変えられました。
……知らない天井だ……
いや…記憶には有るんだが、自分の思い出じゃないような。
三十路中盤のOLの記憶に後付けで"ここ"での情報を足した感じ。
姓は鑑、名は惺、字は嵬媼、真名は聆。田舎村の名家(つまり大したことない)に生まれ、すくすくと身長六尺程度まで育ち、最低限村のまとめ役が出来る程度の教育(簡単な読み書き)を受け、沙和や真桜に負けないように武芸にはげみ、関節をあり得ない方向に曲げる特技を会得し、……ん?
沙和?真桜??
格上過ぎて武芸関連では思い出せなかったが記憶には凪についてのものもある。それに、さらっと流したが、真名……
これは…恋姫だ!!
恋姫のことは結構好きだ。一刀が出しゃばり過ぎず、かと言って空気でもない絶妙な立ち回りが良い。「女の子は守らなきゃ!」とか言って前に出るんじゃなくて、帰ってきた戦乙女達を癒す妻的な立場が良い。空気が読めるし、会社でああ言う部下がいたら凄く助かるにちがいない。ヒロインが可愛いのは言うまでもない。でも呉が死亡フラグなの辛い。なんで孫呉ってすぐ死んでしまうん?
一刀には蜀ルートでいって欲しい。クソ甘馴れ合い世界ってすてきやん?皮肉とかじゃなくて。あの一刀と桃香ってfateに出たら絶対アヴァロン持ちだな。
閑話休題
私は町に売りに行くための竹籠作りをサボって昼寝をしていたようだ。体を起こす。
ゴンッ
天井に頭を打った。何だここは狭過ぎる。未だ馴染まない記憶がここは集会所の床下であると教えてくれた。
「おい聆!お前またこんな所で……!」
「聆ちゃんズルいのー!沙和もお昼寝したいのー」
「ちゅーか、ようこんなトコ入っとったな!?」
「ちゃうんや…私ん中の睡魔がいぶし銀の大活躍をな……するんや…」
「気が抜けているから睡魔などに負けるんだ」
「凪ェ、睡魔はな?意識の前に先ず気力を奪って来るんやで。やからしかたなかったんや。私に出来るんはより快適な寝床を探すことだけやったんや」
「うっわ、何時にも増してヒドい言い訳やなー」
「うーん、でもそういうことならしかたないのー」
「良ーんかいな!?」
「沙和も時々購買意欲という名の魔物に負けちゃうのー」
「そうやんな。自分の中の敵と闘うんは盗賊とか殴り倒すんとはまた別の難しさで精神的苦痛が音速や」
「武芸にも心を鎮め欲を抑える効果ぐらい有る!!」
「え!!凪は普段溢れ出す欲求をどうにか抑えとる状態やったんか!!?ウヒョー!!!!」
「凪ちゃんムッツリなのー?」
「なぁなぁ、いっつも真面目な凪の心ではどんな欲が渦巻いとるん?ウチにだけコーッソリ教えてぇなー」
「…………私は今、お前達を殴りたい欲求を抑えているが…、これはなかなか難しいな?」
「凪先輩マジパネエッス!!私一生先輩に付いていきます!!」
「凪ちゃんはすごいのー!!流石村一番の烈士なの!!だから欲求に負けちゃだめだよー!!!」
「な、ほら、後で試作品のお菊ちゃん零号機あげるからおちつきぃな!な?」
真 桜 は 殴 ら れ た
あれから、サボった分余計に多く竹籠を作らされながらこの状況について考えていた。さっきの会話はわざと自分の色をだした。しかしそれに三人娘の反応は無かった。所謂憑依によって私が存在するなら、性格の変化に戸惑うはずだ。元の性格と同じなのかもしれないが…。それなら元の魂(?)はどこに行ったのか?入れ替わり?そもそも、憑依なのか?胡蝶の夢的な?じゃあ私の三十何年は只の妄想?いや、恋姫だから、管理者の作為でこの世界に喚ばれたんだ!役目を果たせば飲み会の次の日に向こうで目覚めるんだ。そうに違いない。それでいいよね。あ、いや、でもこっちの世界も捨てがたい。…大往生したら向こうで目覚めるんだ!!そうだそれが良いそういう事にしておこう。
ただ…やっぱり、こう…胸の中にモヤモヤと不安が残る。こういう時は酒だ。…しかしながら、こちらでの記憶に有る酒はかなり薄いようだ。黄蓋や厳顔が飲んでるような良い酒はどうか分からんが、手軽に手に入る奴はダメっぽい。蒸留のための器具を真桜に造ってもらおう。今日頼めば明後日にはできるか。今夜呑みたいのにな……。取り敢えずあるもので何とかするか。
思考が一段落し、手元を見ると等身大の裸婦像が出来上がっていた。竹の微妙なカーブで女性特有の柔らかさがよく表現されている。うん。我ながら秀作!
私 は 殴 ら れ た
途中で、間違って投稿してしまったんですが、何か落ちみたいのがついててキリが良かったんで退きません。
主人公と真桜のセリフの書き分けが難しいです。霞姉ぇインしたらどうなってまうんや