なによこいつ…気持ち悪い」

「おっと…我に近づくと厄が着くぞ?だから近づいてやっても構わんが」

「へっ、じゃあ遠くで攻撃するまでだぜ」

「そうですね、近距離系攻撃を使う人達は今は出ないほうがいいですよ」

「わかったわ、なら私と雛と早苗とお空と魔理沙と流岢、そして諏訪子と霊夢と言ったところね」

 

すると後ろから強烈な殺気と毒気、死人の雰囲気を感じた。

1人は傘を持っており、また1人は人形であり、さらにもう1人は、鎌を持っていた。

 

「あら、私もいるわよ」

「あ、貴方は…風見幽香さん!」

「そしてメディスンと小町…!」

「この勝負、遠距離系の人を使うなら、私もや(殺)ってあげてもいいわよ」

「と、ということはだ、メディスンと幽香がこの勝負参加できるぞ!」

「あれぇー、あたいは駄目かい?」

「お前は…その…鎌を持ってるから」

「えw」

 

突然幻想郷でも最強の部類に入る妖怪、幽香が現れた。何故いるのか聞こうとしたが、「今は聞くときじゃないわよねぇ」と言われ、言葉を無効化されてしまった。厄川疱瘡は、うざったらしそうな顔をしていた。

 

「おい、いつまで待たせるんだ!」

「今行こうと思ったところだ!覚悟しろ!」

「私の力…見せてあげるわ。暫く暴れてなかったのよねぇ…」

「毒で倒してあげるわ!」

「こんな奴がいようと、倒すだけです!」

 

そして悪霊ならぬ悪厄との戦いが始まった。まず魔理沙は様子見に星符「メテオニックシャワー」を使い、早苗も様子見に秘術「グレイソーマタージ」を使った。双方のスペルカードは星を使う弾幕であるのだが、頭にあたると思った瞬間に避けられてしまった。いや、避けられたではない。疱瘡は動いていなかったので避けていたわけではないだろう。ではどうしたのだろうか、元々相手に効果が無い技だったのだろうか。なら効果が無いにせよ、当たっていたはずだ。

 

「なっ⁉︎動かずに避けただと?」

「これは非常識ですね…」

「魔理沙、マスタースパークはどうかしら」

「幽香、おまえに頼めないか?」

「しょうがないわね…」

 

すると幽香は言われた通り「マスタースパーク」を放った。因みに符の名前は魔理沙と違い「恋符」マスタースパークではなく「元祖」マスタースパークである(そんなスペルカードは存在しないが)。

幽香のマスタースパークは魔理沙より1.2〜1.5倍程太く、大妖怪であるからこそこんな太いのが出せるのだ。

厄川疱瘡には、当たったように思えたが、さっきの様に避けているかもしれない。

 

「おお、太い太い」

「私のマスタースパークを破るとは、いや、無効化するとは…」

「お前らは勉強能力がないな、攻撃と言うものを見せてやろう」

 

すると疱瘡は極悪「グレイテフルデッドザパニッシュ」と叫び、周りからナイフと爆弾、そして高速に動く闇の弾幕が飛んできた。魔理沙達は慎重に避けていたが、どうも闇の弾幕を避けるのが難しく、時々喰らいボムを使うことがあった。

 

「これが攻撃だ。解るな?」

「あぁ、全く解らんぜ」

「…もしかしたら、魔法とか特殊攻撃は駄目で、物理攻撃じゃなくちゃ効かないのかも知れませんね…」

「そうかもね、流岢の石で攻撃すればいいんじゃないのかな」

「私はどうすればいいのー?」

「お空は引いてていいよ」

「うにゅぅ」

「では私がやりますね」

 

流岢とレミリアが前に出た。

流岢は核石「ストーンプロミネンス」と叫び、紅く燃えた太陽の岩を投げつけ、レミリアは紅符「スカーレットシュート」と叫び、シュートと言うだけに物を投げつけた。

その流岢の投げたものは疱瘡の顔、レミリアの投げたものは疱瘡の腹の辺りに当たった。

すると疱瘡は叫び声をあげ、その当たったところが裂けた。やはり遠距離系の物理攻撃が効いていたようだ。

 

「はは、どうやら貴様らは我輩の弱点に気づく事が出来たようだな」

「10年の間見かけないと思えばこんな所に‼︎その昔は只の人間だったらしいのに…」

「なんだぁ?此奴、体が裂けているが、死なないぞ?」

「そいつ…人間”だった”物なのよ、多分。恐らくは人間を辞めたんでしょうね」

「厄神ならぬ悪厄人ってところですね…」

 

厄川疱瘡の弱点が分かったところで、物理系の攻撃を使う作戦にでることになった。霊夢は「弱点が分かったなら怖いものはないわ」といい、スペルカード宣言。霊符「夢想妙珠」を使用した。霊夢から陰陽玉の形をした3つの玉が厄川に転がりながら当たっていく。霊符「夢想妙珠」は光属性。どうやら厄川疱瘡は当然かもしれないが、光属性の耐性が弱かったようで、通常よりダメージを受けていた。厄川疱瘡の体は千切れ飛び、辺りに肉片が散らばる。まるでトマトをグシャッと潰したように。

