テンプレ…まじで?(リメイクしてみた) ※現在このすば!編    作:onekou

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どうもonekouでございます。

今回は例のあの人が出てくる回。
ちょっと気分の悪くなる展開も含みますのでご注意ください。


『stage40:バーサーカーだって我慢できるんですよ?』

 

 

 

「この餓鬼ぃっ!」

 

「ま、まずいっすよ! この子は龍だって言ってたじゃないっすか!! それにさっきの威力も見たでしょ!?」

 

「はっ、龍が怖くてマスコミなんぞやってられるか。それにカメラは回ってるんだ。後でどうとでもなる」

 

 急いで向かう途中、聞こえてきたのはそんな声だった。

 その声を聴き、尚のこと焦りが生まれる。

 そして壁を蹴り、空を蹴り、漸く声のした場所へと辿り着く。とはいえ時間にすれば数秒も掛かったかどうかか。

 場所は建物同士の間にある人気のない路地裏だった。

 多少広くはあるが、ジメジメとしていて抜け道以外としては通りたくない場所だ。

 

 その場を見れば、居るのはやはり紅音、その横に碧依。

 二人とも犬歯を剥き出しにして怒っている。

 だがそれだけではなく、予想通りその対面には見知らぬ人が居た。

 黒髪に黒い瞳、見るからに日本人だという風体の男性が3人。

 先頭に居る男性は怒りを露わにしており、その後ろの二人はそれぞれ大きなカメラとマイクを構えながらも怯えている。

 中でも、先頭に居る男性の足元、そこには粉々になったカメラがあった。

 カメラは結構な威力で叩き付けられたのか、地面にめり込む形で砕けている。

 

 状況から察するに、何かを言われた紅音が激高してカメラをぶち壊したって所だと思うが、やはり聞かなければわからないか。

 

「どういう状況かな?」

 

「あ!」

 

「っ!!」

 

 余程頭にきているのか、声を掛けてやっと俺の登場に気付いた紅音と碧依。

 俺に気付くなり、飛びついてくるので優しく受け止めて降ろす。

 しかしそのまま俺の背中側へと回り、そこから男性たちを睨む。

 

 そんな俺達を見て、先頭に居た男性が一瞬怪訝な表情をするもすぐにニヤリと笑った。

 

「おや、これはアインツベルンさん。良い所にいらっしゃいましたね」

 

「あなたは?」

 

「これは申し訳ない。私はジャーナリストの古村崎って者です」

 

「はぁ、ジャーナリストさん」

 

 案内を始めてからは各国使節の相手ばかりでマスコミ関係者には関われてなかったが、その中に居た人達だろう。

 

「それで、何があったか聞いても良いですか?」

 

「ああ、そうだった。いえね、そこの双子ちゃんが私のカメラ壊しちゃったんですよ」

 

「それはお前がママの悪口を言ったからだ!」

 

 ニヤニヤとした笑みを浮かべながら俺の問いの答える古村崎さん。

 だがそれに対して紅音は唸るように声を荒げる。

 

「カメラってのはそこに落ちているやつですか?」

 

「ええ、結構高いんですよ。これ」

 

 確かに高そうな一眼レフカメラだ。

 5、6万くらいはしそうだ。

 

「この子が壊しちゃったなら弁償します」

 

「で、でもママ!!」

 

 俺の言葉に紅音が身を乗り出して言おうとするが、俺は静かに抑える。

 何を言われようと、手を出してしまった以上それに対する弁償は必要だ。

 紅音がどうやら俺の事で怒ってくれたというのは分かった。

 この子がそう簡単に俺との約束を破らないことも知っている。

 だから、余程のことを言われたのだろう。

 だけど我慢だ。

 

 チラリと見れば、後方の男が持つカメラの横のランプが撮影中を示す光を放っている。

 つまり、今この状況はカメラに映っている。

 特地ではあるが、この場所に限っては電波も通っている訳で、最近のカメラはデータを取りながら送信できるやつもあったはずだ。

 生放送では無い筈だが、そのデータをどう使われるか分からない以上は気を付けた方が良い。

 Fate世界ではキャスターがいざとなったらその辺も魔術でちょちょいとやってくれていたが、俺にはそんな器用なことは出来ないのだ。 

 

 だが、そんな思いで言った俺の言葉をどう取ったのか、古村崎さんは厭らしい笑みを浮かべたままこう告げた。

 

「いえね、弁償すれば良いってものじゃないと思うんですよ。それなりに誠意ってものが必要だと思うんですよ」

 

 ギチリ、と幽かに音がした。

 どうやら無意識に拳を握っていたようだ。

 あぶないあぶない。

 最近はどうにも沸点が低くなってる気がするよ。

 一応お相手には気付かれなかったようだ。

 ここで反抗的な態度と取られては意味がないからな。

 

「誠意、ですか。私に何をしろと?」

 

「あまり怖い顔をせんで下さいよ。これでは私が脅してるみたいじゃないですか」

 

 “みたい”じゃなくて、そのまま脅してるところだろうが!!

