夜の神は太陽に恋焦がれた   作:黒猫ノ月

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どうもです。

大変お久しぶりです。
受験が終わり、暇になったと思いきや、そのあともそこそこ忙しかったことに溜め息をつく黒猫ノ月です。
皆様、大変申し訳ありませんでした。
これからも不定期になるとは思いますが、変わらない応援よろしくお願いいたします!!

それでは、投稿です。


第22弾 「……何が、聞きたいんだ?」

「つぅっ……くそっ、たかだか無糖コーヒーと甘々コーヒーを間違えたくらいで……」

 

「ふんっ! 今度同じことしたらリアル風穴開けてやるわよっ! 分かったっ!?」

 

「はいはい」

 

「はいは一回っ!!」

 

「……ハイ、スミマセンデシタ」

 

「あ、あはは……」

 

先程、クチナシが香る紅い弾丸を喰らったアゴを擦りながら、俺とアリア、そしてさっき合流した火野と3人で蒼真の病室に向かう。

火野はどうやら"あの"蒼真が搬送されるところに出くわしたらしく、搬送後も気になって仕方なかったから授業をエスケープしたらしい。

その火野の手には、ビニール袋がぶら下げられている。

 

「……で、あかりには言っといてくれたの?」

 

「はい。あかりもあの場に居ましたから」

 

「そう、あの娘も……」

 

「…………」

 

そんなエスケープした火野だが、あまり動揺が見られない。

普通なら知り合いが腹を撃たれて血塗れな所を見たら、いくら強襲科の"アレ"なヤツと言えど多少はショックを受けるもんだが、俺が見る限り火野にそんな様子は見当たらない。

そんなこともあり、さっきから気になって仕方ないのだが……

 

(……俺から声を掛ける何てことはあり得ないっ)

 

あまり接点もないのだ。

気になるとはいえ、ここで無理して聞くことでもない。

 

(あとで蒼真と話してるときにでも話題に挙がるだろ)

 

俺はそう締めくくり、黙って2人の少し後ろを歩く。

アリアと火野はそんな俺に構わず話し続けている。

 

「にしてもアリア先輩。何でSSR"専用"病棟なんかに蒼真先輩はいるんですか?」

 

「うん? ‥‥え、え~~っと……ちょ、ちょっとっ」

 

……のはずだったが、なんか唐突にアリアが声を掛けてきた。

 

「あ? なんだよ?」

 

「なんだよ?じゃないわよっ。話ぐらい聞いてなさいよグズっ。……ねぇ。この娘に"蒼真のこと"、話していいわけ?」

 

「……あーー‥‥」

 

どうやら俺が聞いてない間に、"深い"話になったらしい。

俺はアリアが火野に聞こえないよう、罵倒と共に呟いた言葉に目を泳がせる。

 

「……それは、ダメだな」

 

「でしょ。どうすんのよ?」

 

俺とアリアはチラッと火野を見やる。

 

「……?」

 

火野はそんな俺たちを首を軽く傾げ、頭に疑問符を浮かべて見つめかえす。

 

「どんな話してたんだよ?」

 

「ホントに聞いてなかったのね。……何で蒼真がSSR専用病棟に居るのか?、ですって」

 

「……ふむ」

 

(……まあ、確かに不思議だよなぁ)

 

武偵高内では生粋の強襲科生として通っているから、疑問に思うのは無理はない。

だけど、俺達は大なり小なり知ってる。

蒼真は"普通"じゃないってことは。

 

(……銃で撃たれた傷が大体2、3日で完治するなんて、普通じゃあり得ないからな)

 

蒼真は自身の《氣》により、傷の治りがかなり早い。

いわゆる《内気功》っていわれる類いのやつだ。

だから、そんなことがあっても騒がれることはないSSR専用病棟じゃないとダメなのだ。

しかも今回は《陽の氣》が込められた銃弾で貫かれたのだ。

そんな傷、普通の病院では診せられない。

 

(……とりあえず、誤魔化すか)

 

「アリア、合わせろ」

 

「……分かったわ」

 

俺は昔、武藤達にも使った嘘を火野に(しぶしぶ)話す。

 

「……あー、火野。蒼真の病室のことなんだが……ちょっと訳アリでな」

 

「えっと‥‥はい」

 

「アイツは少々他人とは違う体質があるんだ。だから普通のとこじゃ正確な診察が出来ないんだよ。SSRも似たり寄ったりだが、まだマシらしくてな」

 

「体質、ですか? それってどんな……?」

 