 

「なんだぁ?此奴弱くなかったか?」

「…人間を辞めているんだって?魔理沙、此奴は厄介かも。もしかしたら姿を変え襲ってくるかも…」

「にとり、なんかいい道具というか機械はないのか?」

「今さっき快速で作った、「ヤークスィ・トゥルース」がある!これは非常識な物。つまり厄や邪気を吸い取るのだ!」

「その「ヤックス・トロース」をくれ!それならあいつに近づいても倒せる可能性があるぜ!」

「違うよー「ヤークスィ・トゥルース」だよ!それは相手の厄全てを吸収する訳じゃなくて、表にでてる物だけだからね!」

 

そんなことを話していると厄川疱瘡の弾け飛んだ肉片が消えていた。その肉片は消えたのだが、何故かそこに黒い影がある。皆が上を見るとそこには、怪物化した厄川疱瘡がいた。

 

「野郎…化けやがったか」

「ハハハ、ソウ!コレガ…ワガハイノ真ノ姿、オヨビ神ノ姿ダッ」

「あらあら、姿変えたからって調子に乗ってるのかしら」

「皆!恐らくこの機械を持ってる奴が疱瘡の近くに行き、厄を吸収させつづかればいいんだ!」

「…魔理沙さん?それは私に持たせて頂けませんか?」

「妖夢か、あぁ構わんぜ」

「ありがとうございます」

 

妖夢は「ヤークスィ・トゥルース」を手にし、自分がお空戦の前に生み出した剣技、霊喪剣「魔霊喪失の太刀」を繰り出した。疱瘡の弱点は物理攻撃と光属性なので、かなりのダメージを与えられただろう。

 

「ほう、厄を防ぎながら…か」

「ていうか突然悪いのだが私の事忘れてないかい?私も一応遠距離で御柱とばせるんだが」

「!それを早く言ってくれ!」

「じゃあ私も参戦することにしようかねぇ」

 

神奈子が前に出てきてスペルカード宣言。神祭「エクスパンデット・オンバシラ」を繰り出した。物凄い勢いで6本の御柱が飛んでいき、全てが疱瘡に当たる。疱瘡の体はさっきまでは砂の像に本気も何も出さない状態でパンチをすると砕け散るかの様に脆かったのに、今現在はダイヤモンドで出来た壁に大豆を投げつけているかのようだった。だがその大豆でダイヤモンドにダメージを与えることが出来ていたようだ。相当な威力な豆なのだろう。

 

「あいつ…硬そうだねぇ、でもダメージは与えれているよ」

「霊夢、彼奴には多少近づいても大丈夫な状態だぜ、肉弾戦もいいんじゃないのか?」

「肉弾戦はあまり得意じゃないけど、いいかもね」

 

すると霊夢はお祓い棒を振り出した。お祓い棒に見えるそれは鋼だった。疱瘡は硬そうなのだが、硬いだけであり、ダメージはちゃんと与えられるのである。

 

「これはあまり使いたくなかったんですが…魔理沙さん、準備はいいですか?」

「あ、あぁ、あの技を試す気だな?」

「はい、その通りです」

 

妖夢と魔理沙は突然スペルカード宣言をし、協力技「六道修羅道炸裂斬」と叫んだ。その技は、魔理沙の箒に魔理沙と妖夢が乗っかり、魔理沙がマスタースパークを出し、相手を眩ませた所に斬りを入れるという技であり、避けることは不可能である。それが当たると、疱瘡の形は原型を留めておらず、どんどん崩れていった。

「コノ厄川疱瘡ガァ?ソンナ馬鹿ナ…」

そういうと疱瘡はこの世から存在ごと消えた。まるで安全という事を示すかのように。

 

「消えましたね…」

「悪霊に比べるとかなり強かったね」

「まあとりあえず妖怪の樹海を進むよ」

「うん」

 

ここはさっき歩いたばかりなので覚えているとでも言おうとした人がいたかも知れないが、暗闇なので分かりそうにないだろう。

すると、奥の方から何かが歩いてくるかのような音、茂みを踏む音がした。

その姿は、傘を持った妖怪だった。

 

第10章 地と空を放浪する魔〜(highway to heaven〜 〈完〉

「第11章 悪は天に佇む〜stand by wrong in Utopia」へと続く




皆さんお久しぶりです。俺は東方スカイアリーナ祭を買いましたw
でも新作の戦姫なんとかかんとかってのがあると聞いてがっかりしましたw
まあ以外と面白かったですw値段2000〜4000円ぐらいだと思いますw皆さん買ってみてくださいw
ちなみに前書きで書きましたが私はクトゥルフ神話にはまっていますwもしかしたらTRPGとかで見るような残酷的な描写が多少入るかもしれませんが、よろしくお願い致しますw
(残酷な描写と言いましたが、幻想郷の少女達を殺す様な酷い事はしませんのでwていうか殺されたらこの小説の創造神であるこの私が許しませんw)
というかもう、10章目ですねwこの調子ですと30章くらいまで行けるかもしれませんねw
ご覧になってる人もご覧になってない方も10章までの御付き合いありがとうございました

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