哂・恋姫✝凡夫   作:なんなんな

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自然にフラグを立てられるようになりたいです。


第四章拠点フェイズ :【鑑惺伝】早朝訪問イベント

 「うぃーす。鍛錬の時間やでー」

 

「なんや、まだ寝とんか……。まあ、定番やな」

 

「約束の時間は守るもんやで隊長ェ」

「ん……むぅ…」

「……顔触っても起きんとか……珍しい奴ゃなぁ」

 

「それにしても、幸せそうな寝顔やな……。起きとるのがバカらしぃなってくるわ」

 

「うん、エエこと思い付いた」

 

 

「さて、私もちょっと横になるか……。酒は……その辺置いとこ」

 

   ――――――――――――――――――――――――――

 

「ふ…、ふわぁぁぁ……」

 

朝、起きたばかりの布団の中というのは、天国に一番近い場所なんじゃないだろうか。できるならここから出たくない。と言うより、今、まだ朝早いから起きなくても良いよな?……さて二度寝しよう、と寝返りをうつと、見慣れないものが目に映る。

 

「瓢箪……?」

 

聆がいつも持ってるやつだ。……あ。

 

「やばっ!もう時間じゃないか!」

 

今日は、俺があまりに不甲斐ないからと、せめて一騎当五くらいにはなれるように聆が稽古をつけてくれることになっていた。枕元に瓢箪が有るということは、多分一度聆が来て俺を起こそうとしたってことだ。呆れて帰っちゃったのか……?

 

「謝りにいかないと……!」

 

聆はアレで約束事と危機管理には厳しいからなぁ。真面目に怒っているかもしれない。微睡みは吹き飛んで、寝台を飛び出した。

 

「っうわ!?」

 

踏み出した次の足が出ず、つんのめって思わず手をついた。何だ?何か足に違和感が……?

 

「!?」

 

寝台の下から伸びた異形の手が、俺の足首を掴んでいる。そして、更に歪で不気味な腕がもう一本。

 

「!!?」

 

自由だった方の足首も掴んだ。瞬間。

 

「ちょ、うわ!あぁぁあぁ!?」

 

凄い力で寝台の下へ引き摺り込んでくる。周りの物を掴む間も無く、床に爪を立てても無駄。

 

「誰かぁぁあぁぁぁ!!助けてえええええええ!!!」

 

    ――――――――――――――――――――――

 

 「すみませんでした」

 

俺は今、華琳と桂花の前で正座させられている。寝台の下に潜んでいたのは聆だった。甲冑フル装備でどうやって入ってたんだか分からないが、とにかく入っていた。俺の叫び声で警備兵や親衛隊がすっ飛んできた。対応の速さは流石曹魏だぜ!そして俺と聆に対し、長い長い事情聴取が行われた。朝っぱらからつまらない騒ぎを起こした罰をこれから考えるらしい。

 

「約束をすっぽかした上に、大声で叫んで城内を混乱させた、と」

「打ち首にしましょう!華琳様」

「まぁ、城を騒がせた罪は軽くはないわね」

「尻叩きが良えと思うんや」

 

おれは今 聆の 処世術 を ほんのちょっぴりだが 体験した い…いや… 体験したというよりは まったく理解を  超 えていたのだが……

あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!

「聆は  俺 の隣で説教を受けていたと思ったら いつのまにか説教する側に回っていた」

な…  何を言っているのか わからねーと思うが 

おれも 何をされたのか わからなかった …

頭がどうにかなりそうだった…  催眠術 だとか 超話術 だとか

そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ

もっと恐ろしいものの片鱗を 味わったぜ…(AA略

 

「火炙りがしたいです!華琳様」

 

おい、願望入ったぞ?

 

「私は逆さ吊りが好きや」

 

好きとか嫌いとか……。

 

「あら、私は相手が泣き叫ぶようなことなら大体好きよ」

 

華琳さん!?

 

「え!じゃあ色々と無茶してもええのんけ」

「ふふふ……ついにこの白濁男に引導を渡す時が来たわぁ〜^^」

「フフ……はしゃぐのは構わないけど、死なない程度に抑えるのよ」

 

何この黒ミサ?

逃げないとヤヴァイ。理性と本能が同時に叫んだ。華琳たちは入り口の方にいるから……窓からか?相手が油断するタイミングを見計らってじっと耐える。

 

「だから!汚らわしいモノを斬り落としてしまえばいいって言ってるでしょ!?」

「あ゛?ちんぽ有りきの北郷一刀じゃろうが!?今回の目的は破壊じゃのぉて拷問やろが!そんなコトも忘れたんかいや脳味噌も犬並みかこの雌犬軍師!」

 

拷問じゃなくて罰だろ……。とにかく、聆と桂花がモメ始めた今がチャンス!

 

「あら、どうしたの?一刀。そこで座ってるように言ったわよね?」

 

立ち上がろうとしたところ、華琳に釘を刺される。でも、止まるわけには行かないんだ!

 

「うおおおおおおおお!!!」

 

立ち上がると同時に振り返って後ろに全速前進。窓を突き破ってとにかく逃げる。後を確認する暇なんてない。驚く兵士たちを無視して城を抜け、不思議そうに振り返る人々をすり抜け街を走った。

 

 辿り着いたのは近くの小川だ。

 

「ぜぇ…ぜぇ……ふぅー。もう走れないぞ……」

 

その辺の木に背を預け、そのままズルズルと腰を下ろす。もう、夕方ぐらいまで帰りたくない。

 

「流石にここまでは来ないだろ……。そんなに皆暇じゃないy

 

ガシっ

 

誰かに肩を摑まれた。振り向きたくない。振り向きたくないけど振り向かないとどうにもならない。ギ、ギ、ギ、と出来の悪い絡繰のように振り向いた。

 

「奇襲劇、大成功!!」

 

聆が 可 と書かれた立て札を担いで笑っていた。

 

「なんだよ!ドッキリかよー。本気で怖かったんだからな!?」

「いやー、危機管理の訓練と同時に寝坊の罰を執行してみたんや。桂花はマジやったけど」

「うん……桂花の俺に対する悪意だけは何時も変わらず本物だ」

「華琳さんなんか隊長が逃げ出した後、笑いすぎて立てんくなっとったしな」

「根っからのいじめっ子だなぁ……。まぁ、寝坊の罰がこれで済んだと思えば……」

「ああ、寝坊の件はこれで終わりやけど、隊長、窓壊したやん?」

「……うん」

「それはまた別やん?」

 

ボ ス ケ テ

 




体調が悪くて、やたらと時間を喰いました。
なのに作者的に上手く行かなかった感が………。
上手い人が裏山スィーです。

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