哂・恋姫✝凡夫   作:なんなんな

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超展開注意。
場合によっては黒歴史化するかもしれません。
割とワーストな展開を引いてしまったかもしれないので。
※候補※
①霞姉。酒呑んで騒ぎまくって聆がキレるエンド。
②一刀。完璧な気遣いと看病で聆が惚れる。
③華琳。今回の聆が吹っ切れなかったバージョン。そして十八禁へ……。

結論
頭の調子が悪い時は素直に休むべき。


第十章拠点フェイズ :【原作おまけ】盃の中に入る想い の前日(面会者 ③)

 「……知っとる天井や………」

「あ、やっと目が覚めたか!聆!」

 

私はいつもの寝台の上で目覚めた。

 

「……隊長?」

「聆、二日も眠ったままだったんだぜ?」

「はっ!?」

 

いったい何があったんだってばよ。

 

「私の身に一体何が……」

「むしろ俺が聞きたいくらいだよ。聆が倒れた時に一緒にいた華琳も何も言わないし……」

 

華琳……そうだ。確かに華琳が居た気がするが。

 

「……あ」

 

  ※――――――――――――――――――――――――――※

 

 「虎口を脱すとはこのことか……ごフッ」

 

バカ襲来からしばらく経った後。私は何とか自室に戻って来た。「聆の風邪が治るまで続ける」とか頭のおかしいことを言ってきたので、なりふり構わず飲み水に毒を盛って逃げ出してきたのだ。……それまでに結構ボコボコにやられたが。あまりにもやられすぎて、 "敢えて身体の力を抜き、吹っ飛ばされることによってダメージを軽減する"という超消極的な戦法を思いついてしまうほどだ。バカ達は病人相手にも加減が無さすぎるのだ。そもそも私は普段の手合わせからしてかなり神経をすり減らしてやっているというのに。私も中々の人外になってきているはずなのだが、それでも筋力と体力が違いすぎる。

 

「うぅ……とりあえず寝よ」

 

頭痛と寒気が一段と酷くなって、しかも体中いたる所が痛む。口の中も何か血の味するし。そもそもどうしてマトモな看病を出来る奴が来ないのか。内心、実は期待していた三課長も、しつこく下の世話と体を拭くことを迫ってくるだけの役立たずだった。

……そう言えば、「面会は極力避けるように」といっていたのだった。これではむしろ空気読める奴の方が来ないではないか。

つまり、

 

↑ここまで死地

――――――――――――――――――――――――――

↓ここからも死地

 

ということか。

何だこれ悲しくなってたきた。

 

「聆、入るわよー……って、え!?戸が外れた!?」

 

そして意外にも華琳がやってきた。かゆうまに壊された戸を再び破損しつつ。

 

「全く……またあの娘たちの仕業ね。後で直させないと。……さて、体調はどう?聆」

「最悪や」

「そ、そう……。何かあったのね」

 

何か有ったどころの騒ぎではないのだが。

まぁ、一応 私を気遣う言動をしているのでここまでは及第点。濡れた手拭いを額に乗せるか何かして、「じゃ、何かあったら遠慮なく呼ぶのよ」とか言って帰ってくれれば満点だ。

 

「……貴女、よく見ると随分汚れているわね。体、拭いた方が良いのではなくて?」

 

なんだエロか 欠点!……と言いたいところだが、さすがに早計か。実際、さっきまで幾度となく地面と戯れさせられたからな。

 

「私が拭いてあげるわ」

 

アウt……いや、純粋に、辛そうな私に配慮してのことかもしれん。

だが、一応。

 

「いや、自分でやるわ」

 

言いつつ、その辺に引っ掛けてあった適当な手拭いと水差しを取る。

 

「……研磨用のボロ布と酒で何をしようというの貴女は」

「あー、うん。間違えた。こっちや、こっち」

「それは褌よ。はぁ……。思った以上の弱りようね。もう、私がやるわよ」

「いや……えぇわ。治ってからにするわ」

「そんなに汚れたままじゃ治るものも治らないわよ。遠慮せずに……ほら」

 

言い終わるが早いか、背後からスルリと服を脱がされてしまう。さすが最強のレズビアン。手際が良すぎて、どう脱がされたのか分からなかった。

 

「ふふ……そう緊張しなくてもいいわよ。女同士なんだから。ほら、もっと力を抜いて楽にして」

 

女同士と言ってもなぁ。

 

「……それにしても綺麗な……見事な躰をしているわね、貴女は」

 

背中をひんやりと湿った布が滑る。火照った体に心地良い。背すじをなぞって……肩……腰……

 

「くぅ……っ」

「あら、どうしたの?」

 

