目の腐った能力者   作:ウルトラマンイザーク

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ロボット

 

 

 

 

俺は打ち止めの病院に向かった。えーっと、オーバーレイネットワークだっけ?あれ使えば妹達の情報割り出せるんでそ?だったらちょうどいい。

 

「おーいタクシー」

 

タクシーが目に入ったので手を上げた。が、止まらない。そのまま目の前を華麗にスルーされた。………え?どういうことなの?あ、また来た。今度は無言で手を上げる。が、またスルー。………だからどういうことだよ。それから20分、5回ほどトライしたが、全スルーされ、空を見上げて涙を流した。

……風紀委員の権限フルに使って拘束してやる。と、そんな場合じゃない。早く病院行かないと…、

 

「あー!超見つけましたよ比企谷!」

 

うわあ…面倒臭ぇ。

 

「………なに」

 

「なんですかその超嫌そうな顔は喧嘩売ってんですか殺されたいんですか」

 

「なんか用か絹旗。俺、これでも忙しいんだが」

 

「普段の仕事もまとも出来ない比企谷が忙しい理由がありません!」

 

ひどいこと言うなこの子…それに俺は出来ないんじゃない。やらないだけだ。

 

「それよりマジで忙しいんだけど」

 

「ダメです!今日は一日、最愛ちゃんの相手をしてもらいます!」

 

「いやマジ無理なんだって……」

 

なんとか断ろうとするがしつこい。いい加減逃げようかと思ったが、なんか顔色が悪い。

 

「だって比企谷…昨日も超同じようなこと言って結局一緒にいてくれなかったじゃないですか…」

 

あー…確かに。や、でも昨日は昨日であれだったんですが……。

 

「そんなに、私と一緒にいたくないんですか…?」

 

そうじゃないんだけど……まぁ少しくらいはいいか。

 

「今から飯食うくらいなら付き合うよ」

 

「超ホントですか!?じゃあ行きましょう!すぐ行きましょう!」

 

「はいはい……」

 

悪いな御坂……。で、公園を抜けて屋台の群れに戻ろうとした時だ。

 

「友人への侮辱に怒りを抑えられそうにないのは」

 

「わたくしたちも同じですから」

 

あ?喧嘩か?

 

「絹旗、喧嘩っぽいわ。見てくる」

 

「私も行きます!」

 

「お前は手を出すなよ。風紀委員としてしょっぴく羽目になる」

 

「分かってますって!久々に人殴れますね!」

 

「話聞いてた?」

 

マジかよこの子どんな神経してんだ。頭の中とんでんの?でその現場へ到着。

 

「風紀委員だ」

 

「比企谷、その腕章は救護班のです」

 

「え?あっやべっ」

 

「ひ、比企谷さん!?」

 

シーンとなる現場。見ると、常盤台の体操服が三人(うち一人は気絶)に佐天。前にいるのはデブと犬のおもちゃ。

 

「風紀委員?めんどうだなぁ……っと、」

 

デブは最初は余裕ぶっこいてたものの、絹旗を見ると余裕の笑みは消えた。それと同時に絹旗が俺に耳打ちしてくる。

 

「比企谷、あいつ暗部です」

 

「マジか…」

 

「下手に手を出さない方がいいかもしれませんよ」

 

「だからと言ってあの二人がおとなしく引っ込むと思うか?」

 

俺の視線の先では常盤台の女の子二人が佐天と「お知り合いですか?」みたいは話をしている。

 

「だからってあの二人に喧嘩させたら俺はあの二人をしょっぴかなきゃいけない。ここは代わりに俺があいつ相手にするしかないだろ」

 

「……私も」

 

「やるなら犬の人形をやれ。いいな?」

 

「超了解です」

 

で、俺と絹旗はデブを見る。

 

「一応確認するけど、あの子ボコボコにしたのお前なんだな?」

 

「そうだよ」

 

即答かよ。

 

「なら風紀委員としてお前を逃がすわけにはいかない。それとそこの常盤台。お前らも手を出すならしょっぴくからな」

 

「ひ、比企谷さん!でも友達をここまで痛め付けられて黙ってろっていうの!?」

 

「そ、そうですわ!私達だって友達の敵を…」

 

佐天とチョコのマシュマロみたいな頭した方が言って来る。面倒だな。ここはカガリの台詞を借りよう。

 

「殺したから殺されて、殺されたから殺して、それで最後は本当に平和になるのかよ」

 

「おい風紀委員さん。逆だよそれ」

 

「うるせぇデブ。通じりゃいいんだよカス」

 

「風紀委員の方、私達もお手伝いします!」

 

あーもうどいつもこいつも!

 

「じゃあ一人はあの倒れてるの運んで。もう一人はその護衛。よろしく」

 

さすがに厳しいか?

 

「「了解しました!」」

 

おう…お嬢様バカだな……。逃げようとした矢先、犬が襲い掛かった。が、その犬に絹旗の窒素パンチが命中。

 

「絹旗さん!」

 

佐天が声を上げる。

 

「さっさと行ってください」

 

そのままあの四人は消えた。

 

「はぁ…まさかこんなところでアイテムの構成員と出会うなんて…ついてないなぁ……」

 

「そういうあなたはメンバーですよね」

 

「まぁそうなんだけどさぁ…君達まとめて相手にするの面倒だし…いいや、引かせてもらうよ」

 

「無理だ。お前は生徒一人に手を出してる。拘束は免れないと思え」

 

「いーや。僕は意地でも逃げるよ」

 

そう言うと、犬が襲い掛かって来た。全部で16機。いや、それだけじゃない。

 

「気を付けろ絹旗。蚊のロボもいるぞ」

 

俺じゃなきゃ気付いてなかったな。

 

「じゃ、それら全部片付けたら僕が相手してあげるよ。じゃあね」

 

そのまま行ってしまうデブ。犬を蹴り壊しながらも俺は考えた。ここでやつが引いてなんの得がある?奴の狙いがなんだかは分からないが、なにかしらの物をあのボコボコにした女から求めているはずだ。奴はほとんど無数の犬を操っている。つまり…、

 

「絹旗、後ろで佐天達を追え」

 

「はぁ?急になにを…」

 

「あのデブ、まだあいつらを追い掛けてる。犬を遠隔操作出来るんだから」

 

「仕方ありませんね」

 

絹旗はおとなしく引いてくれる。犬は半分は片付き、さらにその半分は絹旗を追った。これならあのデブを追い掛けられるかもしれん。

俺はさっさと全部壊すとデブの後を追跡魔法を使って追った。

 

 

 

_________________________

 

 

 

 

奴はあのコンテナの中か。さて、喧嘩しようぜとか思いながらコンテナに近付くと、なんかデッカいカマキリみたいなのが出て来た。

 

「なんだこれ…」

 

「ははははっ!深追いし過ぎたな風紀委員!こいつでぶっ殺してやる!」

 

マジで?

 

 

 

 


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