皆さん聞いてください!
この作品、気づけばお気に入り件数が300越えていたんです!
感動でございます!!
これからもよろしくお願いいたします!!
ちなみにGの数合ってます。そこんとこよろしく。
では、投稿です。
日も落ちて、外は夜の帳が下りている。
いつもならそんな暗闇を明るく照らす月明かりも、今夜は朧月。
仄かな月明かりが優しく照らすだけで、十分な光量とは言い難い。
「蒼真さん、コーヒーをどうぞ」
「……ありがとう」
灯りが1つしかない……そんなほの暗い部屋の中で、"椅子"に座った俺にレキがコーヒーを運んでくれた。
レキはそのまま、俺の向かいにある"もう1つの椅子"に座り、ホットミルクを口に含む。
俺もレキに習ってコーヒーを飲む。
(……うまい)
カップを"テーブル"に置き、俺は部屋を見渡す。
俺が今いるのは、パートナーであるレキの部屋だ。
昔と比べれば少しは物が増えたが、それでもまだ、部屋の中はガランとしている。
この質素な白い椅子とテーブルも増えた物の1つだ。
少しずつ物が増えていく部屋を眺めながら、今度増えたものを探す。
それが、この部屋に来たときの習慣になっている。
(……お)
部屋を見渡していると、タンスの上に置いてある小さめの箱を見つけた。
「……あれ」
「あれはアリアさんからいただきました。この間の任務のお礼だそうです」
レキはそう言ってカップをテーブルに置き、その箱を取ってくる。
箱には桜の意匠が描かれていて、外側に金属の取っ手がつけられていた。
「……オルゴール、か?」
「はい。……聴きますか?」
「……ああ」
レキは取っ手を何回か回し、オルゴールをテーブルに置く。
そして、
~~♪ ~~~~♪
~~~♪ ~♪ ~~♪
しばらくの間、春をイメージしたのであろう穏やかな音色が、ゆっくりと流れていく。
俺は目を閉じて、その音色に耳を傾ける。
(…………いい曲だ)
『忘れ、ないでね』
頭の中に"彼女"が思い浮かぶほどに……。
(……"忘れる"わけ‥‥無いだろう)
彼女との約束の1つを思い出しながら、優しい音色に思考を委ねていた。
(……ひなた)
「……蒼真さん?」
レキが俺に声を掛けてきた。
現実に戻ってくると、目の前に、無表情ながらも綺麗なレキの顔が……。
どうやら、オルゴールはいつの間にか止まっていたようだった。
「……ん‥‥いい曲だな」
「はい。私もそう思います」
もう一度聴きますか?とレキが尋ねたが、そろそろ本題に入りたいから。と遠慮した。
俺はコーヒーを一口飲んで、今日来た目的を話す。
「……レキ、話がある」
「はい」
レキもオルゴールを戻し、俺の向かいに座る。
「……単刀直入に聞く」
「‥‥はい」
「……何故、アリアを"見張る"?」
「…………」
「……アリアが来てから‥‥お前は、アイツのそばにいた」
「……その時は、何も聞かなかった」
「……だが、今は状況が違う」
「……アリアが‥‥キンジに、奴隷宣言をした日」
「……その日から‥‥お前は、俺達の部屋を‥‥"監視"していた」
「……そして、アリアがいなくなり‥‥監視は無くなった」
「……何故だ?」
「…………」
「……アリアとキンジが、出会うことに‥‥何がある?」
「…………」
「……レキ、教えてくれ」
「…………」
俺は無言を貫くレキに再度呼び掛ける。
それでもレキは口を開かず、ただジッと俺を見つめだけだ。
だが、経験で分かる。
こういうとき、レキは"誰かと話しをしている"。
なら、俺はただ待つのみ。
暫しの間、薄暗い部屋を静寂が包む。
そして……俺のコーヒーが温くなってしまった頃、やっとレキは口を開いた。
「‥‥‥‥"風"は‥‥ダメだと言っています」
「…………」
レキは少し顔を俯かせて答えた。
(……やはり、か)
レキは、しばしば"風"という単語を使う。
キンジなんかは"電波"とか言っていたが、おそらくは……
(……テレパシーの類い)
誰からの言葉なのか分からないが、これだけは分かる。
その者は、確実にレキより上位の立場であるということ。
"風"が出たときは、レキは必ずそちらを優先する。
けれど、レキは時々、俺の言葉と"風"、どちらを選ぶべきか迷っているような時がある。
でも結局、最後には"風"を優先していたが。
