鎮守府に変態が着任しました。   作:「旗戦士」

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提督「イク、一緒にイこう」
イク「提督短小だからイけないの」


第獣㈣話

<鎮守府周辺空港>

 

 

 朝の光が空港のガラスに煌めき、私の目に眩しく映る。

隣には駆逐艦娘である吹雪君、深雪君、時雨君が同じように空の景色を仰いでおり、彼女たちの髪が揺れた。

シャンプーのいい芳香が私の鼻を刺激し、このいい匂いを残しておこうとビニール袋を3人の髪の周辺で振り回す。

 

「司令官、朝からなんで奇行に走ってるんですか」

「君たちの匂いをこの袋に入れて後で堪能する為だ」

 

「提督、すごく気持ち悪いよ」

「ありがとう時雨、すごく気持ちいい」

 

普段優しい子からの冷たい視線というのはより一層エクスタシーを感じさせる。

是非ともSMプレイを頼みたいものだ。

 

「お、来たぞ司令官! あれだよな! 」

 

そんな奇行はさておき、深雪君が空港の窓から現れた大きな飛行機を指差す。

どうやら待ち人はドイツ国のチャーター便で日本へ訪れたらしく、ドイツと分かるように国旗が飛行機のウイング部分に彩られてあった。

 

「まさかドイツから艦娘が来てくれるとはね。日本だけじゃ正直戦力不足だと思ってたんだ」

「まあこっちのサイドに深海棲艦いるからぶっちゃけた話交渉してくれれば終わりそうだけどね」

 

「ヲ級見たらどんな反応すんだろうなー」

「やっぱり腰抜かしちゃうんじゃないかな、私だって驚いたし」

 

「ドイツ艦娘ってやっぱ可愛いから見たら私が腰抜かしそう。性的な意味で」

「同じ空気を吸ってると思うと嫌になるんで呼吸しないでくれいますか司令官」

 

 

つまり死ねと言ってるわけだな!

もー吹雪君ったら恥ずかしがりやさんなんだから。

直後ドイツ海軍の黒い軍服を着た男と短い金髪を揃えた中性的な顔立ちの女の子が私達の前に現れた。

 

「待たせしまったようだな、我が友よ」

「何、気にしないでくれたまえ。私と君の仲じゃないか」

 

彼は私の友人である"ドイツ提督"である。

士官学校時代からの仲である彼と幾多にも及ぶ性癖を話し合い、実証し合った仲でもあった。

二人とも童貞で全部失敗に終わったけど。

 

「それで、彼女が君の言っていたドイツの艦娘かい? 」

「あぁ。ほらレーベ、彼と彼の艦娘に挨拶を」

 

同じくコートを着込んだアッシュブロンドの短髪にベレー帽のような軍帽を被った女の子が、私に手を差し出してくる。

 

「Nett, Sie zu treffen(はじめまして)。ボクはドイツの艦娘、"レーベレヒト・マース"だよ。レーベ、って呼んでね」

 

時雨と同じようなボクっ娘に、私は興奮を隠せない。

吐息も荒くなり、凄まじく犯罪者に近い表情で彼女の手を握る。

そんな私を不思議そうに見つめ、目が合うと彼女は微笑んだ。

天使だ……まさしく天使だ……。

 

「ドイツ提督よ……まさか彼女は……」

「あぁ……私達がかつて追い求めた天使だ……」

 

「なあ吹雪姉、すごくあいつら撃ちたい」

「駄目よ深雪。あのクソ司令はまだしもドイツ提督撃っちゃったら流石に国際問題になるわ」

 

「ねぇ、レーベ。もしあの白い服の変態に何かされたら僕達に言ってね。すぐぶっ殺すから」

「う、うん……。でも、いい人だと思うなぁ、ボクは」

 

何やら私が知らぬ間に評価がガタ落ちしているみたいだが気にせず私はドイツ提督との話に華を咲かせ、しばらくした所で彼と別れた。

ドイツ提督曰くレーベくんがいる事で私の鎮守府の工廠でもドイツの艦娘の艤装が製造可能になるらしい。

少しばかり着任が遅れるらしいが。

 

「それで、アドミラール。ここからアナタの鎮守府までどれくらい掛かるんだい? 」

「少し時間が掛かるから休憩していこう。知ってる? 日本では男女が休憩する場所ってラブホテルって言う―――」

 

「時雨ちゃん、槍」

「うん」

 

時雨が龍田君の薙刀を持ってきていたのには驚いた。

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<鎮守府・医務室>

 

 

 「それでレーベさんにセクハラしようとしたら時雨ちゃんが龍田さんの薙刀を提督のケツにぶっ刺した、と」

「うん。助けて明石えもん」

 

せっかく軍服におしゃれして来たのにこれじゃ血まみれで台無しである。

私は明石の元へ行き、いつものように薙刀をスポンと抜いて貰っていた。

 

「どう考えても提督が悪いです。提督はもう少し自重なさってください。そしたらもっと評判も良くなると思いますよ」

「は? 私への評判とか常にMAXだから」

 

「ほざけ変態」

「あふん」

 

明石のブーツに足蹴にされ、私は少なからず快感を感じる。

 

「もう、いい加減にしてくださいまし提督。わたくしもこのような貴方の醜態を見たくはなくってよ? 」

「くまのーん!! 助けてくれ、もう私には味方がいないよぉー!! 」

 

「えっ? 提督って既にこの鎮守府で孤独なのでは? 」

「なに? 新手のイジメ? そんなに私を辞職させたいの? 」

 

「神戸ジョークですわ」

「笑えねぇよ」

 

医務室へとやって来た熊野はくすくすと口元に手をやって笑い始めた。

その風貌はまさしくお嬢様の仕草であり、思わず私は見惚れてしまう。

 

「熊野さんも提督に何かされたら言ってくださいね、すぐに憲兵さんに言って逮捕してもらいますから」

「はっはっは、憲兵如きにこの私が捕まると思ったのか明石くん? 無駄無駄、一流の変態紳士は捕まらないのさ」

 

「じゃあこれで」

「嘘ですすいませんでした」

 

明石くんが取り出したのは45口径の拳銃。

ジャキッ、とかいう危なっかしい音が聞こえたと共に私は地面に頭を叩きつけた。

仮にも提督に銃口突き付けるってやばくない?

