哂・恋姫✝凡夫   作:なんなんな

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流れが……とかフラグが……とか色々言いましたが、
恋姫は風呂場にさえ持ち込めばえっち出来るゲームだということを思い出しました。

最近鼻血がよく出ます。
どうせなら稟みたいに鼻血で翔べるようになりたいです。


第六章拠点フェイズ :【北郷隊伝】必殺!沙和式罵倒訓練術……の裏でいともたやすく行われるえげつない行為

 「はい、集合〜〜〜〜!」

 

一刀の号令に、城門の外に集まった北郷隊隊長格が、ゾロゾロと整列する。

 

「ふああぁ〜〜……朝早いお仕事はツライのー」

「ホンマやで、まったく……昼からにして欲しいわぁ……ふああぁ〜……」

「まぁ、しゃーないやん。そういう仕事に就いとるんやから……ンク……」

「真桜、沙和。シャキっとしないか、シャキっと。そして聆は呑むなっ」

「…………はぁ」

 

一刀がゲンナリとため息をつく。ここまではお約束だ。

 

「はいはい、凪の言う通りだぞ。新人も入ってくるし、しっかりしないと、あっという間に追い抜かされちゃうぞ」

 

いや、基礎能力の差からして、相当どうにかしないと恋姫たちとその他の間が縮む事は無い。普段私がどれだけ苦労していると思っているんだ。

 

「新人〜〜〜?」

「なになに、新しい子入ってくるのっ?」

「そういえば、新兵の募集を行っていましたね」

「まとまった数になったんけ」

「おうよ。今日集まってもらったのは他でもない、新兵の訓練を北郷隊が任されたからなんだ」

「新兵の……」

「訓練〜〜〜?」

「そっ」

 

三日前から知ってました。

 

「うわぁ〜……とっても大変そうなの」

「面倒臭っ!め゛ん゛ど゛く゛さ゛っ゛!!!」

「隊長、頑張ってや〜〜」

「こら!他人事みたいに言うな!!」

「……もしかして訓練を施すのは、自分たちだったりするのでしょうか……?」

「当たり前だろ!俺一人じゃどうしようもないし、っていうか、俺は実践の人じゃないし、訓練に関しては、おまえたち四人に一任したいと思う」

「え〜〜〜〜〜〜っ!」

「マジでーっ!?」

「嘘だと言ってよ、カズピィ」

「嘘なわけ無いだろっ!もうすぐ新兵たちがここに来る手筈になっているから。頼んだぞ」

 

そう言いながら、一刀は真桜と沙和の頭を順番にポンッと軽く叩き……私の手を握った。

 

「頼んだぞ」

「……おー」

 

……私の肩がだいたい一刀の目線くらいの高さだものな。気軽に叩けないよな。……身長が高いことの唯一の弊害は一刀の自然なイケメン動作を受けられないことだ。

 

「隊長……!」

「ん?」

「このように大事なお役目を賜り、大変光栄であります!」

「ははっ、そんなに気負わなくてもいいよ」

 

感極まった表情で敬礼する凪の頭を、一刀は軽く撫でた。クソがっ!

そして、改めて私達の正面に立ち、にっこりと微笑んだ。

 

「おまえたちなら、絶対大丈夫だから。よろしくな」

「はっ!」

「はーい」

「へいへい」

「ウェイ」

 

そうして、それぞれの持ち場へついた。

 

   ――――――――――――――――――――――――――

 

 通常訓練中の鑑惺隊から図体のデカい班長を二人ほどアシスタントとして連れ、割り振られた新兵の前へ立つ。ダラダラと好き勝手に喋っていた新兵共がシンと静まった。うん。ナイス威圧感。

 

「四列縦隊」

 

突然の指示に皆ポカンとしている。

 

「四列縦隊に整列しろ言ぅとんじゃいや。早よせぇオラァ!!」

 

弾かれたように動き出す。だが、まず四列縦隊が何なのか分かっていない奴も居る上、どこ基準か、どういう順番かなどの指定がされていない指示に戸惑っているようで、ザワザワと無駄な動きが目立つ。

しばらく経ち、やっと汚いながらも四列に落ち着いた。

 

「次!二列横隊!!」

 

またアバウトな指示を出す。今回は一度目から動いた。

そんな指示を五度ほど繰り返す。

 

 再び私の前に四列に整列した新兵の列に歩み寄る。

 

「お前とお前とお前……あとソコの。抜けろ」

 

指された新兵は一瞬硬直するも、間を置かずに列から抜け出てきた。

 

「お前らは向こうで訓練しとる北郷隊の内の鑑惺隊の訓練に参加してこい。角付きの鎧着とるやつに言うたら良えように取り計らってもらえる」

 

アバウトな指示を出していれば自然と動ける奴、動けない奴が分かる。最前列に立ち自ら基準となる者、列の形を予想して的確に動く者、指示を出して周りを動かす者。そういう奴らは予め抜いておく。これからの訓練は組織の末端、命令を忠実にこなすマシーンを作る作業だ。考えて正しく動ける者に受けさせるだけ損である。

ちなみに角付きの鎧とは課長用に用意したものだ。

 

「抜けた奴の分詰めろ!……よし。んだらお前らを正しく管理するために新しい名をつける。姓として、四列の右から百、二百、三百、四百。名を前から一番、二番、三番、四番。例えば……そこのお前。お前は訓練の間三百十一番って名前や。全員、分かったな!?……分かったら返事!!」

「は、はい!」

 

沙和はあの軍曹を手本にすることになるが、何も叫ぶだけがあの軍曹の技ではない。

 