 しかしそう言いたいのも我慢し、続きを聞くに徹した。

 

「例えば、これから取材するにあたって現場でちょっとばかし情報や場所を融通しちゃくれませんかね?」

 

「それはつまり、贔屓しろってことですか?」

 

「まあそういうことですな」

 

 何人か来ているマスコミ関係者の中で、一人だけ違うものが取ることが出来るのならジャーナリストにとってかなり嬉しいことだろう。

 だが、その願いは聞きいれられない。

 俺個人の問題ならまだしも、それをやっちゃうと場合によっては情報漏洩だ。

 今の俺は自衛隊に雇われている状態であり、自衛隊に関しての情報を言える権限は持っていないからな。

 ふむ、やはり無理だ。

 

 俺は少し考えてそう結論付けたので他に無いか聞くことにした。

 

「それは難しいです。公開されている情報を説明する位は出来ますけど、私にそんな権限は無いので。だから他に無いですか?」

 

「いやいやいや、ちょっとだけで良いんだよお嬢さん。少し位なら罪に問われはしないさ。それ位アインツベルンさんは今の日本にとって惜しい存在だ」

 

 チラチラと後ろのカメラへと目配せしながらそんなことを宣う小村崎さん。

 つまりはカメラの中にある紅音がカメラを壊した瞬間の映像を公開されたくなければ言ったように贔屓しろってことか。

 くそ、いやな所を突いてくる。

 正直な所、この人の言うことは正しいだろう。

 今の俺の立場なら、多少の融通は利かせてくれるだろうからな。

 だが、だからといってこんな人に内部情報を浅い所だけとはいえ渡してしまえばどう使われるか分かったものではない。

 とはいえ、紅音がカメラを壊した瞬間を報道されるのもダメだ。

 折角双子龍が人の姿で馴染めるようになってきたところだというのに、ここで周囲から拒絶されれば二人が可哀そうすぎるだろう。

 元は龍だったかもしれない。人を食べる側の存在かもしれない。

 でも、人と一緒に笑うことが出来るようになってきているのだ。

 それを台無しにはしたくない。

 

 思わずギリッと奥歯を噛み締める。

 こんなことならキャスターから記憶を操作する魔術とか習っておけばよかった。

 適性が驚くほどに無いらしいが、ひょっとしたら覚えることが出来ていたかもと思うと悔やまれる。

 俺自身に掛けてもらおうにも、俺が覚えるのは喰らったそのままの“攻撃”だから、対象が細かいものや副次効果でダメージを受けるものには意味がないからと諦めたのは早計だったよ。

 

 そんな俺を心配してか、双子龍が俺の服をぎゅっと強く掴む。

 かわいい。

 でも、双子龍はどちらも心配そうにこちらを見ている。

 そんな二人を俺は優しく撫でる。

 ほんと良い子たちだ。そしてかわいい。

 

 ってか、この子達にこんな表情をさせるとかマジで何なのこの人達。

 考え始めたらドンドン腹が立ってきた。

 

「そういえばそもそもの話なんですが、この子達には人に怪我とかをさせない様に言ってありました。それを破ってでもあなたのカメラに危害を加えたというのは何故ですか?」

 

「おや、そんなことを言って良いのかな? こっちには映像があるんですよ?」

 

「話を逸らさないでください。あなたは何を言ったんですか?」

 

 そうだよ、よく考えたら俺との約束を破ってまで紅音が怒った原因は何なんだ。

 確かに紅音も碧依も産まれてすぐだし、龍の姿では大きくてもまだまだ子どもだ。

 だが、この子達はかなり賢い。

 感情的になる部分も結構見られるが、それでも言いつけは今まで守ってきた。

 その彼女たちが腹に据えかねてキレる言葉を言ったのがこいつらだ。いや、様子を見るにこの古村崎とか言う男だ。

 手を出してしまったという弱みはあるが、まずはそこを聞きださなければいけないじゃないか。

 ねっとりした厭らしい言いまわしについ下手に回ってしまっていたが、守ってばかりじゃいられないよな。

 

