ラーメンにしよう。そう、ラーメンこそが最強の食べ物。世の中の食べ物など、すべてラーメンの引き立て役と言っても過言ではない。そうだ、ラーメン食べよう。となっても不思議ではない。まぁ俺がラーメンについて語り出すと来年になってしまうのでとにかく話を進めよう。
俺はラーメン屋へ向かった。が、その途中で最近聞いたばっかの声がした。
「こんにちは!ってミサカはミサカは今朝会ったばかりのあなたの懐にダイブしてみたり!」
「うおっ。お前は…」
「よォ。今朝はよくも逃げてくれてなァ」
うわあ…二度と会うことなんてないと思ってたのに…。
「いや違うんだよ。ほら俺って風紀委員じゃん?だから仕事に行かなきゃいけなかったというか…」
「テメェ、風紀委員なら迷子の世話くらいすンだろ」
あっ地雷踏みました。
「ま、まぁとにかく俺パトロール中だから。じゃあ…」
「待って!ミサカと一緒にご飯食べようよ!ってミサカはミサカは裾を引っ張って駄々っ子を演じて見たり!」
「や、パトロール中だって言わなかった?」
「そォだぜ。風紀委員さンならクソガキの言うことくらい聞いてやれるよなァ」
「オイ、お前はこいつを擦り付けたいだけだろ。それならいっそのことこのレールガン二世に聞いてみればいいんじゃねぇのか?」
「あ?テメェ、あの計画について知ってンのか…?」
「あの計画…?お前の夏休みの計画なんて知らねぇよ。え、これ御坂の妹じゃないの?」
「アァ、悪いなんでもねェ」
「あっそ。で、御坂二世。どっちと飯を食いたい。このウサギか俺か」
「ア?テメェ誰がウサギだ。死ンだ魚みたい目しやがって」
「そんなDHA豊富そうに見えるか?賢そうだなおい」
ヒクッとウサギの口角が釣り上がる。
「ん〜っとねぇ…」
すると、御坂二世が口を開く。犯人は、どっちだ!?
「どっちも!ってミサカはミサカはミサカを取り合う二人に天使の微笑みを見せて見たり!」
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どっかのファミレス。結局、俺とウサギは二人で飯を食うことになった。で、なに食うか決めて注文し、料理がくるまで雑談タイム。だが、なんかウサギと御坂二世はよく分からん話をしてて俺だけ理解が追い付かず、一人黙々と携帯をいじっていた。
「お待たせいたしました」
俺と御坂二世の所にステーキが運ばれる。だが、一行に御坂二世は食おうとしない。
「食わねェのか」
「みんなでいただきます!っていうのやってみたいの!」
ウサギに言われてそう答える御坂二世。なんだ?複雑なご家庭、なのかな?まぁそういうことなら俺も先に食うわけにはいかないか。
「ちょっと、トイレ行って来るわ」
さりげない気遣いが出来る俺かなりイケメン。俺が女子なら絶対惚れてる。
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戻って来ると、誰もいなかった。え、なにこれ俺いじめられてんの?まさか、自分達だけ食い終わったから俺に払わせようっての?死んじゃおっかな…。と、思ったらお会計の用紙はなくなっていた。とにかく、店員さんに聞いて見ないと分からんな…。
「すいません。ここにいた白髪と毛布はどこへ行きました?」
「白髪のお客様ならお金を払って行きましたよ。毛布のお客様なら、あそこにいますけど…」
店員さんの指差す先には、変なオッさんに抱き抱えられてる。
「誘拐か…!」
速攻で店を出ようとした俺の肩を店員さんが掴む。
「あの、お会計…」
あの野郎…俺の分は払ってねぇのかよ…。で、金だけ払って外に出て、そのオッさんの前に立ち塞がる。
「風紀委員だ。その子をどうするつもりだ?」
「なにっ!?…あ、あぁ。私の子なんだよ」
「嘘付け、そいつの保護者は別人だろ。そいつとさっきまで飯食ってたし」
「………っ!ちっ!」
そのおっさんは車に乗り込む。させるかっての。俺は車の屋根に乗っかり、窓から侵入してやろうと思ったが、車が発進してしまった。
「うおっ!こっわ!」
くっそ!明らかに俺のこと振り下ろそうとしてやがる。なら、コナンで習った必殺技をお見舞いしてやる。
屋根の上で倒立してやると、俺はその勢いで窓をぶち割った。
「なにっ!?」
そして、御坂二世をなんとかしようとしたが、なんだかよく分からんコードが繋がれていて、なんもできない。すると、おっさんが俺に拳銃を向けてきた。
