聖☆お兄さん×HELLSING 戦争?ねぇよ、そんなもん!!   作:心太マグナム

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テスト期間だけど少し余裕が出来たので投稿します。


聖人だってお休みが必要なんです。

しばらく歩くとアーカードたちはインテグラのいるところまでたどり着いた。アーカードは自らの主人に報告をする。

 

「アーカード、目標は?」

 

「ああ、始末"された"」

 

「始末された…?一体どういう事だ?お前が倒したのではないのか?」

 

「へぇ、ここが指令室なのかな?本格的だねブッダ!」

 

「そりゃ本格的というより本物の指令室だからね」

 

インテグラはアーカードの始末されたという発言に怪訝な表情をみせる。それは後ろに控えているウォルターも同様だった。この場所で吸血鬼を倒せるのはアーカードとウォルター、そしてインテグラくらいだからだ。派遣された警察たちで吸血鬼を倒せたとは到底思えないインテグラは怪訝な表情でアーカードを見つめる。アーカードはその怪訝な表情を見てフッと笑う。一方でイエスとブッダはテントで急に作られたような指令室を見てまるで映画のようだと辺りを観察していた。

 

「ああ、今回私は吸血鬼を倒していない。吸血鬼を倒したのは後ろにいらっしゃるお二方だ。」

 

アーカードが一歩横に移動するとインテグラの視界にジーンズにTシャツというラフな格好をした奇妙な2人の男性が映る。インテグラはその2人を見て不機嫌な表情をアーカードに向ける。

 

「アーカード、私はそういう冗談は好かん。こんな男たちに吸血鬼が倒せるわけないだろう。」

 

「フン、イギリスとアンチキリストの敵と闘っていると言うのにあの方の事がわからんのか。ならば証明してみせよう。失礼、お二方」

 

「ん?なんだいヴラドくん?」

 

「あ、もしかしてこういうのって素人に見せちゃいけないやつなのかな?少しはしゃぎ過ぎたね私たち。」

 

「いえ、そういう訳ではありません。ちょっとした見世物をやるだけですよ。」

 

「「………?」」

 

アーカードの発言にイエスとブッダは首を傾げる。アーカードはイエスたちに了解を得ないままにイエスとブッダの近くまで来ると2人の肩に手を伸ばす。アーカードの手が二人に近づく程、アーカードの手は少しずつ灰になり始め、二人の肩に手を置いてモノの数秒でアーカードの手から腕は灰になり崩れ落ちた。

 

「なに!?」

 

「なんと!?」

 

その光景を目の当たりにしたインテグラとウォルターは目を見開いて驚愕する。アーカードはどうだと言わんばかりにニヤリと笑うと灰になって無くなった腕を生やす。腕が灰になった腕を見てイエスはアーカードにプンプンと怒り出してアーカードの肩をガッシリと掴む。

 

「ちょっと!体は大事にしないといけないよヴラドくん!吸血鬼のキミが私たちに触ったらどうなるかわかってるでしょ!」

 

「うん、そう思うなら彼の肩を掴んでる手を離しなよ。彼の肩から下が灰になってきてるから」

 

「あ!ご、ごめんねヴラドくん…」

 

「いや、お気になさらず。メサイア、心遣い感謝します。…どうだインテグラ、これで二人が誰なのか解ったのではないか?」

 

イエスがアーカードの肩を掴みそのせいでアーカードの体が灰になるのを見たブッダはイエスを宥めるとイエスをアーカードから離れさせる。そして二人がどういった存在かのヒントを見せたアーカードはインテグラに二人の正体を気づかせようとする。目の前で起こった信じられない光景を見たインテグラは葉巻を手に持ちながら思考を冷静にする。

 

「ありえん…法儀礼済みの銀を笑って受けるアーカードの腕が灰になっただと?アーカード程の吸血鬼が灰になる程の祝福…?天使……神……。っ!ま、まさか!」

 

しばらく考えたインテグラは一つの結論にたどり着くがそれはありえんとばかりの表情をすると葉巻を吸う。口から煙を出すとインテグラはウォルターの方を向く。

 

「ウォルター、私は今ありえない事を考えている。」

 

「ええ、恐らく私も同じことを考えております。にわかには信じ難いのですが、そうと思わずにはいられません」

 

「そうか…アーカード、まさかそこにいる二人、いやお二方はイエス・キリストにブッダか?」

 

「「うん、そうだよ」」

 

インテグラの出した答えにアーカードではなくイエスたちが反応する。二人の正体がわかったインテグラは席から立ち上がると二人に膝まづく。

 

「まさか世に称えられるお二方だとは思いませんでした。今までの御無礼、どうかお許し願いたい」

 

「え?別にそんなの気にしないよ。私たちメンタルだけは強いからね。伊達に復活したり、苦行したりしてないよ」

 