「ふん、今の現状に不満は無いか聞いただけだよ」

 

 思うように事が運ばず言い回しが雑になった古村崎さん。

 いや絶対それだけじゃないだろうと思うが、それ以上言う気は無いようだ。

 だが、その様子に紅音と碧依が吠えた。

 

「違う! 君たちの同族を自衛隊の的にするような所に居て良いのかって言ったんだ!」

 

「それに、かあさまをクズって言った、です! 我慢して聞いてれば、他にも、色々!!」

 

 俺との約束がなければ今にも飛び出してしまいそうな双子龍。

 どうやら我慢してくれているようだ。

 普段は少ししか話さない碧依も見たことが無い位に声を出しているが、それでも実力行使に至ろうとはしない。

 感情的ではあっても、理性で自分の行動を抑制してくれているのだろう。

 これではどちらが大人か分かったものではないな。

 それに、よく考えればカメラは壊れて地面に陥没してはいるが、ここには怪我人はいない。

 物なら壊して良いって訳ではないが、それでも我慢した結果なのだろう。

 そのことに微笑ましくなり、俺は二人の頭を撫でる。

 すると二人は露わにしていた怒りを多少収め、大人しくなった。

 

 そんな双子龍が面白くないのか本当の事を言われたからか、古村崎――頭の中までさんを付ける必要が無い気がしてきた――は、舌打ちを一つ打った後、再び口を開いた。

 

「本当の事だろうが。使役してるだか何だか知らないが、良い様にデモンストレーションの的にされたあの龍が可哀そうだろう? 素人目に見ても、自衛隊の機銃を受けてあの龍も痛そうに鳴いていたじゃないか。それに俺が批判したのはこのお嬢さんであって君たちのお母さんじゃないよ。子どもには言い回しが難しかったか」

 

 苛立たしそうにそう言う古村崎。

 だが俺は、その言葉に腹立たしさを感じる前に少し引っかかりを覚えた。

 

 ……うん?

 あれちょっと待てよ、何か噛み合わない気がする―――って、あ、そうか。そういうことか。

 

 少し考えたら喉に骨がつっかえた様な気持ち悪さは無くなった。

 その引っかかりの元がこれの原因か。

 

 つまり、だ。

 古村崎は双子龍を懐柔するために、“デモンストレーションで的にされていた炎龍の扱いは可愛そうだから何とかしてあげよう。だからこちらに協力してほしい”的なことを告げたのだろう。それも罵倒付きで。

 だから古村崎の思惑は、俺から双子龍を離して良い様に誘導することなのだろう。

 だが、実際にはその炎龍が俺自身(・・・・・・)なのだ。ついでに言えば痛そうに見えたのはくすぐったかっただけだ。

 それを双子龍は聞いたわけだが、双子龍からしてみればそれはそのまま母親と認識している人物を罵倒されたに等しい。

 それに怒りを覚えるも双子龍は我慢した。俺との約束があるから。

 だがそれを古村崎は上手く心を掴めたかなんかだと勘違いしたのだろう。調子に乗ってそのまま色々言ってしまったわけだ。

 当然古村崎は“龍”という存在から俺を敵に仕立て上げるために舌もよく回ったことだろう。

 そしてその内に紅音が我慢しきれずに手を出すも、何とか踏み止まってカメラ破壊に留まったと。

 古村崎にしてみればそれは面白くない展開だ。

 何故良い話をしてやったのに攻撃されるか意味が解らんだろう。

 だがそこへ俺が登場した。

 そして俺が双子龍を庇うものだから、矛先を変え、今度は俺を脅す方へと路線変更した、と。

 

 そこまで考えて、俺は我慢しきれずに笑みを零してしまった。

 

「何がおかしい」

 

「いや、結局はただの行き違いだったと分かったので可笑しくて」

 

「行き違い? 実際に俺のカメラは壊されてるんだが?」

 

 苛立ちも露わにそう言う古村崎が何故か微笑ましくなってきた。

 そろそろ後ろで怯えてるスタッフさんに気付いてあげてくださいな。

 そして、俺の感覚でこの場所へと何人もの人が近づいてきているのが分かった。

 ちなみに先輩は既に到着していたのか、場をややこしくしない様に角からこちらを見ているようだ。

 