「こんのぉっ!」
「ちょっ!前!前!ハンドルから手を離すなっつーの!」
そう、前にはウサギが仁王立ちしていた。
「あ、一方通行!」
「「いやぁぁぁぁぁぁっっ‼︎‼︎‼︎」」
俺とおっさんのデュエットが車内に響く。そのまま車はウサギをひき殺すかと思ったら車の方がぶっ壊れた。へ?どうなってんの?と、言ってる場合じゃねぇ。俺はオッさんをぶん殴って気絶させる。
「オイ、テメェも天井亜雄の部下か?」
「は?甘い青?なにいってんの?お前、てかなんでお前無傷で…」
「チッ、ならいい」
「それよりなんか御坂二世がなんかコード繋がれてんだけど。こいつ人造人間だったの?18号?それともサイコショッカー?」
「ハッ、ある意味間違いではねェかもな」
そのままウサギはなんか話す。どうやらどっかの人と通話中みたいだ。そして、通話を切ると、御坂二世に繋がれてるなんかよく分からん機械に触れた。
「おい、なにする気だ?」
「このクソガキ助けるに決まってンだろォが」
で、なんかよく分からんことをするウサギ。俺はといえばなにをすればいいのか分からずただ見つめていた。
「あの、一応救急車とか…」
「話し掛けンな」
「アッスイマセン」
なんで偉そうなんだよこいつ…。とりあえず、その場で待機すると、さっきのおっさんがプルプルと動きながら、拳銃を構えていた。
「ナッ……!」
「死ねェッ!」
くっそ!なんかよく分からんがあぶねぇ!ウサギを庇って俺の肩から血が出る。
「ぐっ…!」
「オマエ……ッ!」
その瞬間、ピーっとなんか鳴った。どうやら、終わったみたいだな。
「テメェ!しっかりしやがれェッ!」
その後にまた銃声。だが、ウサギはそれをどうやったか知らんが跳ね返す。そのままおっさんはぶっ倒れた。あーくっそ…神裂になんか渡す予定だったのによ…。意識が、飛ぶ……。
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目が覚めると、病院。時計は12時を指していて、明らかに一日経ったと思われる。あ〜あ…結局、神裂になんも言えずにいっちまったか…それに白井との約束もバックれちまったし…てか学校今日からじゃん…。なんか前途多難なスタートだな…。と、思ったら横でウサギと御坂二世が座っていた。
「目ェ覚めたか風紀委員さン」
「おはよ!ってミサカはミサカはお目覚めのあなたに陽気に挨拶してみたり!」
「……うぃっす」
で、なんで君達ここにいるの?特にウサギ、お前はお見舞いとかする奴に見えねぇぞ。
「今回の件、テメェはなンも知らずに首突っ込ンでたんだろ?一応世話になったからテメェがなにを助けたかだけ教えといてやる」
ウサギはそういうと、妹達計画やら自分のやったこと、そして俺がしたことを丁寧に教えてくれた。
「…てわけだ」
「お前……」
「軽蔑したか?」
「学園都市第一位だったの?こんなモヤシが?」
「オマエ、殺されてェのか」
「で、でもこの人はこの人でちゃんと理由があってあんなことを…そ、それに今は改心もしてるんだよってミサカはミサカはこの人を…」
「え?あ、うん。大丈夫だから。別に嫌いになったとか軽蔑したとかないから。元々人間とか嫌いだし」
「理由が悲しいようってミサカはミサカはあからさまにゲンナリしてみたり…」
「オマエはなんとも思わねェのか。自分のためだけにクローンとはいえ大量の人間をブッ殺した俺を」
「いやなんとも思わないわけじゃないけどな…なんつーのかな、きちんと改心出来たんならそれでいんじゃね?っつーか…ぶっちゃけ過去のこと話されてもどうでもいいっつーか…」
「ハ?」
「まぁあれだ。気にするな、うん」
「アァ、そォ…」
ウサギ…じゃねぇや、一方通行は少し拍子抜けな顔をすると、俺の横にブラックコーヒーを置いて、立ち上がった。
「じゃあな。行くぞクソガキ」
「またね!ミサカの恩人さん!」
「お、おう…」
てかブラック飲まねぇって言わなかったっけ…。
「アァ、それと…」
まだなんか用があるのか…。
「あのなンとかっつークッソ甘いコーヒー、もう二度と飲まねェからな」
「………」
「じゃあな」
そのまま二人は出て行った。飲んだのかお前…まぁ理解出来ない奴に無理矢理飲まそうとは思わん。俺はそんなことを思いながらブラックコーヒーを啜った。
「苦ぇ…」