そして話もあまり進まなくてすまない。
これもソシャゲのFGOが面白いからなんだすまない。
ちょっとスランプ気味です。
それでもチマチマ書いていきますのでどうかよろしくお願いします。
邪神を押しつぶし、身ぐるみを剥いだ女性三名は素っ裸にひん剥いた状態で空中に固定した後、彼から目を離すことなく現状確認を行うことにした。
自分達の持つ猫やウサギ。盾を模したデバイス達。そして自分達の知るはやての幼少期によく似た少女と一緒にいた桃色の髪をした女性からどうやら自分達は自分達が生まれてくる前の世界。過去の世界に来たということが判明した。
なるほど、それなら小さい姿の邪神やはやての姿も理解できる。
「おーい、理解出来るならこの拘束を解いてくれ。もしくは服を着させてくれ。真冬に全裸はきつい」
外気温0度。しかも海岸付近と言う事もあって体感温度はもっと低い。そんな状況で全裸空中バインドはきつい。
「駄目です。小さいとはいえ邪神は邪神。自由にさせたら何をするか分かりませんし、物を与えても何をしでかすか分かりません。ナニが小さいとはいえ」
「ナニを見ていっているンデスカね銀色姉さん?!」
「お母さん達が邪神にはナニもさせないのが一番だと言っていました。ナニが有ろうと小さかろうと」
「だからナニを見ていってるんですかねタイツ姉さん?!」
「まったくいつもそんなのだからフェイトお母さん達に迷惑をかけてるんですよナニお父さん」
「もうっ、お前等ナニ見て言っているだろう!」
小さいのは寒い空の下に出されたから縮んだだけだいっ。
そんな女性達と邪神の会話にキリエのテンションはどん底だった。
「…まじで、マジで私が探していたものってこんなのなの。ああ、こんな事ならお姉ちゃんの言うことを聞いておけばよかったなー」
「我等とあれを一緒にするでない。いや、まあ、今はあれだがやる時はやる、はずだ」
そんなキリエを慰める王ちゃま。全裸で宙ぶらりんのぶらぶらりんだが彼の持っている能力は本物である。使い方を正せば世界をひっくり返せるだけの力はあるのだ。
「ぶえっくしょいっ。いや、マジで服着させて、風邪引いちまうよ。拘束を解いて服を返してくれ」
「駄目ですよ、そんな事したら逃げるでしょ」
「そりゃ逃げるよ!」
誰だって複数の異性に押しつぶされて全裸にひん剥かれて拘束されたら逃げたくもなる。絶対に公安のお世話になること間違いなし。犯罪臭ぷんぷんである。
「せめて服をっ。服を着させてくれっ。このままじゃ風邪をひく!」
「仕方ないですね。じゃあ上着だけ…」
なすびちゃんが一枚だけ衣類を着させる。
空中にバインドされた裸ワイシャツの少年の出来上がりである。
犯罪臭上乗せ。
「・・・これはお姉さんたちの趣味?」
「「「違います。一般常識です」」」
「そんな常識嫌だ」
「お主等、もう何もするでない。桃色が立ち直れなくなる」
キリエのテンションもどんどん落ちていく。終値が見えない。
王ちゃまは一応恩人でもある邪神の扱いをどうにかしようと思いいきなりやって来た女性に声をかける。
本来なら女性達が現れた瞬間に迎撃をして砲撃魔法をぶっ放すのだが、襲われたのが邪神であり、襲った側も邪神の事をお父さんと言っているので吹き飛ばすわけにはいかなかった。
自分達の事を探っていたキリエに聞きたいことがあったが目の前の光景にどんどん落ち込む彼女に何かを聞くことが出来なかった。
「ていうか俺が何かしでかすって決めつけんなよっ、俺だって好きで馬鹿騒ぎしているわけじゃないんだよ」
「「「「それは違うよっ!」」」」
王ちゃまとなすびちゃん達の背景に『論破!!』と言う文字が出てきそうな勢いで邪神の言葉が遮られた。
「いつだって馬鹿騒ぎしているイメージだもんっ」
「というか騒ぎの中心にいますよねっ」
「というか元凶じゃないですかっ!」
「本当だってのっ!それに俺、どちらかと言えば・・・ツッコミだから」
「「「それは違うぞっ!!」」」
先程よりも強い語気を感じさせながら言葉を重ねるなすびちゃん達。未来の邪神の事を知っているからこその反論だ。
「どちらかと言えばボケでしょっ」
「S(ツッコミ)というかM(ボケ)でしょっ」
「邪神を知っている人達から反論受けまくりですよっ」
「違わねえよっ、俺だって何もしないで馬鹿騒ぎ出来たらいいさ。でも俺がそうしないと途端にシリアスになっちまうから仕方なくやってんだよ!培養型ボケを舐めんな!フェイトみたいな天然じゃないんだよ!」
そういえば。と、王ちゃまは自分が持っている情報をまとめてみる。
邪神が馬鹿騒ぎする前にはよく重大な事件や内情がはらんでいるような気がする。
それに彼自身から動かないと必ずシリアスになるような場面が幾つもあった。もし彼のようにシリアスな場面を崩すことが出来るなら彼は便乗するか静観を決め込んでいたかもしれない。
普段の彼。『冷静効果』を持つ金の懐中時計を持っている状態ならこんな事は言わなかっただろう。彼は恩に着させるような真似はあまり好きではないのだ。だがそれを取られた以上自分の赴くまま喋っている。ある意味正直な邪神だと言える。
そしてそんな邪神にのっぴきならない状況が押し寄せていた。
「トイレに行かせてください」
「…またなのね」
「仕方ないじゃんっ。この寒空の下、全裸で空中バインドされたらお腹も崩しそうなのっ!」
「…もしかして大?」
「いや、この感触。水だ」
「なおヤバいな」
「だからお願いっ。トイレに行かせて!」
「もう、仕方ないですね」
タイツの姉さんが邪神の四肢の拘束に使っていたバインドを首だけの物にしてそこから伸びる鎖のような物が彼女の手に納まる。チェーンバインドと呼ばれる物に作り替えられる。
見た目は光る首と鎖に繋がれた邪神(9歳)裸ワイシャツの出来上がりである。
犯罪臭さらにドンッ。
「これは何のプレイだ!」
「邪神なんだから我慢して」
「わがまま言っちゃ駄目ですよ」
「普段の行いの所為ですから」
「もうやぁだぁあああああっ!こんなじゃしんいやああああああっ!おねえちゃあああああんっ!」
「ああ、桃色泣くでないっ。ほら、きっといい事あるから」
邪神達のやりとりにキリエは幼児退行を起こして癇癪を上げて王ちゃまはそれをなだめる。そんな彼女達のやりとりを少し離れた所から生気があまり感じられない表情で見ている紫のバリアジャケットを羽織った女性と白衣の女性の姿があった。
「…あれが、この世界の特異点。リニス。あの騒いでいる子を連れてきなさい」
「トイレに行かせた後でいいですか?」
「・・・そうしなさい」
邪神が関わるとどうしてもシリアスになれないといのは本当らしい。
うちのカルデアに沖田ちゃんが来てくれました、やったー。