「だからそれは弁償すると言ってるじゃないですか」

 

「あんたも見た目通りに物分かりが悪いのか? それじゃ収まらないって言ってるだろうが」

 

「確かに物を壊したこちらも悪いですが、ご自身の言った言葉も悪かったのでは?」

 

「はっ、そんなもんその双子の受け取り方が悪かっただけだろうよ。子どもだとは聞いてたが、躾がなってないんじゃないか? もしくは龍ってのは頭が悪いのか? 日本語をちゃんと理解してないって可能性もあるな」

 

 

 

 

 

 

「……あ゛?」

 

 

 

 

 

 

 気づけばかなり低い声が出ていた。

 その場に居た全員がビクリと震えるのが分かった。

 いやいや紅音と碧依まで驚かないでくれよ。悲しくなる。

 

「けほん、失礼。少々取り乱しちゃいまして」

 

 誤魔化すためにてへぺろしてみる。

 あれ、何で引き攣った顔してるんですか?

 ちょっとバサカりそうになっただけです。未遂です。

 

「ただまぁ言わせてもらうなら、その子どもの癇癪をネタに保護者を強請ってるのはかなり性質が悪いと思いますよ」

 

「保護者だっていうならガキの躾くらいしっかりしろって言ってるんだよ。未遂でも事は事だろう? それにこっちには―――」

 

「さっきから映像が映像が煩いんだよ。放映するなりなんなりしろ。あんたがさっき言ったんだろうが、ある程度の融通は聞いてもらえるってさ。ここは特地だ。日本は遠いぞ?」

 

「脅す気か。それもカメラで撮っているぞ?」

 

「先にやったのはそっちだろうが。俺の事ならまだしも、守ると決めた子達をそこまで言われて我慢できるか」

 

 うん、我慢できんかった。

 ガキがガキがといい加減鬱陶しい。

 確かにその映像を流されたら困ったことになるだろうよ。

 だけど、それで今この子達が泣きそうにしているのを我慢して見ていられるか。

 出来る限り使いたくは無かったが、最終手段の実力行使という手もある。

 賢い選択肢ではないだろうが、自重しないと決めたんだ。

 守ると決めた者の為には、力を惜しまない。

 

 そう決めた俺は、ただただ古村崎を見据える。

 向こうさんもこちらをジッと見る。

 だがそれもすぐに終わり、古村崎は足元に有るカメラの残骸を拾い上げそのまま踵を返した。

 

「ちっ、行くぞ。その選択肢を後悔するなよ?」

 

 路地裏から出て行こうとする古村崎に慌てて着いていく残りの二人。

 しばらくそれを見ていたが、そのまま何事も無く3人の姿はその場から消えた。

 

 それを見て、俺はふぅと息を大きく吐く。

 

 ああ、この瞬間の為に下手(したて)に出ることを止めたのは後悔しないけど、実際に映像が流れた際はどうしよう……。

 今からでも追いかけてあのカメラ破壊するとか?

 いや、それは無駄かもしれないってさっき思ったところじゃないか。

 カメラに関してはよく知らないが、データが消えない様にバックアップを通信で送る機能付きのやつとかもあったはずなのだ。それだと意味がない。

 あの3人の記憶を消すとか?

 ってそれも無理だって分かってるじゃないか。

 魔術は覚えてないし、宝具を使って記憶を切り飛ばそうにも、さっきの部分だけを斬り飛ばす(・・・・・)自信なんて無い。

 

「ママ、ごめんなさい」

 

「ごめんなさい、です」

 

「ああ、いやいや二人は気にするな。俺の為に怒ってくれたんだろう? 褒めることは出来んが、だからって責めることが出来るわけないさね」

 

 そう言って、二人を抱きしめる。

 身長があまり変わらないのが悲しい。というか二人は成長中だからそのうち俺よりでかくなるんだろうな……。

 そんなことを考えていると、腕の中ですすり泣く声が聞こえ始めた。

 俺は慰めるように二人の背中をポンポンと優しく撫でる。

 それに一層泣きはじめる紅音と碧依。

 慰めてるはずが余計に泣きだしちゃったんだけど……。 

 親って難しいなほんと。

 でもまぁ、お母さんって自覚は未だに分からんがこの子達を守ると決めたんだ。

 血が繋がってはいないかもしれないが、それでも俺をこんなに慕ってくれてる子を無碍には出来ない。

 親ってのがどんな事をすればいいのかもよく分からんが、でも子どもを守るものだろうってのは分かる。

 守ろう、この子達を。

 