「悪いな、俺もよくは知らないんだ。とにかく他とは勝手が違うらしい。んで、SSRって……"アレ"だろ? だからそういう"他とは違うもの"も快く受け付けてくれるんだよ。な、アリア?」

 

「……えぇ」

 

「へぇー、なるほど……」

 

どうやら火野は納得してくれたみたいだ。

……深く考えないようにしたようにも見えたが。

 

(こういうものは完璧な嘘より、言ってもいい真実を交え、その裏に嘘や更なる真実をに隠しておくのがポイントだ)

 

我ながら、上手いこと言ったもんだ。

SSRが変わってるのは周知の事実。

わざわざそこに突っ込もうとする奴は居ない。

仮にもし居たとしても、"体質"に関して蒼真が言いたくないと言えばそれまでだ。

 

(……まぁ、幸いなことにアイツは友達少ないからな。火野みたいに聞いてくるヤツもそう居ないし…………あ、俺も友達そんな居ねーや)

 

俺が「……類友か」と、心なかで自己嫌悪に陥っていると、

 

「……あ、着いたわ。ここよ」

 

アリアがそう言って立ち止まった。

 

(……やっぱりここか)

 

そのチビが指差した病室は3階の一番端っこ、312号室。……もう"見慣れた"場所だった。

 

「…………はぁ、"知ってるよ"」

 

「「……?」」

 

俺が溜め息と共に吐いた言葉に、アリアと火野は首を傾げる。

 

(……なんせ、ここはもうほとんど"蒼真専用"と化してるからな)

 

アイツの負傷率といったら。

仲間を庇った怪我ならはまだしも、負わなくていい怪我も自ら負いにいくもんだから呆れ果てる。

 

(……そして、蒼真が寝ているであろうこの病室では……おそらく‥‥)

 

俺の過去の経験から言って、ロクなことが起こってないだろう。

俺は未来に起こるであろう出来事にもう一度溜め息をつき、病室の引き戸を開ける。

 

‥‥ガラガラガラッ

 

「…………」

 

「‥‥な、なななっ!?////」

 

「‥‥うおっ、えっと……その……////」

 

…………そこには、予想を越えるが、"ある意味"予想通りの光景が広がっていた。

別段部屋に異常はない。

ごくありふれた、部屋全体が白で統一され、清潔感と質素感を感じさせる病室。

しかし、今はそれを塗りつぶすかのような"何か"に支配されていた。

その"何か"は、もう見ていられないほどに部屋一杯に充満している。

そのおかげで予想していた俺とは違い、女子2人は顔を朱に染めている。

 

(長ったらしいナレーションは止めて、単刀直入に言おう)

 

今この部屋では…………

 

 

 

 

 

「はいっ、そうくん♪ あ~~ん♪」

 

「……(もぐもぐ」

 

‥‥なでなで

 

「ん‥‥はい、理子さん。剥けましたよ」

 

「うんっ。ありがとっ、れきゅ♪」

 

 

 

 

 

トライアングル極甘ピンキーイベントが開催されていたっ!!

 

 

 

 

 

(…………状況を、整理しよう)

 

いくらこの"空気が予想通り"とはいえ、ここまでとは思わなかった。

まず、寡黙な我が親友は上半身を起こし、ベットに横になっている。

そして、そのベットの両縁に腰掛けているのは俺のよく知る武偵女子の2人。

1人は頭を撫でられながら林檎を綺麗にぐるぐると剥いている。

もう1人は、その林檎をあ~んで食べさせてニッコニッコしている。

言わずもがな、前者はレキ。後者は理子だ。

 

(……まさか理子が来てるとは‥‥)

 

理子のお陰で、甘々空間に拍車が掛かっている。

……さて、状況整理という名の現実逃避はそろそろお時間が来たようだ。

何故なら……

 

 

 

‥‥プルプルプルプルっ

 

 

 

(もう、隣の紅い爆弾のカウントダウンが始まったからなっ!)

 

見ないようにしてたのだが、やっぱり無理だった。

 

(やっぱりこうなっちまうのかよっ!?)

 

分かってたよ! 分かってましたよ、えぇ!!

 

未来は確定してしまった。

 

ならばっ!

 

もう爆発を避けられないのならばっ!

 

俺は……俺はっ!!