「では改めて。私がお前らの担当教官を務める鑑惺嵬媼や。お前らに兵卒として必要な教育と躾を行う。……この中で自分は軍師や将軍の方が向いとる思う奴は手ぇ挙げろ!私が直々に上に紹介したる。才能が無かった場合はどうなるか知らんけどな」

 

手は挙がらない。挙げられても困るから良いけど。

 

「……兵とは上からの指示に忠実に応え、個人の意思を抑えることが求められる。お前らはその兵卒になる道を選んだ。私はお前らの選択に応え、戦場で役に立つ兵に鍛え上げてやる。私の指示をよく聴き、それに従えばお前らの目標はなんの問題も無く達成される。私の指示に反する行動をする理由も、疑問を持つ意味も無い。ただ従え。分かったか?…………分かったら返事やろうが!!ついさっき言った事も忘れたんかこのクズ共が!!」

「は、はいっっ!!」

「守るべき基本事項は三つ。私語を慎め。私の言う事をよく聴け。声を出す時は腹から出せ」

「はいっ!」

「なんもお前らを虐めるんが仕事やない。体調が悪なったら遠慮なく言え。動きの失敗も二度までなら注意で済ます。まぁ、明らかに反抗的やったら潰すけど。……軍の仕事は敵を倒すことや。私は、最大の敵は使えん兵卒やと思っとる。作戦を台無しにし、耳触りな悲鳴で周囲に弱気を伝播させ……二百二十番、言いたいことが有るんやったらハッキリ言え」

「……」

 

何やらボソボソと言っていたヤツに声をかける。お前のような奴を待っていた。可哀想だがお前には贄になってもらう。

 

「おい、ハッキリ言えって言うとるやろ。早よせぇや」

「…………」

 

しまった、という顔をしているが、もう遅い。ツカツカとソイツに迫る。

 

「何か私の話より重要なことが有ったんやろ?なあ、聞かせてくれや」

「……なんでも有りません」

「あン?何でもないワケないやろが。お前はわざわざ三つも命令違反したんやから。なあ、早よ言えや」

「…………」

「無視か……」

 

襟首を掴んで引き倒し、列から蹴り出す。

 

「ナメとんのか?おい、言えや。話しを聞かん、私語をする、ボソボソと陰気な声を出す。その上無視か。アホなん?それとも何?喧嘩売っとん?」

「…………話が長いんです」

 

ビンタを喰らわす。この時を待っていた。

 

「頭が悪いお前らにも分かるようにゆっくり説明しちゃっとんやろが!お前ら何も言わんでも完璧に動けるんかいや!?あァン?初めの何回かもボッサーッとのろのろ動きやがって。そもそもお前に話の長い短いを判断する権利が有るんか?そう言う命令したか?オイ、答えろや」

「してません……」

「ンだら何で私語したんどいや!?喧嘩売っとんやろ?な?そうなんやろ??」

 

散発的にどつきながら詰問する。おっと、泣いちゃったよかわいそうに。

 

「あーあ。お前みたいなん相手にしても時間の無駄や。帰って良えで」

「……」

 

帰ろうとしない。別に帰られても良いが、帰らない方が都合が良い。

 

「なあ、帰れって。アレやろ?私が指示する度に何ぞ文句言うんやろ?邪魔なんやって。なあ、聞いとん?早よ帰れや」

「……訓練……受けさせて下さい…………」

「は?何言うとん?言う事無視する奴の訓練なんかどうつけろって言うん?」

「次からは……ちゃんとします」

「チッ……言うたでな?お前。次何か有ったらガチでしばくから覚えとれ。……列に戻れ」

 

再び列の前に立つ。さっきより大分締まった雰囲気になったな。

 

「訓練の間は、失敗した者に私の説教と折檻が施されるだけやけど、戦場では即ち死ぬ。そのことをよく覚えとくように。これより訓練を開始する」

 

   ―――――――――――――――――――――――――――

 

 小一時間も経っただろうか。あれから更に何人かの可哀想な奴を出しつつ、いい感じに新兵共の目が死んできた。途中で様子見にきた一刀はそれに気づかず、ほぼ完璧な動きに感心しているようだったが。

 

「ぺちゃくちゃしゃべるな、このウジ虫どもー!」

 

よく動いた分、新兵共に休憩を取らせていると、沙和の声が遠くから聞こえてきた。

 

「沙和が貴様たちの担当教官の于禁文則なの!貴様らウジ虫は、沙和が許可した以外に、無駄口を叩くことは許されないの!」

 

沙和さん始まったな。

 

「わかったら返事をしろー!クソったれ!!」

 

確かに返事は大切だ。

 

「ちっがーう!クサイ口からクソひる前後は、必ずさーと言うのだー!」

 

女だからマムじゃね?というのは無粋だ。

 

「『さーいえっさー』だー!」

「さーいえっさー」

 

生SirYesSirいただきました!

 

「聞こえーん!ふざけるな!もっと大きな声を出せ!!」

「さーいえっさー!」

 

私の隊にもSHOUTの練習させるか。

 

「お前ら、休憩終わりや。百一番基準、四列横隊に整列」

「はっ!」

 

四秒もかからずに列が整う。お前ら必死過ぎワロタ。

 

「――いいか!貴様らは今のままじゃ、戦場では屁の役にも立たない、ただメシ食ってクソたれるだけの汚物製造器だと思え!」

 

沙和の可愛らしい声をBGMに、MindFuck第二段が始まった。




イメージは体育の先生!
微笑みデブにぬっ殺されないように注意が必要。

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