聖☆お兄さん×HELLSING 戦争?ねぇよ、そんなもん!!   作:心太マグナム

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短めのものを投稿します。

ヘルシング原作とは関係なしです。




イギリス料理も悪くない

ヘルシング邸へ(ほぼ無理矢理)連れてこられたイエスとブッダはヘルシング邸にてディナーを食べる為のテーブルに座っていた。ブッダとイエスは普段とは違うブルジョワァなテーブルに少し緊張した様子を見せる。

 

「うわー、すごいねブッダ。私貴族みたいな椅子に初めて座ったよ」

 

「ん?そうなの?最後の晩餐でこういう椅子に座ってたみたいだから慣れてたものだと思ってたよ」

 

「いやあの時の椅子はこんなに豪華じゃ無かったよ。それに私あの時裏切られるの知ってたから動揺してそれどころじゃ無かったよ」

 

「あぁ……文字通り最後の晩餐になったんだっけ」

 

「うん……裏切られるとわかった時凄く悲しかったなぁ……」

 

「(あ、このままだとイエスがパンを石に返そう)」

 

イエスの昔話によりイエスが逆奇跡を起こしそうだと思ったブッダは同じテーブルに座るインテグラに視線を送る。ブッダの視線を理解をしたインテグラはコホンと咳払いをして空気を切り替える。インテグラの咳払いで逆奇跡状態になっているイエスがなんとか落ち着く。落ち着いたイエスを確認したインテグラは微笑を浮かべて指を鳴らす。

 

「お二人はイギリスが初めてとお聞きしました。折角イギリスに来たのですから美味いイギリス料理を食べて頂きたいと思っています。」

 

「イエス様、ブッダ様、どうぞこちらを」

 

インテグラが指を鳴らすとウォルターが2人の前に料理を置く。2人の前にはマグカップほどの大きさの器に上からパイで包まれた料理が出てくる。

 

「イギリスの料理で有名なのはパイでしょう。中身はイエス様は豚肉と野菜をメインにしたスープを、ブッダ様は菜食主義を貫いているとの事なので肉を使うことなく、野菜のみを用いたスープになっています。」

 

「あれ?私菜食主義って言ったっけ?」

 

「いえ聞いておりませんが執事たるもの客人の好みを予め知っている事は当然の事ですので」

 

「うわぁ〜、執事ってすごいなぁ(私が城に暮らしてた頃にいた召使いよりすごいや。召使いとかも進化していくんだねぇ)」

 

「お褒めの言葉、感謝の極み」

 

ブッダの称賛の言葉にウォルターは頭を下げて次の料理を取りに部屋から去る。イエスとブッダはテーブルに置かれたスプーンでパイスープを食べる。マズイ料理を作る国でオリンピックが出来るかと某国大統領が言っていてその言葉を信じていた二人は料理の美味しさに驚いた。

 

パイスープを食べ終えた二人に次の料理が運ばれ、数品運ばれただろうか、メインディッシュとなる料理が二人に運ばれる。ブッダの前には色彩の綺麗な野菜料理が、イエスの前にはローストビーフが置かれる。

 

「イエス様のご料理はイギリスの最も有名な料理と言えるローストビーフです。しかしブッダ様の料理はイギリス料理というよりかはフランス料理寄りのものになっています。」

 

「ん?なんで私だけフランス料理よりなの?」

 

「ああ、それは天界にいるアーサーくんとかがイギリスに野菜料理が少ない理由を教えてくれた気がするなぁ」

 

ブッダに出される料理がフランス料理よりなのかに心当たりがあるイエスが口に出した一言にインテグラが表情に若干の驚きを出しながらも席から立ち上がる。

 

「アーサー!?それはもしかして私の父のアーサー・ヘルシングですか!?」

 

「んー、君のお父さんって湖の貴婦人さんと知りあい?」

 

「い、いえ……湖水地方には仲の良い知り合いはいない筈ですが……」

 

「うん、じゃあ違うと思うよ。私が知ってるアーサーくんは湖に住む貴婦人さんから聖剣貰ってそれをぶっ放すのが仕事の人だから」

 

「え……(もしやそれはアーサー王伝説のアーサー王!?)」

 

自分の父親だと思ったら伝説の王様でした。インテグラは席についてタバコを吸いたいと思ったが聖人二人の前では失礼なのかもしれないと吸いたくなるのを堪える。イエスはローストビーフを食べながら1つ思い出す。

 

「そう言えばアーサーくんは騎士王なんて呼ばれてるけどオンラインゲームでも職業騎士やってて前衛で私たち守ってくれるんだよね。なんでも『イエス様を死なせる訳にはいかない!』って言ってガウェインくんと一緒に私にくる攻撃を庇ってくれるからほんと助かるよ」

 

「彼もその臣下も根っからの騎士なんだねぇ」

 

「……………… 」

 

二人が笑顔で食事を取る一方で会話の内容に理解が追いつかないインテグラは片手で頭を押さえて後ろに控えるウォルターの方をチラリと見るがウォルターも私も正直ついていけませんと首を横に振る。

 

「あ、アーサーくんの話で忘れてたけどイギリスってなんで野菜料理が少ないの?」

 

「ああ、その話か。すっかり忘れてたよ。うん、なんでもイギリスは土地柄故に、野菜とかがあまり取れなかったんだって。採れてもキャベツとかじゃなかったかなぁ?大航海時代にコロンブスくんが持ってきた野菜で少し採れる野菜の種類が増えたくらいって言ってたなぁ」

 

「ん?アーサーくんって5世紀くらいの人何だよね?何で大航海時代の事知ってるの?」

 

「心配だったからブリタニアのあったイギリスの島の人達をずっと眺めてたんだって。彼心配症みたいだから。」

 

「ああ…そう言えばアーサーくんに初めてあった時に私の髪のこと『そ、それは何かの御病気のせいなのですか!?』って凄く心配されたな私は。」

 

「あったねぇそんな事。まぁ彼もさすがに支配してた植民地のアメリカに負けて世界の覇権を取られるなんて思わなかったってさ」

 

「負けたと知った時のアーサーくんの顔も印象深かったけど、私はその後のワシントンくんの『イエス様!私はアメリカに自由をもたらしましたよ!』ってドヤ顔も印象に残ってるけどねえ」

 

「は、話のスケールが違いすぎる……」

 

のほほんと会話してるイエスとブッダの近くでインテグラは勘弁してくれと深くため息をつくのだった。




久しぶりにこの作品更新したなぁ

植民地だったアメリカに自由をもたらした立役者の一人のワシントンですが、一方ではネイティブアメリカンには厳しく当たったみたいです。ワシントンの黒い部分ですな。おお怖い怖い。

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