そして、レキは俺に悪いと思っているのだろう。
その時は決まって顔を少し俯かせた。
今もそうだ。
さっきはずっと俺を見ていたのに、レキは俯いたまま、俺を見ようとしない。
(……仕方ない、な)
本当ならば、あの2人のために理由を聞かなければならないのだろう。
だが、これ以上俺のために、レキに苦しい思いをしてほしくはない。
俺にとって、アリアやキンジはもちろん大事だが、レキも同じぐらい大事なのだ。
「……レキ」
‥‥ぽむっ
俺は、俯いたままのレキの頭を撫でてやる。
「‥‥蒼真、さん?」
「……話さなくて、いい」
「…………」
「……何も、話せないのだろ」
「‥‥はい……」
「……なら、いい」
「‥‥すみません」
「……気にするな」
‥‥なでなで
「……っん……」
俺はしばらく、レキの頭を撫で続けた。
………………。
…………。
……。
「‥‥コーヒーを入れ直してきますね」
いつもの調子が戻ってきたレキは、そう言って席を立つ。
「……レキと同じのが、いい」
「分かりました」
レキは、空のカップをもってキッチンに向かった。
そんなレキの背中を見ながら、俺は頭の中を整理する。
(……"風"‥‥か)
いつもならなんでも話してくれるレキが、"風"が出てきてまで話せないこと……。
それはおそらく、
(……レキの、"家"のこと)
昔、レキが《夜》の"奴隷"となってしまった事件の時に、少しだけ触れたことがある。
家族のことを"ウルス"と呼んでいるとか、他にも色々聞いたが、その中でも……多分、レキに口止めされた件が関わっている。
それは……
(……確か‥‥"璃璃色金"、だったか?)
《夜王》となってから、度々聞くことがある色金。
超能力者……ステルスたちが口にしていた。
なんでも、璃璃色金の粒子が濃いと超能力者は弱ってしまうらしい。
他にも色々力があるようだが、ここでは関係ない。
(……色金絡みは、機密事項)
どの国でも、色金関連はトップシークレットだと聞いたことがある。
(……だから、話せないのか)
それとも他に理由があるのか……。
俺が、思考の海に沈もうとしていたところで、
‥‥コト
「‥‥どうぞ」
レキがホットミルクを持って戻ってきた。
「……ありがとう」
俺は思考の海から上がって、それを一口含んだ。
「……レキ」
「はい」
「……俺は俺で、好きにやる」
「…………」
「……アイツらに、何があろうとも‥‥俺は2人の味方だ」
「‥‥はい」
また顔を俯かせようとしているレキの頭をぽむってして、言う。
「……そして、"お前"の味方だ」
「‥‥っ」
「……だから、お前も好きにしろ」
「蒼真さん……」
「……分かったな?」
「‥‥はい‥‥はい……」
レキは1度だけ目を瞑り、そして俺を見上げ何度も答えた。
───例えお前が"風"の命で何をしようとも、俺はお前を責めはしない───
どうやら、俺の思いは伝わったようだ。
俺は、レキの頭を2回だけぽむぽむしたあと、手を退ける。
「‥あ‥‥」
「……?」
「‥‥いえ、なんでもありません」
レキが声をあげたので疑問に思ったが、どうやら大丈夫のようだ。
俺は1度ホットミルクで唇を湿らせて、今日の"もう1つの本題の話を切り出す。
「……レキ、もう1つ話がある」
「確か、頼みがあるんでしたね」
「……ああ。─────」
俺はレキに頼みと訳を話す。
「─────…………」
しばらくこの部屋に、俺の声だけが響いた。
……………………。
そして、
「分かりました」
俺の話を聞き終えたレキは俺の頼みを了承してくれた。
「……ありがとう、レキ」
俺は礼を言って席を立つ。
レキも俺の考えていることが分かっているのだろう。
同じように席を立ち、向かいに立って俺を見上げる。
「…………」
「‥‥蒼真さん?」
「……いや‥‥始めるか」
「はい」
‥‥シュル、シュルシュル
レキは頷いて、東京武偵校制服の防刃ネクタイをほどいていく。
───俺がこれから行うのは───
───1週間に1回、行わなければならない"儀式"───
───《夜》の"奴隷"となった‥‥レキの運命───
───いつか、絶対にこの運命から解放することを誓いながら───
───今日も俺は"儀式"を行う───
「……いくぞ、レキ」
「お願いします」
次の瞬間
ゾオオオォォォォォォォォ…………!!