首筋に触れられて、思わず声が漏れてしまう。そもそも私は、体のどことも限らず、撫でられるのに弱い。

そして、それに返す声には愉しむような響き。やはり、分かってやっているな。

 

「華琳さん……そーゆーんはちょっと……」

「何のことかしら?私はただ拭いているだけよ?」

 

後ろ側を拭き終えた手は、迷うことなく前に廻され、膨らみを包み込むように撫であげる。背中に華琳の体が密着し、甘い香りが鼻を擽る。繊維に擦られる、微弱ながらも鮮明な感覚に、頭がクラクラする。

 

「……それに、そうなることを望んでいるのは貴女の方ではなくて?ふふ……こんなに尖らせて」

 

トドメとばかりに、先端をキュッと摘まれる。電流のような刺激と、火照りが合わさって、……何かが吹っ切れた。

 

「真剣にしんどいんで本当にやめてもらえますか?」

「えっ」

 

一瞬動きが止まった隙に寝間着を着直し、華琳の方に向き直る。

 

「何でそう、すぐ淫行に走ってしまうんですか貴女は?私は風邪で、体力も精神力も弱っているのは明白ですよね?」

「えっ、え?さっき、イける流れじゃなかった!?」

「イける流れって何ですか頭おかしいんじゃないですか?」

 

何か色々と冴え渡っている気がする。猪々子と一騎討ちしたときの感覚と似ているかもしれない。あぁ、私、さっき死にかけたんだな。

 

「いえ……あの、貴女の体もいい感じに反応していたし……」

「そりゃ擦ったりつねったりしたらどうにでもなりますよ。しかもそれ、強姦魔と同じこと言ってますよ?」

「それに、さっきも言いましたけど、そもそも風邪を引いて寝込んでいると言うのに、どうして余計に体力を使うようなことをするんです?」

「……春蘭や秋蘭はこうすると喜んでくれるし」

「私があの二人ほど曹操殿を慕っているとお思いで?」

「……ごめんなさい」(『曹操殿』!?)

「しかも、貴女が来る以前に私に何か不幸が有って風邪単体によるもの以上に消耗していたのは分かっていましたよね?」

「……貴女、私にだけ厳し過ぎない?」

「それは誰に対する態度と比較して言っているのですか?」

「あのいつもつるんでるバカ達よ!あの娘達の方がよっぽど迷惑じゃないの」

「バカがバカなことをするのは仕方ないからです。バカなんですから。……それでもやはり、やり過ぎだと判断した時は注意しますが。さて、曹孟徳氏。貴女はバカですか?」

「分かったわよ。確かに私の行為は不適切だったわ。……でも、貴女も相当失礼な言葉を並べ立てているのだけれど?」

「……そうですね。腹切って死にます」

「えっ!?ちょ、ちょっとやめなさいよ!」

「いいえやめません。確かに私の言動は主君に対して不適切極まりないものでした。……あぁ、部屋が汚れることを気にしていらっしゃるのですか?」

「違うわよ!そこまで気にしていないから!ちょっとした悔し紛れに言っただけだから!」

「私が失礼な態度を取ったことに変わりは有りません。お手数をかけないよう、どこかの山にでも行っ――」

「えっ!?聆?聆!?衛生兵!衛生兵ーー!!」

 

 ※―――――――――――――――――――――――――――※

 

 「何か思い出したのか?」

「いや?何も?」

 

……ヤベェーーー!!!関係ギクシャクどころの騒ぎじゃねぇぇえぇぇ!!!!

 

「えーと、うん。まぁ、華琳さんに心配かけたやろし、とりあえず会いに行こっかな」

 

ドア開けて土下座!ドア開けて土下座!!

 

「いや、それなんだけどな……今、風邪が大流行してて華琳も寝込んでるんだよ」

「んだら私が看病しに行こか?」

 

そしてジャンピング土下座だ。

 

「いや、聆も、病み上がりだし休んどいた方が良いんじゃないかな」

 

くそう……さすが気配りが出来る男。

もう少し早く……華琳より早く来てくれていればあんな惨事にはならなかったのに……!!

 

「華琳の方は俺がちゃんと看ておくからさ、聆は今日一日しっかり休んで、明日から頑張ってくれよ。それに、華琳も『よく休ませてあげなさい』って言ってたし」

「え、あぁ、そう」

 

つまり、「暫く会いたくない」ってことですね分かります。

 

 

 結局、私と華琳が顔を合わせたのはそれから二日後となった。

……そこから真名で呼び合う仲に戻るのにさらに一週間かかったが。




でも作者自身は割と気に入っているというね。

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