鎮守府に変態が着任しました。   作:「旗戦士」

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ネタがないです。
あけましておめでとうございます。


年越し鎮守府

<年末テレビ>

 

 

「もう大晦日かー、時間の流れは早いなふぶきん」

「ふぶきんってなんですかふぶきんって。けどそうですね、もう紅白歌合戦の時期ですもんね」

 

「だなぁ、ふぶきんガキ使派? 紅白派? 」

「私は紅白ですかねー。ガキ使ってちょっと下品なネタあるじゃないですか」

 

私が提督に着任して、早1年。

この鎮守府初となる大晦日を迎え、ここではみんなで大晦日を過ごそうと艦娘総出で準備を進めている。

 

最も私が仕事を放棄して準備を手伝うのは不可能な事であり、こうして秘書艦であるふぶきんを連れて仕事納めをしているわけだ。

 

「もー、ふぶきんはお堅いなぁ。今頃下ネタの一つも言えなきゃモテないよ? 私を見てみなさい、もうモテまくりで死にそうでしょう? 」

「司令、一度精神科か眼科に行くことをおススメしますよ。いやマジで」

 

「いちいちスマホでそんな情報調べなくていいって。私のこと精神的に追い詰めたいの? 」

「はい」

 

この子言いきっちゃったよ。

将来が楽しみだねまったく。

 

「そういえば司令、特別作戦の任務を言い渡されてからずいぶん経ちましたね。きちんと任務はこなせたんですか? 」

「い、いやぁー……。それが……。あそこって潜水艦がほとんどだから、対潜装備を揃えなきゃいけなくって。まだ出来てないんだよね……」

 

「もう、大淀さんが頭悩ませてましたよ? 」

「えぇっ!? 私に恋の病を抱いてるってぇ!? 」

 

「耳鼻科も追加……っと」

「カルテみたいな感じで書くのやめてくんない? 」

 

ふぅっ、とふぶきんはため息を吐いた。

その瞬間、執務室の扉が開く。

 

「てーとくさん、お仕事お疲れっぽい! みんな鳳翔さんのところにいるっぽい! 」

「みんな待ってるよ、提督」

 

「お、夕立ちゃん、それに時雨ちゃんも。そうか、ならそろそろ切り上げるかな。ふぶきん、書類片付けようか」

「そうですね。時間も時間ですし。司令官、この書類はそこに置いといてください」

 

「はいよー、ファイルに纏めとくねー」

 

彼女に渡されたプリントをエロゲ特典のファイルに仕舞い、私は執務室を出た。

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<年越しなう>

 

 

 

 「みんなお待たせー、主役の私が遅れてしまって申し訳ないね」

「遅いわよクソ提督。先にみんな始めてるから」

 

「あれれー? けど曙君のグラスとか料理が減ってないなァー? 」

「う、うるさいわね! まだあたしお腹とか喉乾いてなかっただけだし! 」

 

開口一番に曙君は私の事をクソ提督と呼ぶ。

既にみんな集まっているようで、重巡洋艦や軽巡洋艦の子たちと駆逐艦の子たちでグループ分けされているようだ。

 

「はっはっは、ぼのぼのはかわいいなぁ」

「司令。早く座って下さい。皆さん待ちくたびれていたんですよ」

「そうだぜ? ったくよぉ、あたしお腹ペコペコだよ~」

 

「ごめんごめん。えっと飲み物は……」

「こちらですよ、提督」

 

いつもの服とは違い、鳳翔さんは割烹着姿で私の元へやって来る。

想像以上に似合っており、私は頭に被っていたパンツを懐へと仕舞った。

 

「提督、顔が赤くなってるね」

「なんか純粋過ぎてキモいのです」

「司令、私は大丈夫ですが他の子たちの事も考えて頂けませんか」

 

「えっ何? 私って人権ないの? 」

 

揃いも揃って私を罵るとかいい度胸してるな。

後で駆逐艦の子たちのグラス全部にお酒入れてやる。

 

「はい、提督。あなたを待っていたんですよ、何か一言お願いします」

「鳳翔さん、もっかい"あなた"って言ってください」

 

「早く行け」

「すいませんでした」

 

気のせいか顔が赤くなってる気がするけど、構わず私はグラスを片手にみんなの前へと立った。

 

