鎮守府に変態が着任しました。   作:「旗戦士」

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男とは、一度は女の子の下着を被りたくなるものである。
                   ――――シンシ・ド・ヘンタイ(1598~1648)


第1集

<吹雪、着任>

 

皆さんこんにちは。

特型駆逐艦の一番艦、吹雪です。

 

私たち「艦娘」は現代社会に突如として現れた「深海棲艦」を討つべく、過去の日本の戦艦の記憶を引き継いで生まれた生体兵器です。

それで、私は新しく生み出されこの鎮守府へ今日付けで配属されたのですが……。

 

「君が吹雪君だね? 私はこの"横須賀鎮守府"の提督を任されている者だ。私も今日からこの鎮守府に配属されたから、これからよろしく頼むよ」

 

筋肉隆々のビクトリーパンツに裸ネクタイ、そして極めつけは頭に被った女性の下着……。

あぁ、どうやら私は配属される鎮守府を間違えてしまったようです……。

 

 

「どうしたんだい、吹雪君? そんな残念そうな顔をして」

「いえ、来る鎮守府を間違えたかなって」

 

「はっはっは、冗談は君の艤装だけにしてくれ」

「パンツ被ってるテメーに一番言われたくねーよ」

 

 

提督は相変わらず笑い続けたまま。

むしろ私の罵倒の声を聞いて悦に浸ってるようです。

とりあえず提督の仕事の説明でも始めましょうか。

 

 

「そ、それでですね提督。まずここに来た貴方には提督の仕事というものを分かってもらおうかと思います。説明を始めたいと思うんですけど、いいですか? 」

「あ、大体理解してるから問題ないよ。というか私変態行為が過ぎて階級下げられたんだよ」

 

「もういっその事提督辞めれば良かったんじゃないですかね」

「やっぱり吹雪君もそう思う? この職業就いてるとどうにもセクハラがしにくくて」

 

「セクハラを公言しないでください変態提督」

 

はぁ……。

正直ここでやっていけるか分かりません……。

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<初建造>

 

「最初はまず建造だったかな? さあ吹雪君、早速工廠へ向かおう」

「その前にアンタはまず服着てください服。鎮守府のトップが服着てないとか新しい子が来たら泡噴いて気絶しますって」

 

「ふ、噴くって……。意外と下ネタいけるのかね吹雪君」

「誰もそんな事言ってねーよ」

 

そうこうしてる内に工廠へ着きました。

早くもこの変態のツッコミポジになってるのが辛いです。

 

 

「ふっふっふ、どんな子を狙って建造しようか……。やっぱり巨乳な娘を狙うのがいいよな……。いや、駆逐艦ちゃん達狙いで建造するものアリかもしれない……」

 

 

一応服は着てくれましたがなんだか変な笑いを上げているので気持ち悪い。

顔は爽やかなのになんでああなってしまったんでしょうか。

 

 

「あ、妖精さん。とりあえず軽巡と駆逐艦のレシピで建造してくれ。時間が分かったら教えてね」

「えっ? て、提督って妖精さんが見えるんですか? 」

 

「この私を舐めて貰っては困るよ、吹雪君。妖精さんも私の着任を歓迎してるようだ」

「妖精さんめっちゃビビってますけど」

 

 

中には中指立てている妖精さんもいるようです。

分かりますよその気持ち、私も今中指立てたいです本当に。

その後時間が判明したようで、軽巡さんと同じ駆逐艦の子が着任予定みたい。

 

 

「最初から軽巡と駆逐艦の子を歓迎できるとはなんとも運がいい。あとで大淀さんに報告して資材を貰わねばいけないな」

「提督、その件で少しお話が。大本営からいくつか書類が送られてきているので、記入欄を記入して提出せよとの言付けを頂いてます」

「はいはい了解。じゃあ待ちがてら書類を片付けてしまおうかね」

 

 

さすがに大本営からの通達となると真面目になるんですね。

まあ真面目になってる限りは安心なので私も秘書艦(仕方なく)としての初仕事をこなしてみせましょう。

 

「吹雪君、大淀さんって何色のパンツ穿いてると思う? 」

「知らんわそんな事」

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<第一印象>

 

 

「ねぇねぇ吹雪君、やっぱり初体面の子って第一印象が大事だよね」

「私の第一印象はひどかったですけどね」

 

「そこでだ。新しく来る子を迎える為にどんな色のパンツを被ったらいいか君に問いたい。これは私の秘書艦

としてとても大事な仕事だよ」

「適当にステテコパンツでも被っててください」

 

 

大本営からの書類を片付けて数十分が経った頃、私は吹雪君におもてなしのイロハとやらを教えて貰おうと思ったのだが彼女は相手にしてくれないようだ。

まあ仕方ない、ここはお気に入りの縞パンでも被るとしよう。

 

「というか提督、なんで頭にパンツ被ったままなんですか。ほんと気持ち悪いんでやめてください」

「おっふ! その眼最高! 」

 

吹雪君のまるで養豚場の豚を見るような冷たい目が私に突き刺さる。

周りの妖精さんたちがドン引きしてるが気にしない。

その時だった。

 

「特型駆逐艦18番艦、曙よ……ってきゃあっ!? なんで頭にパンツ被ってんのよ! この変態クソ提督! 取りなさいよ! 」

「ぐゅへへへ……。もっと罵ってくださいぶふぃぃぃ」

 

「提督、今憲兵さん呼びました」

「憲兵、推して参るッ! ズェアッ!! 」

 

超スピードとか催眠術とかそんなチャチじゃもんじゃ断じてないレベルで憲兵さんが私の腕に縄を巻き付け、床に張り倒す。

"んっふ"とか変な声が出た。

 

「け、憲兵さん! これは違うんですよ! 私は紳士としてのおもてなしをしようと」

「オレ、ニホンゴ、ワカラナイ。ケド、オマエツカマエル」

「誰だよお前」





この後天龍ちゃんが建造されました。
ちなみに私は鳳翔さんが好きです。

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