鎮守府に変態が着任しました。   作:「旗戦士」

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提督「龍驤、俺はおっぱい小っちゃい娘も好きだからケッコンしよう」

龍驤「自分デリカシーの欠片もないこと理解しとるん? まあでも言われて気分は悪くないで」

提督「じゃ、じゃあ……! 」

龍驤「だが断る」



第ロク集

<セクハラ>

 

 

「えっ? 提督? 結婚って…………えっ? 」

「そうだ結婚だ鳳翔さん! ズッコンバッコンするあの結婚だ!! 」

 

「お、落ち着いてください提督! 私まだ練度が足りてないですし、えっと、その……」

「そんなもの関係ない! 愛で足りる! 貴女を思うこの気持ち! まさしく愛だ!! 抱きしめ――」

 

瞬間、私のお尻に激痛とサクッという軽い音が響く。

思わず私はその場に倒れ込み、鳳翔さんの足元に倒れた。

 

「駄目ですよぉ~? いきなり鳳翔さんを困らせちゃあ~」

「えっ、あっ、どうも。ただいま着任した鳳翔です。龍田さん、提督は大丈夫なんでしょうか……? 」

 

「大丈夫ですよぉ~。提督の残機が一個減るだけですからぁ~」

「残機!? マ〇オ的な感覚で言ってますけど絶対大丈夫じゃないですよねそれ! 」

 

私はよろよろしながら鳳翔さんにサムズアップ。

この程度、紳士の私にとっては屁でもない。

尻だけに。

 

「いきなりひどいじゃないか龍田君。思わずゲイにケツ処女を奪われたかと思ったよ」

「嘘……本当に大丈夫なんだ……」

 

「いきなり司令が鳳翔さんに抱き付くからいけないんですよぉ~」

「むっ、失敬な! 私だって君たちがそんなにエロ可愛くなければセクハラなんてしないんだ! 」

 

「褒められてるのか貶されているのか分かりません……」

 

鳳翔さんは困ったように笑っている。

 

「とにかく、軽々しく結婚とか言ってはいけませんよぉ~。私たちは艦娘である前に女なんですから~」

「分かったよ、分かったから薙刀ギラつかせるの止めてよ龍田君」

 

「そ、そういえば提督のズボンのお尻の部分、破れてしまってますけど……。私、縫って差し上げましょうか? 」

「えっ!? ア〇ニーを手伝ってくれるって!? 」

 

私のケツからまた鮮血が噴き出す羽目となった。

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<フフフ…怖い>

 

 

「なぁ龍田。全然寝られないんだけど」

「あら~? 珍しいわね天龍ちゃん。怖い夢でも見たの? 」

 

「いや、普通に戦術関連の勉強してたら目が冴えちゃってさ」

「天龍ちゃん頑張ってるもんね。いいわよぉ、私が読み聞かせしてあげる」

 

提督もケツを抑えながら帰り、鎮守府の業務は終了となる。

鳳翔さんが来てくれたおかげで今日の晩飯はめちゃくちゃ美味しくなってたな。

 

「へぇ、読み聞かせか。俺もガキの頃にしてもらってたっけな。何の本だ? 」

「ドグラ・マグラ」

「子供泣くぞ」

 

白い表紙の上には際どい格好をしている女性の絵が。

絶対に読み聞かせしたらダメな本のトップクラスに入るだろ。

 

「じゃあ~"人間失格"? 」

「お前はなんだ、俺の事を鬱にさせたいのか? 」

 

「もぉ~、天龍ちゃんったらわがままなんだから~。じゃあ子守唄でもどうかしら~? 」

「あ、それで頼むわ。龍田は歌がうまいからなぁ」

 

龍田は咳払いをして立ち上がった。

ん? なんで子守唄なのに立ち上がる必要があるんだ?

 

「爪、爪、爪!! 腕に女キッスッ!!! 」

「なんでマキシマム〇ホルモンなんだよ!! チョイス偏り過ぎだろ!! 」

 

「最近ヒトカラでデスボを出すの嵌ってるのよ~」

「ストレス溜まってるの? 何なら俺が力になるからもう止めろって! 」

 

我が妹ながら普通に怖い。

というか俺より確実に怖い。

 

「天龍ちゃんは気にしなくていいのよぉ~。私元々ヘビメタとか好きだったから」

「どう考えても提督のセクハラのせいだ……」

 

その時である。

俺達の部屋のドアがノックされ、龍田がそれに応えた。

 

「てっ、天龍さん……龍田さん……」

「い、電? どうしたんだ? 」

 

「お願いします! 私たちと一緒に寝てほしいのです! 」

「私からもお願い。怖い夢見ちゃったんだ」

 

扉を開けるなりパジャマ姿の響と電が俺のベッドに飛び込んでくる。

俺は優しく二人を抱きしめると、頭をなでた。

 

「おいおい、大丈夫か? ほら、ここに入れよ」

「ありがとうなのです……」

 

「響ちゃんは私の布団に入っててね」

「うん。ありがとう」

 

言われるがまま二人はそれぞれの布団に入っていく。

すこし恥ずかしそうにしてるのが可愛いな。

 

「そうだ、気を紛らわす為に子守唄を歌ってあげるわね~」

「い、いいのですか? 」

 

「いいのよぉ~。私が好きでやってることだから」

「じゃあお言葉に甘えて」

 

俺の制止も間に合わず、龍田は立ち上がった。

 

「ぶっ生き返す!! てめーらぶっ生き返す!! 」

「やっ、やめろ!! そんな姿を見せたら二人ともトラウマに……!! 」

 

「な、なのです……Zzz」

「これは……心地いいな……」

 

龍田が息を切らすその横で、布団に入った二人はスヤスヤと眠り始める。

 

「天龍チョップ」

「痛い」

 

俺はとりあえずチョップしておいた。





今回ちょっと少な目です。
そろそろ赤城さんとか五航戦の子たちとか出したいです。
あと扶桑姉さま。

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