目の腐った能力者   作:ウルトラマンイザーク

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妹達

 

 

 

 

昨日はオリアナ退治に体力、時間をほとんど持ってかれてなんも出来なかった。でも今日からは復帰。だから俺は見廻り中。実行委員の救護班として歩き回りながら怪我してる人を見付けたら持ってる物だけで応急処置してやらなければならないが、俺が近寄ったら間違いなく風紀委員、最悪警備員呼ばれる。これ実質永遠に休み時間みたいなものだ。あ、あとアイテムの連中からも逃げてる。怖いから。なんて考えながら歩いてるとなんか騒がしい救急車を発見。

 

「嘘をつかないで本当の事を……ッ!」

 

胸ぐらを掴んでオッさんを脅迫してるのは御坂だ。てかなにしてんのあいつ…。

 

「う、嘘なんかついてない…」

 

「嘘じゃなきゃあんた達の記憶は……」

 

「そこまでにしとけよ」

 

俺は御坂の腕を掴む。

 

「あんた……」

 

なんでここにいんの?みたいな顔で御坂は俺を睨む。通り掛かっただけだよ。

 

「良かった…実行委員の子か……」

 

安心するオッサン。まぁこの人もなにがあったか知らんけど働きたくないのに働かされて女子中学生に文句付けられんのは嫌だよな。俺だったらその日の内にやめてる自信がある。きき湯か。

 

「すいません。これ、俺の連れなんで失礼していいですかね?」

 

「いやでも、もう警備員を呼んでしまったのだが…」

 

「あー…じゃあ俺、風紀委員でもあるんで一応、こいつ連行するって形で言っといてもらえませんかね?」

 

「別に構わないが…」

 

「すいません…」

 

そのまま俺は御坂を連行した。その途中、

 

「一応、形だけでもお前の寮に送らせてもらうぞ」

 

「……悪いわね」

 

「別に。俺も周りから見たら仕事してるように見えてるだろうからな」

 

「……性格悪いわね」

 

ほっとけ。

 

「で、なんかあったのか?」

 

「……なんでもないわ。あなたには言えないことよ」

 

こいつが言えないこと…なんでも自分で背負うタイプのこいつだから多分学園都市の裏のことか?こいつが関わった裏って言ったら……、

 

「な、なんだっけ…し、シスターズ?」

 

「! あの実験のこと知ってるの?」

 

「あーうん。アクセ……」

 

待て待て待て、一方通行と知り合いですなんてこいつに言ったら殺されるだろ。

 

「まぁ、アイテムの連中がうん、ちょっとね…」

 

「そういえば絹旗、だっけ?あの子はどうしたのあの後?」

 

「あの連中は半分解体させたよ。今はキチンと学校に通ってる」

 

「あんた、マジで何者よ……」

 

曲者です。お、今の上手くね?座布団500枚。天井突き抜けるな。なんて頭の中でアホなこと考えながら歩く。

 

「とにかく、あの実験のこと知ってるならいいわ。私の妹は分かる?」

 

「えーっと…うん。どっちのこと?打ち止め?ノーマル?」

 

「打ち止め?なにそれ」

 

今や俺のが詳しいんですね…。

 

「まぁいい。そいつがどうかした?」

 

「救急車に運ばれたって言うんだけど、病院には運ばれてないみたいなの」

 

「で、さっきのオッさん達をいじめてたのか」

 

「い、いじめてなんかないわよ!ちょっと問い詰めてただけよ!」

 

だからあのやり方がいじめに見えたんだってば…。

 

「ま、なんでもいいよ。困ってたら力になるぜ。白井が」

 

「言うと思ったわよ…っと、噂をすれば黒子じゃん」

 

そう言う御坂の視線の先には白井、佐天、初春。あーそっか。あいつ今、車椅子なんだっけ。

 

「黒子達なら頼み事出来るよね。迷惑が掛からない範囲で」

 

「それを決めるのは俺じゃねぇよ。だけど、あんま一般人を裏に巻き込むなよ」

 

「分かってるわよ。黒子!ちょっと頼みたいことが…!」

 

走りながら近付く御坂。だが、

 

「なんですの?人の名前を気安く呼ぼないでいただけますか?」

 

「え?」

 

え?マジ?

 

「白井さんのお知り合いですか?」

 

「いえ、うちの学校の御坂美琴という先輩ですわ」

 

「わー有名人じゃん…って、比企谷さんと一緒?」

 

お、俺のことは認識されてたぞ!……って、喜んでる場合じゃない。なんだこいつら、どういうことだ?そんな俺の来も知らずに佐天は近付いてくる。

 

「比企谷さん!こんな有名人と知り合いだったんですか?」

 

「え?あーうん」

 

「比企谷さんに私達以外の知り合いがいたなんて驚きですね〜」

 

「おい初春そういうこと言うな。うっかり自殺するぞ」

 

っと、突っ込んでる場合じゃない。

 

「御坂、ちょっといいか?」

 

「え……うん」

 

「じゃ、またね比企谷さん!」

 

「おー」

 

……で、少し離れた場所。

 

「えーっと、喧嘩でもしたのかな?」

 

「やられたわ…食蜂……」

 

「あー…開会宣言してた少年の目をしてたやつね」

 

「あいつの能力は心理掌握。人の記憶を改竄出来るのよ…」

 

「それで、か……うん。気持ちは分かるぞ」

 

「わかるはずないわ」

 

「常に一人だからな」

 

「思わぬ理解者ね……」

 

「とりあえず、俺は妹達の行方を追う。あんな実験があったのにさらに可哀想な目に合うのはちょっとアレだからな」

 

「ありがとう。私も…」

 

「お前は競技に出ろ」

 

「! な、なんでよ!あんたまで邪魔を……」

 

「そうじゃなくて、お前は今日は親来てるんじゃないのかよ」

 

「………!」

 

「だったらあんま親を心配させんな。大丈夫、お前の妹は俺が必ずとは言わないけど…うん、少し無理するくらいの努力で、見つけようとは思ってる」

 

「……頼りなさ過ぎよ!」

 

「いやだって必ずとか言うと後が怖いじゃん」

 

はぁ……と深くため息を付く御坂。

 

「まったくあんたは…まぁいいわ。頼んだわよ」

 

「ん」

 

さて、捜索開始するか。打ち止めに会えば一発で分かるし。

 

 

 

 


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