「えー、今年一年お疲れさま。みんな今年も色々あったけど、全員無事で何よりだ。来年も、みんな健康で過ごしていこう! 乾杯! 」

 

「かんぱーい! 」

 

そりゃ私だってやる時はやるんです。

満足げに私は大人組の席へと戻っていく。

 

「おう提督、今日は飲もうぜ! なんたって大晦日なんだからな! 」

「言われなくとも吐くまで飲んでやらぁ! まずはそこで飲めないアピールしてる愛宕だ! 」

 

「うふふ、私お酒飲めないのよ~。ほんとよぉ? 」

「嘘つけぃ! 本当は幾つもの合コンで男を潰している"魔獣"の異名を持ってるって俺は噂で聞いたぜ!? 」

 

「あらあら~? 天龍ちゃんもう酔ってるのかしら~? 」

(天龍はどうして私の経歴を知ってるのよ……)

 

天龍ちゃんの顔を見ると既に結構赤くなっていた。

その隣で那珂ちゃんがウィスキーの入ったグラスを傾けている。

 

「那珂ちゃん意外と渋いの飲むんだね……。アイドル目指してるからお酒は飲まないかと思ってたよ」

「うーん、那珂ちゃんは結構お酒好きだよ? だって飲んだらみんなの本音を聞けるし」

 

「まあ、お酒を飲むと腹を割って話せる点は同意します。那珂さん、一杯どうです」

「ありがとーぬいぬい……ってぬいぬいお酒飲んで大丈夫なの? 」

 

「こう見えて不知火はお酒にかなり強いんです」

 

那珂ちゃんの隣にぬいぬいが焼酎の一升瓶片手にやって来た。

妙にしっくりくる。

 

「提督、あまり飲み過ぎちゃいけないよ。明日はみんなで初詣に行くんだろう? 」

「時雨の言う通りっぽい。明日二日酔いになっても連れてくよ? 」

 

「ふっ、この私を舐めて貰っては困るな時雨に夕立。なんせ私は今"ウ○ンの力"を事前に飲んでいるんだ! これでもう何も怖くない! 」

 

「時雨、この人もうダメっぽい」

「そうだね。まあ明日起こしに行ってあげよう」

 

心配そうに二人は私を見つめるが、生憎今日は飲みまくるつもりだ。

いくら美少女の頼みと言えどこれは譲れない。

 

「ヲッ! ささ、提督こちらを飲むヲ」

「気が利くねぇ、ありがとヲ級ちゃん。ところでこれ何? 」

 

「ドンペリだヲ」

「…………お金はどうしたの? 」

 

「提督のへそくりからだヲ! 」

 

私は即座にぶっ倒れた。

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<飲み過ぎた>

 

 

 

翌日。

私は目を覚ますと食堂の隅に酒瓶を胸に抱えて倒れ込んでおり、そのまま起き上がる。

どうやら馬鹿騒ぎしたみたいで、天龍ちゃんやヲ級ちゃんもいびきをかいて寝ていた。

 

「……那珂ちゃん? 」

「てっ、提督! おはよう、その……起きたんだね」

 

「う、うん。昨日の記憶があまりなくて……。というかなんで那珂ちゃん修復バケツ頭に被ってるの? 」

「メイク落ちてるからね。それより提督、昨日のこと覚えてないんだ……」

 

那珂ちゃんは恥ずかしそうにもじもじと手を後ろで組む。

バケツのせいで顔は見えないが、それでも可愛さが伝わるのがすごい。

 

「あんなに激しくしておいて、覚えてないなんてひどいなぁ……。那珂ちゃん、もうアイドルできないね」

「!?!!? 」

 

もしかして私那珂ちゃんと一緒に一夜の過ちというものを冒してしまったのか?

いやいや、そんなまさか。

だって私変態紳士だし、そんなデキちゃった婚とかしないって最初のオ○ホに誓ったし。

 

「ねぇ、提督? 責任……取ってよね」

「…………」

 

「ドッキリ大成功~!! 」

「うふふ、騙されたわねクソ提督! あんた昨日散々暴れたからその仕返しよ! 」

 

「…………」

「……提督? 」

 

ああ……だんだん意識が遠のいていく……。

 

「し、死んでる……」

 

こんなひどいお正月を迎えたのは初めてです、お父さん、お母さん。





時期遅くね?と思ったあなた、大正解です。

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