 

 

 

(…………………………)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………俺、知ーらねっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(せいぜい巻き込まれないようにするだけだよなっ☆)

 

そう結論付け、俺はアリアに背を向け、顔が真っ赤になっている火野に声を掛ける。

 

「おい火野、外出るぞ。巻き込まれたくないだろ?」

 

「////……ぇえ? あっ、ははいっ////」

 

火野はしどろもどろになりながらもなんとか返し、赤面状態のまま俺のすぐあとに病室を出る。

 

‥‥スゥゥゥゥ……

 

そんな俺達の後ろで、アリアが息を思いきり吸い込む音が聞こえた。

 

(爆発5秒前。4、3……)

 

秒読みをしながら、後ろ手に引き戸を閉め……

 

‥‥ガラガラガラガラッ

 

(2、1……)

 

‥‥ピシャンッ

 

(0)

 

 

 

 

 

「……うっがぁぁあああーーーーーっ!!!」

 

 

 

 

 

俺の秒読みジャストで、背後の引き戸越しに爆弾が爆発した。

‥‥どうやら、危機は免れたようだ。

俺はホッと一息つく。

 

(爆弾使いの《武偵殺し》も真っ青だな、こりゃぁ)

 

アリアに心配かけたのにイチャコラしてる蒼真の自業自得だ。

そう思いながら、後ろでドタバタドタバタドンガラガッシャンッ!!と耳打つ雑音が聞こえなくなるのを火野と2人で静かに待つ。

 

(…………ん? "2人"で?)

 

………………マジか。

その事に気付いた瞬間、一気に気まずくなった。

チラッと隣の火野を見ると、顔を俯かせていた。

耳がまだ赤いから、さっきの光景がよほど堪えたのだろう。

それが拍車を掛けて俺を気まずくさせる。

 

(早く‥‥終わんねーかなぁ。……終わんねーかなぁ!)

 

それからしばらく、俺と火野はなんとも言えない空気のなか、無言で中の騒動が静まるのをひたすら待っていた。

 

 

 

………………。

…………。

……。

 

 

 

───十数分後───

 

「「……ごめんなさい」」

 

「ふーっ、ふーっ、ふーっ。……全く、アンタ重症人でしょうが。イチャイチャしてないで大人しく寝るっ!」

 

「……はい」

 

「では私は林檎を……」

 

「アンタもっ! とりあえず何もしない!」

 

「…………」

 

「……はぁ」

 

あれからしばらく、ようやっと中の騒ぎが収まり、今この病室に居るのは俺とアリア、蒼真にレキの4人だ。

火野は騒ぎが収まった後、病室に入り蒼真に何事かを捲し立てて、見舞いの品を置いて速攻で帰った。

 

(まぁ、あんなものを目の当たりにすりゃあ長居はできんわな)

 

そんで理子の奴は、紅鬼が暴れるなか隙をみて元気一杯に逃げて行った。

 

『ばっはは~~い♪ キーくんっ!』

 

そのときの理子の顔といったら。

 

(あれ絶対にアリアをおちょくってただろ。やめてくれよなぁ。そのとばっちりが来るの俺なんだから)

 

アリアとは短い付き合いだが、これまでの"濃い"付き合いで何となく分かる。

 

(つーか最近の理子は分からん。前のおバカキャラにプラスされて質が悪くなってる気がする)

 

クラスのみんなの前で蒼真とイチャコラしたあたりからだと思うが……アレが素か?

 

(……とりあえず、今はアイツのことはいいか。それよりも……)

 

俺は理子のことを頭のすみに置き、まず蒼真の状態を確認することにした。

 

「蒼真、調子はどうだ?」

 

「……まあまあ」

 

「……《陽》込みの弾丸喰らったんだろ? 治るのはいつもより遅いか?」

 

「……ああ。……でも、5日程だ」

 

「…そうか。まあ、まだ早い方だな。つか、いくら平気でも腹撃たれた数時間後に林檎食うなよ」

 

「……つい」

 

蒼真は普通の銃弾ならその傷も治るのは早いのだが、《陽の氣》が込められた弾丸なら話が違ってくる。

よくは知らないが、《陽》と《夜》は相反する存在で、《陽》に《夜》が、《夜》に《陽》がそれぞれ体内に入ると拒絶反応やらなんやらが起こり、体を蝕んでいくらしい。

そしてそれは、氣の量や質、密度が関係してくる。

例えば、加害者の氣より被害者の氣の方が少なかったら、被害者の体を蝕む速度は処置をしないとどこまでも進行していく。

だから、普通なら傷の治りが遅くなるどころか、下手すりゃ死んでしまうらしいのだが、

 

(それでも、俺はそれほど心配はしていないが……)

 

蒼真は《夜王》だ。

そもそも氣の絶対量が遥かに違う。

それに、蒼真は"とある理由"で《内氣功》に関してはそれこそ桁外れな量と質、密度の《夜の氣》を体内に留めている。

滅多なことでは、蒼真を《陽》が蒼真を死に至らしめるまで蝕むことはない。

 

