ハイなテンションで投稿!
公園でおっさんに襲われかけたはやて(白)を保護した後、速やかに自宅へと帰る。ぐすぐすと鼻を鳴らしながらもぷるぷると振るえた手でしっかりと握り返してくるはやてに胸がキュンキュンしてきます。こ、これが萌えと言うやつか、ギャップ萌えと言う奴かっ。はやてのくせに生意気だ。くっ、涙目になりながらもこちらを睨んでいる表情、アリですっ。公園で落としていた魔法の杖を引きずっているとか、保護欲を刺激してくる。
「べ、べつに泣いてなどいにゃい」
くはっ、また噛みやがった。「可愛いです。ありがとうございますっ。これからもたまには苛めてもいいですかっ」
「い、いじめるのか。わ、我を苛めるのかっ」
「いじめるに決まってんだろ馬鹿っ」
「そうかっ。それはよか、ってよくない」
「違うっ、これは本音だっ」
「よくないっ。よくないぞっ」
「・・・冗談だ」
「少しの間があったぞっ」
もう、この女の子可愛い。ぎゅってしたい。なに、している?おっとこれは失礼。ああ、ロリコンになりそう。うっかり本音と本能が出て、目の前の少女を抱きしめて彼女の頭と背中を優しくさする。
何とか落ち着かせて手を引いて自宅の扉をくぐる。もう外は暗いし、はやてと守護騎士達にはうちに泊まってもらおう。とりあえず風呂に入ってすっきりしてもらおう。寒いし、さくっと風呂に入って身体的にだけどすっきりしてもらおう。体を綺麗にしてあっためて、嫌な事も水に流して忘れてもらえればなお良し。
「ただいま~」
「おかえり~、って、どこか行っていたの?」
「公園に行っていたんだけど、はやても来ているから。すぐに風呂に入るから」
「わ、我は」
「一緒に入ってきなさい~」
「それもそうだな。では、浴槽へレッツGO」
「ま、待て。我は」
「裸のお付き合い(NOTエロス)をしようじゃないか」
ロリには目覚めかけたがペドではないよ。本当だよ?って、誰に言い訳してんでしょうかね?まあ、はやてもいつの間にか立って歩けているようだから魔法か何かで歩けているんだろうし、こうやってふざけ合っている間に元気になってきたようだ。
念のため湯船のお湯の量を確認しよう。間違ってもお風呂で溺れたら大変だし。風呂場へ繋がるドアを開けようとした瞬間に扉が開いた。
オープン、セサミ。ごまってセサミっていうんだぜ。英語のスペルは書けんがなっ。って、んな訳かい。そんな加工はまだ施していない。という事は父か?父が先に入っていて扉が開いたのか。ということは俺とはやて(白)の前には全裸の・・・。
「「「・・・」」」
俺がいた。まるで鏡に映ったような俺がいた。ただし、全裸?
いや、いつの間に俺は服を脱いだんだ?いや、これは鏡じゃないんだ。それを確認するためにも腕をビシッと伸ばし、足を曲げる。すると、目の前の俺(全裸)同じようなポーズをとると真横に顔を向ける。当然俺もそれにならう。
「「ふゅ~」」
ちょこちょこと横歩きにも似たような動きでお互いに近付く。と、同時に腕を上から横に動かしていく。
「「じょんっ」」
お互いの手が触れるか触れないかの位置まで移動すると同時に再び反対側の方向に拳を作りながら腕を伸ばす。
「「はっ」」
ビシッと突き出すように伸ばした指を全裸の俺に向けると指と指が触れるのを感じた。まさに鏡に映したかのようなシンクロ率100%。
「「これは間違いなく・・・。俺だ!」」
「いや、どちらかが偽物だと考えるのが普通であろうっ」
はやて(白)がいやいやと手を振って俺の意見を否定する。そうとなると、
「信じてくれ、はやてっ。俺が」
「俺が」
「「偽物だ!」」
「どっちも本物を否定している、・・・だと?」
いや~、さすがは俺。息もぴったりだ。全裸と言う準備不万端というのにこっちのフリに気づいてくれるなんて。
「其処まで言うならはやて偽物だと思う方を」
「その鋭い杖の先で突き刺せばいいよ」
プスッ。プスッ。
はやて(白)の攻撃。
裕Aに2ダメージ。
裕Bに6ダメージ。
「躊躇いなく刺したねっ?!」
「そこに痺れるっ、憧れるぅ!」
「どうでもいいから服を早く着ろ!」
憤るはやて(白)をよそにもそもそとパンツをつける裕B。そのパンツは一枚の葉っぱのマークが描かれたお気に入りのパンツだった。後ろから見ると何も吐いていないふんどしのようにも見えるやつだ。YATTAAAA!大丈夫、履いていますよ。どうやら準備していたのはパンツのみで服は準備していない様子。部屋に取りに行くことになった。んっ?なんでこんなふうにふざけていられるかって?だって、近くに魔法少女とかスーパーロボット(♂)とか存在するんだぜ。おまけに自分自身が邪神ときたもんだ。自分のそっくりさんの一人や二人が出た所で動揺する俺じゃ・・・。
「「「・・・あ、おかえり」」」
裕C(ベッドの上漫画を見ている赤い服を着た俺)が現れた。
裕D(勉強机で月刊モテ男を見ている青い服を着た俺)が現れた。
裕E(部屋の真ん中で筋トレしている黄色いジャージを着た)が現れた。
五人の俺の視線が交差した時、きゅぴんと光った気がした。
「俺は赤レンジャイ!」
「俺は黄レンジャイ!」
「俺は青レンジャイ!」
「俺は桃レンジャイ!」(入浴後の為肌が桃色になっている)
「俺は黒レンジャイ!」
「「「「「五人揃って!」」」」」
「それ以上はいけない」
はやて(白)の攻撃。
プスッ。プスッ。プスッ。プスッ。ゴスっ!