一瞬で……"何か"が……部屋を埋め尽くした。
それは…………"黒"。
薄暗闇でも分かるほどの‥‥‥‥"黒"。
生きとし生けるものならば、必ず恐怖を抱く……そんな"黒"。
だが、レキはその"黒"に驚かない。恐怖しない。
それどころか、いつも無表情な顔に、どこか"安らいでいる"ような‥‥そんな色を残して……"何か"を放出した人物を見上げている。
胸元をはだけさせ、"胸の中心"を右手で押さえる彼女の見る先には……そこには………
───そこには…………《夜王》が‥‥‥‥いた───
△▼△▼△▼△▼△▼
数日後……
‥‥ザザァ、ザァ‥‥ザザァ‥‥‥‥
垂直に建てられたコンクリートに波が不規則にぶつかる音が、誰もいない深夜の学園島の外れ……看板裏で仲間の到来を待ちわびている者達の耳を打つ。
‥‥チカ、チカ、チカチカ
そのうちの1人は、手に持った懐中電灯を海に向けて、何度も付けては消してを繰り返している。
「‥‥おい"裏切り者"、まだ来ねぇのかよ?」
そんなとき、チカチカさせている少女に向かって、壁に背を預けていた少女──"陽神" 朱美が声をかけた。
"裏切り者"と揶揄された少女──峰 理子はチカチカさせながら返す。
「お前は黙って私を"監視"してればいいんだよ、"役立たず"」
‥‥シュッ!
理子が言い切った瞬間、後ろから彼女のすぐ横をナイフが通りすぎていった。
「‥‥言葉に気を付けろや"出来損ない"。今すぐここでミンチにしてやってもいいんだぞ……」
「クフフッ。そうくんが恐くてすぐに逃げた"臆病者"のくせに、ほざくな"負け犬"」
深夜の看板裏で、一触即発の空気が場を支配する。
ただ、そんな中でも理子がチカチカを止めないところを見ると、どうやらここで"始める"気は無いようだ。
「‥‥チッ!」
それが分かったのか、それとも"他の理由"があるのか、朱美はすぐに殺気を納め、背中を預け目を瞑る。
だが、今度は険悪な空気が場を支配した。
そんな空気が流れはじめて数分後‥‥
‥‥ゴポ‥ゴポ、ゴポゴポゴポッ
水面に無数の泡が沸いてきた。
それを見た理子はチカチカを止める。
「おっ! 来た来たぁ~~~♪」
さっきとは打って変わって、表の顔でそう言う理子。
「‥‥あぁぁ……やっとか。 こんなグズと2人でいる時間はヘドが出るぜ」
「それはお互い様だゴミ女」
性懲りもなく、戦闘体制に入る2人。
けれど、2人の目線は海の泡に向いている。
そして……
‥‥ザバァッ……ザバァ、ザバァ
海から黒い何かが3つ浮かび上がってきた。
それは、一見すればミサイルのような形をしていた。
だが、ミサイル等てはない。
これは‥‥そう、これは……
ガチャ‥‥
「まったく、お前たちはまたやっているのか」
これは、〈オルクス〉と呼ばれる……《イ・ウー》の者達専用の潜航艇だ。
その1つから、西洋剣を携えた美しい少女が出てきた。
彼女は先程の声の主でもある、ジャンヌ・ダルク30世だ。
世の中では、魔剣──デュランダル──の名で知られている少女である。
「あ、ジャンヌお疲れちゃん♪ ……だってコイツ、アカ姉の"腰巾着"のくせに、生意気なんだもんっ!」
「あ? マジで殺すぞ"裏切り者"」
ジャキッジャキンッ
「……よさないか、お前たち」
今度は双方、それぞれの得物を取り出してにらみ合う。
そんな2人に、ジャンヌはため息を1つして、間に入ろうとした。
いや、しようとした。何故なら……
ガチャ‥‥
「‥‥止めなさい朱美。みっともない……」
そう言って、2つ目の〈オルクス〉から、こちらは見目麗しい女性が看板裏に上がってきた。
誰が見ても美しいと賞賛するであろう目鼻立ち。
目に優しい橙色の髪を短めに切り揃え、顔と相まって、物腰の落ち着いた印象を醸し出している。
彼女の名前は……"陽神" 茜。