 そんなことを考えながら紅音と碧依を慰めていると、ザリザリと足音が聞こえ始めた。

 よく知った気配だ。

 

「中々良い母親やってるじゃないか後輩」

 

「俺はパートナーが居たことも無いんですがねぇ先輩」

 

「はは、でも誰が見ても今のお前さんは母親やってるよ。見た目はあれだが」

 

「最後ので台無しなんですが?」

 

 近寄ってきた先輩といつもみたいな掛け合いをする。

 その御陰で、若干ささくれ立っていた心が落ち着くのを感じる。

 先輩ってなんか話してると落ち着くんだよな。同類だからかね?

 でも、今はそれがありがたいや。

 話の途中で割り込まずに様子を窺っていてくれたのもグッジョブだ。

 あのタイミングで自衛隊の人間が出てくると今度はそっちに飛び火させそうな位にあの古村崎って男はあれこれと口が回るようだったし。

 

 ただまぁ、いつの間にか泣き止んでいた双子龍が何故か今度は先輩を睨んでいたが。

 

「そういや後輩、一応あのカメラの映像データが出回らない様にできるか聞いておくか?」

 

「あ、お願いするっす先輩」

 

「あいよ」

 

 そう言うなり電話を始める先輩。

 どうやら伝言を誰かの電話に残してるようだ。

 

 それを暫く静かに待っていると、伝言を残し終わった先輩が改めてこちらを見る。

 

「さてと後輩、そろそろ移動の時間だ。行けるか?」

 

「モチですよ先輩。請け負った仕事を投げ出すわけにはいかないしね」

 

「その意気だ。双子はどうする?」

 

「私達も行く! ママは渡さないからな!!」

 

「……帰れ」

 

「あはは、相変わらず嫌われてるのね俺」

 

 二人の言葉に苦笑する先輩。

 ってか、碧依ちゃん? 流石にひどいよ? さっきまで我慢してたのに何故先輩が来た瞬間そんなにダークサイドに行ってるの?

 しかし、釈然としないも当の先輩が気にせずさっさと先を行こうとするので俺は慌てて二人の手を握ったままその後を追いかける。

 いやほんと何でこの二人は先輩を警戒しているのか……。

 まぁでも良い子達だし、先輩の良い所とかこれからどんどん見てもらえばその内好きになって貰えるよね。

 そう考えながら、仕事の続きをするために食堂へと戻るのだった。

 

 

 

 

 

 

 その後、戻ったは良いが居なくなったのを誤魔化すために休憩時間としてくれていたためにお昼ご飯抜きになってテンションがダダ下がりになる俺。

 古村崎ぬっ殺したくなってきたんだけど良いかな……?

 食べ物の恨みは怖いのです。

 

 




いかがだったでしょうか?

まぁ、お察しの通り古村崎が出てくる回でしたw
某国使節とかも考えたんですが、間に通訳が入らないといけないと思うとコミュニケーションの取り方がシュールすぎるので中止に……。
それにどうにか懐柔しようとしてる人間が双子龍の為とはいえコウジュに喧嘩を売りはしないかなって理由もあります。
ちなみに、案内中に双子龍とコウジュが仲良くしてる姿を古村崎が見てなかったのは他の荒探しをしていたからなんて理由があったり。

そんなわけで、造語であるマスゴミってのを体現したような存在な古村崎ですが、今回は特に何もなくフェードアウトしました。
皆さまにはモヤっとしたものが残ったと思います。申し分けないです。
ただ、勿論そのままでは終わりません。

そのうち……ね?(満面の笑み


さてさて、今回はこんなところで終わりましょう。
また次回も呼んでいただけると嬉しいです!
ではでは!!


P.S.1
今回もセガくじ引きに行きました。
出遅れてほとんどの店が無かったのですが、何とか搬入遅れの所に間に合い、一番に引けました。ラッキーです。

とりあえず、次の方たちの為に下の方の賞は処理しておいたので良いの当たる確率上がりましたよ!!(血涙


P.S.2
リアル事情で次回の更新が遅れるかもです。
年度初めで色々立て込んでありまして……。
失踪する訳ではないのでごゆるりと待ち頂ければと思います。

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