お菓子の材料と翠屋レシピ帳でオーバーレイユニットを構築!
現れ出でよシュークリーム!
更にそのシュークリームにシェフ・ミユキ・タカマチをチューニング!
シークザメイト!
大豆から作られた日本伝統の調味料でレギオン!
遊び心の支援によって攻撃力+8000!
邪神の消化器官にダイレクトアタック!
邪神「と、いう夢を見たのさ」
「…攻撃力30000。…トリガーチェック。…クリティカル。…ツイントリガーチェック。…ク、クリティカル」
「裕君、しっかり!裕くーん!」
「…う、な、なのはちゃん?…なんでなのはちゃんが俺の前にいるの?」
…あれ、目の前になのはちゃんがいる?そして、いつの間に俺は道着に着替えたの?
俺はフェイトちゃんにジュエルシードを…。…う、お腹が。
フェイトと話し合いをした後、原因不明の気絶によりその前後の記憶が無い。
気が付けば高町道場で高町家族がそろって、俺を介抱していた。
「む~、むむ~」
訂正。美由希さんだけが正座で縛られた上に石をのせられた状態でこっちを見ていた。
え、公開プレイ?俺、そこまでHENTAI値上げてないから分からない。こっち見るな。
「まったく、あんな物を店頭に並べていたら営業停止物だぞ」
「裕君も一口食べただけで意識不明の状態に陥ったんだ。これが他人だったら損害賠償もあったかもしれないんだぞ」
どうやら美由希さんが作った何かを口にした俺は意識を無くしたらしい。
それでお仕置きという訳か?
「ごめんなさいね、裕君。うちの娘が」
「美由希さんが俺の食べた物と同じ物を食べたら許してあげます」
「お願い、裕君。お姉ちゃんを殺さないで。お姉ちゃんが吐いた物の中で死ぬのなんて見たくない」
なのはちゃんが今にも泣きだしそうな表情で懇願してくる。
そんなものを口にしたのか俺は・・・。
というか、俺はゲーゲー吐きながら死に掛けたと。だから道着に着替えさせられたという訳ですか。
意地でも食わせたくなった。
「むむっ?!」
俺の不穏な笑みを見て美由希さんがたじろぐ。
ふはは。実は隠れ巨乳な美由希さんの口に無理矢理あの白いクリームを入れると考えただけで笑いが止まらないな。
「ふへへへ~、美由希さ~ん。覚悟は出来てますか」
うっぷ。まだ、胃にダメージがあるのか、口から胃液が出そうになったところを道着の袖でふき取る。
「裕君、事情を知らない人が見たら通報される状況だよ」
「お願いだから酷い事しないでね」
高町夫妻から止められるが、邪神の俺は妥協しない。
「美由希さんにはこれから一週間。自費で高カロリーの生クリーム1キログラム一気飲みで手を打ちましょう」
「むむっ?!」
いくらケーキ屋を営んでいるご両親の娘とはいえ、それだけの量を摂取すれば…。
嫌がる美少女(美由希さん)に無理矢理、白いものを…。…ゴクリンコ。
「そんなことをしたらお姉ちゃんが太っちゃうんじゃ」
「それが狙いだからね。…大きく、太く、まあるく、育ててね」
俺は美由希さんの細いウエストを見て、優しく微笑む。
美由希さんはガクリと項垂れているが、知らんな。
目には目を。歯には歯を。食べ物には食べ物を。
食べ物で遊ぶのは、ダメ、ゼッタイ。
ちゃんと食べるからには摂取してもらう。
「…まあ、本題はここから。なのは。お前、俺達に何か隠してないか?」
「な、なんのことかな?」
恭也さんは咳払いを一つした後になのはちゃんをじーっと見つめる。
なのはちゃんは目に見えて慌てていた。
フェイトとの話し合いで彼女が魔法少女になったことは俺と恭也さんは知っている。
だが、恭也さんはなのはちゃん自身から喋らせたいのか矢継ぎ早に質問を重ねる。
「人目に隠れて危ない事はしてないか?」
「し、してないの」
「ユーノと一緒にどこかに行ってないか?」
「し、してないよ」
「宝探しとかしてないか?」
「してない、よ」
「恭也さん。ここはずばっと言っちまいやしょうぜ。この子頑固だからこうも警戒していたら喋るものも喋らないと思うし…。なのはちゃん。あと、高町さん。ちょっと家に帰りますけどすぐ戻ってきますから待っててもらえます?」
俺は、WCCでシフトムーブを行う。
シフトムーブで発生した光に驚いている高町一家の顔が見えたが、次の瞬間には自宅の庭に切り替わる。
そのまま家に入って、自分の部屋に置いていたジュエルシードを一個持って、再びシフトムーブを行う。
その間、一分弱だったが戻ってきた俺の姿を見て再び驚く高町一家。特になのはちゃん驚きすぎてスッころんでいた。
「これ、なーんだ?」
「ジュエルシード?!なんで裕君が!あっ」
なのはちゃんは俺の手の中で光るジュエルシードを見て驚きの声を上げる。が、同時に自分が秘密にしていた事の一端を喋ったことに気が付く。
「忍の家で見たとはいえ、何度見ても驚くな。まさか、瞬間移動もできるのか。というか、何かするんだったら事前に言ってくれ」
アイテムグループ化とか、地面の入れ替えだとか説明するのは省く。
