破邪の迷宮が出た時から考えていたネタ。
読者の中に同志が何人いるか分からないが、同志ならば葉虎と同じように脳内にとあるBGMが流れることだろう。
書いてる時、思わず鼻歌で歌ってたよ。
あとこれとは別にマジ恋で上杉謙信のクローンを主人公にした作品をひそかに書いてるんだけど…
ずっと脳内でMar○が流れていたりする。
頭に残るよね、アリスの曲は…
俺とアリサは現在、破邪の迷宮地下12階を攻略中だ。
思ったより、効率が悪い。
というのも、今回の目的は攻略というよりも、時の砂の入手であり…
よって、各フロアにて地下への階段よりも広範囲に調査し、宝箱などを発見しなければならなず。
通常よりも時間をかけてフロア内を探索している為、時間が掛っているのだ。
「……まずいわね。かなり時間が掛ってる」
「あぁ、だが…焦って罠やモンスターで怪我をしたりしたら…それこそ余計に時間が掛る。だから、あくまで慎重にだ。」
「……分かってるわ。それに最悪の事態を想定して保険は用意してある…けど…」
「あぁ、でもできればやりたくないけどな。でも多分…正直、今のペースではプレシアさんの身体が持たない。」
「…そうね。でも、そろそろ現実を見据えた方が良いわね。」
そう、正直厳しい。
「多少の時の砂は集まったけど…」
「今までの法則性からするに時の砂が入っている宝箱は各フロアごとに一つ…それも少量。11階までずっとこのパターンが続いている…そうなのよね?」
「あぁ…んで、入っている量も一定。増減している様子はない。この法則が続いた場合、規定量が集まるのは大体地下20階ってとこか」
いきなり大量に時の砂が入った宝箱が見つかるという可能性もまぁ、無くは無いけど、希望的観測だ。
過去の傾向からその法則は俺も理解していた。ただ、確かめたかったのは10階以降も同じ量の時の砂が手に入るかどうかだ。10階区切りで入手量が増えると言う可能性に期待をしていたのだ。まぁ、それも11階で入手した量が今までと同じであった事からその可能性は限りなく低くなったが…
「フロアも降りるごとに大きく、罠も多く、敵も強くなっている。ますます1階当たりの攻略に時間が掛っていく……ちょっと早いけど、この階層の探索を終えたら戻りましょうか。シアに色々話をしないとね」
「……そうだな。辛いかもしれないけど……。とりあえず今はこの階の突破だ。気を引き締めようか」
そんな会話をしながら進む。
そして地下12階で初めて遭遇する敵。
それは魔導師にとって天敵ともいえる相手だった。
「ハニホー、ハニホー」
「女の子だ、女の子だ」
「捕まえろーーー」
その光景を目にし、俺は一瞬固まってしまう。だって、あれは…
「な、何あれ?……埴輪?」
「……さ、作品が違ぇだろおおおお!?」
思わずツッコむ。
あの姿…
そして脳内ではとあるコミカルなBGMが流れ始める。それはあいつらの曲。
あれは…
あいつらは…生前、アリス信者であった俺は何度も目にしてきた。
そしてあいつらの恐るべき特徴。
「に、逃げろアリサ!お前じゃ分が悪い!」
アリサを庇うようにデバイスを構える。今の彼女ではこいつらに絶対に勝てない。
何故ならば…
「なっ、魔法が…」
「ハニホー」
「効かないよ~」
「捕まえろ~」
俺の言葉に牽制の為、魔力弾を放ちながら後退を始めたアリサだが、その魔力弾は奴らに当たった瞬間に何事も無かったかのように掻き消える。
そう、あいつらは魔法を無効化する。
