たった一つの恋   作:ファンタリズム

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この時の私は異常なまでに鏡を見るようになり
強迫性障害のようだった。
インターネットで検索して見るとそこには
『鏡を見る回数を減らす』と書いてたあった。
でもこの時の私にはなかなか出来なかった。



第四章 『やっぱりあなたの幸せは僕の幸せだから…』

 

 

ある日、あなたの好きだった

女の子はバイトを辞めることになった

あなたは想いを伝えたけど叶わなかったと

後で教えてくれた…

 

女装の写真を思い切って

あなたに見せてみた

あなたは微妙な反応で…

『なんかごめんね』と呟いた…

 

そして時は流れ

あなたはフリターとして

バイトに残る事になった

ある日、僕はもうやめようと…

伸ばしていた髪の毛をバッサリ切った

女の子っぽい髪型をしてても

全然、可愛いくない自分が嫌になった

それでも鏡を見れば『可愛いく』

自分を見てしまう…

腹をくくったはずなのに

やっぱりまだ変わらない…

オナ禁をすれば肌が綺麗になると

女性ホルモンが増えると書いてあったから

必死になってやったりしてみた

ついでにチンゲを全部、そってみたりして…

そんな時、インターネットで見つけてしまった

女性ホルモンのサプリメント

すかさずアマゾンで買ってしまった

 

夢を見てた…あの頃は

ずっと夢の中にいた

今も少しその夢から

抜け出せないでいる…

 

僕が好きになってから

一年半がたったある日

ご飯に誘われた

もう気まずくなることはなく

普通に話せるようになった

そこで君は新しい彼女が出来たと…

今年いっぱいでバイトを辞めて

その人と違う地で一緒に住むと告げて来た…

僕は一瞬色んな気持ちに包まれた

見えない、言葉にならない感情がこぼれ出した

でも

またそうやって幸せそうなあなたを

見ることが出来て嬉しかった

だって…やっぱり…

 

『あなたの幸せは僕の幸せだから…』

 

 

 

 

『届かぬ恋』

 

あなたとどれだけの時間を重ねても

結ばれる事はないの…

帰り道、雪の中を歩いても

つなぐ事の出来ない僕の右手は

悴んでしまう

いつだってあなたの事を考えては

現実に心を締め付けられる

 

二人並んだ足跡が並行に続いてゆく…

 

大好きだよ

そんなの当たり前

勝手に僕はあなたを愛していた…

神様に一つ願いを叶えてもらえるなら

『君が欲しい』この願いに尽きる…

 

ふとした瞬間にその唇を

奪ってしまいたくなる

抑えられない衝動に囚われては

また一人で甘い想像の中に逃げた

強い豪雪が雨戸を唸らす

そんな部屋で僕は泣いていた

距離をおこうと決めた

一人ぼっちの夜

寂しさに耐えられなくて…

 

二人並んだ足跡が雪で消えてゆく…

 

大好きだよ

一方的な想い

届かない…あなたはあの人との

出来事を楽しそうに話してるの…

『辛すぎる』この思いに尽きる…

 

止まらない想いが夢にまで…

あなたは僕のハートを突き刺し続ける

朝目覚めては幻だったと落ち込むの…

もうこんな日々とはサヨナラ…

 

一人孤独な足跡がずっと続いてゆく…

 

大好きだよ

そんなの当たり前

勝手に僕はあなたを愛していた…

神様に一つ願いを叶えてもらえるなら

『君が欲しい』この願いに尽きるけど…

諦めよう…もう届かないよ

 

だって君は遠く遠くの街へ行ってしまう…

 

この想いはこの雪にうもれて

やがて来る春にそっと溶ければいい…

 

僕はあなたの事を愛してた…

 




読んでくれてありがとうございます。

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