鎮守府に変態が着任しました。   作:「旗戦士」

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提督「時間と場所わきまえたら触ってイイの? 」

金剛「あ、すいません生理的に無理なんでイヤです」


第Ⅳ集

<深海棲艦>

 

 

「あっ……あぁ……はひぃ……」

「あら~? 深海棲艦が釣れてしまったわ~」

 

「ヲ? ヲ~、ヲッヲッ」

「あら~? 握手してくれるの~? ありがとうね~」

 

「ヲッ! 」

 

後方を振り向くと腕を上げて挨拶するヲ級がいました。

私は派手に漏らし、愛宕は立ったまま気絶してしまう。

 

「けどあなたは深海棲艦よね~? こんなところに来ちゃ攻撃されちゃうわよぉ~? 」

「あ、それについては問題ないですヲ」

 

「喋れるのね~」

「無論だヲ。今のはちょっとキャラ作りだヲ」

 

そんな中龍田は普通にヲ級と会話している。

深海棲艦もキャラ作りするんだね。

 

「……はっ!? 昨日の覗いた女風呂の光景を思い浮かべていたら深海棲艦が目の前に!? おのれぇ、深海棲艦! 今こそこの変態紳士が成敗してくれる! 」

「なんか急に喋り始めたヲ」

 

「喰らえ! 変態神拳奥義! だるま屋ウィリー事件! 」

「あぁっ! 事故ってるヲ! 大〇さんギアいじったらローに入ってウィリーヲ! 」

 

「なんで深海棲艦が水曜どう〇しょう知ってるの……」

「あれは殿堂入りですヲ」

 

なんだろうこの深海棲艦、すごく親近感が湧く。

 

「それで、どうしてこの鎮守府に来たの~? 」

「あ、すっかり忘れてましたヲ。実は私深海側からスパイとして送られてきたんですヲ」

 

「スパイなのにスパイって言っちゃっていいの? 」

「あ」

 

呆気に取られたようにヲ級は口を開けた。

 

「変態神拳奥義……」

「死にたい艦はどこかしら~? 」

 

「ちっ、違いますヲ! 冗談ですヲ! 私深海側から文書を送られてるんですヲ! 」

「何ぃ? 見せてみんしゃい」

 

彼女(?)はガサゴソと背負ってきたリュックを漁ると、丁寧に折りたたまれた手紙を私と龍田君に見せる。

 

「磯臭ぇよこの文書……」

「海を泳いで来たから仕方ないヲ。我慢してヲ」

 

「えー、何々……? 拝啓、これを読んでる鎮守府提督様へ。この度はお日柄も良くそちらの鎮守府もご盛況の限りだと思います。我々深海側、ぶっちゃけもう我々も疲弊しておりますし休戦にしねぇ? という意見が飛び交っており、私めもどうしようかと悩んでる次第でございます。そこで、今回空母ヲ級を留学生として鎮守府に送らせ、いかに深海棲艦が安全で友好的であるかをその眼で確認して頂きたく思います。何卒よろしくお願い申し上げます……」

 

沈黙が空間を埋めた。

まだ愛宕は気絶したままであり、龍田はニコニコしている。

 

「……龍田、どう思う? 」

「そうねぇ~、ネタに乗ってきた一件もあるし信用してもいいんじゃないかしら~? 」

 

「そうですヲ! こんなに可愛くてフィギュアやねん〇いろ化される深海棲艦も珍しいヲ! 」

「確かに……。あ、私も持ってるよヲ級フィギュア」

 

「ほんとですかヲ!? 嬉しいですヲ! 」

 

なんだろう、段々この子が可愛く見えてきたぞ。

けどこの事は大本営に報告すべきだろうか……。

 

「……よし。幸い、まだうちの鎮守府は有名ではないし艦娘の数も少ない。大本営には引き続き深海棲艦の討伐をすると告げ、君が信用に値する子か確かめさせて貰おう。あと今後の事も考えて君の身体を調査させて貰うよ」

 

「そういうことなら大丈夫だヲ! あ、けどえっちな事はダメだヲ? 」

 

「はっはっは、この私を信用したまえ! どこからどう見たって健全の塊じゃないか! 」

 

「言われてみればそうだヲ! よろしくなんだヲ、提督さん!」

 

深海棲艦がここまで可愛いものだったとは……。

私はなんて愚かだったのだろう……。

 

「そう言えばこの達筆な文は誰が書いたの? 」

「うちの提督だヲ」

 

「深海に提督いるの!? 」

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<ヲ級ちゃん>

 

 

「というわけで深海鎮守府のヲ級だヲ。今日からしばらくこの鎮守府でお世話になることになったヲ」

「あ、あわわわわわ!? 深海棲艦!? しかもヲ級!? なんで鎮守府に!? 」

 

「あ、それはこれを読んでくださいヲ」

「ご、ご丁寧にどうも……? 」

 

早速ヲ級ちゃんの事を紹介しようとしたら吹雪君は取り乱すし響君は泡吹くし曙君は私に泣きつくし大変な事になってしまった。

曙君に至っては「私はいいから提督を助けなさいよこのクソ深海棲艦! 」とか言って泣きながら必死に私を庇おうとしてくれてぶっちゃけ泣いたよ。

 

「えー何々? 要は深海棲艦の提督みたいな奴がめんどくさくなってこっちに休戦を申し込んできたのか? 」

「そうだヲ。話が早くて助かるヲ」

 

「俺達が言うのも何だけどお前んとこ適当だな」

「私もキレかけたヲ」

 

頬を膨らますヲ級ちゃんがまあなんともかわいい。

というかこの阿鼻叫喚を抑えなければ。

 

「あ、曙君? 」

「なっ、なによクソ提督! 早く逃げなさいって言ってるでしょ! 」

 

「ヲ級ちゃんは一応味方だから、安心してもいいんだよ? ほら、ああして天龍ちゃんとか龍田君とかと仲良くしてるでしょ? 」

「けっ、けど……私たち艦娘は深海棲艦を倒さなくちゃ……」

 

私は曙君の頭の上に手を置く。

 

「二兎を追う者は一兎をも得ず、だよ。今は私に任せて、君たちは安心していてくれ」

「クソ提督……」

 

「ヲ級ちゃーん! さっそく身体検査の時間だよォーッ! 」

「龍田さんお願いします」

「任せて」






ヲ級ちゃん回。
鳳翔さんはいつになったら出るのやら。

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