「はぁああああ!!」
間合いに入った奴から斬撃を放ち、切り捨てる。
アイツらには物理攻撃あるのみ。
いずれこういった魔法を無力化する相手が出てくる事は想定済みだ。
だが、それはメタルスライム系の奴らだと思っていた。
だからこそ、固い物を斬る練習も行ってきたのだ。
「……まさか…最初に特訓の成果を試す相手がハニーとは」
襲ってきた数匹のハニーを切り捨て、周囲を索敵し…問題ない事を確認してから納刀し、そう呟く。
「アリサ、あいつらには魔法は通用しない。だから魔法以外の攻撃手段が必要なんだけど…なんとかなるか?」
「……ちょっと待ってて。此れを試してみるから」
言いながら、アリサは両手の拳銃型デバイスをくっ付けて…
「モードチェンジ、エアロブラスター」
そう告げる。すると二丁の拳銃が変形を告げ、一丁のライフルに。
「……それは?」
「私もね。魔法が効かない敵の存在は前から想定してた、だから魔法以外の攻撃手段も用意してたっていう訳。此れはね、魔法の力で空気砲を放つの。弾はこれよ」
「パチンコの弾?」
「そう。あくまで魔法を使うのは動力部分だけ、実際にはこのパチンコの弾を撃つわけだから、これなら多分、効果があるはず…」
言いながらアリサは銃口を壁に向けて、トリガーを引く。
バシュッ!!っと短い音がしたかと思うと、パチンコ弾が発射され、壁を穿った。
……立派な質量兵器だ。
「難点は、非殺傷が不可能っていう事と弾切れの心配がある事かしら」
なんだろう、そういって微笑むアリサは可愛いんだけど…冷や汗が止まらないのは…
「……フレンドリーファイアだけは勘弁してくれよな」
取りあえずそれだけ言っておいた。
信じてるからね。アリサさん。
「それはそうと…向こうは大丈夫かしら?」
「だんちょ~のことか?さぁな。一応、ドクターJには釘を刺して、久遠もヤバそうだったら逃げるように言っておいたけど、」
あの爺さんが余計な事をしなければ恐らく大丈夫。
今回、俺は猫たちに再びフェイトの捜索を依頼した。
その他の捜索方法はジュエルシードやフェイト自身の魔力を追う方法がある。
フェイトが強めの魔法を使ってくれれば、それを感知する事が可能だ。
だがしかし、今回その手の情報が回らないようにドクターJに釘を刺しておいたのだ。
何故ならその手の情報が入り、現場に急行した場合、フェイトが戦闘状態に入っている可能性が高い。
相手がなのはなら互いに非殺傷設定での魔法の応酬だろうから、目立った怪我はしないが、あの三人トリオやジュエルシードの暴走体だった場合は危険だ。
だからこそ、その手の情報が入らないようにし、猫からの目撃情報からフェイトの潜伏先を突き止める方法を取った。
それなら、非戦闘時である可能性が高く危険は少ないからだ。
だんちょ~危ないマネはよしてくれよ。
「すげぇ…」
場所をアリサの家の前に移す、そこでは続々とやってくる猫たちから…
「ん、このあいだえきのちかくでみたって」
狐の女の子が内容を聞いて俺に教えてくれる。
なんだ?耕二は獣使いか何かか?
魔法使いで獣使いで…凄いなアイツ。
聞き取った情報を地図に記していく。
だけど…
「あちこち動き回ってるなぁ~~」
目撃情報が多すぎる。
印を見れば、本当に各所で目撃されていることが伺える。
しかも…
「いっしょにおとなのおんなのひとがいたって。おれんじいろのかみの」
……アルフさんか?
ミイラ取りがミイラになったのか?