裕Cに3ダメージ。裕Dに1ダメージ。裕Eに2ダメージ。裕Bに2ダメージ。裕Aに2ダメージ。
WCCで加工している装備が無ければ死んでいた。※赤い彗星バージョン
のたうちまわっている俺達。もう一人称なのか何なのか分からないが五人の俺がのたうちまわっているとはやて(白)は何かに気が付いたように呆れが顔になって杖の先をこちらに向けてくると杖から何やら機械的な声で『蒐集』と聞こえた。キィエァアアアアアッ、シャベッタ、ツエガシャベッタァアアアッ。って、魔法少女もロボットも邪神も(以下略)。
そしてはやて(白)が持っていた杖から発せられた光を浴びると裕BからEは杖の中に吸い込まれてしまった。あれって、西遊記に出てくる瓢箪か?
「なにかと思えば『闇の書の欠片』か。とはいえ、四人分とはいえ中身がこうでは、あまり足しにならんか」
「俺になんてことをするんだっ。くそうっ、俺の仇だっ」
「落ち着け。自分で何を言っているか理解できているのか?」
「出来てないっ」
「ぬけぬけと言いきりおっただとっ。・・・まあ、よい、いいかアレはだな」
はやて(白)曰く、
あれは『闇の書』が中途半端に分解された所為で発生した魔力で出来た分身のような物であり、自分自身はその魔力を回収して完全復活をとげようとしている。
という廚二設定ですね。わかります。
そして、廚二ごっこらしく俺(邪神)を捕まえて遊ぼうとしたらおっさんに襲われたと。その王様のような喋り方もしているんですね。だというのであれば俺がすべき行動はただ一つ。
「これは失礼いたしました。紫天の王よ。これまでの無礼を許していただきとう存じます」
その設定についていきましょう。何処までも。そして数年後これをネタにいじくりまわしてやる。
片膝をついてどこかの騎士の様に彼女に謝るとはやて(白)は少し驚いた様子を見せたがすぐに胸を張る。
「お、おう。まあ、事情を知らなかったお主にも情状酌量というものがあるだろうし、仮にも我を助けたという功績もある。許してやろうぞ」
「王の懐の深さに感謝いたします」
「うむ。これからも忠義に尽くせ」
ふふん。と鼻息を立てるはやて(白)。とてもかわゆいではないか。ふふふ、数年後が楽しみだぜ・・・。せいぜいこの事を反省して悶えるといい。闇の王から紫天の王とネーミングを変えても廚二は消えないぞ。邪神の考えが見えていないのかはやて(白)は落ち込んでいた雰囲気など元からなかったと言わんばかりだったが、くちゅんと可愛らしいくしゃみをした。
「王よ、今は師走。これからもっと冷えてくるでしょう。私の力を使い極上の物を用意いたしますのでどうか湯浴みなどをなされてはいかがでしょうか」
「む、むむ。それもそうだな。うむ。準備いたせ」
「はっ。すぐに」
くっくっくっ。俺の思惑も読めていないようだな紫天の王よ。まあ、冗談半分心配半分なのは確かだ。はやては未だに病弱のイメージが抜け切れていないし、レイプされかけたのも確かだ。このテンションのまま過ごしてもらって、トラウマになる様ならこの日の事は全部忘れよう。廚二と共に!そう考えながら部屋を出ようとしたら不意に背中越しに服を掴まれたのを感じた。振り返ってみるとそこには再び涙目になったはやて(白)が強がりながらこう言った。
「わ、我も一緒に湯を見てやる。ありがたく思えっ」
もうっ、どこまで俺をキュンキュンさせるんですかこの子!
WCCでリラックス効果(微弱)に加えて滅多に使わない入浴剤も入れて更に効果を上げて王様と一緒にお風呂に入ったよ。描写はしないよ。ただ一人でいるのが嫌で強がっている王様マジ可愛いとだけ言っておこう。王様とおそろいのパジャマを着て夕食を準備した母が不思議そうな顔で声をかけてきた。
「裕ちゃん、今日はなのはちゃん、アリシアちゃん、アリサちゃん、すずかちゃんそれぞれの家に泊まるんじゃなかったの?」
「お母様、何かがおかしいと思わんのか?」
もしかして裕G・H・I・Jもいるのだろうか?王様の顔を見ると何やら疲れた表情で首を縦に振るのであった。
邪神から王様への好感度がぐんぐん上がっています。
ドジな子ほど邪神に好まれるという典型的なパターンです。