「すいません。でも実際俺も不思議な力を持っていると言えば、なのはちゃんも話しやすいんじゃないですか?たとえば、魔法とか、ね」
その言葉に観念したのか、なのはちゃんはポツリポツリと話していく。
ユーノを引き取る前夜に家を飛び出してユーノと一緒にジュエルシードの変異体を封印したことから始まり、あちこちで起こった異変に人知れず一人と一匹で解決してきたそうだ。
おずおずと出てきたフェレット。ユーノが人の言葉を喋った時は高町家と一緒に俺も驚いた。
なんでもユーノは考古学者の一族でジュエルシードを発掘したまではいいが、手に余る代物だったので時空管理局にそれを搬送したがふとした事故により、この世界。海鳴の街にジュエルシードをばら撒く事態になったと伝える。
そんな事情を察して、魔法の力に目覚めたなのはちゃんがジュエルシードの回収を買って出た。
当然ご両親は激怒。とは言っても怒鳴る方ではなく、言い聞かせるようになのはちゃんを叱る。桃子さんにいたっては危険な事をしている娘にもしもの事があったらと涙目で叱るからなのはちゃんも泣いてしまった。
そして俺も…。…子どもは涙腺が弱いね。
「そこにフェイトが乱入してきた。と、」
「…フェイト。て、もしかしてあの女の子の事?というか、何で裕君がジュエルシードを持っているの!?それにさっきの光は何?!なんで私が知らない所であの子と知り合いになっているの!」
「家に落ちてきた。邪神の力。運命。それはデスティニーだったんだよ」
「訳が分からないよ?!…というか、裕君も魔導師なの?」
「いや、魔法は使えないよ。俺が使うのは神技っていう。邪神技。物体に干渉する魔法?とでも言えばいいのかな?」
魔法と神技。この差は一体なんだろうね?
俺の場合は干渉する物が無いと何もできない。対して彼女達の場合、道具も何もなくても訓練次第で攻撃性のある光りの弾。光の鎖で相手を捕縛することが出来る分なのはちゃん達の方に万能性がある。
「魔法じゃないの?」
「たぶんね。だって俺魔力を感じることなんて出来ないし、ユーノの念話?だっけ。それ聞こえないもん」
「…うん。僕も彼からは魔力を感じないよ。でも、魔力とは違う波動?見たいのは感じ取れるよ。なんだか、何と言えばいいかな。なんとなく警戒していないといけない気分になるような気配が?」
もしかして神技の波動だろうか?それが原因で犬猫に嫌われているのかな。
しかし、これからどうしたいいものか。
俺はフェイトと協力関係にある以上なのはちゃん達の敵になるわけだし…。
「なあ、ユーノ。これって、本当にお前が落としたジュエルシードか?似てる何かじゃなくて…」
「いえ、これは僕達が発掘したジュエルシードです。ちゃんと刻印もされてますし…」
「ゆ、裕君。とりあえずこれはユーノ君に渡してくれないかな?」
「う~ん。それなんだが、俺はやっぱりフェイトが持っていた方がいいんじゃないかと思うんだ」
「どうして!?」
「なんかフェイトの方が鬼気迫っている感じがするんだよ」
ユーノには悪いが心情的にはフェイトの味方をしたい。
そりゃ、ユーノが回収したいという理由も原因もわかるが、なんというかそれも含めてフェイトの味方。というか、フェイトを信じたいのか?
「それに俺はフェイトの協力者だしね」
まさにタッチの差だともいえるか。
でも、ジュエルシードはユーノの物だし…。
「でもジュエルシードが危険な物であることは変わらないんです!しかるべき場所に保管しないと!」
「うん、それは俺も何度も体験している。猫や猪が巨大化して襲い掛かられた。だからこそ、ユーノ。お前はこれをそのしかるべき場所まですぐに持って行けるか?最悪、この町に被害が出ない所に持って行けるか?」
「…それは」
頭を下げてしょぼくれているユーノを見て俺は慌てて言い直す。
「別に責めているわけじゃないんだぞ?俺はこの町に被害が出ないようになればそれでいいんだ。お前だって最初は自分一人でどうにかしようと頑張っていたんだろう」
「…はい。それでも僕に力が足りなくて、なのはを危険な目に会わせたのも僕が原因だし」
今までの事を振り返ってみる。
ユーノは負傷しているから直接的な戦闘は出来ない。だからなのはちゃんが代わりにジュエルシードを対応している。
「…なあ、ユーノ。お前、怪我で戦えなくなったんだよな?」
「…はい。後は魔力が回復しきれれば、なのはがジュエルシードで危険な目に会うのは無くなると思います」
「駄目だよっ。ユーノ君。私にだって出来るんだから一緒に「なのは」、お母さん?」
なのはちゃんがユーノの言葉を遮り、それを止めようとしたが、それを母親である桃子さんが止めに入った。
「お母さんはなのはが危険な目に会うのは嫌よ。なのはがユーノ君を心配するように私もあなたの事が心配なのよ」
「…で、でも。私も」
「なのは。父さんも母さんに賛成だ。なのはが危険な目に会うなんて考えたくもないよ」
「それでも私は…」
なんだか親子で話し合っているところで申し訳ないとは思うんだが…。
俺いらなくね?この場に居なくてもよくなくね?