 

「仮にも部下の女の子に銃口を突き付けられるとか過去の提督にいただろうか、いや、いない」

「提督、本心をどうぞ」

「明石の下の口に私の息子をリロードしたい」

 

銃声が医務室に響いた。

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<執務室>

 

 

 「しれーかん、遠征の報告……ってえぇ!? どうしてしれーかん頭に穴が空いてるの!? 大丈夫!? 」

「はっはっは、大丈夫だよ雷。この程度私にとってはどうって事ないよ。あれ? 雷ちゃんの向こうに誰かが手を振って……」

「しれーかんそれ河見えちゃってるわ!? 」

 

ニーソでセーラー服の雷ちゃんが私の両頬に触れる。

なんて包容力のある幼女なんだ、思わずママと叫びそうになったよ。

 

「あっ、雷! なんで司令官の頭なでなでしてるのよ! レディで一番上の姉に譲りなさいよ! 」

「だっ、駄目! しれーかんは渡さないんだから! 」

「やっぱり駆逐艦は最高やな……」

 

高雄の台詞を借りるなら胸の辺りと股間の辺りがポカポカする。

暁と雷は第六駆逐隊の天使だ、異論は認めん。

 

「というか早くしれーかんを助けないと! 大丈夫!? しれーかん!? 」

「今雷の太ももと暁の脚スリスリさせてくれたら治りそう」

 

「なら早く触って司令官! わ、私だって司令官死んじゃうの嫌だから! 」

「そうよしれーかん! 早く早く! 」

 

ロリっ子特有の健康そうな脚が私の視界に入った瞬間、その太ももに顔をうずめた。

匂いが!!!!! たまらん!!!!!

一生ものの匂いだ、百個くらいの瓶に詰めて後で堪能したい。

 

「スーハースーハ―クンカクンカ……。我が生涯に一片の悔いなし……」

「あれ? 電、錨をしれーかんのお尻に向けてどうしたの? 」

 

直後、私のズボンが再び血で濡れた。

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<取調べ室>

 

 

 「あのさあ……提督さんこれでここに来るの何回目? 」

「さぁ……けど私は貴方と運命の赤い糸でつながれているので切っても切れませんよ」

 

「提督さん……! 」

「憲兵さん……そんな……いきなり大胆な……! 」

 

裸電球が憲兵さんと私の軍帽を照らし、彼はため息を吐いた。

少しばかりの沈黙の後、憲兵さんは口を開く。

 

「……んで、始めようか。提督さんがここに連れて来られたのは? 」

「駆逐艦の太ももペロペロしてたら電に錨をケツに叩き込まれ、響に踏まれました」

 

「あぁ、だからズボンのお尻部分がそんなに破れてんだね」

「この小説のエロ要素です。いいでしょ? 」

 

「糞以下の価値のエロ要素だね。まだリョナの方が抜けるよ」

「一憲兵がそれでもいいの? 」

 

趣味は人それぞれだ、と言わんばかりに憲兵さんは軍帽を被り直す。

流石にリョナはないぜ……私でもコミックLOでギリギリだ。

 

「で、どうして憲兵さんはそんな疲れた顔してるんだい? 」

「目の前にいるセクハラゴミクズニート提督のせいかな」

「何もそこまで言う必要なくない? 」

 

セクハラはまだしもゴミクズニートは余計である。

これでも一応働いてんだよ!!

 

「というか艦娘の服装がどう考えてもエロいんだよ! なんだあの水着みたいな格好!? 風俗!? お触り禁止の風俗なの!? 」

「あれどっちかって言うとイメクラに近いよね」

「どっちにしろ同じだよ!! 」

 

バン、と私は机を叩くも錨の刺さったケツが痛み、呻き声を上げた。

 

「まあ提督さんは3日間の拘留になるよ。よかったねぇ、本来なら銃殺だよ銃殺」

「セクハラしただけで銃殺とはな……。絶対元帥殿とか秘書艦にセクハラしてんだろ……」

 

「それは分かんないかなぁ。ま、大人しくしてねー」

「ちくしょう!! 大淀さんのスリットに手を突っ込んで太ももの感触を確かめるまで死ねるかぁぁぁ!! 」

 

「あ、脱走した」

 

 

縛られた縄を引きちぎり、私は取調べ室を出て壁を突き破る。

この変態紳士、壁など既に紙同然だ。

 

 

「脱走するのはいいけど、途中のあきつ丸さんに気を付けてね。彼女なんでも刀で斬りたがるから」

「いい刀の錆を見つけたであります」

「早くそれ言ってよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!! 」

 

 

あきつ丸に斬られはしなかったけどパンツ見えたので良しとします。

結局私は一週間拘留されました。

めでたしめでたし。




艦娘増えすぎて把握できてません。

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