何やってるんだと思っていると…次の報告が来た。
「だんちょ、だんちょ…たいへん。ついさっきこうえんでみかけたって」
しかもリアルタイムな情報。
「よし、着いてきてくれるか?久遠ちゃん」
「うん。くおんがんばって、こうじにほめてもらう」
「フェイトちゃん、アルフさん!」
「君は…」
よかったまだ居た……。
声を掛けると一瞬身構えたが、見知った顔だったためか直ぐに警戒を解いてくれた。
「君を探しに来たんだ、一緒に帰ろう。こんなことをしてる場合じゃない」
「…何かあったの?」
「君のお母さんが倒れたんだよ!!」
「ーーーっ!?」
「プレシアが?」
けど、心配いらない。耕二が助ける手段があるって、動いている。
この言葉を告げる前に…フェイトちゃんは……
「急がないと!!」
手に持った青い宝石を握りしめ、空を飛んで行ってしまった。
「あっ、待っとくれよフェイト!!あっ、あんた達教えてくれてありがとうね。だけど、もう危ないから帰りな」
それを慌てて追いかけるアルフさん
「だんちょ。あのこいっちゃうよ」
「追いかけよう」
慌てて追いかける。が、相手は空を飛んでおり…
「ずるいな…飛べるのって……」
直ぐに見失ってしまった。
「どうするの?」
「飛んで行った方向に行ってみる」
耕二やアリサだって頑張ってるんだ。
団長の俺が頑張らないでどうするんだ。
そして、2時間ほど捜索し、手がかりもないので一旦戻ろうかとした所で…
違和感を感じだ
「くぅ?これこうじの」
「あぁ、結界って言ってた奴だ」
捜索前に教えて貰った。
結界。実際に耕二に何度か展開して貰い、この違和感を感じたら魔導師が何らかの戦闘行為を行っている可能性が高いから即座に逃げろと。
だけど…
「此処で退いたら、何の為にここまで来たか分からねーよ」
「でもこうじいってた。あぶないって」
「大丈夫だよ。ちょっと物陰から様子を伺うだけさ」
そういって、俺は身を物陰に隠しながら移動する。そして目の前には…
「フェイトちゃんと…あれは……高町さん?」
探していた少女と同級生の少女が空中戦を行っている姿だった。
アルフさんも近くで知らない少年と戦っているのが見える。
高町さんが何かを叫んでいる。あいにく距離がありすぎて聞こえない。もっと近づこうとすれば
「あぶない」
久遠ちゃんに止められてしまった。
仕方が無くその場に隠れたまま様子を伺う。
積極的なフェイトちゃんとは対照的に何処か消極的な高町さん。
ずっと何かを話しかけている。かと思いきや…
「うぉ、なんだあれ?」
ピンク色のレーザーみたいなのを放った。キレちゃったのか?
でも当たらない。距離を積めて、フェイトちゃんが怒涛の攻撃。
「す、すげぇ…」
正直、見惚れていた。そしてそれに惹かれるように少しずつ近づく。
久遠ちゃんが裾を引っ張って止めているけど…ごめん。そして…
そしてよいよフェイトちゃんの攻撃が苛烈を極め、防戦一方となりつつなり、決着が着こうとした所で…
「ストップだ!此処での戦闘は危険すぎる!僕は時空管理局執務官のクロノ・ハラオンだ!!」
知らない黒い服の少年が割って入った。声が聞こえた。何時の間にかそんな近くまで近づいてしまっていたようだ。
さらに…
「空気読めよ!!」
言いながら何かを投げている男の姿…あれはたしか…
耕二が前に言ってた…なんだっけ?アチャ男?だったっか…
「止せ!これは公務執行妨害だぞ!!」
「うるさいKY。良い所で邪魔に入るなっ!!」
そんなやり取りを続ける二人。
そのせいか、戦闘も停止している。というかその隙をついてフェイトちゃんとアルフさんは飛んで行ってしまった。
「だんちょ……あぶないっていったのに…」
くいくいと裾を引っ張ってくれていた久遠ちゃんの眼尻に涙が溜まっている。
ヤバい。
こんなことが知れたらマジで耕二に殺されるんじゃないか?
「ご、ごめん。あ、そうだ。フェイトちゃんも行っちゃったし、一旦帰ろうか。あぁ、帰りにお小遣いで美味しい物買ってやるから…だから泣かないでくれ」
久遠ちゃんに謝りつつ、そっとその場を後にする。
これを耕二とアリサに報告しなきゃいけない。
「はぁ……俺なんかが団長でいいのかな?」
あの二人に比べると禄なことが出来ていない。
俺にも力があれば、もっと協力できるのに…
「そういえば、俺にも魔力があるって言ってたっけ」
今回の騒動が終わったら、色々教えて貰おう。
そう決意し、帰路に着いた。
ハニホー
更新。
勢いだけで書いた。後悔はたぶんすると思う。
魔導師の天敵登場。最初は普通にメタルスライム系の予定だったんだけど…
……ちょっとふざけちゃった♪
パワプロとかでは直球よりも変化球が好きな葉虎でございます。
高速スライダーとかね。