まあ、出来るだけのサポートをしてからこの場を去るとしようかな。
「…ユーノ。…ユーノ」
「はい。なんですか急に小さい声で?」
「インなんとかっていう魔法の杖?道具を持ってきてくれないか?」
「インテリジェント・デバイスです。たしかなのはの部屋においてあると思いますけど、どうするんですか?」
「フェイトの話だとそっちの方も壊れているんだろ?だから俺が直そうかと思ってな」
「…え?裕さん、デバイスマイスターなんですか?!」
俺達がデバイスだ!わけわからん。
後で聞くがデバイスという魔法の道具を作ったり、直したり、改修する技師の事を指すらしい。
まあ、俺の場合WCCという反則技で直すんですが…。真剣にデバイスマイスターに勤しんでいる人達に何だか申し訳なく感じる。
それはさておき、なのはちゃんがご家族(姉放置)と話している間にユーノが持ってきたひびの入った赤い宝石を手に取る。
とりあえず、元のデータを見て壊れているところを修復。一応、元のデータを見ながらフェイトのバルディッシュに施したように治癒効果をつけておく。
他にも防御力とか俊敏力を付加すべきか悩む。
だって、今の状態でも大砲の弾の直撃を喰らっても無事でいられるほどの防御力。これをさらに強化したとなると、まさに白い悪魔と称されたガンダムクラスの装甲を持つ防護服になってしまう。いや、空も高速で飛べるからユニコーンガンダムか。デストロイモードが無い事を祈る。
そんな機能があったらフェイトが涙目になるのは免れない。
…ちょっと、その光景も見てみたい。ほんのちょっとだよ?
てか、治癒効果だけでもかなり嫌な光景が目に浮かぶ。
なのはちゃんの使うインテリジェント・デバイス。レイジングハートのデータを見る限り、バルディッシュ並みに高性能だ。
二人共も戦闘機並の機動力と攻撃力を持っている。
雨あられのように降り注ぐ魔力弾という爆弾。その攻撃を受けてもダメージが回復していく少女が二人。対処のしようがなく逃げ惑う人々。
海鳴は災厄に包まれた。
リアルで災厄の邪神になりかねん。
しかも両方に治癒効果なんかつけたら戦闘は長引き、被害は拡大する。
サポートするとは言ってしまったが、これって墓穴に入っているのではないだろうか?
「…裕さん、どうしました?」
「…ん、ああ。大丈夫だよ。大丈夫」
大丈夫。二人が争いにならないように説得をすれば…。最悪、俺が二人を止め…、られないよな。きっと。
…現時点で圧倒的に戦力の開きがある。
フェイト(魔導師モード)≧なのはちゃん(魔導師モード)>俺(WCCフル装備+全力警戒)≧『夜の一族』。
月村家が可愛く見える。
空戦スキルが有ると無いの差が嫌でも分かる。
なのはちゃんとフェイトには不意打ちをしない限り勝てそうにもない。
と、とにかく。これ以上事態が悪化しないようにしなければ…。
「そうだ。裕君。君のWCCという力でなのはを守ってくれないか?」
はいっ。アウトー!
恭也さん。なんというデッドボールを投げてくれはるんや…。
てか、なのはちゃんを止めるんじゃなかったの?
はぁ、なのはちゃんの意志は汲み取ったですか…。
俺の意志は…?いや、協力はするけどね?レイジングハートさんのデータを見る限りなのはちゃんをこれ以上強化した場合、誰も止めることは出来なくなりますけど、よろしいのでしょうか?
「別にいいですけど、その前にこちらの映像をご覧ください」
レイジングハートと高町家のテレビをお借りして、フェイトとなのはちゃんが戦い、出る被害予想を皆に見てもらったところ、なのはちゃん本人を除き全員が引いていた。
抑止力っていうのは大事なんだよ。と、高町家が総出でなのはちゃんを説得することになる。
あと、自分の力。WCCの事は秘匿にしてもらうようにお願いしておいた。
…美由希さん?たっぷりと皆がなのはちゃんを説得している隣で生クリームを飲ませました。
嫌がっているところを無理矢理飲まされている姿はエロかったです。
下種な考えがばれたのか、なのはちゃんに怒られました。
邪神だから邪な考えをしてもいいじゃない。