提督「舞風、俺の腰の上で踊らない? 」
舞風「カポエラならいいですよ」
提督「それ死ぬ」
<執務室>
「こんにちは、という訳でそこで脂肪の塊となった提督殿をそこで拾ったあきつ丸であります」
「あぁ……これはどうもご丁寧に……。秘書艦の加賀です。私達の所のクソ提督がご迷惑をお掛けしました」
美少女に引きずられて執務室に戻ってくるのも悪くない。
しかもこのあきつ丸ちゃん、ミニスカムチムチニーソとかいう凶悪な武器を盛大に私に見せびらかせている。
「提督殿、起きてください。着いたでありますよ」
「むっ……何やら夢を見ていたようだ。まさかじいちゃんにひたすらロリっ子の良さを説かれている夢だった」
「あぁ、別の鎮守府で指揮を執られていらっしゃる中将殿の事ですか」
「そうそう。じいちゃんあれで80歳越えてっからね、深海棲艦の兜を刀で叩き割ったと聞いたときは殺しても死ななそうだと思ったよ」
私はポケットからいつも通りの縞パンを取り出し、軍帽のように頭に被った。
「提督殿、なぜ女性物の下着を被るのでありますか」
「これが私の軍帽なのだよ、あきつ丸君」
「な、なんと……! 海軍は変わってありますなぁ」
「軍帽代わりに下着を被るのはそこのクソゴミクズ提督だけです」
「やった! ゴミクズニート提督からレベルアップした! 」
「喜ぶところなんでありましょうか……」
加賀さんのゴミを見るような目に私は身体をゾクゾクさせつつ、あきつ丸君のスカートをめくる。
ほうほう、白とはまたオーソドックスなものを履いているな。
「陸軍式抜刀術、"五月雨"」
「また斬られ……ぶべらっ」
私の身体は真っ二つになりました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<医務室>
「明石えも~ん、助けてくれ~」
「はいはい、また何かあったんで――――」
明石は私の身体を見るなり泡を噴いて倒れる。
まあ倒れるのも不思議ではない、何せ今身体が真っ二つだからな!
私もう異能生命体なんじゃね?
気がついたらバイドになってたってオチ?
「あぁ、明石が倒れてしまった。どうしよう、とりあえずパンツでも見ておくか」
紫とはまたババくさいものを穿いているようだ。
しかしあの明石が泡を噴いて気絶している、これは既成事実を作るチャンスである。
「よし、とりあえず落ち着いておっぱい揉むか」
「何してるんですか司令」
「ごめん霧島、さすがにこの状況で君のアイアンクローは死ぬ」
明らかに今スタンドで攻撃されたら死ぬ気がする。
けどもう私の身体ってステッキィー・フィンガーズの能力受けてるよね。
え、じゃあブチャラティに会えるじゃんやったー!
「というか司令、なんで身体が真っ二つなんですか? なんで生きてるんですか? いやマジで」
「ギャグ補正」
「その言葉で済ませんなよ」
説明しよう!
この私の身体はなんやかんやで傷つきにくく、なんやかんやで死ぬことはないのだ!
ただしシリアスになると途端に耐久値が減るよ!
やったね提督、これで不死の絶望から離れられるね!
「あっかしさぁーん♪ ……ってクソ提督!? なんでアンタここにいるのよ! というかなんで身体が真っ二つなの!? 」
「あ~け~ぼ~のぉ~。普段君が罵倒してる提督が死んで化けて出たぞぉ~」
「いやぁぁぁぁぁぁ!!! ごめんなさい!! いつもクソ提督とか言っててごめんなさい!! もう言わないから、普通に提督って呼ぶからぁぁぁぁぁ!! 」
「見て霧島、この身体超使える」
「あんた性格までクソ提督かよ」
内臓腐りそうだから早く身体くっつけてほしい。
そう思ってると霧島が私の上半身を持ちあげ、下半身の部分とくっ付けた。
その横じゃまだ曙君と明石が泡噴いて気絶してるもんだから思わずスカートの中を撮ってしまう。
「おぉ、素晴らしきわが体。ねぇねぇ霧島、今一発ギャグ思いついたんだけど見てくれる? 」
「はいはい、またくだらないものですよね? 」
「ヴィクトリーガンダム」
直後、私の下半身は爆音と共に医務室の壁を突き抜け、遥か彼方へと飛んでいった。
その光景を呆然と見ていると、次第に周囲が騒然としていく。
『鎮守府内にて敵襲。付近の艦娘と憲兵は直ちに敵勢力を殲滅せよ』
私は霧島に抱え上げられつつ逃げた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<鎮守府近海>
私の下半身も無事に戻り新たな必殺技"変態ボトム射出"も可能になったという事で、私は散歩がてら鎮守府の中庭を歩いている。
海に面している事もあってか、磯の香りが私の鼻を刺激した。
直後、私の視界には海上で艤装を身につけ弓の弦を引き絞る鳳翔さんの姿と加賀さんの姿が見えた。
二人の射形は美しく、仕草の一つ一つでさえ惚れ惚れするものである。
「見事だな、二人とも」
「あら、提督。執務の方はもういいんですか? 」
「今一区切りついた所だ。しかし本当に空母の艤装の構造には驚かされるなぁ。射った矢が艦載機になるんだもんなぁ」
「現代の最新鋭技術の賜物です。提督もそういう話を伺って事は無くて? 」
加賀の問いに私は首を横に振った。
「艦娘に関する技術とかは全てブラックボックスになってるんだ。情報漏洩を防ぐためって」
「まあ、確かに全世界に技術を共有してしまっては悪用する方も少なからずいるでしょうね」
「こんなに可愛い艦娘の事を知りたくない男なんていないよ。だから私がみんなのパンツの色とかをネットで拡散したりしても大丈夫だよね」
「加賀さん」
「はい」
鬼のような形相で加賀さんと鳳翔さんは私の脳天に矢を命中させる。
そりゃネットで散々人気出たら拡散したくなるって。
「ちなみに加賀さんの白パン載せたら提督ちゃんねるのサーバーが落ちたよ」
「お願いです鳳翔さん、私上官殺しの汚名被ってもいいのでコイツぶっ殺させてください」
「さすがに上官殺しはまずいですよ!! 」
矢を射られるのがこんなに快感なものだとは……。
「大丈夫大丈夫、もう掲示板とか消えてるし。だからその艦載機は降ろしてほしいかなって」
いくら私と言えど爆撃されたら死ぬ。
木端微塵になって死ぬ気がする。
「問答無用です」
「あれ、提督に加賀さんか。何してるんだ? 」
「お、お前は! 改二になってからイケメンっぷりが増した木曾! 木曾じゃないか! 助けてくれ! 今加賀さんに爆撃されそうで死にそうなんだ! 」
「何? 加賀さん、どうしてそんな顔で提督に艦載機を? 」
「提督に下着をネットに晒されたの」
加賀さんの艦載機との逃走劇の果てに、木曾が私の走りを止めた。
彼女の言葉を聞いた瞬間、木曾は腰に差していたサーベルを抜き払う。
「えっ、木曾なんでサーベル抜いてんの」
「普通にお前が悪い。裁きを受けるべきだ」
逃げようとするも木曾は私の襟首を掴み、その反動で地面に叩きつけられる。
「悪いな。加賀さんには逆らえないんだ」
「木曾……。お前意外と可愛い柄穿いてるんだな」
顔を真っ赤にした木曾に思いっ切り顔を踏まれた。
結局あの後めちゃくちゃ説教されました。
オチが微妙(二回目)。