("今回"は大丈夫そうだ。なら、本題に入ることにするか)

 

の前に、アリアに怒鳴られ、ベットの隣の椅子に腰を下ろしたレキと"いつもの"やり取りから入る。

 

「……それで? レキは"今回"どんな"ご褒美"と"お詫び"なんだ?」

 

「ご、ごほうび?」

 

「はい。この事件が終わったら渋谷の方に"2人で"。お詫びはその時に」

 

「なるほど。で、蒼真。"俺は"?」

 

「……今度、"完成品"を‥‥タダでやる」

 

「完成品? …………まさか、"アレ"か!」

 

「……そう、"アレ"」

 

「?」

 

蒼真の言う品がどういうものかを思い出し、俺は驚いた。

視界の端でアリアが?を浮かべているが、それどころではない。

 

「"アレ"、出来たのか?」

 

「……もう少しで、出来る‥‥‥‥予定」

 

「おい、溜めが長いぞ。溜めが」

 

「……楽しみにしてろ」

 

「…………はぁ。期待しないで待ってるよ」

 

「? ? ?」

 

俺は蒼真の言葉に苦笑する。

視界の端でアリアが?を3つ程浮かべているが、関わりたくないので無視する。

にしても……。

 

("アレ"が完成予定か。長かったな)

 

かれこれ半年か。

"アレ"があれば楽になるな。

《陽》とか《化物》とか《闇の眷属》とかの相手が……。

 

(……自分で言ってて悲しくなってきた)

 

一年前まで、普通に武偵を目指す学生だったはずなのに、今では人外共と殺り合うハメに。

いつの間に俺はこんな変なところまで来てしまったのだろうか?

 

(……ま、後悔はしてないがな)

 

色々文句やらなんやらは言わせてもらおう。

 

(さて、さっそく言わせて……)

 

 

 

 

 

「私にも分かるように話しなさいよバカ共ぉっ!」

 

 

 

 

 

「ゴフォッ!?」

 

……文句を言う前に、アリアの拳が飛んできたっ!

 

「ぐ‥‥ぐおぉ……」

 

「で、ご褒美って? お詫びってっ? アレってっ!? 何なのか説明しなさいキンジっ!!」

 

「……アリア、それは‥‥無理だと思うが」

 

「なら蒼真っ! 説明するっ!!」

 

「……えっと」

 

「アリアさん、ここは私が説明します」

 

腹をおさえて悶え苦しむ俺を無視し、話は進んでいく。

 

「‥‥おおぉ……」

 

「……で? 何なのよ?」

 

「ご褒美というのは、私が蒼真さんと一緒に組むときに、私がいい働きをすると蒼真さんが私のお願いを1つ聞いてくれるんです」

 

「……ふぅ~~ん?」

 

大分落ち着いてきた俺をまた無視し、アリアはレキの言葉に蒼真を睨み付ける。

その睨み付けられた蒼真は、真正面からアリアを見つめ返し……。

 

「……アリアも、欲しいか?」

 

真顔(そもそも無表情)であっさりと返した。

 

「ふぇっ!? な、えっと、その…………いいの?」

 

アリアは顔を少し赤くして、モジモジしながら蒼真に尋ねた。

 

「……ああ」

 

「(‥‥パアァ)‥‥っ!? そ、そうっ! ならもらってあげるわっ!」

 

「……ふっ、ああ」

 

「「…………」」

 

アリアは一瞬嬉しそうにしたが、慌てて取り繕った。

それを見て蒼真は苦笑している。

俺は無言で起き上がり、レキと一緒にそのやり取りをシラ~っと見る。

 

(納得いかねぇ! 俺と蒼真の接し方の違いに納得いかねぇぞ!!)

 

俺が心で憤慨していると、レキが俺でも分かる不機嫌オーラを出しながら、黙って蒼真の腕を摘まみ、

 

‥‥ぎゅぅっ

 

と、ジッと蒼真を無言で見つめながらつねりあげた。

 

「……レキ?」

 

「……」(じーーっ

 

‥‥ぎゅぅぅぅっ

 

無言でつねる。

 

「……レキ、さん?」

 

「…………」(じーーーーっ

 

‥‥ぎゅぅぅぅぅぅっ

 

無言でつねりにつねる。

 

「…………もう1つ、お願いを聞こう」

 

「分かりました。ごまかされはしませんが、それで妥協しましょう」

 

「……ああ。‥‥ふっ、全く」

 

‥‥ぽふっ

 

「んっ」

 

さっきの不機嫌はどこへやら。

蒼真に頭を撫でられ、今は打って変わって少しご機嫌オーラが。

 

(蒼真、残念だが何も解決してないぞ?)