イ・ウー内にいる《陽》の者達でも、ナンバー3に入る実力を持っている。
「し、しかし茜様、コイツは"裏切り者"でっ!!」
そんな彼女に注意された朱美は、先程の強気な態度は姿を消し、萎縮してしまっている。
「黙りなさい。《教授》も、我らが《主》も‥‥、《夜王》について理子と"ジャンヌ"は好きにしてよい、と仰ったのを忘れたのかしら?」
「‥‥っ!? ……は、はい‥‥」
朱美は茜の言葉に、とうとう黙ってしまった。
「さっすがアカ姉、分かってる~~♪」
それを見て理子は調子に乗るが、
「お前もだ、理子。 挑発に乗った時点で同類だ」
「うっ!? だって‥‥だって~~……」
ジャンヌに叱られ、一気にシュンってなった。
大人な2人に説教される子供な2人。
そんな絵面を見ながら、密かに〈オルクス〉から出ていたもう1人の来訪者──夾竹桃はキセルを燻らせながら、呟く。
「‥‥平和ね」
………………。
…………。
……。
そんなこんなで十数分後……
「……ンン、ではでは! 各ターゲットの拉致及び殺害、【GGGG】作戦楽しもーーーー!!」
「クワトロG……なにかしら?」
「うんっ夾ちゃん。3人のGirlでGが3つ。んで、そうくんは"夜神"でGod of Night‥‥G1つ!」
「だから【GGGG】作戦、ね。‥‥理子、あまりおふざけしないようにね?」
「分かってるよアカ姉!ちゃんと真面目にするからっ!!」
「‥‥はんっ。コイツにとっちゃお遊びだろうよ。コイツは……」
「朱美」
「‥‥はい……」
総勢5人の麗しき乙女たち……いや、イ・ウーの精鋭達が学園島で戦いの狼煙を上げる。
「でも、確かにもう一度言っておいた方がいいわね……理子、ジャンヌ」
茜はそう言って、未だ朱美とにらみあっている理子と、先程から黙して何かを考えているジャンヌに声を掛ける。
「理子、ジャンヌ。これが最後よ、よく聞きなさい」
茜の言に2人は真面目な顔で答える。
「《夜王》夜神 蒼真が、2人にとって大切な人なのは百も承知。だけど、私と朱美は必ず奴を"殺す"」
理子とジャンヌはその言葉に眉1つ動かさない。
朱美はそんな理子を嘲笑っている。
「恨むなら、恨みなさい。それも覚悟の上で私はひなた様のカタキを全身全霊を持って討つ、いいわね?」
「「うんっ(……ああ)」」
理子とジャンヌはそれぞれの返事を返した。
だけど、茜は少し不服そうな顔をしている。
「……毎回思ってたのだけど、なんで2人はそんなに余裕なのかしら?」
そんな茜に変わって、夾竹桃が疑問に思ったことを素直に尋ねた。
すると2人は、
「だって、そうくんが死ぬわけないもん♪」
「グレイが死ぬはずないからな。 そこの心配はしていない」
2人はほぼ同じ答えを返した。
その答えを聞いた朱美は激怒する。
「テメェらぁ!! ふざけたことぬかしてんじゃっ!!」
「朱美っ!」
「‥‥っ!、茜様っっ!!!」
「いいから、黙りなさい」
「……っチッッ!!」
しかし、茜の言葉でも朱美は収まらず、今も殺気を理子とジャンヌにぶつけ続けている。
ぶつけられている2人は涼しい顔で流しているが、そんな2人に茜が、問う。
「‥‥それは、どういう意味かしら?」
その問に理子とジャンヌは、答える。
「アカ姉、勘違いしないでほしいんだけど、理子たちは別に裏切るとかそんなことを言ってるんじゃないよ? そもそも、"あれ"を持ってきたアカ姉がいる時点で裏切れないじゃん!」
「その通りだ。…………私たちはただ、"信じている"のだ、グレイを……」
「信じて、いる‥‥?」
「うんっ♪。そうくんなら、きっとやってくれる……"救ってくれる"って、そう信じてるの」
「だから、私たちは何も不安に思うことはないし、不満もない。そういうことだから‥‥茜、朱美……存分に殺ってくれて構わない」
「「…………」」