「おお、何てお優しい……さすがは我ら主の御子であられる方だ」

 

「イエス、君のところの信徒たちを見て毎回思うんだけど君のところって結構盲信的だよね」

 

「うん…ペトロとかの頑張りのお陰なんだろうけど、いかんせんやり過ぎな気がするんだよね…。あ、そんな事しなくていいよインテグラさん」

 

目の前で膝まづき、手を組む二人を見てイエスは苦笑してインテグラに立つように促すとインテグラはイエスの意に従い立ち上がる。ブッダはその光景を見て何故かため息をつく。

 

「でも少し羨ましいよ、私なんか女子高生にあの人超ブッダっぽいwとか笑われるし、私の生まれた日なんか国の一大イベントでも無いからね。まあ日本が特別なのかもしれないけどさ」

 

そりゃ多分日本だからですよ。仏教徒なのにクリスマスで騒いだりする素敵な国ですから。ちなみにイスラム教にクリスマスは無い。やっぱり日本ってオカシイ

 

「ま、まぁ……でもそんな国だから私たちは平気にバカンスを過ごせてるからいいんじゃない?」

 

「うん、そうだね!日本だから私も平気で買い物とかできるからね!やっぱり日本はあのままでいいね!」

 

 

落ち込むブッダにイエスは笑いながらフォローするとブッダはさっきの落ち込んでいた表情はどこへやら、いつもの素敵なブッダに戻る。ブッダは今の時刻が気になり、時計を見ると驚いた顔をする。

 

「大変だよイエス!もう22時だよ!私たちのホテル結構遠いよ!チェックイン間に合わないよ!」

 

「あ!そうだった!……ごめんねぇブッダ。私がイギリスの田舎を見てみたい何て言ったばかりに……」

 

「いや、いいよイエス。私も結構乗り気だったしね。仕方無い、今日は野宿しよっか。私は慣れてるし。最悪寒くても天然モノの羽毛が来るだろうし」

 

「うん、君のためならイギリスの鳥という鳥が集まってきそうだ。」

 

「失礼、イエス様、ブッダ殿」

 

イエスとブッダは今にも野宿しようとする気配を醸し出すとインテグラは二人を呼びかける。

 

「一つお聞きしたいのですが、お二方は今日どこのホテルに泊まるので?」

 

「ん?確か○○っていうホテルだよ」

 

「なに!?」

 

インテグラの質問にイエスが答えるとインテグラは驚いた顔を見せる。

 

「あんな安宿にお二方を泊めるだと!?どういう事だ!」

 

「そりゃあ、福引きで当てた旅行だしねぇ」

 

「福引き?(天に福引きなんてあるのか?)」

 

イエスの口から出た福引きという単語にインテグラは疑問を向ける。イエスは福引きでイギリス旅行を引き当てた時のことを思い出しながらニコニコと笑う。

 

「うん、商店街の福引きでブッダが引き当てたんだ。やっぱりブッダはくじ運つよいよねぇ」

 

「しょ、商店街?お二人は天からいらしたのでは?」

 

「ううん、日本だよ。今は私たちお休みだから」

 

「休み!?聖人が休んでてよろしいのですか!?」

 

「聖人だって遊びたいよ!」

 

「は…はぁ…」

 

インテグラはイエスの謎の剣幕に少し驚いた顔をして、コホンと一つ咳をつくと話を元に戻そうとする。

 

「イエス様、ブッダ殿。今日二人はお泊まりになるところが無いという事でよろしいですか?」

 

「うん、まあそうなるだろうねぇ」

 

「なら私の家にお泊りになりませんか?」

 

「え!?いいよ、なんか悪いし」

 

「いいえ!聖人お二人を野宿させるなんてイギリスの恥です!ウォルター!」

 

「かしこまりました。失礼します、イエス様、ブッダ様」

 

インテグラが灰皿に置いた葉巻を持ちウォルターを呼ぶとウォルターはインテグラが命令する事が解っていたようにイエスとブッダを担ぐと二人を車まで連行するのだった。そして先ほどからニヤニヤ笑っていたアーカードはインテグラを呼び止める。

 

「マイマスター、一つ言い忘れてた事が」

 

「なんだアーカード」

 

アーカードはニヤニヤと笑いながらワザと背中に隠してたセラスをインテグラに見せる。

 

「生存者だ」

 

アーカードが見せた犬歯が生えたセラスを見てインテグラが短くなった葉巻を投げつける。

 

「最初に言えバカッ!!」

 

報告するのが遅いとインテグラは怒りをあらわにしているがアーカードはただただニヤニヤ笑っていた。




そういや全てのキリスト教が熱心というわけではないみたいですね。人によっては日曜に教会に行かなかったりするらしいです。

テストメンドクセ(´゚ω゚`)y-~~

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