たった一つの恋   作:ファンタリズム

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もともと私はリストカットやアームカット
太ももや肩などを傷つける自傷癖があった。
しばらく治っていたのにまたやってしまうようになった。



三章 『本当に自分のことが嫌いになった…』

 

 

こんな詩みたいにしてみたかったけど

僕は実際、全然可愛くなれなかった

 

最初は写メで可愛く見える角度で

写真を撮るだけで満足してたのに

インターネットで調べてみたら

全く整形もしてないのに可愛い男の娘に衝撃を受けた

それから男の娘と女の子の見分けるのが好きになった

街を歩いてみては、あれは男の娘かもしれないとか

へんな視線で見るようになってしまった

なんで?女と男はこんなにも違うのか?

そんな根本的な事を考えるようになった

骨格や顔の丸み、勿論、胸の膨らみとか

やたらと研究してしまった

あんな風に可愛くなりたいと思って

その人がいる新宿の歌舞伎町のBARに行った

そしたらその人にブスと言われ

自分がやたらと嫌いになった

無駄に広い肩幅に一重のまぶた

やたらと立派なエラに大きな鼻の穴

アトピーで荒れた体中…

どうしても二重になりたくて

整形外科にもいってみた

そうしたらお金が足りなくて

諦めざるを得なかった…

その人は女装をしてなくても

やたらと整った顔で可愛いのに

なんで僕はこんなぁ…

 

『本当に自分のことが嫌いになった…』

 

バイト先でも男っぽい仕草が

一つ一つが気になった

大股な一歩、低い声、あげれば切りなかった。

 

 

 

『大っ嫌いだ』

 

鏡にうつる自分を見つめてた

どんなに可愛く見ようとしても

可愛くない自分がそこにいた

不細工な自分がそこにいた…

 

親からもらったものだから

選べないのは分かってるんだけど

でもやっぱり…もどかしいんだよ

他人と自分の違いをまだ受け止められない…

 

大っ嫌いだ…

大っ嫌いだ…

こんな自分なんて

何にもなれない

こんな自分なんて…

消えてしまえ…

死んでしまえ…

そんな事まで思ってしまうほど

大っ嫌いだだった…

 

鏡にうつる自分を蹴落とした

自意識過剰になっていた

誰にも見られていないのに

無駄に監視する自分がいる…

 

自分で選んだ容姿じゃないから

どうしようもないと分かっているんだけど

でもやっぱり…もどかしいんだよ

ありのままの自分をまだ受け止められない…

 

気持ち悪い…

ゲロ吐きそうだ…

こんな自分なんて

何にもなれない

こんな自分のこと

知らないふり…

夢に逃げても…

いっだって連れ戻されて

大っ嫌いだのまま…

 

絶望しないように…

自分を見捨てないように…

頑張って肯定して

挫けて諦めかけて

また太ももにカッターを

突き立ててしまうんだ…

 

もう…

 

大っ嫌いだ…

大っ嫌いだ…

こんな自分なんて

何にもなれない

こんな自分なんて…

消えてしまえ…

死んでしまえ…

そんな事まで思ってしまうほど

大っ嫌いだだった…

 

いつになったら

大好きになれるの…?

 




読んでくれてありがとうございます。

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