茜と朱美は最早何も言えなかった。
そんな2人に変わって夾竹桃が口を開く。
「‥‥お熱いわね、2人とも」
「えへへぇ、照れるよ夾ちゃん」
「な、何を言ってるんだ桃子っ!? わわ、私は別にそんなんじゃ……!!」
「‥‥素直にならなきゃダメよ、ジャンヌ」
「ウンウン♪‥‥あれ? そういえば夾ちゃんとそうくんって知り合いだったよね?」
「‥‥ええ、昔に……少し、ね」
‥‥ふぅーー…………
「おお、訳ありな雰囲気だね夾ちゃんっ!!」
「…………(ドキドキ‥‥)」
《陽》の2人を差し置いて、理子、ジャンヌ、夾竹桃の3人はかしましく話している。
「‥‥はぁ……」
「あの、よろしいんですか? あの2人をこのままにしておいて……」
「《教授》の命令よ。それに、何かあった時のために私たちと"これ"があるのでしょう」
茜はそう言って、懐からテニスボールと同じくらいの白いボールを取り出す。
「っ!それが……!!」
「ええ、《教授》と《陽》が作り上げた最高傑作。……これがあれば、"空間の氣"を広げられても《夜王》に気取られることはなくなるわ」
「おおっ!!」
「まあでも……」
茜は"それ"を懐に仕舞いながら、続ける。
「理子もジャンヌも、公私混同はしない娘たちよ。 そこは信頼できるわ」
「しかし! ジャンヌはともかくあの女は怪しいです! なんせ、1年間も一緒にいたんですから! あのビッチ、ベタベタとクソ野郎とイチャイチャして……っ!!」
「口を慎みなさい。……それでも、あの娘は私達のことを話してはいない。 私は理子を"信頼"していますから」
「…………」
「…………はぁ、ならこうしましょう。今日から"これ"を持って貴女が理子を今まで通り監視、手伝いをなさい」
「っよろしいのですかっ!?」
「構いません。 私はジャンヌと桃子の手伝いをします。これで文句はありませんね?」
「はいっ、お任せください!! 必ず奴を八つ裂きにして、"我が君"にお贈りします!!」
「焦らないでね? 私も一緒に戦うから……ね」
「‥‥ねね、アカ姉っ、話は纏まった?」
どうやらこちらが話し合いをしていたのに気付いていたようで、タイミングを見計らっていた3人が戻ってきた。
「ええ。 今まで通り朱美は理子の監視、手伝い。 私はジャンヌと桃子の手伝いよ」
「ええぇ~~~!? アカ姉じゃないのっ!?」
「朱美が貴女は信用できないと聞かなくてね」
「はっ、少しでも変な真似してみろ? 俺が挽き肉にしてやるよっ!」
「ふんっ、アカ姉のむがっ!!?」
「……理子、私たちが信用されないのは仕方ないだろう。 ここは大人しくしておけ」
「……むぅ~~~」
ジャンヌは止めたが、やはり2人は殺気をばんばんぶつけ合っている。
「「‥‥はあぁーーー……」」
そんな2人を見て、茜とジャンヌは深いため息を付いた。
そんな光景を見ていた夾竹桃は紫煙を吹きながら、また1人……呟く。
「‥‥貴方に、復讐の炎を消せるのかしら……ねぇ《夜王》?」
"彼女"が死んではや三年。
復讐の炎に身を焼かれている茜と朱美。
とうとう彼女達は動き出す。
《夜王》を悲しみに追い込み、絶望させ、八つ裂きにするために。
───もうすぐ始まる───
───復讐と憎しみの業火は、《夜王》の全てを巻き込んでいく───
如何でしたか?
では、用語確認。
《陽神》は"ひがみ"と読みます。
次に本題です。
まあ、色々ありますが…………はっきり言いましょう。
レキさん滅茶苦茶ムズいですわ!!!
時間かかったですよ、ええ!!
心が少し折れそうになりました。
さすが、人気者。……正直、うまく表現出来たか自信ないです。
皆さん、私はご期待に添えたでしょうか!!?
感想を切に待っております!!切に!!
こんな私ですが、これらも応援よろしくお願いいたします!!