なんか空港っぽい所。そこで俺達は柵の向こう側にいるオリアナに突撃、最初に金網を掴んだ土御門が倒れた。
「土御門!?」
「どうやら、術式が組まれていたようだね」
俺はジャンプして、金網に触れないように飛び越えた。そのままオリアナに向かって走る。
「オルソラァッ!…じゃねぇや、オリアナァッ!」
「間違えないでちょうだい」
英単語張を千切ってなんか変な風を出すオリアナ。どうしようか迷ってると、後ろから炎がその風を掻き消す。
「ステイル!」
ステイルも炎の剣を作った。だが、オリアナが水を出して、ステイルは吹っ飛ばされる。
「なんか消火器みてぇだな」
なんてことをボヤきつつも、オリアナに殴りかかる。初撃はかわされ、すぐに回し蹴りの反撃が来るが、それをガードしつつ、軸足を払って腹にボディブローをぶち込む。さらにバク宙しながら顎を蹴り上げて、オリアナの身体を宙に浮かせると、腹に踵落としをぶち込んだ。
「ぐはっ!」
地面に叩き付けられるオリアナ、とどめを刺そうとしたらオリアナはまだ意識があったらしく、下からスマブラのアイスクライマーの最後の切り札みたいなのが出て来た。
「マジッかよ!」
直撃は避けたが脇腹に当たり、そのまま転がるように俺は落下する。そして、フラフラとオリアナが立ち上がった。
「ふぅん…あなた、中々やってくれるわね。近距離戦ならお姉さんに勝ち目はないみたい。だから、近付かないことにしたわ」
「くっそ……」
そこで、ステイルがイノケンティウスを召喚して突っ込んできた。が、転けた。
「なにしてんのお前」
で、容赦無くオリアナはステイルをなんか魔術でぶっ飛ばす。不思議なことにもっとやっちまえ!とか思ってる自分がいた。まぁ冗談はさておき、これはマズイ。さっきからなんもしないでダウンしたステイルに、魔術の使えない俺、向こうは俺に近づかない宣言しちまったし、もはや戦闘にすらならないかもしれない。
どうしようか考えていた俺に、紫色の光球が迫っていた。
「あなた、今油断してたでしょ?」
しまった……!直撃を決心した俺の前に、見たことのある体操服が立ちはだかった。その体操服は右手をかざして紫色の光球を掻き消した。
「悪い、遅れた」
「上条…お前、なんでここに!」
「組み体操の終わり次第で走ってきたに決まってんだろ!このまま放っておけるかよ!姫神がやられたんだぞ!」
やべぇ、こいつ超かっけぇ。なら俺もやるしかない。立ち上がって上条の横に並ぶ。
「やるぞ、時間も余りねぇ。オペレーション・ノックスティックで行くぞ」
「おう!」
あれ?通じた?オリアナの攻撃を上条は右手で掻き消しながら特攻した。その上条をどうにかするのに夢中になるオリアナ。行くぜ、ステルスヒッキー!そう、オペレーション・ノックスティックとは棒倒しの時の作戦のことである。
これがうまく行くんだから本当に俺の存在感が疑われる。俺の右手がオリアナの顔面に突き刺さる。だが、オリアナは堪えた。そこから魔術を発動しようとするが、それに上条が接近。そのままオリアナを殴り飛ばし、今度こそ気絶させた。
「……終わった、な」
「あぁ」
まぁそんな感じで俺と上条はなんとなく微笑み合ってしまった。
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その頃、リドヴィア。飛行機の中で術式を待っていた。
「ふふふ、オリアナが囮だということも知らないで…」
「知ってましたよー?だから小町がここにいるんです」
「!?」
声がして振り返ると、後ろには黒髪の女の子が立っていた。
「ひ、比企谷小町…!?ふ、ふん。兄の出来損ないのあなたになにができると…?」
「今はお兄ちゃんの方が出来損ないなんですけどね。まぁそんなことより、小町はさっさと帰りたいので自分の仕事だけ済ますことにします」
そう言って小町はニヤッと笑う。次の瞬間には飛行機は墜落した。