 

何故なら、

 

「むぅぅぅっ」

 

(さらに打って変わってアリアが不機嫌になってるからな)

 

しかし今回はアリア自身も"ご褒美"で喜んだから、怒鳴ることもできない。

となれば、

 

‥‥パシッ

 

「そ、それでっ! お詫びって何よ!?」

 

(撫でている手を叩き、無理矢理話を進めるしかないよな)

 

やばい。大分アリアのことが本当に分かってきだしたぞ。

そして、頭ナデナデを遮られたレキは、少し残念そうにしながらも話始める。

 

「‥‥お詫びというのは、今回のように蒼真さんが私たちに黙っていたことがあったり、私達を心配させたりしたときにお詫びとしてお願いを聞いてもらうことです」

 

「‥‥そ。なら……」

 

「……アリアにも、"アレ"をやる」

 

「‥‥そのアレって?」

 

「……俺とあやで開発した、銃弾だ」

 

「銃弾?」

 

「……ああ」

 

そして蒼真は開発していたアレについて、アリアに明かした。

 

 

 

 

 

「……《夜の氣》が込められた、な」

 

 

 

 

「っ!?」

 

その言葉に、アリアは息を呑んだ。

 

(そりゃ驚くよな。俺も最初はそうだった)

 

俺が半年ほど前のことを思い出しながら、話は続く。

 

「‥‥そんなこと出来るの?」

 

「……何とか、目処はついてる」

 

「そう‥‥。……それ、くれるの?」

 

アリアは蒼真をチラチラみながら尋ねる。

どうやらアリアもその価値が分かっているようだ。

 

(つうことは、アリアも"そういう奴等"と戦ったことがあるってことだよな)

 

やっぱSランクともなればそうなのか。

俺の近くのSランクはアテにならんからな。……規格外過ぎて。

 

「……ああ。……完成したら、やる」

 

「‥‥ん、じゃあありがたく貰うわ」

 

「……おう」

 

アリアも驚きでさっきまでの高圧的な言動が落ち着いていた。

それもあり、今回は普通に返したアリアの返事に蒼真は苦笑で返し、話題が終了した。

そして俺は色々あったプロローグから、本題に入る……

 

「……それで、何が聞きたい?」

 

前に、先に蒼真から本題をあげてきた。

 

「「…………」」

 

その言葉に俺とアリアは黙りこむ。

そんな中、レキは黙って俺達を見守っている。

 

(多分、アリアは俺と同じことを考えているのだうな)

 

"あの事"が原因なのか分からないが、ここまでアリアのことが分かることにそろそろ諦めがついてきた。

俺とアリアが考えていること、それは……

 

(いざ聞かれると色々聞きたいことがありすぎて何から聞いていいか迷うな)

 

しかも、俺とアリアでは聞きたいことが所々違う気がするから余計に迷う。

 

(俺から聞こうとしたのに迷うなんて、なんだかなぁ)

 

ふとレキを見ると、レキは目を閉じて傍観を決めていた。

どうやら先に俺達から尋ねさせてくれるようだ。

そして俺がチラッとアリアを見ると、ちょうどアリアもこちらを見ていた。

視線が交差する俺達。

そして、そんな俺達に蒼真は再び尋ねる。

 

 

 

 

 

「……キンジ、アリア。……2人は、何が聞きたいんだ?」

 

 

 

 

 

それでも迷う俺に、先にアリアが蒼真に向き直る。

 

 

 

 

 

───そして、アリアが口を開いた───




如何でしたか?

最後まで書いて、今更気付いたこと。
それは……



ライカの言葉遣いが丁寧すぎることですっ!!



やらかした、やらかしましたよっ! えぇ!!
いやね、久しぶりの投稿なのでAA読み直してたら……「~ッス」とか「~スよね?」みたいなしゃべり方だったんですよっ!
今更直せない!
というかこっちに慣れすぎて書き方が分からないっ!!
NO~~~~~~ッ!!

はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……

……申し訳ありません。少々取り乱してしまいました。
というわけで、これからも書き方は変えないつもりです!
このまま行ってやるぜチキショーッ!!(自棄

では(^-^)/
次回は今回出てきたあの2人から入ります。
ファンの皆様のご期待に添えるよう頑張って参りますので、これからも応援よろしくお願いいたします!!

感想や意見、どしどしどしどし募集しております!
こちらもよろしくお願いいたします!!

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